有価証券報告書-第32期(令和2年6月1日-令和3年5月31日)

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2021/08/31 9:29
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136項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が拡大し、再度の緊急事態宣言発令等により企業活動は抑制され、幅広い業種で影響を受けており、経済活動全般の正常化の時期は見通せない状況にあります。世界経済においても、新型コロナウイルス感染症の拡大は収まらず、多くの国で企業活動は抑制されておりますが、ワクチン接種の進んだ国から徐々に経済活動が再開され、個人消費等に回復の兆しが見え始めております。
当社グループを取り巻く経営環境について、アニメーション産業は、少子化や嗜好の多様化によるテレビの視聴率低下やビデオパッケージの販売低迷等により厳しい状況が続いております。アニメーション制作の受注については製作委員会方式が主流ではありますが、配信会社よりオリジナルコンテンツの制作として直接受注することも増えており受注環境は改善しております。また、コロナ禍の外出自粛によって在宅時間が増加したことやスマートフォン等のメディアが普及したこと、通信環境が改善したことにより、有料配信の市場が成長しております。
出版産業は、全国出版協会・出版科学研究所による2021年1月25日付発表によれば、紙と電子を合算した出版市場は、前年比4.8%増の1兆6,168億円となりました。コロナ禍と「鬼滅の刃」ブームが大きく影響し紙の出版市場が同1.0%と小幅なマイナスに留まった一方、電子出版市場が同28.0%増と大きく伸長したため、2年連続のプラス成長となっております。電子出版市場における電子コミックは同31.9%増の3,420億円となり、電子出版市場における電子コミックの市場占有率は87.0%となっております。
このような情勢のもと当社グループは、劇場用アニメーション3タイトル、テレビアニメシリーズ11タイトル、ビデオ用アニメーション1タイトル、その他ゲーム用・プロモーション用映像等の制作を行う映像制作事業、コミック誌(12点刊行)、書籍(コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む)は116点の企画・製造・販売及び電子コミックスの配信を行う出版事業、映像作品等へ出資することによる二次利用から生じる収益分配を主とする版権事業を中心に行い、前期に比べ増収増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、出版事業、版権事業が好調に推移したことにより、9,934,081千円(前期比9.6%増)、経常利益は742,389千円(前期比233.1%増)、映像制作事業と出版事業において減損損失による特別損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は582,366千円(前期は22,811千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(映像制作事業)
映像制作事業におきましては、劇場用アニメーション「Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編・後編」「鹿の王」、テレビ用(配信用)アニメーション「NOBLESSE-ノブレス-」「憂国のモリアーティ」「Vivy -Fluorite Eye's Song-」「B: The Beginning Succession」等、その他、ビデオ用アニメーション、プロモーションビデオ・CМ・ゲーム・遊技機のアニメーションを制作しました。
新規受注の映像制作では、現況に合った確度の高い映像制作予算の策定による受注額の交渉を行っております。納品しました一部の作品について改善もみられましたが、一方、クオリティーを重視した作品については、制作期間が長くなったことや外注費の高騰により、制作赤字や受注損失引当金を計上しております。
以上により、当事業の売上高は5,349,846千円(前期比2.7%減)、営業損失は127,285千円(前期は35,339千円の営業利益)となりました。
(出版事業)
出版事業におきましては、コミック誌の定期刊行物は「月刊コミックガーデン」(12点)を刊行しました。書籍(コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む)は「魔法使いの嫁」「リィンカーネーションの花弁」「転生貴族の異世界冒険録」の最新刊等、116点を刊行しました。書店向け出版売上はメディア化作品を中心に前年を若干上回る結果となったほか、巣ごもり需要を反映した電子コミック市場の急拡大もあり、電子書籍売上は前年対比172%増と好調に推移しました。
以上により、当事業の売上高は2,160,718千円(前期比36.6%増)、営業利益は410,499千円(前期比219.9%増)となりました。
(版権事業)
版権事業におきましては、「GREAT PRETENDER」「B: The Beginning」「進撃の巨人」「攻殻機動隊」「ハイキュー!!」「ヴィンランド・サガ」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上しました。
映像マスターとコンテンツ資産の減価償却費は、前期に比べ45,829千円減少しました。
以上により、当事業の売上高は2,131,559千円(前期比22.1%増)、営業利益は495,272千円(前期比81.8%増)となりました。
(その他事業)
その他事業におきましては、雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品販売等により、当事業の売上高は291,956千円(前期比23.2%増)となり、営業利益は35,725千円(前期は43,128千円の営業損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は4,495,744千円となり、前期と比べ866,161千円(前期比23.9%増)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、2,145,522千円(前期は1,732,950千円の増加)となりました。これは主に減価償却費が1,096,120千円、税金等調整前当期純利益が703,986千円、たな卸資産の減少が315,443千円、仕入債務の増加が160,168千円となり、一方、法人税等の支払額が272,744千円、前渡金の増加が105,577千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,369,644千円(前期は1,509,246千円の減少)となりました。これは主に映像マスター等の有形固定資産の取得による支出が630,655千円、コンテンツ資産やソフトウェアの無形固定資産の取得による支出が740,972千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、95,445千円(前期は80,567千円の減少)となりました。これは主に非支配株主からの払込みによる収入が456,000千円となり、一方、長期借入の返済による支出が200,000千円、非支配株主への配当金の支払額が124,831千円、配当金の支払額が25,177千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注制作実績
当連結会計年度における映像制作事業の制作実績及び受注状況を映像制作事業の区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、出版事業及び版権事業は、受注制作ではないため、制作実績及び受注状況を記載しておりません。
映像制作実績
区分制作高(千円)前年同期比(%)
劇場アニメ1,720,83894.4
TV・ビデオアニメ2,937,322△29.7
ゲームその他783,060△9.3
合 計5,441,221△8.2

