有価証券報告書-第35期(2023/06/01-2024/05/31)

【提出】
2024/08/30 9:34
【資料】
PDFをみる
【項目】
149項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、アフターコロナの社会経済活動の正常化が一段と進んだことや、訪日客の消費が新型コロナウイルス禍前を超える等、景気は緩やかな回復傾向が見られました。一方で、円安、物価高により個人消費が弱く、中国経済の先行き懸念等の海外景気の下振れや、東欧や中東、東アジアでの地政学リスクの高まりが続いていること等、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く経営環境について、アニメーション産業は、一般社団法人日本動画協会による「アニメ産業レポート2023サマリー」2024年1月発表によれば、2022年のアニメ産業市場は過去最高であった2021年から前期比106.8%、1,855億円増の2兆9,277億円となり、市場最高値を更新しました。コロナ禍で一旦先行きを見失いかけたアニメ産業ですが、日常が戻った現在、海外を中心に日本のアニメが、産業的な地力を獲得していることが分かり、この成長はまだ続くであろうと改めて認識されています。
出版産業は、公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所によると、2023年(1~12月期累計)の出版市場規模(推定販売金額)は、前年比2.1%減の1兆5,963億円と2年連続の前年割れとなりました。紙と電子を合算したコミック市場は前年比2.5%増の6,937億円となり、内訳は紙のコミックス(単行本)とコミック誌を合わせた推定販売金額は同8.0%減の2,107億円、電子コミックは同7.8%増の4,830億円となっております。
このような情勢のもと当社グループは、テレビ・配信・ビデオ用アニメーション、劇場用アニメーション、その他にゲーム用、プロモーション用、実写等の企画・制作を行う映像制作事業、コミック誌、書籍(コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む)の企画・製造・販売、電子書籍を含むコミックスの販売を行う出版事業、作品の二次利用による印税・収益分配金等を得る版権事業を中心に行い、前期に比べ増収増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は11,841,359千円(前期比6.1%増)、経常利益は1,380,218千円(前期比38.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,158,412千円(前期比51.1%増)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(映像制作事業)
映像制作事業におきましては、テレビ用アニメーションは「SPY × FAMILY Season 3」「しかのこのこのここしたんたん」「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」等、配信用アニメーションは「THE ONE PIECE」「君に届け 3RD SEASON」「ムーンライズ」「ターミネーター 0」等、納品へ向けそれぞれ制作しております。
テレビ用アニメーションは「怪獣8号」等、劇場用アニメーションの「劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」「劇場版 SPY × FAMILY CODE : White」は、納品しテレビ放映や劇場上映となりました。その他プロモーションビデオ・CМ・ゲーム・遊技機のアニメーションを制作・納品しました。
映像制作事業では、物価の高騰により人件費やCG制作費、外注費等が高騰し、制作期間の長期化により、一部の作品については受注損失引当金を計上する作品もありました。
以上により、当事業の売上高は6,206,567千円(前期比1.6%増)、営業損失は940,050千円(前期は87,161千円の営業利益)となりました。
(出版事業)
出版事業におきましては、コミック誌の定期刊行物は「月刊コミックガーデン」(12点)を刊行しました。書籍(コミックス、ノベルス、原作ガイドブックを含む)は、2023年春にアニメ放送された「転生貴族の異世界冒険録」「魔導具師ダリヤはうつむかない~Dahliya Wilts No More~」「王太子に婚約破棄されたので、もうバカのふりはやめようと思います」の最新刊等、147点を刊行しました。電子書籍は前年比10%増の売上となり今期業績に貢献しました。
以上に加え、株式会社リンガ・フランカの清算があった事により、当事業の売上高は2,335,841千円(前期比19.5%減)、営業利益は482,388千円(前期比14.2%減)となりました。
(版権事業)
版権事業におきましては、「ハイキュー!!」「SPY × FAMILY」「進撃の巨人」「攻殻機動隊」「銀河英雄伝説 Die Neue These」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上しました。
劇場上映しました「劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」は興行収入100億円を超えるヒットとなり、版権事業に大きく貢献しました。
以上により、当事業の売上高は3,004,008千円(前期比62.1%増)、営業利益は1,823,004千円(前期比282.4%増)となりました。
(その他事業)
その他事業におきましては、雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品販売等により、当事業の売上高は294,941千円(前期比1.6%減)、営業損失は18,277千円(前期は5,933千円の営業利益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は7,746,825千円となり、前期と比べ1,628,533千円(前期比26.6%増)の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、3,056,010千円(前期は1,818,782千円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が1,540,511千円、売上債権の減少が883,885千円、未払印税の増加が621,228千円、減価償却費が607,586千円、受注損失引当金の増加が223,706千円、一方、預り金の減少が596,950千円、法人税等の支払額が232,768千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,284,910千円(前期は966,754千円の減少)となりました。これは主にコンテンツ資産やソフトウェアの無形固定資産の取得による支出が768,115千円、映像マスターや建物及び構築物等の有形固定資産の取得による支出が456,185千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、146,997千円(前期は33,255千円の減少)となりました。これは主に配当金の支払額が191,945千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 受注制作実績
当連結会計年度における映像制作事業の制作実績及び受注状況を映像制作事業の区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、出版事業及び版権事業は、受注制作ではないため、制作実績及び受注実績を記載しておりません。
映像制作実績
区分制作高(千円)前年同期比(%)
TV・配信・ビデオ用アニメ5,341,36625.0
劇場用アニメ599,565△10.7
その他のアニメ808,5227.6
その他31,811△16.8
合 計6,781,26418.3

