有価証券報告書-第116期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の概況
当社グループは、「流通価値の創造を通じて、人々の健康と社会の発展に貢献します。」という経営理念に基づき、『医療と健康、美』の事業フィールドにおいて、「医療用医薬品等卸売事業」「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」を展開しております。医療用医薬品、医療機器、臨床検査試薬、日用品、化粧品、食品加工原材料など、いずれも人々の生命や健やかな暮らしを支えるために欠かせない商品を取り扱っており、平時・有事を問わず、止まることなくお届けできる物流機能と流通ネットワークの構築は、社会インフラを担う企業として重要な責務であると認識しております。この基本姿勢のもと、当社グループではBCP(事業継続計画)を策定するとともに、さらなる物流プラットフォームの進化に取り組んでおります。
当社グループでは、経営理念の実現に向けて2027年3月期を最終年度とする「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」を策定しております。本中期ビジョンでは、人材戦略・財務戦略を基盤とし、事業ポートフォリオのシフトとパートナーとの協働によるグループの持続的成長に向けて、5つの成長戦略である「海外への進出」「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」「持続可能な流通の構築」「地域医療における価値共創」を展開しております。
これらの戦略に沿って、当期においては、2024年5月に高付加価値な検査サービスを提供する株式会社プリメディ
カ(東京都港区)を完全子会社化し、また、2024年10月にはMP五協フード&ケミカル株式会社とメディパルフーズ株式会社(札幌市中央区)の両完全子会社を統合しました。これにより、予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大に向けた商品提供やサービスの強化、顧客基盤の強化を推進しております。2024年7月には、保険薬局向けに経営支援サービスを提供する株式会社プレサスキューブ(東京都中央区)を連結子会社化し、同社とのより強固な連携を通じデジタルを活用したビジネス基盤の強化を図っております。
さらに、海外進出に向けた取組として、当社はJCRファーマ株式会社(兵庫県芦屋市)との協働による超希少疾患領域での新薬のグローバル展開に向けた研究開発を進めております。この一環として、JCRファーマ株式会社が創製したムコ多糖症IIIB型に対する治療薬(JR-446)について、2024年12月には、国内での臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験で、第1例目となる被験者への初回投与が行われ、重要なマイルストンを達成いたしました。
加えて、当社グループは、MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合を通じて国内のベンチャー企業への投資を行い、収益基盤の拡大と企業価値の最大化を目指すとともに、持続可能な経済社会の実現に貢献しております。
セグメント別の主な取組は以下のとおりです。
医療用医薬品等卸売事業
当社グループでは、メーカーと医療機関等をシームレスにつなぐとともに災害対策を施した有事に強い物流センターとしてALC※1を全国13か所に開設し全国均質な物流サービス網を構築しており、安定供給とともに新たな流通価値を創造しております。また、株式会社メディセオでは、物流の2024年問題への対応や温室効果ガス排出量削減に向けた取組としてモーダルシフトの導入やドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクトへの参画など、新たな流通に挑戦しております。また、当社とH.U.グループホールディングス株式会社(東京都港区)の合弁会社である株式会社メディスケット(埼玉県三郷市)は、「医療と健康、美」を支える国内最大級のヘルスケア物流プラットフォームの構築を目指しており、医療用医薬品の物流と臨床検査の検体集荷におけるシェアリングロジスティクスの基盤整備に向けて着実に取り組んでおります。
[用語解説]
※1 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
2024年9月、株式会社PALTAC(大阪市中央区)は物流の2024年問題を始めとする配送課題の解決に向けて、株式会社薬王堂(岩手県盛岡市)と、サプライチェーン全体のさらなる最適化・効率化を目指し、非食品と食品一括物流を開始いたしました。また、2025年1月、株式会社PALTACは異業種連携による効率的かつ持続可能な物流の実現に向けて、三菱食品株式会社(東京都文京区)と、持続可能な物流の構築及び両社における物流事業の一層の拡大を目的とした連携・協働に向けた基本合意を締結し、物流の価値提供領域拡大に向けた取組を推進しております。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
2024年10月にMP五協フード&ケミカル株式会社とメディパルフーズ株式会社の両完全子会社を統合し、健康志向の食品や機能性表示食品などお得意様や消費者の食へのニーズが多様化する環境変化に対応し、食品加工原材料卸売等関連事業のさらなる発展に向けて、経営資源の有効活用と全国規模の顧客基盤の強化を進めております。
