有価証券報告書-第35期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/28 14:34
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本及び世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動は極めて厳しい環境で推移しました。景気の先行きについては、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種開始による回復への期待が高まっているものの、感染再拡大により2021年1月には2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、先行きの不透明感は一層強まってまいりました。
当社グループに関係するデジタル家電業界は、個人向け市場においては、新型コロナウイルス感染症に伴う外出自粛及びテレワークの拡大により、パソコン周辺機器が需要増となりました。法人向け市場においては、企業の設備投資姿勢が慎重化し市場は縮小しました。一方、生麺業界では、家庭用チルド麺・冷凍麺市場は、外出自粛に伴う家庭内食機会の増加や消費者の手作り志向の高まりもあり拡大しました。しかしながら、業務用冷凍麺市場は、消費者の外食自粛、テレワークの定着等の影響を受け縮小しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ69億32百万円増加し、858億2百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ29億99百万円増加し、336億9百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ39億32百万円増加し、521億93百万円となりました。
b.経営成績
こうした状況下で、IT関連事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る政府方針に全面的に協力する基本指針を策定し、全社的にテレワークの実施、オフィス内での分散勤務、遠隔会議システムの利用など業務継続を確保するための対策を継続し、安定した商品供給と主力商品の積極的な販売活動に努めました。また、食品事業においても、感染防止対策を徹底の上、家庭用の需要増加に対する商品の安定供給と、コロナ禍で高まった消費者の健康志向に対応した商品や家庭用市場において特に拡大している生ラーメン・焼そばなどの販売拡大に努めました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,299億12百万円(前年同期比13.1%増)、営業利益88億48百万円(同113.9%増)、経常利益90億71百万円(同84.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益66億25百万円(同111.1%増)となりました
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は295億62百万円となりました。キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は112億66百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益88億55百万円、減価償却費23億95百万円、未払消費税の増加による資金増加6億95百万円、未払金の増加による資金増加6億42百万円、法人税等の支払16億95百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果増加した資金は122億35百万円となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得による支出73億76百万円、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入212億14百万円、有形・無形固定資産の取得による支出15億79百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は44億41百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出8億99百万円、自己株式の取得による支出25億42百万円、配当金の支払10億2百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
生産高(百万円)前年同期比(%)
IT関連72,263118.6
食 品19,76889.7

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
販売高(百万円)前年同期比(%)
IT関連97,929124.7
食 品31,19589.9
金 融78547.9
その他199.1
合計129,912113.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Amazon.com Int'l Sales, Inc.14,57912.717,85313.7
ダイワボウ情報システム
株式会社
14,88413.016,63412.8

(注)本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収入・費用に影響を与える見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
[流動資産]
当連結会計年度末の流動資産の残高は、677億59百万円となり、70億62百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加191億18百万円、商品及び製品の増加14億22百万円、受取手形及び売掛金の増加7億10百万円、有価証券の減少139億13百万円、原材料及び貯蔵品の減少15億11百万円によるものです。
[固定資産]
当連結会計年度末の固定資産の残高は、180億42百万円となり、1億30百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の減少8億48百万円、投資その他の資産の増加7億82百万円によるものです。
[流動負債]
当連結会計年度末の流動負債の残高は、291億60百万円となり、37億51百万円増加しました。これは主に、未払法人税等の増加16億17百万円、未払費用の増加11億96百万円、未払金の増加6億32百万円、賞与引当金の減少3億99百万円によるものです。
[固定負債]
当連結会計年度末における固定負債の残高は、44億49百万円となり、7億51百万円減少しました。これは主に、長期借入金の減少8億99百万円、役員退職慰労引当金の減少96百万円、退職給付に係る負債の増加2億52百万円によるものです。
[純資産]
当連結会計年度末における純資産の残高は、521億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ39億32百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の獲得66億25百万円、その他有価証券評価差額金の増加7億9百万円、自己株式の取得25億42百万円、剰余金の配当10億2百万円によるものです。
2)経営成績
当連結会計年度のセグメント別の業績は次のとおりであります。
IT関連事業
主力とするパソコン周辺機器市場において、個人向け市場はコロナ禍によるテレワーク・巣ごもり娯楽・遠隔学習による個人需要の拡大、法人向け市場は文部科学省GIGAスクール構想による小中学校へのWi-Fi※1関連商品の導入促進により販売数量は増加したものの、価格競争の激化により非常に厳しい収益環境となりました。また、賃貸集合住宅向けWi-Fiインターネットサービス「アパートWi-Fi」は累計導入戸数10万戸を超えたものの対面による営業活動の自粛を継続したため新規導入戸数は苦戦しました。
一方、当社グループ会社が国内代理店を担っている高性能空気清浄機「Airdog」やAMD社製CPU「RYZEN」※2の販売好調が大きく利益貢献し、代理店ビジネスの拡大を図ることができました。「バッファロー正規データ復旧サービス」においても緊急事態宣言発出により一時的に受付件数が減少しましたが、感染防止対策のためWebによる受付を活用し受付件数が累計3万7千件を超えて順調に推移いたしました。
その結果、売上高979億29百万円(前年同期比24.7%増)、セグメント利益79億63百万円(同190.7%増)となりました。
食品事業
販売面では、家庭用は家庭内食機会の増加により3食入り商品、「もみ打ち」・「鉄板麺」・「健美麺」等のブランド商品及び家庭用冷凍麺が拡大しましたが、主力商品の「流水麺」の縮小や不採算商品の見直しにより売上は減少しました。業務用も外食自粛や外食店の休業、営業時間の短縮等の影響を受け売上は減少となりました。利益面では、広告販促費をはじめとするあらゆる経費の削減や生産工場での効率化・ロス削減を徹底し、利益の確保に努めました。
その結果、売上高311億95百万円(前年同期比10.1%減)、セグメント利益21億87百万円(同9.9%増)となりました。
金融事業
難しい運用環境が続き、売上高7億85百万円(前年同期比52.1%減)、セグメント損失63百万円(前年同期はセグメント利益5億70百万円)となりました。
※1:Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
※2:AMD、Ryzen及びこれらの組み合わせは、Advanced Micro Devices,Inc.の商標です。
3)資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要は主に、商品及び原材料仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期性の資金需要は、設備投資、システム投資及び更なる成長に向けたM&Aを含む成長投資等によるものであります。
運転資金及び長期性資金は、主に営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。また、グループの資金は、当社にて一括運用・調達を行うことにより、グループの資金効率の向上を図っております。
4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債および当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
主な経営指標
2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
流動比率(%)305.9235.8238.9232.4
固定比率(%)20.339.237.734.6
自己資本比率(%)70.461.761.260.8
売上高営業利益率(%)7.45.53.66.8
売上高経常利益率(%)8.86.04.37.0
売上高当期純利益率(%)7.13.52.75.1
自己資本当期純利益率
(ROE)
(%)11.16.96.512.7
総資本経常利益率
(ROA)
(%)9.67.46.210.6
従業員1人当たり売上高(百万円)84596369
従業員1人当たり当期純利益(百万円)6213

(注)「当期純利益」は「親会社株主に帰属する当期純利益」を使用しております。