有価証券報告書-第76期(令和1年11月21日-令和2年11月20日)

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2021/02/19 9:22
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
(経営成績に関する分析)
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で急速に落ち込んだ後、緩やかに回復しているものの大幅なマイナス成長となりました。中国ではコロナ前のGDP水準に回復しましたが、欧米をはじめ日本においても感染拡大の加速に加え、雇用や所得環境の悪化により、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような経営環境の中で、当社グループは、中期3ヵ年計画『ADAPT』の2年目を迎え、象印ブランドを現状の家庭用品ブランドから「食」と「暮らし」のソリューションブランドへ進化させるため、「領域の水平的拡大」、「領域の垂直的拡大」、「経営基盤の強化」に取り組んでまいりました。
「領域の水平的拡大」では、既存商品による新市場や新規チャネルの開拓、既存市場や既存チャネルを深掘りするために既存商品のラインアップ拡大を図りました。「領域の垂直的拡大」では、おいしいごはんを軸とした事業展開として、2018年に大阪にオープンしたごはんレストラン「象印食堂」の魅力度向上をはかるとともに、テイクアウト専門店「炎舞炊き象印亭」を期間限定でオープンしました。「経営基盤の強化」では、業務効率化による生産性の向上や原価低減を推進しました。またコーポレート・ガバナンス体制のより一層の強化をはかり、さらなる企業価値向上に取り組むため、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。
しかしながら、当連結会計年度の売上高は、前年実績から4,162百万円減少し74,947百万円(前連結会計年度比5.3%減)となりました。製品区分別では調理家電製品や生活家電製品は順調に推移しましたが、リビング製品は前年を下回りました。連結全体の国内売上高は52,548百万円(前連結会計年度比4.7%減)、海外売上高は22,399百万円(同6.5%減)となり、海外売上高構成比は29.9%となりました。海外では北米の売上は増加しましたが、中国や東南アジアでは前年実績を下回りました。
利益については、原価の低減や販売費及び一般管理費の抑制に努めたものの、売上高減少の影響により、営業利益は5,440百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。経常利益は5,725百万円(同2.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3,943百万円(同3.4%減)となりました。
製品区分別の経営成績は次のとおりであります。
① 調理家電製品
調理家電製品の売上高は、54,318百万円(前連結会計年度比1.6%増)となりました。
国内では、炊飯ジャーは、かまどの炎のゆらぎを再現した最高級モデルの圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き」シリーズは好調に推移しましたが、市場の停滞などの影響もあり炊飯ジャー全体としては前年を下回りました。電気ポットは市場の縮小傾向もあり低調に推移しました。電気調理器具では、新型コロナウイルス感染症による外出自粛のため、巣ごもり需要が拡大したことにより、ホットプレートやオーブントースターなどの売上が伸長し、電気調理器具全体は好調に推移いたしました。
海外では、炊飯ジャーは、北米市場と台湾市場で好調に推移しました。電気ポットは、北米市場は前年を上回りましたが、その他の市場では低調に推移しました。電気調理器具では、北米市場でホームベーカリーやコーヒーメーカーなどが前年を上回りました。
② リビング製品
リビング製品の売上高は、15,347百万円(前連結会計年度比27.1%減)となりました。
新型コロナウイルス感染症による外出自粛のため、レジャーやスポーツ活動が制限されたことにより、国内、海外ともにステンレスボトルやステンレスフードジャーなどのステンレス製品が前年を下回りました。国内ではインバウンド需要の大幅減少による市場全体の出荷数量の落ち込みもあり、主力のステンレスマグが低調に推移しましたが、9月に発売した業界初となる“せん”と“パッキン”がひとつになった「シームレスせん」を採用したステンレスマグSM-Z型が好調に推移し、売上高は回復傾向にあります。
海外のステンレスボトルは、主力の中国市場をはじめ多くの市場で低調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症による落ち込みから回復している中国では、第4四半期は前年を上回りました。
③ 生活家電製品
生活家電製品の売上高は、3,665百万円(前連結会計年度比32.7%増)となりました。
国内では、ふとん乾燥機の売上が減少しましたが、衛生志向の高まりにより加湿器、空気清浄機、食器乾燥器が好調に推移し前年実績を上回りました。
④ その他製品
その他製品の売上高は、1,615百万円(前連結会計年度比11.8%減)となりました。
・地域別製品区分別売上高
(単位:百万円)
日本海外合計前年
同期比
(%)
アジア北米その他
内、中国
売上高調理家電41,3698,0622,9774,8721412,94954,3181.6
リビング6,4927,3764,6749725068,85515,347△27.1
生活家電3,59173733,66532.7
その他1,0953467416855201,615△11.8
52,54815,8587,7276,01352722,39974,947△5.3
構成比(%)70.121.210.38.00.729.9100.0