当期の業績
当連結会計年度における経営成績は、以下の通りであります。
(*)2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費
[売上高]
売上高は、前期から1,125億95百万円(3.2%)増収の3兆6,713億28百万円となりました。
・医療用医薬品等卸売事業で744億49百万円(3.2%)の増収、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業で361億31百万円(3.1%)の増収、動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業で28億38百万円(2.5%)の増収となり、全事業セグメントにおいて売上高は前期を上回りました。
[営業利益]
営業利益は、前期から82億78百万円(17.5%)増益の556億9百万円となりました。
・売上総利益は、増収に加え、株式会社メディスケットの事業拡大等により、91億3百万円(3.7%)増益の2,557億58百万円となりました。売上総利益率は前期(6.93%)を0.04ポイント上回り、6.97%となりました。
・販売費及び一般管理費は、事業投資費等が減少したものの、株式会社メディスケットの事業拡大や化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における売上拡大に伴う増加により、前期から8億24百万円(0.4%)増加の2,001億48百万円となりましたが、売上高比率は増収により0.15ポイント改善し、5.45%となりました。
[経常利益]
経常利益は、前期から6億84百万円(1.1%)増益の652億55百万円となりました。
・持分法投資利益の減少等により、営業外損益が75億94百万円減少いたしましたが、営業利益の増加分が上回ったため、経常利益は増益となりました。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から11億94百万円(2.9%)減益の402億79百万円となりました。
・政策投資株式等の売却により119億94百万円を特別利益に計上したことにより、前期に、本社移転に伴う受取補償金(*1)19億44百万円及び東七株式会社(長崎県佐世保市)の子会社化に伴う段階取得差益(*2)12億53百万円を特別利益に計上したことによる影響を吸収し、特別損益は13億8百万円増の114億79百万円の益となりました。一方、法人税等の増加22億30百万円の影響により親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。
(*1)八重洲二丁目中地区の再開発計画に伴い2023年2月13日に本社を移転したことに係る当該再開発組合からの補償金を「受取補償金」として計上
(*2)2023年4月3日の株式交換による子会社化以前に保有していた東七株式会社株式の簿価と時価との差額を「段階取得に係る差益」として計上
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業
(*)2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費
[売上高]
売上高は、前期から744億49百万円(3.2%)増収の2兆3,702億45百万円となりました。
・2024年4月の薬価改定のマイナス影響や、新型コロナウイルス感染症治療薬及び同感染症検査関連試薬の需要減少があったものの、同感染症ワクチンの販売や成長品目への取組強化、病院販路での売上高の増加、株式会社メディスケットの事業拡大等によって増収となりました。
[営業利益]
営業利益は、前期から77億35百万円(44.3%)増益の252億7百万円となりました。
・売上総利益は、増収等により62億64百万円(4.3%)増益の1,503億87百万円となりました。売上総利益率は前期(6.28%)を0.07ポイント上回り、6.34%となりました。
・販売費及び一般管理費は、前期から14億71百万円(1.2%)減少の1,251億80百万円となり、売上高比率についても0.24ポイント改善し、5.28%となりました。これは、株式会社メディスケットの事業拡大等の影響に伴う増加29億58百万円(2.4%)があったものの、事業投資費等が減少したことによるものです。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
[売上高]
売上高は、前期から361億31百万円(3.1%)増収の1兆1,880億97百万円となりました。
・新型コロナウイルス感染症関連商材の需要減少や節約志向に加えて、サプリメントを中心とした一部商材の買い控えなどの影響を受けました。このような状況の中、積極的なデータ活用により、外出機会やインバウンドの増加、感染症の流行などをきっかけとする市場の変化を捉え、新規商材の投入など的確な販売活動に努めたことで増収となりました。
[営業利益]
営業利益は、前期から8億36百万円(3.1%)増益の280億8百万円となりました。
・売上総利益は、センターフィ率上昇などの影響により、売上総利益率は前期(7.50%)を下回りましたが、売上拡大を軸とする利益拡大施策が奏功したことにより、26億24百万円(3.0%)増益の889億82百万円となりました。
