有価証券報告書-第109期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/26 13:11
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(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策の効果、雇用・所得環境の改善などにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。
このような経済状況の中、当社グループでは「医療と健康、美」の流通で社会に貢献する新しい卸の形をめざし、「2019メディパル中期ビジョン Change the 卸 next - 革新と創造」に沿った取組みを展開しております。既存事業のさらなる効率化と機能の拡充、全国のインフラと人材を活用した新規事業の推進、グループ各社の機能・資源を活かした成長分野の事業展開により収益基盤を拡大し、当社グループの持続的な成長を実現してまいります。
この取組みの一環として、平成29年9月にJCRファーマ株式会社(兵庫県芦屋市、以下、JCR)と業務資本提携を行い、同社の発行済株式総数の22%を取得いたしました。また、同社の独自技術を活用した治療薬の開発に向けて、平成30年1月、米国に合弁会社を設立いたしました。なお、JCR株式の取得にあたり、「2022年満期ユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債」を発行いたしました。
さらに、診療所向けクラウド電子カルテの普及をめざし、平成30年3月にクリニカル・プラットフォーム株式会社(東京都千代田区、以下、クリプラ)と資本提携を行いました。将来的には、クリプラのクラウド電子カルテの開発力、デジタルヘルスケア分野に強みをもつ株式会社エムティーアイ(東京都新宿区)のアプリ開発力とマーケティング力に当社グループの営業力を組み合わせることにより、新しいICT技術や医療データ、ヘルスケアデータ等を活用した診療所向けの新たな付加価値サービスを創造してまいります。
一方、当社グループのシステム面におけるガバナンスの強化とシステムの企画開発を円滑・迅速に進めるため、平成29年4月、当社の完全子会社である株式会社メディセオ(東京都中央区)のシステム本部に係る事業を簡易吸収分割により当社が承継いたしました。
当連結会計年度における経営成績は、売上高3兆1,463億14百万円(前期比2.7%増)、営業利益442億60百万円(前期比11.6%増)、経常利益573億49百万円(前期比7.5%増)、特別利益に関係会社株式売却益などを計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益347億80百万円(前期比19.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品等の販売は、後発医薬品の使用促進やC型肝炎治療薬の需要減などにより市場が横ばいとなる中、堅調に推移いたしました。また、ALC※1の新設にともなう販管費の増加があったものの、新規事業の取組みなどにより利益の確保に努めました。
このような状況の中、本事業では、国民にとって安全・安心な医療を支える社会インフラとして、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体の最適化・効率化を図るべく、卸機能を最大限に発揮するためのさまざまな取組みを行っております。
物流基盤の強化については、高品質・高機能かつ災害対策を施したALC・FLC※2の全国への拡大を進めております。さらに、特殊な管理が必要な再生医療等製品などの安定供給に向けて、超低温を含めた全温度帯に対応できる物流プラットフォームの構築を進めております。顧客向けには、ALCと連動した調剤薬局業務サポートシステム「PRESUS®(プレサス)※3」の普及により、安全な医薬品管理体制の構築や医療従事者の業務効率の改善に取り組んでおります。
営業面の強化については、2,100名以上のMR認定試験合格者を、高い専門知識とスキルをもつAR※4として任命し、新たなプロモーション活動に取り組んでおります。
これらの結果、医療用医薬品等卸売事業における売上高は2兆1,196億59百万円(前期比1.7%増)、営業利益は194億35百万円(前期比4.1%増)となりました。
[用語解説]
※1 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。
※2 FLC(Front Logistics Center)とは、ALCと連携して、顧客に近い場所で商品の安定供給を支える
営業兼物流拠点であります。
※3 PRESUS®(Pharmacy Real-time Support System)とは、ALCと連動して、需要予測による自動発注
や在庫管理などを行うオールインワンのシステムで、調剤薬局内の各種業務をサポートしております。
※4 AR(Assist Representatives)とは、MR認定試験に合格したMS(医薬品卸売業の営業担当者)や
薬剤師などに付与した社内呼称であります。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
化粧品・日用品、一般用医薬品の販売は、消費マインドの改善を背景とした個人消費の持ち直しやインバウンド需要の増加などにより、市場環境は堅調に推移いたしました。
このような環境の中、当社の連結子会社である株式会社PALTAC(大阪市中央区)では、「顧客満足の最大化と流通コストの最小化」をコーポレートスローガンに、人々の生活に密着した「美と健康」に関する商品をフルラインで提供する中間流通業として、サプライチェーン全体の最適化・効率化をめざした取組みを行っております。また、小売業の効果的な品揃えや販売活動を支援する営業体制の強化、及び安心・安全で高品質・ローコスト物流機能の強化を図り、平時の安定供給はもとより有事の際にも「止めない物流」体制により、小売業ひいては消費者の皆さまへローコストかつ安定的に商品をお届けする取組みを行っております。
今期は、中国エリアにおける配送効率向上を目的とした「FDC広島※1」(広島市佐伯区)を新設し、平成29年5月から稼働させるとともに、出荷能力の拡大を目的とした「RDC沖縄※2」(沖縄県うるま市)の増設も完了し、同年11月から稼働させております。さらに、平成30年8月の稼働を予定している「RDC新潟」(新潟県見附市)のリプレイスでは、労働人口減少に伴う人手不足を見据え、より少ない人数で流通加工を可能とする新しい物流モデルの運用をめざすなど事業基盤強化に資する設備投資も進めております。
これらの結果、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における売上高は9,666億84百万円(前期比4.8%増)、営業利益は229億77百万円(前期比20.2%増)となりました。
[用語解説]
※1 FDC(Front Distribution Center)とは、発注頻度の高いケース商品を在庫し、RDCを支援する
物流センターであります。
※2 RDC(Regional Distribution Center)とは、化粧品・日用品、一般用医薬品などを扱う大型物流セン
ターで、小売業に商品を供給しております。
動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業
動物用医薬品の販売は、畜産向け市場においてワクチンや飼料添加物の積極的な取組みを行ったこと、また、コンパニオンアニマル※向け市場において新製品の皮膚疾患治療薬の販売推進や、独自の動物病院向けWEB発注情報システム「MP+®(エムピープラス)」の利用が拡大したことなどにより、順調に推移いたしました。
食品加工原材料等の販売は、全国の情報と調達ルートを活かした提案営業の推進で大手顧客との取引が増加したことなどにより、順調に推移いたしました。
これらの結果、動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業における売上高は630億93百万円(前期比5.6%増)、営業利益は15億13百万円(前期比31.5%増)となりました。
[用語解説]
※ コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を
指しております。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1兆6,215億73百万円となり、前連結会計年度末より956億61百万円増加いたしました。
流動資産は1兆1,400億88百万円となり、前連結会計年度末より449億35百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加382億78百万円、受取手形及び売掛金の増加83億46百万円によるものであります。
固定資産は4,814億84百万円となり、前連結会計年度末より507億26百万円増加いたしました。これは主に投資その他の資産の増加471億57百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は1兆489億17百万円となり、前連結会計年度末より441億70百万円増加いたしました。
流動負債は9,407億28百万円となり、前連結会計年度より124億76百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の増加65億8百万円、短期借入金の増加60億円によるものであります。
固定負債は1,081億88百万円となり、前連結会計年度末より316億94百万円増加いたしました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の増加306億79百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は5,726億56百万円となり、前連結会計年度末より514億90百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加271億14百万円、その他有価証券評価差額金の増加173億80百万円によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より380億1百万円増加し、当連結会計年度末には2,205億63百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、635億58百万円(前期比156億3百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が634億66百万円、減価償却費148億98百万円、売上債権の増加51億円、たな卸資産の減少15億92百万円、仕入債務の増加33億22百万円、法人税等の支払131億72百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、430億64百万円(前期比317億10百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出255億98百万円、関係会社株式の取得による支出214億49百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、158億45百万円(前期は176億63百万円の減少)となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入307億21百万円、配当金の支払90億91百万円、自己株式の取得による支出29億35百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
医療用医薬品等卸売事業2,119,659101.7
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業966,684104.8
動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業63,093105.6
3,149,438102.7
調整額(セグメント間消去)△3,124-
合計3,146,314102.7

