有価証券報告書-第121期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 13:26
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、株式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載しております。
(2) 経営成績
経営を取り巻く経済環境
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、多大なる影響を被りました。
当社グループのメイン市場であるオフィスにおいても、各国政府によるロックダウン(都市封鎖)や経済活動に対するさまざまな規制・要請により、オフィスの出社率が大幅に落ち、プリンティングの需要が大きく減少しました。また、米中貿易摩擦の長期化や各地域における地政学的リスクも先行きの不透明感が大きく、米国の港湾物流の滞留や半導体の供給不足懸念などグローバルサプライチェーンに対するリスクの増大も顕著になっています。
なお、当連結会計年度の主要通貨の平均為替レートは、対米ドルが 106.05円(前年度に比べ 2.75円の円高)、対ユーロが 123.70円(同 2.80円の円安)となりました。
そのような経済情勢の中で、当社グループの主力製品である複合機をはじめとする事務機器は、前連結会計年度に引き続き新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、先進国及び新興国において大きく需要が減少しました。第3四半期には回復傾向が見えましたが、世界的な感染再拡大の動きも影響し、企業における消耗品需要も減少となりました。
一方で、リモートワークをはじめとする新たな働き方は、オフィス・教育をはじめとするさまざまな現場で受け入れられ、既にニューノーマルとなりつつあります。こうした大きな変化を捉え、リコーはオフィス・現場で需要が急拡大しているデジタルトランスフォーメーションの実現をお手伝いすることで、変わりゆくお客様の“はたらく”に変わらず寄り添い続けます。
当連結会計年度の業績
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の中でスタートした当連結会計年度を「危機対応」と「変革加速」の1年と位置付け、①業績変動に備えた手元流動性の確保、②財務安定性の向上、そして③アフターコロナを見据えた変革加速を進めてきました。
当連結会計年度の連結売上高は、前連結会計年度に比べ 16.3%減少し、16,820億円となりました。オフィスプリンティング分野では、ロックダウンや行動自粛により販売活動が制約された影響でハードウエアの売上高が減少したことに加え、欧米を中心に顧客のオフィス出社率が低下したことにより、ノンハードの売上も減少しました。これらの影響は4月~5月をピークに6月以降は、緩やかな回復傾向に留まっています。さらにリコーリース株式会社(以下、リコーリース)の株式譲渡に伴う連結子会社から持分法適用会社への移行による売上高の減少もあり、前連結会計年度に比べ大幅な減収となりました。
地域別では、国内は企業のリモートワーク推進に伴いオンライン需要は増加したものの、前連結会計年度のIT機器需要が一巡したことに加え、行動自粛による商談機会が減少したことによるハードウエアの売上高減少、及びオフィスでのプリント需要の低下によるノンハードの売上高減少を受け、国内売上高全体で前連結会計年度に比べ 13.7%の減少となりました。
米州においてはロックダウンや行動規制に伴う販売・納品活動の停滞、お客様のオフィスクローズによるドキュメントボリュームの低下等により、オフィスプリンティング分野を中心に売上高が減少し、前連結会計年度に比べ 27.6%の減少となりました。欧州・中東・アフリカにおいては前連結会計年度からの買収等も含めた販売・サービス体制の強化によりITサービス等の売上が拡大しオフィスサービス分野が成長したものの、オフィスプリンティング分野では米州と同様に売上高が減少し、前連結会計年度に比べ 9.9%の減少となりました。
その他地域は、主にオフィスプリンティング分野の減収により、前連結会計年度に比べ 10.0%の減少となりました。
以上の結果、海外売上高全体では前連結会計年度に比べ 18.2%の減少となりました。
売上総利益は、前連結会計年度に比べ 20.7%減少し 5,723億円となりました。オフィスプリンティング分野において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた商談機会の減少等による販売台数減少、消耗品等ノンハードの売上減少等の影響を受けました。また、その他分野において、リコーリースの株式譲渡に伴う連結子会社から持分法適用会社への移行による影響等もあり、前連結会計年度比減益となりました。