(注)金額は、製造原価によっております。
受注実績
区分受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
TV・配信・ビデオ用アニメ4,324,140△44.716,377,5677.9
劇場用アニメ700,000△54.51,600,000△14.4
その他のアニメ1,042,29350.31,156,01953.9
その他1,900△86.8-△100.0
合 計6,068,333△39.719,133,5867.4

b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
映像制作事業6,206,5671.6
出版事業2,335,841△19.5
版権事業3,004,00862.1
その他事業294,941△1.6
合 計11,841,3596.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
当連結会計年度
(自 2023年6月1日
至 2024年5月31日)
相手先金額 (千円)割合 (%)相手先金額 (千円)割合 (%)
東宝㈱1,188,40910.6東宝㈱2,827,79923.9

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
また、当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示並びに当該会計期間における収益・費用に影響を与える見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性により、見積りと異なる場合があります。
なお、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 概況
概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
b. セグメント別の状況(売上高、営業利益の分析)
セグメント別の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
c. 営業外収益(費用)
営業外収益は199,351千円(前期比279.4%増)となりました。
主な要因は投資事業組合運用益が117,336千円、受取手数料が26,244千円増加したことであります。
営業外費用は44,869千円(前期比1.5%増)となりました。
主な要因は賃貸収入原価6,437千円減少したことであります。
d. 特別利益
特別利益は202,000千円(前期の特別利益の計上はありません。)
主な要因は受取補償金が200,000千円増加したことであります。
e. 特別損失
特別損失は41,706千円(前期は729千円)となりました。
主な要因は棚卸資産廃棄損が32,886千円、減損損失が7,952千円増加したことであります。
f. 税金等調整前当期純利益
以上の結果、税金等調整前当期純利益は1,540,511千円(前期54.2%増)となりました。
g. 法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額)
法人税、住民税及び事業税の負担額は法人税等調整額を含め408,676千円(前期比73.2%増)となりました。
h. 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,158,412千円(前期比51.1%増)となりました。
③ 当連結会計年度の財政状態の分析
a. 資産
資産合計は、14,001,674千円(前期比11.6%増)となりました。
流動資産につきましては、主に現金及び預金が1,628,533千円増加し、一方、受取手形、売掛金及び契約資産が879,521千円減少し、結果、10,712,542千円となりました。
固定資産につきましては、主にコンテンツ資産が683,994千円増加し、一方、映像マスターが111,473千円減少し、結果、3,289,131千円となりました。

b. 負債
負債合計は、6,683,625千円(前期比5.5%増)となりました。
流動負債につきましては、主に未払印税が621,228千円、受注損失引当金が223,706千円、買掛金が162,063千円、未払法人税等が162,018千円増加し、一方、預り金が596,950千円、株式給付引当金が105,966千円減少し、結果、6,282,669千円となりました。
固定負債につきましては、主に株式給付引当金が34,626千円、退職給付に係る負債が18,780千円増加し、結果、400,955千円となりました。
c. 純資産
純資産は、7,318,048千円(前期比17.9%増)となりました。
主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益及び剰余金の配当により利益剰余金が965,484千円増加し、一方、株式給付信託(J-ESOP)制度による自己株式の給付により自己株式が118,588千円減少したことであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
a. 資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、映像制作事業並びに出版事業に係わる売上原価及び、労務費、業務委託費及び外注費が主な部分を占めております。また、版権事業における権利取得のための出資金があります。
設備資金といたしましては、編集機器、コンピュータ購入費やネットワーク費等があります。
b. 財務政策
運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としておりますが、自己資金で賄えない急な資金需要が発生する等の場合は、金利動向を踏まえ必要に応じ長期・短期借入金で調達しております。
設備資金及び作品への出資金につきましては、社債の発行、長期借入金により最適な調達を行っていく方針であり、調達時期、条件について最も有利な手段を選択するべく検討することとしております。
⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等及び3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。