四半期報告書-第74期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/13 9:45
【資料】
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【項目】
46項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
2021年6月30日に当社連結子会社である東邦薬品株式会社ならびに当社従業員が、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札に関する独占禁止法違反で東京地方裁判所から東邦薬品株式会社に対する罰金刑2億5千万円と当社従業員に対する懲役刑(執行猶予付き)の判決を受けました。告発を免れた1社を除く、当社を含めた3社は、今期から来期にかけてJCHOをはじめ国公立等の医療機関の入札指名停止により、大きなマイナスの影響を受けることになります。広域卸3社が入札指名停止を受けたことで医薬品の安定供給に支障をきたすことが懸念されます。
当第1四半期における医療用医薬品市場では、2021年4月に初めての中間年における薬価改定が実施されました。また、新型コロナウイルス感染症については、感染を警戒した患者様の受診抑制は回復基調にあるものの、変異株ウイルス等の影響により感染者数が再拡大し緊急事態宣言が再発令されるなど未だ収束をみせないことから、当該市場は引き続き先行き不透明な状況にあります。
当社グループは、患者様、医療機関、在宅医療・介護に携わる専門職等の課題解決と利便性向上のため、初診受付サービスや薬局本部システム「ミザル」をはじめとする顧客支援システムの開発・提案に取り組んでおります。なかでも、オンライン診療の普及を目指しオンライン診療・服薬指導システム「KAITOS」の積極的な推進を図っております。
新型コロナウイルス感染症については、行政からの要請に応じ、ワクチンや針・シリンジ等の配送に協力したほか、従業員ならびにその家族など5,000名を対象に6月21日より職域接種を実施し、当社グループ全従業員に対してサージカルマスクを配布するなど従業員の安全と感染拡大防止のための施策を行いました。
今年6月には役員構成の見直しや、女性取締役ならびに執行役員の新たな登用を行いました。今後も、コンプライアンス強化に全社を挙げて取り組むとともに、ESG経営を一層推進してまいります。
業務の効率化、人員の適正化によるコスト削減の施策としては、2020年9月に稼働したTBCダイナベースからお得意先への商品の直送を増やすなど配送体制の見直しを進め、営業所統廃合と効率的な営業体制を構築し適正人員での運用を実行してまいります。
また、中期的な収益性向上のための施策として、当社は革新的な凍結乾燥技術を有するモリモト医薬グループと資本業務提携を結んだほか、富士フイルム富山化学株式会社より定温搬送装置事業を承継するなど、成長分野に向けた投資を行いました。
当第1四半期の連結業績は、売上高308,828百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益635百万円(前年同期比64.2%減)、経常利益2,258百万円(前年同期比35.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,730百万円(前年同期比23.8%減)となりました。
セグメントの業績の概略は以下のとおりです。なお、当第1四半期連結会計期間より、株式会社ネグジット総研、株式会社e健康ショップ、株式会社eヘルスケアの3社を新たに連結子会社とするとともに事業セグメントの区分方法を見直しております。従来の「治験施設支援事業」と「情報機器販売事業」に上記3社を新たに加え「その他周辺事業」とし、報告セグメントは、「医薬品卸売事業」、「調剤薬局事業」、「医薬品製造販売事業」、「その他周辺事業」の4区分となります。
医薬品卸売事業においては、リモートディテーリングサービス、オンライン診療・服薬指導システム「KAITOS」、初診受付サービス、診療予約システムといった接触機会の低減に貢献する顧客支援システム・サービスの提案活動に努めました。エンタッチ株式会社との協業によるリモートディテーリングサービスについては、当連結会計年度に入り製薬会社4社と4製品について新たに契約し、前連結会計年度に当該取り組みを開始してからの契約件数は製薬会社など6社、7製品となりました。また、薬局本部システム「ミザル」を活用した配送回数の最適化や、納品時に検品を行わない「ノー検品」の推進など、お得意先・当社グループ双方の業務効率化に貢献する配送ビジネスモデルの推進にも取り組みました。一方で、2021年4月の薬価改定の影響や医療機関との価格交渉が引き続き厳しい状況にあることなどから、当第1四半期の医薬品卸売事業の売上高は297,624百万円(前年同期比3.5%増)、セグメント利益(営業利益)は554百万円(前年同期比74.3%減)となりました。
調剤薬局事業においては、調剤報酬改定への対応を進めると同時に、顧客支援システムの活用による業務の合理化・標準化や薬局本部システム「ミザル」を活用した在庫の適正化など収益性向上に取り組みました。また、オンライン服薬指導の体制強化やSNSを活用した服薬フォローの推進、物販の拡充など患者サービスの充実に取り組みました。その結果、売上高は22,529百万円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益(営業利益)は350百万円(前年同期比196.0%増)となりました。
医薬品製造販売事業においては、自社で構築した独自の検証システムに基づき製品の品質を厳しく監視することで、高品質・高付加価値な医薬品の安定供給に取り組みました。また、製造販売承認取得品の「原薬製造国」に加えて他社に先駆け2021年4月より「製剤製造企業名」を公開するなど、医薬品情報の適切な開示に努めました。さらに今年6月の薬価追補収載においてジェネリック医薬品3成分6品目を新たに発売するなど、製品ラインナップの拡充を図り、2021年6月末時点でのジェネリック医薬品の販売製品は85成分202品目となりました。その結果、売上高は1,948百万円(前年同期比13.3%減)、セグメント利益は195百万円(前年同期比42.6%減)となりました。
その他周辺事業においては、売上高は1,272百万円、セグメント損失(営業損失)は0百万円となりました。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
(2)財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて3.4%増加し、503,630百万円となりました。これは、現金及び預金が7,227百万円、受取手形及び売掛金が5,201百万円それぞれ増加し、その他のうち返品資産が5,122百万円新規で発生したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.2%減少し、193,825百万円となりました。これは、投資有価証券が3,143百万円減少したこと等によります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて2.1%増加し、697,455百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて4.1%増加し、392,318百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が9,295百万円増加し、その他のうち返金負債が5,346百万円新規で発生したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて2.0%減少し、67,709百万円となりました。これは、長期借入金が666百万円、その他のうち繰延税金負債が752百万円それぞれ減少したこと等によります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて3.2%増加し、460,028百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて0.0%増加し、237,427百万円となりました。これは、利益剰余金が793百万円増加し、その他有価証券評価差額金が797百万円減少したこと等によります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。