販売費及び一般管理費は、商用印刷分野等において有形固定資産及び無形資産等の減損損失 248億円の計上があったものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえて、経費削減の緊急対策を実施したことや、売上に連動して発生する経費が減少した結果、前連結会計年度に比べ 5.9%減少し 6,197億円となりました。
なお、「危機対応」と「変革加速」の施策として、ワークスタイル変革に伴う経費施策や開発テーマの見直し、本社業務プロセスのデジタル化、地域特性に合わせたサービス事業の展開や新たな働き方に対応する商品・サービスの投入などを進め、その効果として 991億円*を創出することができました。
のれんの減損は、商用印刷分野等におけるのれんの減損損失 37億円となります。
以上の結果、営業損益は、「危機対応」と「変革加速」の施策による利益創出が予定以上に進んだものの、新型コロナウイルス感染症による事業影響を大きく受け、前連結会計年度に比べて 1,244億円減少し、 454億円の損失となりました。また、体質強化関連費用、生産再編費用、減損損失や政府支援金などの特殊要因を除く実質的な営業損益は、当連結会計年度は 108億円の損失となります。この実質的な営業損益は、上期が 315億円の営業損失であったことに対して、下期は、新型コロナウイルス感染症による影響からの回復が進んだことに加え、体質強化やオフィスサービス分野の伸長により、207億円の営業利益と黒字へ転換しており、着実に回復しています。
金融収益及び金融費用は、為替差益の増加等により、前連結会計年度に比べて金融収支が改善しました。また、持分法による投資損益は、リコーリースの非連結化に伴い、前連結会計年度に比べ増加しました。
営業外収益は増加したものの、税引前損益は 410億円の損失となり、前連結会計年度に比べて 1,169億円減少しました。
法人所得税費用は税引前損益が大幅に減少したこと等により、前連結会計年度に比べて 398億円減少しました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期損益は 327億円の損失となり、前連結会計年度に比べて 722億円減少しました。
当期包括利益は、在外営業活動体の換算差額や確定給付制度の再測定の増加等により、前連結会計年度に比べ 89.9%増加し、220億円となりました。
*政府支援金に伴う経費削減効果を含みます。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (単位:百万円)
前連結会計年度
自 2019年4月1日至 2020年3月31日
当連結会計年度
自 2020年4月1日至 2021年3月31日
増減
金額(%)金額(%)金額(%)
オフィスプリンティング分野売上高計1,013,055100.0815,895100.0△197,160△19.5
営業損益82,5768.26,7360.8△75,840△91.8
オフィス
サービス分野
売上高計557,191100.0532,307100.0△24,884△4.5
営業損益32,6925.935,4056.72,7138.3
オフィス分野売上高計1,570,246100.01,348,202100.0△222,044△14.1
営業損益115,2677.342,1413.1△73,126△63.4
商用印刷分野売上高計178,396100.0134,661100.0△43,735△24.5
営業損益21,60612.1△14,657△10.9△36,263-
産業印刷分野売上高計23,006100.024,689100.01,6837.3
営業損益△5,428△23.6△1,688△6.83,740-
サーマル分野売上高計61,896100.056,874100.0△5,022△8.1
営業損益3,0695.02,6914.7△378△12.3
その他分野売上高計202,564100.0138,312100.0△64,252△31.7
外部顧客向け175,036117,643△57,393△32.8
営業損益△4,288△2.1△22,456△16.2△18,168-

a. オフィスプリンティング分野
オフィスプリンティング分野は、2017年度以降、利益重視の戦略に転換し、体制の最適化を図りながら、新たな提供価値を創出することで、収益力強化に取り組んできました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい事業環境が継続することも念頭に置きながら、開発テーマの見直し、生産拠点の最適化も含めたデジタルマニュファクチャリングの強化、販売・サービスオペレーションの生産性向上など、バリューチェーンの徹底した効率化を進めました。特に、ダウンタイムの大幅な低減によるサービス効率化を実現する新世代複合機「RICOH IM」シリーズの新製品として、2020年5月に高速デジタルフルカラー複合機「RICOH IM C8000/C6500」、2021年1月に高速デジタルモノクロ複合機「RICOH IM9000/8000/7000」を発売し、主要複合機ラインアップの新世代化をほぼ完了しました。今後は市場稼働機の増加によってさらなるサービス効率化が期待できます。