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の内部売上高を含んでおります。
b.仕入実績
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況等に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
少子高齢化、生産年齢人口の減少、医療費抑制の動きなどにより事業を取り巻く環境が厳しくなる中、当社グループでは3か年の「2019メディパル中期ビジョン Change the 卸 next - 革新と創造」に沿った取組みと投資を積極的に推進しております。具体的には、既存事業のさらなる効率化と機能の拡充、全国のインフラと人材を活用した新規事業の推進、グループ各社の機能・資源を活かした成長分野の事業展開を行っており、当社グループの持続的成長に向けて収益の多角化を図っております。
これまでの2年間は想定通りに各事業活動を進めることができており、当連結会計年度の業績は、連結および各事業セグメントにおいて増収増益となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、各社の余剰資金を当社へ集中し、資金効率の向上を図っております。社会インフラとなる物流機能の拡充や新規事業への投資は、原則として営業キャッシュ・フローの範囲で行っております。
当連結会計年度においては、JCRファーマ株式会社の株式取得、自己株式取得などに充当するため、平成29年10月に2022年満期ユーロ円建取得条項付転換社債型新株予約権付社債を発行し307億50百万円を調達しております。
今後の設備の新設等にかかわる投資予定金額、資金調達方法については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
当連結会計年度における主な有利子負債の内訳は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
合計1年以内の
返済・償還
1年超の
返済・償還
短期借入金9,0009,000-
長期借入金16,3087,0609,248
転換社債型新株予約権付社債30,679-30,679
リース債務12,7102,29110,419

長期借入金およびリース債務は、設備投資のためのものであります。
転換社債型新株予約権付社債は、JCRファーマ株式会社の株式取得、自己株式取得等のためのものであります。

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