・販売費及び一般管理費は、売上拡大に伴い17億88百万円(3.0%)増加の609億73百万円となりましたが、売上高比率は固定費吸収効果により0.01ポイント改善し、5.13%となりました。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
(*)2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費
[売上高]
売上高は、前期から28億38百万円(2.5%)増収の1,168億61百万円となりました。
・動物用医薬品等卸売事業は、コンパニオンアニマル※1領域では、一部のペットフードがメーカー直接販売となる商流変更による影響を受けたものの、新製品の積極的な導入等により堅調に推移いたしました。畜水産領域では、鳥インフルエンザ発生に伴う関連商材の特需に加え、生産性向上に寄与する機能性商材の販売拡大により堅調に推移いたしました。食品加工原材料卸売等関連事業は、食品素材領域及び化成品領域における販売が好調に推移し、当セグメント全体で増収となりました。
[用語解説]
※1 コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。
[営業利益]
営業利益は、前期から2億83百万円(10.4%)減益の24億44百万円となりました。
・売上総利益は、1億86百万円(1.2%)増益の164億46百万円、売上総利益率は前期14.26%から0.19ポイント低下し、14.07%となりました。動物用医薬品等卸売事業では仕入れ原価の上昇に伴う価格見直し、重点メーカーのリベート獲得などの施策により堅調に推移いたしました。また食品加工原材料卸売等関連事業では食品素材領域を中心として円安影響による輸入品価格の高騰が見られ、事業会社の利益を圧迫いたしました。このような状況の中、各事業における企画商品の販売等への積極的な取組や販売価格の見直しを行ったことで、売上総利益は増益となりました。
・販売費及び一般管理費は、4億70百万円(3.5%)増加の140億1百万円となり、売上高比率についても0.11ポイント増加の11.98%となりました。動物用医薬品等卸売事業では、人材育成への投資ならびに採用強化のための賃上げにより増加いたしました。また食品加工原材料卸売等関連事業では、基幹システム刷新による減価償却費や新製品開発に関する研究費に加え、メディパルフーズ株式会社との統合関連費用に伴い増加いたしました。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1兆8,249億84百万円となり、前連結会計年度末より258億57百万円増加いたしました。
流動資産は1兆2,827億46百万円となり、前連結会計年度末より385億56百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加312億52百万円、受取手形及び売掛金の増加54億57百万円、商品及び製品の増加60億70百万円によるものであります。
固定資産は5,422億37百万円となり、前連結会計年度末より126億99百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券の減少117億87百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は1兆670億37百万円となり、前連結会計年度末より45億22百万円増加いたしました。
流動負債は1兆94億47百万円となり、前連結会計年度より17億28百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加81億76百万円、独占禁止法関連損失引当金の減少34億70百万円によるものであります。
固定負債は575億90百万円となり、前連結会計年度末より27億94百万円増加いたしました。これは主に、リース債務(その他の固定負債)の増加25億57百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は7,579億47百万円となり、前連結会計年度末より213億34百万円増加いたしました。
株主資本は5,632億86百万円となり、前連結会計年度末より230億20百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加237億56百万円によるものであります。
その他の包括利益累計額は562億77百万円となり、前連結会計年度末より38億5百万円減少いたしました。これは主に、その他有価証券評価差額金の減少42億87百万円によるものであります。
非支配株主持分は1,383億81百万円となり、主に株式会社PALTACの純資産の増加により、前連結会計年度末より21億18百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より312億52百万円増加し当連結会計年度末には2,593億37百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、605億59百万円(前年同期比12億84百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益767億34百万円、減価償却費171億16百万円、売上債権の増加53億61百万円、棚卸資産の増加61億21百万円、仕入債務の増加80億99百万円、法人税等の支払236億51百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、33億63百万円(前年同期比44億53百万円の減少)となりました。