さらに、これら新世代複合機の生産時の電力は100%再生可能エネルギーを活用しており、事業拡大と環境負荷低減の両立を図っています。加えて、これらの複合機は、お客様の業種・業務に合わせたアプリケーションやクラウドサービスと組み合わせたパッケージ型の販売展開によって、新たな顧客価値を創出しています。
当連結会計年度のオフィスプリンティング分野の売上高は、前連結会計年度に比べ 19.5%減少し 8,158億円となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、年間を通じロックダウンや行動規制に伴う販売・納品活動の停滞、欧米を中心としたオフィス出社率低下によるドキュメントボリューム減少などの影響を受け、ハードウエアや関連消耗品などの売上高が減少しました。営業利益は、オペレーションの効率化によるコスト削減が進んだ一方で、売上高減少に伴う売上総利益の減少、恒久的な体質強化に向けた施策費用の計上に加え、前連結会計年度に一過性の収益が含まれていたこともあり、前連結会計年度 825億円から、当連結会計年度は 67億円と大幅な減益となりました。営業損益は、上期は大幅な減収により赤字となりましたが、下期に徐々に回復が進み、通期では黒字で着地させることができました。
b. オフィスサービス分野
オフィスサービス分野は、全世界に広がる顧客基盤をベースに、お客様の働き方改革を支援するソリューションの提供など、お客様の様々な経営課題をデジタルで解決するサービスの提供を通じた事業成長を目指しています。
当連結会計年度は、国内では、中小企業のお客様を中心に、在宅勤務やリモートワークの導入など、お客様の業種・業務ごとのワークフローをデジタル化するIT機器・ソフトウエア・サービスが一体となったパッケージ型ソリューションの拡販を進めました。欧州では、重点国でのITサービスの販売やサービス基盤の強化・拡大に向けてICT企業5社の買収を行うとともに、在宅・リモートワーク向けを中心にパッケージ型ソリューション販売の本格展開を開始し、売上高を大きく伸長させることができました。加えて、前連結会計年度に買収したドキュウェア社のドキュメントワークフロー管理アプリケーションの販売も大幅に増加しました。北米では、事業の中心であるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)が、新型コロナウイルス感染症によるお客様の拠点閉鎖の影響を受け減収となったものの、業務プロセスのデジタル化を進めました。
当連結会計年度のオフィスサービス分野の売上高は、前連結会計年度に比べ 4.5%減少し 5,323億円となりました。パッケージ型ソリューションなどのITサービス・アプリケーションが増収となったものの、前連結会計年度のWindows10切り替え需要の反動減からITハードが減収となりました。営業利益は、パッケージソリューションの売上拡大により収益性の改善が進展し、前連結会計年度 326億円から、当連結会計年度は 354億円と前連結会計年度比増益となりました。また、営業利益率も前連結会計年度の 5.9%から 6.7%と改善しており、OAメーカーから「デジタルサービスの会社」への転換を着実に進めることができました。
c. 商用印刷分野
商用印刷分野は、高画質や高生産性、幅広い用紙への対応力のみならず、新たなビジネスを切り開く付加価値の高い印刷物の生産に加えて、新型コロナウイルス感染症拡大によって、需要の変動にフレキシブルに対応できるデジタル出力へのニーズが高まっており、今後の市場拡大が見込まれます。こうした商用印刷のお客様ニーズにお応えしながら、お客様のビジネス成長に貢献することで、事業の拡大を図っています。
当連結会計年度は、商用印刷のお客様に向けて、2020年5月にカラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5310S/C5300S」、トランザクション市場のお客様に向けて、2021年1月に高速インクジェット・プリンティング・システム「RICOH Pro VC40000」を発売し販売を推し進めました。「RICOH Pro C5310S/C5300S」は、多彩かつ効率的な印刷物の制作を可能にし、印刷業におけるプリントオンデマンドビジネスの可能性を広げます。「RICOH Pro VC40000」は、基幹業務印刷において要求される生産性や用紙対応力、システム構成の柔軟性を強化しました。
当連結会計年度の商用印刷分野の売上高は、前連結会計年度に比べ 24.5%減少し 1,346億円となりました。これは、主力市場の欧米で新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業活動の制約による商談延期やお客様の投資意欲減退などの影響によるハードウエア販売の減少と、経済活動の低下による商用印刷の出力量の減少などによります。なお、第2四半期以降、お客様のイベント、事業活動の再開による印刷需要の増加により消耗品などの売上高は徐々に回復傾向となっています。営業利益は、基幹系プリンターの関連消耗品などの減収による売上総利益の減少などに加え、開発資産等の固定資産の減損損失を計上したことにより、前連結会計年度の 216億円から、当連結会計年度は 146億円の損失となりました。なお、減損損失を除いた営業利益は 118億円となります。