当社グループは、家庭用品等の製造、販売及びこれらの付随業務を営んでおりますが、家庭用品以外の事業の重要性が乏しいと考えられるため、セグメント別の生産実績及び販売実績の記載は行っておりません。
なお、生産実績及び販売実績を製品区分別に記載すると以下のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
製品区分生産高(百万円)前年同期比(%)
調理家電製品37,0410.9
リビング製品8,875△25.8
生活家電製品2,21013.2
その他製品846△14.3
合計48,974△5.1

(注) 1 金額は製造原価により表示しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当社グループは、原則として見込生産であります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
製品区分販売高(百万円)前年同期比(%)
調理家電製品54,3181.6
リビング製品15,347△27.1
生活家電製品3,66532.7
その他製品1,615△11.8
合計74,947△5.3

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度において、総販売実績に対する割合が10%以上となる相手先はございません。
(重要な経営指標に関する分析)
中期経営計画『ADAPT』における重要な経営指標である「連結売上高の持続的成長」および「連結売上高営業利益率8%以上の持続的確保」という目標に対して、連結売上高は前年同期比5.3%減、連結売上高営業利益率は7.3%となりました。これは主に、国内外でステンレス製品が低調に推移したことに加え、中国や東南アジアなど利益率の高い海外において売上が減少したことにより利益が減少したことによるものであります。
(2) 財政状態
当連結会計期間末の財政状態は、前連結会計年度末と比較して総資産が5,511百万円増加し、負債が3,613百万円増加しました。また、純資産は1,898百万円増加いたしました。その結果、自己資本比率は2.4ポイント減少し74.5%となりました。
総資産の増加5,511百万円は、流動資産の増加5,922百万円及び固定資産の減少410百万円によるものであります。
流動資産の増加5,922百万円の主なものは、現金及び預金の増加3,950百万円、受取手形及び売掛金の減少216百万円、電子記録債権の増加122百万円、有価証券の増加400百万円、商品及び製品の増加1,532百万円、原材料及び貯蔵品の減少159百万円、その他流動資産の増加293百万円であります。また、固定資産の減少410百万円の主なものは、建物及び構築物の減少162百万円、リース資産の増加614百万円、ソフトウエアの減少449百万円、投資有価証券の減少785百万円、退職給付に係る資産の増加415百万円であります。
負債の増加3,613百万円は、流動負債の増加3,132百万円及び固定負債の増加481百万円によるものであります。
流動負債の増加3,132百万円の主なものは、支払手形及び買掛金の増加1,605百万円、リース債務の増加335百万円、未払費用の増加451百万円、未払法人税等の増加419百万円、その他流動負債の増加239百万円であります。また、固定負債の増加481百万円の主なものは、リース債務の増加270百万円、繰延税金負債の増加127百万円であります。
純資産の増加1,898百万円の主なものは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上3,943百万円、剰余金の配当の支払1,757百万円、その他有価証券評価差額金の減少92百万円、為替換算調整勘定の減少50百万円、退職給付に係る調整累計額の減少90百万円であります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して3,577百万円増加し、32,582百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度と比較して626百万円増加し、7,366百万円となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益5,629百万円、仕入債務の増加額1,583百万円により資金が増加したものの、法人税等の支払額1,136百万円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比較して342百万円増加し、1,608百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出1,084百万円により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度と比較して273百万円増加し、2,206百万円となりました。
これは主に、配当金の支払額1,758百万円により資金が減少したことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用、販売費及び一般管理費等の営業費用や、金型等の生産設備、情報処理システム等への設備投資であります。
これらの資金需要に対応するための財源は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金により調達することを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により調達していく考えであります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が会計上の見積りに与える影響に関する情報は、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] (追加情報)」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① たな卸資産の評価
たな卸資産の評価は、期末における正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を正味売却価額まで減額し、当該減少額を評価損として計上しております。
正味売却価額は、販売実績等を基礎として見積っているため、価格戦略や市場環境の変化によりこの見積りの前提とした条件や仮定に見直しが生じ、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、評価損の金額に重要な影響を与える可能性があります。
② 退職給付会計
確定給付制度の退職給付債務、年金資産及び退職給付費用は、数理計算上の仮定を用いた見積りを基礎として算定しております。当該数理計算上の仮定には、安全性の高い債券の利回りを用いた割引率、予想昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。
これらの計算基礎について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る資産、負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来減算一時差異が将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性、将来加算一時差異の十分性等を満たしている場合に、将来減算一時差異が将来の税金負担額を軽減する効果を有するものとしております。
これらの判断は、将来の利益計画に基づく課税所得、一時差異等の解消見込年度等の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等によりこの見積りの前提とした条件や仮定に見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
④ 固定資産の減損
固定資産の減損は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に減損損失を認識することとし、帳簿価額を回収可能価額まで減額させた当該減少額を減損損失として測定しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定を行うにあたっては、過年度の実績や事業計画等に基づく資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フロー、回収可能価額等の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等によりこの見積りの前提とした条件や仮定に見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。

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