これは主に、阪神ALC等の有形固定資産の取得による支出88億61百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入147億45百万円、連結子会社である株式会社プリメディカの取得関連の支出34億3百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、259億47百万円(前年同期比6億98百万円の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出50億70百万円、連結子会社である株式会社PALTACによる同社株式の取得による支出49億99百万円、配当金の支払155億89百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の内部売上高を含んでおります。
b.仕入実績
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況等に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、②財政状態の状況、③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資本の財源は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、現金及び現金同等物、政策投資株式の売却に伴う収入等になります。当連結会計年度末の借入金残高はありませんが、引き続き、財務健全性を確保しつつ、当社グループにとって最適な資本構成を追求してまいります。
資金の流動性につきましては、事業活動を支える観点で充分な流動性を確保するとともに、金融機関からの当座貸越枠として1,845億円を設定し、突発的な資金需要にも対応しうる体制の構築をもって、流動性リスクに備えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っておりますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目事象は以下のとおりです。
なお、当社グループの取り扱う商品は、医薬品や食品、日用品など人々が生活をしていくうえで必要不可欠なものであることから、その需要が大きく減少することは想定しづらいと考えております。従いまして、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定において、新型コロナウイルスの影響は軽微であります。
a.繰延税金資産
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.のれんの評価
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c.退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い国債利回りなどを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、正味売却価額により測定しておりますが、売却予定の資産については売却予定価額を基に算定しておりますので、前提条件に変更があった場合、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
e.納入価格の見積り設定について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、納入停滞が許されない生命関連商品であることから、取引価格が未決定のまま医療機関等に納入し、納入後に価格交渉を行うという取引慣行が存在しております。取引価格が決定するまでは、過去の実績等を勘案し、合理的に判断した見積価格で売上計上を行っておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際に決定した取引価格との差異が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2024年3月期における医療用医薬品の売上高2.2兆円のうち、取引価格の決定比率(金額ベース)は99.6%となっており、期末には取引価格がほぼ確定する傾向となっております。
(過去3年間の取引価格の決定比率 2021年3月期:99.9%、2022年3月期:99.8%、2023年3月期:99.6%)
①経営成績の概況
当社グループは、「流通価値の創造を通じて、人々の健康と社会の発展に貢献します。」という経営理念に基づき、『医療と健康、美』の事業フィールドにおいて、「医療用医薬品等卸売事業」「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」を展開しております。医療用医薬品、医療機器、臨床検査試薬、日用品、化粧品、食品加工原材料など、いずれも人々の生命や健やかな暮らしを支えるために欠かせない商品を取り扱っており、平時・有事を問わず、止まることなくお届けできる物流機能と流通ネットワークの構築は、社会インフラを担う企業として重要な責務であると認識しております。この基本姿勢のもと、当社グループではBCP(事業継続計画)を策定するとともに、さらなる物流プラットフォームの進化に取り組んでおります。