d. 産業印刷分野
産業印刷分野は、耐久性に優れ、さまざまなインクへ対応できるリコーのインクジェットヘッドを核として、産業向けの新たな市場・お客様の獲得を目指しています。インクジェットプロセスによる産業印刷のデジタル化は、テキスタイル業界の課題であったアナログ捺染による排水汚染や過剰生産による在庫破棄などの環境負荷の大幅な低減にも貢献します。
当連結会計年度は、前連結会計年度に発売したインクジェットヘッドの拡販に取り組みました。さらに、2021年3月、サインディスプレイ市場に向けた新製品を2機種発売し、さらなる事業拡大に向け、産業プリンターのラインアップ拡大を進めました。UVインク対応の大判フラットベッドプリンター「RICOH Pro TF6251」は、オリジナルデザインニーズのある内装建材や家具をはじめとしたインテリア分野にもインクジェットの可能性を広げます。また、ラテックスインク対応の大判インクジェットプリンター「RICOH Pro L5160e/L5130e」は、屋内外のサインディスプレイや壁紙市場において、多品種少量や短納期へのニーズに柔軟に対応する製品・サービスを提供します。
当連結会計年度の産業印刷分野の売上高は、前連結会計年度に比べ 7.3%増加し 246億円となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、欧米のお客様向けのインクジェットヘッドの販売が減少した一方で、主力市場である中国でのインクジェットヘッドの販売が回復したことに加え、米国で産業プリンターの販売が拡大したことなどによります。営業損益は、事業成長に向けた製品開発経費の増加等により、当連結会計年度は 16億円の損失となりました。しかしながら、第4四半期には黒字転換するなど、前連結会計年度から 37億円の利益改善となります。

e. サーマル分野
サーマル分野は、eコマースの拡大による荷札ラベルへのニーズが全世界的に拡大するなど、需要が堅調に拡大する中で、当社グループが長年培ってきた材料技術などを活かし、耐熱性、耐擦過性、印字精細性、保存性などに優れたサーマルペーパーやリボンなどを提供し、事業を着実に拡大しています。また、独自に開発したレーザーにより非接触でラベルの書き換えを可能にした「リライタブル レーザーシステム」など新たな価値提供の拡大にも取り組んでいます。
当連結会計年度は、中国市場での競争激化や、ラベルサイズ縮小などの顧客ニーズの変化に対応するために、製品の供給拡大とともに原価低減に取り組みました。また、剥離紙のない環境型製品の提供などによる新たなお客様・用途の開拓を進めました。さらに、2020年8月に世界最速*1で可変画像印字が可能な高出力*2レーザーマーカーを開発しました。これにより、大量生産ラインの速度で個別に異なる画像の印字が可能になり、さまざまな生産ラインでの活用が期待されます。
当連結会計年度のサーマル分野の売上高は、前連結会計年度に比べ 8.1%減少し 568億円となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるロックダウンや自粛を受けてイベント・交通チケットの需要が低迷したこと、eコマース需要が増加したもののラベル面積縮小したこと等により売上が減少しました。営業利益は、供給安定化による原材料価格の低下や工程改善による原価率低減を進めたことにより、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による売上高減少を補い、前連結会計年度の 30億円から、当連結会計年度は 26億円と前連結会計年度比でわずかな減益にとどめました。
*1 世界最速で可変画像印字が可能な高出力レーザーマーカー:当社調べ 2020年8月19日現在
*2 レーザーマーカーとしては世界最高出力となる2000Wのレーザー:当社調べ 2020年8月19日現在
f. その他分野
その他分野において、産業プロダクツでは、安全運転支援システムの普及が進む自動車業界への光学デバイスの提供をはじめとして顧客基盤の拡大を図っています。また、Smart Visionでは、リコーの強みであるキャプチャリング技術や画像処理技術を活かした360°カメラと物件案内をバーチャルに行うアプリケーションを不動産業界に提供し、好評をいただいています。
当連結会計年度は、産業プロダクツではオートモーティブ事業中心に自動運転・高度運転支援を実現する製品の拡販を進めました。Smart Visionでは、THETA 360.biz オフィシャルパートナープログラムを開始しました。さらにAI(人口知能)が360°パノラマ画像にCG(コンピューターグラフィックス)家具を自動で配置する「AIステージングβ版」の提供を開始しました。物件の検討者に、より豊かな居住イメージを持っていただくことで、不動産物件の訴求力アップを支援します。
