四半期報告書-第73期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/12 15:03
【資料】
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【項目】
45項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期における医療用医薬品市場は、2020年4月の薬価改定やジェネリック医薬品使用促進をはじめとする医療費抑制策の影響に加えて、新型コロナウイルス感染症の第三波ともいわれる更なる流行拡大に伴い、感染リスクを警戒した患者様の受診抑制が再び拡大しており、引き続き厳しい環境下で推移しました。このような状況において、当社グループは、医療・健康・介護に携わる企業集団として、「非常時においても医薬品等を安定供給する」という当社グループの社会的使命の下、医療提供体制を維持すべく医薬品等の安定供給を最優先とした活動に努めました。
患者様や医療機関様などが抱える課題を解決する当社独自の顧客支援システムにつきましては、新たなラインナップとしてオンライン診療・服薬指導システム「KAITOS(カイトス)」の提供を2021年2月5日に開始しました。安心して医療機関を受診したい患者様と、患者様へ安全・安心な医療サービスを提供したい医療機関の双方のニーズに応えるため、当社グループの総力を挙げて取り組んでまいります。
また、当社グループの高機能な物流体制、緊急時への対応とこれまでの受託実績を評価いただき、2020年12月10日よりシンバイオ製薬株式会社の抗悪性腫瘍剤トレアキシン®の流通業務を受託しております。更に、金沢大学発の医療系ベンチャー企業である株式会社キュービクスと独占的販売に関する業務提携を行い、2020年12月21日より同社の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検出キットを独占的に販売しております。
当第3四半期の連結業績は、売上高917,175百万円(前年同期比5.3%減)、営業利益3,298百万円(前年同期比75.1%減)、経常利益7,512百万円(前年同期比58.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,970百万円(前年同期比66.5%減)となりました。
セグメントの業績の概略は以下のとおりです。なお当連結会計年度より共創未来ファーマ株式会社を新たに連結子会社としたことに伴い、セグメント区分に医薬品製造販売事業を追加しております。
医薬品卸売事業においては、「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」に基づき、個々の製品価値に見合った単品単価交渉に努めました。また、エンタッチ株式会社との協業によるリモートディテーリングサービスや、初診受付サービス、診療予約システムといった接触機会の低減に貢献する顧客支援システムの提案活動に努めたほか、薬局本部システム『ミザル』を活用した配送回数の最適化や、納品時に検品を行わない「ノー検品」の推進など、お得意先・当社グループ双方の業務効率化に貢献する配送ビジネスモデルを推進いたしました。しかしながら、卸間の価格競争や、新型コロナウイルスへの感染を警戒した患者様の受診抑制の影響を大きく受け、当第3四半期の医薬品卸売事業の売上高は881,643百万円(前年同期比5.4%減)、セグメント利益(営業利益)は3,318百万円(前年同期比75.6%減)となりました。
調剤薬局事業においては、調剤報酬改定への対応に取り組むとともに、本部への業務集約による経営の効率化を推進いたしました。また、薬局本部システム『ミザル』の需要予測に基づいた自動発注機能の活用により、在庫の適正化を図るなど収益性の改善に取り組みましたが、患者様の受診抑制に伴う処方箋応需枚数の減少もあり、売上高は68,387百万円(前年同期比5.3%減)、セグメント利益(営業利益)は1,742百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
医薬品製造販売事業においては、自社で構築した独自の検証システムに基づき製品の品質を厳しく監視することで、高品質・高付加価値な医薬品の安定供給と製造販売に取り組んでおります。また、ジェネリック医薬品については2020年12月に2成分7品目を新たに発売するなど製品ラインナップの拡充を図り、2020年12月末時点での販売製品は83成分202品目となりました。この結果、売上高は6,131百万円、セグメント利益(営業利益)は636百万円となりました。
治験施設支援事業においては、売上高は157百万円(前年同期比17.8%減)、セグメント損失(営業損失)は226百万円、情報機器販売事業においては、売上高は790百万円(前年同期比17.5%減)、セグメント損失(営業損失)は125百万円となりました。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
(2)財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて7.6%増加し、514,500百万円となりました。これは、現金及び預金が12,214百万円、受取手形及び売掛金が15,787百万円、商品及び製品が5,296百万円それぞれ増加したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて5.8%増加し、203,999百万円となりました。これは、有形固定資産が2,386百万円、投資有価証券が9,455百万円それぞれ増加したこと等によります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて7.1%増加し、718,499百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて9.5%増加し、413,989百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が39,109百万円増加したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて4.9%増加し、64,835百万円となりました。これは、その他のうち繰延税金負債が3,716百万円増加したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて8.9%増加し、478,825百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3.8%増加し、239,674百万円となりました。これは、利益剰余金が2,234百万円、その他有価証券評価差額金が6,324百万円増加したこと等によります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった設備投資については、以下の通り完了しております。
・当社の総合物流センター「TBCダイナベース」新設のための建物及び設備 2020年9月完了
・九州東邦㈱の八代営業所移転のための土地・建物 2020年12月完了