当社グループでは、経営理念の実現に向けて2027年3月期を最終年度とする「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」を策定しております。本中期ビジョンでは、人材戦略・財務戦略を基盤とし、事業ポートフォリオのシフトとパートナーとの協働によるグループの持続的成長に向けて、5つの成長戦略である「海外への進出」「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」「持続可能な流通の構築」「地域医療における価値共創」を展開しております。
これらの戦略に沿って、当期においては、2024年5月に高付加価値な検査サービスを提供する株式会社プリメディ
カ(東京都港区)を完全子会社化し、また、2024年10月にはMP五協フード&ケミカル株式会社とメディパルフーズ株式会社(札幌市中央区)の両完全子会社を統合しました。これにより、予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大に向けた商品提供やサービスの強化、顧客基盤の強化を推進しております。2024年7月には、保険薬局向けに経営支援サービスを提供する株式会社プレサスキューブ(東京都中央区)を連結子会社化し、同社とのより強固な連携を通じデジタルを活用したビジネス基盤の強化を図っております。
さらに、海外進出に向けた取組として、当社はJCRファーマ株式会社(兵庫県芦屋市)との協働による超希少疾患領域での新薬のグローバル展開に向けた研究開発を進めております。この一環として、JCRファーマ株式会社が創製したムコ多糖症IIIB型に対する治療薬(JR-446)について、2024年12月には、国内での臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験で、第1例目となる被験者への初回投与が行われ、重要なマイルストンを達成いたしました。
加えて、当社グループは、MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合を通じて国内のベンチャー企業への投資を行い、収益基盤の拡大と企業価値の最大化を目指すとともに、持続可能な経済社会の実現に貢献しております。
セグメント別の主な取組は以下のとおりです。
医療用医薬品等卸売事業
当社グループでは、メーカーと医療機関等をシームレスにつなぐとともに災害対策を施した有事に強い物流センターとしてALC※1を全国13か所に開設し全国均質な物流サービス網を構築しており、安定供給とともに新たな流通価値を創造しております。また、株式会社メディセオでは、物流の2024年問題への対応や温室効果ガス排出量削減に向けた取組としてモーダルシフトの導入やドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクトへの参画など、新たな流通に挑戦しております。また、当社とH.U.グループホールディングス株式会社(東京都港区)の合弁会社である株式会社メディスケット(埼玉県三郷市)は、「医療と健康、美」を支える国内最大級のヘルスケア物流プラットフォームの構築を目指しており、医療用医薬品の物流と臨床検査の検体集荷におけるシェアリングロジスティクスの基盤整備に向けて着実に取り組んでおります。
[用語解説]
※1 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
2024年9月、株式会社PALTAC(大阪市中央区)は物流の2024年問題を始めとする配送課題の解決に向けて、株式会社薬王堂(岩手県盛岡市)と、サプライチェーン全体のさらなる最適化・効率化を目指し、非食品と食品一括物流を開始いたしました。また、2025年1月、株式会社PALTACは異業種連携による効率的かつ持続可能な物流の実現に向けて、三菱食品株式会社(東京都文京区)と、持続可能な物流の構築及び両社における物流事業の一層の拡大を目的とした連携・協働に向けた基本合意を締結し、物流の価値提供領域拡大に向けた取組を推進しております。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
2024年10月にMP五協フード&ケミカル株式会社とメディパルフーズ株式会社の両完全子会社を統合し、健康志向の食品や機能性表示食品などお得意様や消費者の食へのニーズが多様化する環境変化に対応し、食品加工原材料卸売等関連事業のさらなる発展に向けて、経営資源の有効活用と全国規模の顧客基盤の強化を進めております。
当期の業績
当連結会計年度における経営成績は、以下の通りであります。
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 3,558,732 | 3,671,328 | +112,595 | +3.2% |
| 売上総利益 (対売上高比率) | 246,654 (6.93%) | 255,758 (6.97%) | +9,103 (+0.04pp) | +3.7% |
| 販売費及び一般管理費 (対売上高比率) | 199,324 (5.60%) | 200,148 (5.45%) | +824 (△0.15pp) | +0.4% |
| 販売費及び一般管理費(下記①②を除く) | 191,494 | 196,749 | +5,254 | +2.7% |
| ①事業投資費等 | 5,772 | 1,136 | △4,636 | △80.3% |
| ②のれん・無形資産償却費(*) | 2,056 | 2,262 | +206 | +10.0% |