当連結会計年度のその他分野は、主にリコーリースの持分法適用会社への移行により売上高および営業利益が減少しました。売上高は、前連結会計年度に比べ 32.8%減少し 1,176億円となりました。営業損益は、224億円の損失となりました。
セグメント主な製品・サービス
オフィスプリンティング分野複合機・複写機・プリンター・印刷機・広幅機・FAX・スキャナ等機器、関連消耗品・サービス・サポート・ソフトウエア等
オフィスサービス分野パソコン・サーバー・ネットワーク関連機器、関連サービス・サポート・ソフトウエア、ドキュメント関連サービス・ソリューション等
商用印刷分野カットシートPP(プロダクションプリンター)・連帳PP等機器、関連消耗品・サービス・サポート・ソフトウエア等
産業印刷分野インクジェットヘッド・作像システム・産業プリンター等
サーマル分野サーマルペーパー、サーマルメディア等
その他分野産業用光学部品・モジュール、電装ユニット、精密機器部品、デジタルカメラ、3Dプリント、環境、ヘルスケア、金融サービス等

(注) 当連結会計年度よりオフィスサービス分野の一部の事業について、オフィスプリンティング分野、その他分野へ事業区分変更を行いました。また、一部の本社費用を該当分野へ配賦を行っております。これらの変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりです。
① 生産実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
事業の種類別セグメントの名称前連結会計年度
(自2019年4月1日 至2020年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自2020年4月1日 至2021年3月31日)
(百万円)
前連結会計年度比
(%)
オフィスプリンティング分野998,839816,389△18.3
オフィスサービス分野---
オフィス分野998,839816,389△18.3
商用印刷分野153,212111,629△27.1
産業印刷分野22,92222,9470.1
サーマル分野56,80252,629△7.3
その他分野155,552103,586△33.4
合計1,387,3271,107,180△20.2

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度よりオフィスサービス分野の一部の事業について、オフィスプリンティング分野、その他分野へ事業区分変更を行いました。これらの変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
② 受注実績
当社グループは見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。
③ 販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
事業の種類別セグメントの名称前連結会計年度
(自2019年4月1日 至2020年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自2020年4月1日 至2021年3月31日)
(百万円)
前連結会計年度比
(%)
オフィスプリンティング分野1,013,055815,895△19.5
オフィスサービス分野557,191532,307△4.5
オフィス分野1,570,2461,348,202△14.1
商用印刷分野178,396134,661△24.5
産業印刷分野23,00624,6897.3
サーマル分野61,89656,874△8.1
その他分野175,036117,643△32.8
合計2,008,5801,682,069△16.3

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の主要な相手先はありませんので、記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 当連結会計年度よりオフィスサービス分野の一部の事業について、オフィスプリンティング分野、その他分野へ事業区分変更を行いました。これらの変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
(3) 財政状態
資産合計は、前連結会計年度末に比べ 9,797億円減少し 18,878億円となりました。
