有価証券報告書-第34期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/30 15:47
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の影響など先行き不透明な状況が続く中、雇用情勢は改善が続き個人消費は緩やかな回復基調にありました。欧米経済も同様な状況の中、個人消費は堅調に推移しました。しかしながら、年明け以降は新型コロナウイルス感染症の拡大が世界経済に与える影響により、更に不透明な状況が続いております。
当社グループに関係するデジタル家電業界は、パソコン市場において基本ソフトのサポート保守終了需要により法人向け市場・個人向け市場ともに好調に推移しました。薄型テレビ市場は低価格化を背景に4K及び有機ELテレビへの買い替えと消費税増税前の駆け込み需要の効果で好調に推移し、増税後も反動は少なく安定しました。スマートフォン・タブレット市場は今まで一巡感が見えていましたが、タブレット市場は好調に転じました。しかしながら周辺機器市場においては競争の激化により低価格化が進みました。一方、生めん業界では、家庭用チルドめん市場は天候不順や食の外部化の進行などによる影響があるものの、商品の価格改定の影響や新型コロナウイルス感染症拡大防止による家庭内食機会の拡大などもあり微増しました。業務用冷凍めん市場については人手不足を背景にしたオペレーション簡素化の需要がある中、消費増税に加えて働き方改革による外食の営業時間短縮などが影響を及ぼし前年並みに推移しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ98億5百万円減少し、788億70百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ32億98百万円減少し、306億9百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ65億7百万円減少し、482億60百万円となりました。
b.経営成績
当社グループは、外的環境の変化に耐えうる強固な事業ポートフォリオの構築を目指し経営を推し進めました。IT関連事業においては、競争の激化する周辺機器市場に対応するため高付加価値商品の販売強化、サービス分野の売上拡大に努めながら、積極的に主力商品の販売活動に注力しました。一方、食品事業においては、健康・簡便・個食志向に対応した商品の販売強化を図り、「流水麺」「健美麺」や業務用冷凍麺の売上拡大に努めました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,148億88百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益41億37百万円
(同30.6%減)、経常利益49億14百万円(同24.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益31億39百万円(同
17.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は104億44百万円となりました。キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は65億49百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益45億63百万円、減価償却費25億69百万円、たな卸資産の増加による資金減少26億24百万円、仕入債務の増加による資金増加18億48百万円、法人税等の支払い17億11百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果増加した資金は122億57百万円となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得による支出206億25百万円、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入332億43百万円、有形・無形固定資産の取得による支出16億58百万円、事業譲渡による収入10億70百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は154億69百万円となりました。これは主に、短期借入金の純減額50億円、長期借入金の返済による支出10億74百万円、自己株式の取得による支出83億2百万円、配当金の支払10億92百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
生産高(百万円)前年同期比(%)
IT関連60,91895.7
食 品22,04989.5

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
販売高(百万円)前年同期比(%)
IT関連78,557111.0
食 品34,69096.6
金 融1,64071.1
その他130.7
合計114,888105.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
ダイワボウ情報システム
株式会社
13,25912.214,88413.0
Amazon.com Int'l Sales, Inc.11,67010.714,57912.7