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は、製造原価によっております。
受注実績
区分受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
劇場アニメ1,014,31474.11,850,916△32.2
TV・ビデオアニメ5,178,23043.88,411,01536.3
ゲームその他811,47016.7444,2699.8
合 計7,004,01543.610,706,20215.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
映像制作事業5,349,846△2.7
出版事業2,160,71836.6
版権事業2,131,55922.1
その他事業291,95623.2
合 計9,934,0819.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年6月1日
至 2020年5月31日)
当連結会計年度
(自 2020年6月1日
至 2021年5月31日)
金額 (千円)割合 (%)金額 (千円)割合 (%)
㈱フジテレビジョン1,014,41811.2--
㈱アニプレックス--1,591,85616.0

(注)㈱フジテレビジョンの当連結会計年度の販売実績と㈱アニプレックスの前連結会計年度の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
また、当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示並びに当該会計期間における収益・費用に影響を与える見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる場合があります。
なお、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 概況
概況につましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
b. セグメント別の状況(売上高、営業利益の分析)
セグメント別の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
c. 営業外収益(費用)
営業外収益は80,364千円、前期比182.7%増となりました。主な要因は補助金収入が27,979千円、持分法による投資利益が24,059千円増加したことであります。
営業外費用は28,869千円、前期比67.4%減となりました。主な要因は賃貸料収入原価が42,288千円、資産除去債務履行差額が16,552千円減少したことであります。
d. 特別利益
特別利益の計上はありませんでした。
e. 特別損失
特別損失は38,403千円、前期比36.8%減となりました。主な要因は建物及び構築物、その他(器具備品、ハード、ソフト等)、土地において減損損失が22,352千円減少したことであります。
f. 税金等調整前当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は703,986千円、前期比334.3%増となりました。
g. 法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額)
法人税、住民税及び事業税の負担額は法人税等調整額を含め259,028千円、前期比61.4%増となりました。
h. 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は582,366千円(前期は22,811千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
③ 当連結会計年度の財政状態の分析
a. 資産
資産合計は、11,847,995千円(前期比6.3%増)となりました。
流動資産につきましては、主に現金及び預金が866,162千円、前渡金が105,577千円増加し、一方、仕掛品が294,518千円減少し、結果、9,051,210千円となりました。
固定資産につきましては、主に映像マスターが103,613千円、コンテンツ資産が74,235千円増加し、一方、建物及び構築物が28,488千円減少し、結果、2,796,785千円となりました。
b. 負債
負債合計は、6,067,220千円(前期比1.9%減)となりました。
流動負債につきましては、主に買掛金が160,040千円増加し、一方、1年以内返済予定の長期借入金が200,000千円、前受金が144,030千円減少し、結果、5,817,200千円となりました。
固定負債につきましては、主に株式給付引当金が29,928千円増加し、結果、250,019千円となりました。
c. 純資産
純資産は、5,780,774千円(前期比16.5%増)となりました。
主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益及び剰余金の配当により利益剰余金が557,090千円、非支配株主持分が139,335千円増加したことであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
a. 資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、映像制作事業並びに出版事業に係わる売上原価及び、労務費、業務委託費及び外注費が主な部分を占めております。また、版権事業における権利取得のための出資金があります。
設備資金といたしましては、編集機器、コンピュータ購入費やネットワーク費等があります。
b. 財務政策
運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としておりますが、自己資金で賄えない急な資金需要が発生する等の場合は、金利動向を踏まえ必要に応じ長期・短期借入金で調達しております。
設備資金及び作品への出資金につきましては、社債の発行、長期借入金により最適な調達を行っていく方針であり、調達時期、条件について最も有利な手段を選択するべく検討することとしております。
⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等及び2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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