2020年3月にリコーリースの普通株式の一部をみずほリース株式会社(以下、みずほリース)へ譲渡する株式譲渡契約を締結したことに伴い、前連結会計年度において、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に基づき、リコーリース及びその子会社が所有する資産及び負債を売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債に組替えています。2020年4月23日、当社が保有するリコーリース株式の一部についてみずほリースへの譲渡が完了しました。本株式譲渡によって、リコーリースに対する当社の議決権所有割合は 33.7%となり、リコーリースは、当社の連結子会社から持分法適用関連会社となりました。そのため、売却目的で保有する資産が減少した一方、残存保有投資の計上により、持分法で会計処理されている投資が増加しました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 8,951億円減少し 9,640億円となりました。新型コロナウイルス感染症拡大による事業環境悪化リスクに備えた調達等により社債及び借入金が増加した一方、リコーリース株式の一部譲渡に伴い、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が減少しました。
資本合計は、前連結会計年度末から 846億円減少し、9,238億円となりました。2021年3月3日開催の取締役会において決議した自己株式の取得を実施したことに加え、リコーリースが当社の連結子会社から持分法適用関連会社となったことに伴い、非支配持分が減少しました。
親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ 1億円減少し 9,202億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は 48.7%と引き続き安全な水準を維持しています。
当社グループは、収益力強化と積極的な投資による新しい事業の成長を実現し、資本コストを上回るリターンの実現を図るとともに、持続的な企業価値の向上を目指しています。
当連結会計年度は、資本収益性を意識した経営を進める中で、リコーリースの非連結化により資産を圧縮し、総資産回転率の向上を図るとともに、有利子負債の削減による株主資本比率を改善しました。また、新型コロナウイルス感染症による不透明な状況の中で、事業継続を最優先し、不測の事態に備えた手元流動性の確保を行いました。その後、「危機対応」と「変革加速」の施策を進め、下期には事業の回復とオフィスサービスを中心とした事業成長の手応えを得ることができました。そして、今後の中期的な成長へ向け、2021年3月に資本政策を含む第20次中期経営計画を定め、それに基づいて、2020年3月に公表していた 1,000億円の追加株主還元方針に基づく自己株式の取得を実行に移し、資本収益性を高めるための資本の最適化を進めました。
第20次中期経営計画の最終年度である2022年度にはROE9%以上を、2025年度には10%を超える水準を継続的に創出できる経営体質の実現を目指しています。
(4) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 102億円増加し 1,269億円の収入となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により当期損失を計上したものの、営業債権及びその他の債権の減少やリース債権の減少等により、収入額が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 1,010億円減少し 635億円の支出となりました。前連結会計年度は、デジタルビジネスの拡大に向けたドキュウェア社の買収実施等により支出が増加した一方、当連結会計年度は、リコーリース株式の一部譲渡に伴う一過性の現金収入や、リコーリースが当社の連結子会社から持分法適用関連会社となったことに伴う設備投資の減少等があり、投資活動全体では支出が大幅に減少しました。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 1,112億円増加し 634億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 798億円減少し 40億円の支出となりました。前連結会計年度はファイナンス事業の拡大に伴う関連子会社による調達が増加した一方、当連結会計年度は2021年3月3日開催の取締役会において決議した自己株式の取得を実施したこと等に伴い、支出が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ 666億円増加し 3,303億円となりました。
当社グループでは、基盤事業の収益力強化によってキャッシュを創出し、創出したキャッシュを新しい事業に対して積極的に投資することにより、事業構造の転換と中長期的な成長の実現を目指しています。第20次中期経営計画を発表し、2025年度までの5年間で累積営業キャッシュ・フロー 6,000~7,000億円*1の創出を目指しています。
*1 第20次中期経営計画の対象は2021~2022年度ですが、将来の展望として2025年度の目標を設定しています。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
