有価証券報告書-第70期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 15:35
【資料】
PDFをみる
【項目】
116項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における医療用医薬品市場は、ジェネリック医薬品の使用促進等による医療費抑制策の影響により引き続き厳しい環境下で推移しました。
このような状況のもと、当社グループは、医療・健康・介護に携わる企業集団として、医薬品卸売、調剤薬局、医薬品製造販売等の事業を展開するとともに、患者様や医療機関が抱える課題を解決するための様々な顧客支援システムの開発・提供や地域医療連携への取り組みを推進することで、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を加速させました。
平成28年11月に発足させました共創未来ファーマ株式会社につきましては、高品質・高付加価値なジェネリック医薬品の安定的な供給を推進し、平成30年3月現在、販売製品は14成分40品目となりました。また、平成31年7月の稼働を目指し京浜トラックターミナル「ダイナベース」内に総合物流センターの建設を決定するなど、災害時にも医薬品等を安定供給するための高機能な物流体制の構築に取り組みました。
当連結会計年度の業績は、売上高は1,213,342百万円(前期比1.4%減)、営業利益は19,016百万円(前期比33.5%増)、経常利益は25,045百万円(前期比26.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,384百万円(前期比1.1%増)となりました。
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比17,704百万円減(前期比1.4%減)の1,213,342百万円となりました。医療用医薬品市場は、ジェネリック医薬品の使用促進等による医療費抑制策の影響により引き続き厳しい環境下で推移しました。当社におきましては、C型肝炎治療薬市場の縮小の影響を大きく受け、減収となりました。
② 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比4,772百万円増(前期比33.5%増)の19,016百万円となりました。当社グループは、医療・健康・介護に携わる企業集団として、患者様や医療機関が抱える課題を解決する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を加速させるとともに、人員・組織の最適化や、業務の効率化による収益性の向上に努めました。
③ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比5,201百万円増(前期比26.2%増)の25,045百万円となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は23,196百万円となり、法人税等合計は8,812百万円となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比159百万円増(前期比1.1%増)の14,384百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
医薬品卸売事業においては、製品価値に応じた価格体系に基づく単品単価での価格交渉を推進するなど適正利益の確保に注力するとともに、当社独自の顧客支援システムを大きな収益の柱と位置付け、「初診受付サービス」、「ENIFvoice SP+A/ENIFvoice Core」等の契約件数拡大を積極的に図るとともに、提案活動を通じた医療機関との関係強化に努めました。その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,160,739百万円(前期比1.7%減)、セグメント利益(営業利益)は17,155百万円(前期比22.5%増)となりました。
調剤薬局事業においては、調剤報酬改定への対応を進めるとともに、当社の顧客支援システムの活用などによる店舗業務の標準化と効率化を引き続き推進することで、収益性の改善に取り組んだ結果、当連結会計年度の業績は、売上高98,019百万円(前期比2.3%増)、セグメント利益(営業利益)は3,564百万円(前期比186.5%増)となりました。
治験施設支援事業では、売上高323百万円(前期比0.3%増)、セグメント利益(営業利益)は89百万円(前期比19.2%増)となりました。
情報機器販売事業では、売上高1,695百万円(前期比5.1%増)、セグメント利益(営業利益)は64百万円(前期比20.2%減)となりました。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
仕入及び販売の実績は、次のとおりであります。
①仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品卸売事業(百万円)1,081,13898.1
調剤薬局事業(百万円)16,17696.0
情報機器販売事業(百万円)849115.3
合計(百万円)1,098,16498.1

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品卸売事業(百万円)1,113,90398.2
調剤薬局事業(百万円)97,651102.3
治験施設支援事業(百万円)323100.3
情報機器販売事業(百万円)1,463110.2
合計(百万円)1,213,34298.6

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。
(2) 財政状態
① 総資産
当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べて47,643百万円増加し、646,514百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて32,503百万円増加し、459,556百万円となりました。これは、当連結会計年度末が休日のため買掛金の支払が翌連結会計年度となったことにより現金及び預金が35,976百万円増加したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて15,139百万円増加し、186,958百万円となりました。これは、有形固定資産が4,337百万円、投資有価証券が株式時価の上昇等により12,936百万円それぞれ増加し、のれんが1,685百万円減少したこと等によります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
医薬品卸売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて32,734百万円増加し、513,326百万円となりました。これは、広島物流センターの新築及び物流設備等により有形固定資産及び無形固定資産の増加額が8,524百万円あったことと、当連結会計年度末が休日のため買掛金の支払が翌連結会計年度となったこと等により現金及び預金が増加したことによるものです。
調剤薬局事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて2,384百万円増加し、47,243百万円となりました。これは、のれん償却額が1,830百万円ありましたが、主にCMS預け金の増加によるものです。
治験施設支援事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて116百万円増加し、934百万円となりました。
情報機器販売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて43百万円増加し、2,053百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて28,142百万円増加し、438,741百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて22,069百万円増加し、390,827百万円となりました。これは、当連結会計年度末が休日のため買掛金の支払が翌連結会計年度となったことにより支払手形及び買掛金が20,139百万円増加したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて6,073百万円増加し、47,914百万円となりました。これは、長期借入金が3,936百万円、繰延税金負債が3,445百万円それぞれ増加したこと等によります。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて19,500百万円増加し、207,772百万円となりました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により12,194百万円、その他有価証券評価差額金が株式時価の上昇等により7,872百万円それぞれ増加したこと等によります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し35,949百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は63,671百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、51,978百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比35,915百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益23,196百万円を計上、減価償却費4,498百万円、のれん償却額1,957百万円、売上債権の減少額2,466百万円、当連結会計年度末が休日のため買掛金の支払が翌連結会計年度となったことによる仕入債務の増加額20,138百万円がありましたが、資金減少要因として、法人税等の支払額4,829百万円があったこと等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果支出した資金は、12,448百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比6,153百万円減少)となりました。これは資金減少要因として、有形固定資産の取得による支出8,456百万円、投資有価証券の取得による支出3,329百万円があったこと等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果支出した資金は、3,754百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比6,145百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、長期借入による収入5,000百万円がありましたが、資金減少要因として、短期借入金の純減少額2,454百万円、長期借入金の返済による支出1,725百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,889百万円、配当金の支払額2,059百万円があったこと等によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの主要な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社等においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようコミットメントライン契約を締結しております。