(注)本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収入・費用に影響を与える見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
[流動資産]
当連結会計年度末の流動資産の残高は、606億97百万円となり、65億32百万円減少しました。これは主に、有価証券の減少124億円、現金及び預金の増加34億28百万円、商品及び製品の増加13億48百万円、原材料及び貯蔵品の増加12億76百万円によるものです。
[固定資産]
当連結会計年度末の固定資産の残高は、181億73百万円となり、32億72百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の減少18億11百万円、投資その他の資産の減少13億74百万円によるものです。
[流動負債]
当連結会計年度末の流動負債の残高は、254億8百万円となり、31億2百万円減少しました。これは主に、短期借入金の減少50億円、未払費用の減少3億57百万円、支払手形及び買掛金の増加19億13百万円、未払金の増加4億21百万円によるものです。
[固定負債]
当連結会計年度末における固定負債の残高は、52億1百万円となり、1億95百万円減少しました。これは主に、長期借入金の減少8億99百万円、退職給付に係る負債の増加1億73百万円、その他固定負債の増加4億92百万円によるものです。
[純資産]
当連結会計年度末における純資産の残高は、482億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ65億7百万円減少しました。これは主に、自己株式の取得による減少82億19百万円、退職給付に係る調整累計額の減少1億46百万円、利益剰余金の増加20億54百万円によるものです。
2)経営成績
当連結会計年度のセグメント別の業績は次のとおりであります。
IT関連事業
法人向け市場においては、情報システム担当者の働き方改革と人手不足を解消するリモート管理サービス「キキNavi」を法人向けWi-Fi※1関連商品「AirStation Pro」や大容量NAS「TeraStation」を対象に提供し、サポートレベルの向上・効率化を推し進めました。一方、個人向け市場においては家庭用Wi-Fi 6ルーターとして世界初※2の認定を受けた「AirStation」を発売する等、高付加価値商品の拡販に努めました。また、3月はテレワークに必要なWEBカメラやヘッドセット、Wi-Fi関連商品など需要増がありました。しかしながら、全般的には周辺機器市場の競争激化により単価下落を余儀なくされ、販売台数は前年を超えたものの利益は減少しました。
サービス分野においては「バッファロー正規データ復旧サービス」で誤操作によるファイル削除などのデータを復元する「うっかり削除の復元プラン」メニュー追加や、新横浜に復旧センターを開設するなどサービス拡充を図り受付件数が累計2万5千件を超えました。賃貸集合住宅向けWi-Fiインターネットサービス「アパートWi-Fi」は
計導入戸数が9万戸を超えたものの、サービス体制のコストが先行しました。
その結果、売上高785億57百万円(前年同期比11.0%増)、セグメント利益27億38百万円(同28.3%減)となりました。
食品事業
販売面では家庭用は夏の天候不順や暖冬の影響などによる季節商品の伸び悩みと不採算商品の見直しにより減少しました。その一方で「健美麺」ブランドとしてチルドめん市場初※3となる食後の血糖値上昇を抑える機能性表示食品を発売。従来の食塩ゼロ・糖質40%カット商品を同ブランドへ統合し販売強化に努めました。業務用は外食を中心に学校・事業所給食などへの取り組みを強化したこともあり堅調に推移しました。利益面では、原材料価格や物流費などの高騰が続いていたものの、2019年3月より行った商品価格改定や不採算商品の見直し、経費の削減等の効果があらわれました。
その結果、売上高346億90百万円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益19億90百万円(同73.6%増)となりました。
金融事業
難しい運用環境が続き、売上高16億40百万円(前年同期比28.9%減)、セグメント利益5億70百万円(同57.3%減)となりました。
※1:Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
※2:2019年10月5日(認定取得日)時点、弊社調べ
※3:2019年5月、弊社調べ
3)資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要は主に、商品及び原材料仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期性の資金需要は、設備投資、システム投資及び更なる成長に向けたM&Aを含む成長投資等によるものであります。
運転資金及び長期性資金は、主に営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。また、グループの資金は、当社にて一括運用・調達を行うことにより、グループの資金効率の向上を図っております。
4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債および当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
主な経営指標
2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期
流動比率(%)273.6305.9235.8238.9
固定比率(%)20.220.339.237.7
自己資本比率(%)66.370.461.761.2
売上高営業利益率(%)7.57.45.53.6
売上高経常利益率(%)8.78.86.04.3
売上高当期純利益率(%)5.97.13.52.7
自己資本当期純利益率
(ROE)
(%)9.811.16.96.1
総資本経常利益率
(ROA)
(%)9.79.67.45.9
従業員1人当たり売上高(百万円)96845963
従業員1人当たり当期純利益(百万円)5621

(注)「当期純利益」は「親会社株主に帰属する当期純利益」を使用しております。