親会社所有者帰属持分比率37.8 %34.4 %34.2 %32.1 %48.7 %
時価ベースの
親会社所有者帰属持分比率
24.1 %28.8 %30.8 %20.1 %42.8 %
債務償還年数9.7 年8.0 年11.4 年9.1 年1.8 年
インタレスト・カバレッジ・レシオ12.8 倍18.8 倍17.3 倍25.5 倍47.1 倍

親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/支払利息
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち社債及び借入金を対象としております。
当社グループの流動性と資本源泉は次のとおりです。
現金及び資産負債総合管理

事業発展に充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することが当社グループの方針です。この方針に従って、当社グループはここ数年、連結子会社が保有する流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。その方策のひとつとして実施しているのが、各地域及びグローバルにおけるキャッシュマネジメントシステムの推進です。各地域にキャッシュマネジメントの要として設置している金融子会社を中心に地域内外のグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築、推進しております。この一環として、グローバルキャッシュプーリングシステムを導入し、グローバルベースでの更なる資金効率向上を実現しました。
また、当社グループは資産並びに負債の管理においてデリバティブを締結しております。為替変動が外貨建て資産と負債に与える潜在的な悪影響をヘッジするため、為替予約等を設定しております。当社グループはリスクの低減を目的として、定められた方針に従ってデリバティブを利用しております。自己売買、あるいは投機目的でデリバティブを利用しておらず、またレバレッジを効かせたデリバティブ取引も行っておりません。
資金源泉

当社グループは主に手元資金及び現金同等物、様々な信用枠及び社債の発行を組み合わせて資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する際、連結財政状態計算書の現金及び現金同等物の残高、並びに連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物の残高は 3,303億円、信用枠は 4,808億円であり、そのうち未使用残高は 4,806億円でありました。当社は 2,500億円(信用枠 4,808億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。これらは信用枠の範囲内で、各国市場の金利で金融機関から借入が可能です。
当社及び一部の連結子会社は、銀行借入及び社債の発行により資金を調達しております。当連結会計年度末において、当社及び一部の連結子会社の銀行借入の金利は 0.10%~0.48%、社債の金利は 0.20%~7.30%です。また、当社グループはグローバルでキャッシュマネジメントシステムを活用しグループ資金を効率的に管理するとともに有利子負債残高を継続的に削減しております。
当社は大手格付機関(スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービス(以下「S&P」)、及び格付投資情報センター(以下「R&I」))から格付を取得しております。当連結会計年度末現在、当社の格付はS&Pが長期BBB+及び短期A-2、R&Iが長期A+及び短期a-1となっております。
必要資金及び契約債務

当社グループは現金及び現金同等物、並びに営業活動により創出が見込まれる資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を充分賄えると予想しております。お客様の需要が変動し、営業キャッシュ・フローが減少した場合でも、現在の手元資金、及び当社グループが満足できる信用格付けを持つ金融機関に設定している信用枠で少なくとも翌連結会計年度中は事業用資金を充分賄えると考えております。さらに、足元の業務にとって必要な資金、及び事業拡大並びに新規プロジェクトの開発に関連する投資に対し、充分な資金を金融市場又は資本市場から調達できると考えております。各国の経済動向等による金利の変動は、当社グループの流動性に悪影響を及ぼす可能性がありますが、手元の現金及び現金同等物は充分であり、営業活動からも持続的にキャッシュ・フローが創出されキャッシュマネジメントシステムを活用していることから、こうした影響はあまり大きくないと考えております。

IRBANK 採用情報

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