| 営業利益 (対売上高比率) | 47,330 (1.33%) | 55,609 (1.51%) | +8,278 (+0.18pp) | +17.5% |
| 上記①②を除く営業利益 | 55,159 | 59,008 | +3,849 | +7.0% |
| 経常利益 | 64,570 | 65,255 | +684 | +1.1% |
| 特別損益 | 10,170 | 11,479 | +1,308 | +12.9% |
| 税金等調整前当期純利益 | 74,741 | 76,734 | +1,992 | +2.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 41,474 | 40,279 | △1,194 | △2.9% |
(*)2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費
[売上高]
売上高は、前期から1,125億95百万円(3.2%)増収の3兆6,713億28百万円となりました。
・医療用医薬品等卸売事業で744億49百万円(3.2%)の増収、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業で361億31百万円(3.1%)の増収、動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業で28億38百万円(2.5%)の増収となり、全事業セグメントにおいて売上高は前期を上回りました。
[営業利益]
営業利益は、前期から82億78百万円(17.5%)増益の556億9百万円となりました。
・売上総利益は、増収に加え、株式会社メディスケットの事業拡大等により、91億3百万円(3.7%)増益の2,557億58百万円となりました。売上総利益率は前期(6.93%)を0.04ポイント上回り、6.97%となりました。
・販売費及び一般管理費は、事業投資費等が減少したものの、株式会社メディスケットの事業拡大や化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における売上拡大に伴う増加により、前期から8億24百万円(0.4%)増加の2,001億48百万円となりましたが、売上高比率は増収により0.15ポイント改善し、5.45%となりました。
[経常利益]
経常利益は、前期から6億84百万円(1.1%)増益の652億55百万円となりました。
・持分法投資利益の減少等により、営業外損益が75億94百万円減少いたしましたが、営業利益の増加分が上回ったため、経常利益は増益となりました。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から11億94百万円(2.9%)減益の402億79百万円となりました。
・政策投資株式等の売却により119億94百万円を特別利益に計上したことにより、前期に、本社移転に伴う受取補償金(*1)19億44百万円及び東七株式会社(長崎県佐世保市)の子会社化に伴う段階取得差益(*2)12億53百万円を特別利益に計上したことによる影響を吸収し、特別損益は13億8百万円増の114億79百万円の益となりました。一方、法人税等の増加22億30百万円の影響により親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。
(*1)八重洲二丁目中地区の再開発計画に伴い2023年2月13日に本社を移転したことに係る当該再開発組合からの補償金を「受取補償金」として計上
(*2)2023年4月3日の株式交換による子会社化以前に保有していた東七株式会社株式の簿価と時価との差額を「段階取得に係る差益」として計上
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 2,295,795 | 2,370,245 | +74,449 | +3.2% |
| 売上総利益 (対売上高比率) | 144,123 (6.28%) | 150,387 (6.34%) | +6,264 (+0.07pp) | +4.3% |
| 販売費及び一般管理費 (対売上高比率) | 126,651 (5.52%) | 125,180 (5.28%) | △1,471 (△0.24pp) | △1.2% |
| 販売費及び一般管理費(下記①②を除く) | 120,878 | 123,837 | +2,958 | +2.4% |
| ①事業投資費等 | 5,772 | 1,136 | △4,636 | △80.3% |
| ②のれん・無形資産償却費(*) | - | 206 | +206 | - |
| 営業利益 (対売上高比率) | 17,471 (0.76%) | 25,207 (1.06%) | +7,735 (+0.30pp) | +44.3% |
| 上記①②を除く営業利益 | 23,244 | 26,550 | +3,305 | +14.2% |
(*)2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費
[売上高]
売上高は、前期から744億49百万円(3.2%)増収の2兆3,702億45百万円となりました。
・2024年4月の薬価改定のマイナス影響や、新型コロナウイルス感染症治療薬及び同感染症検査関連試薬の需要減少があったものの、同感染症ワクチンの販売や成長品目への取組強化、病院販路での売上高の増加、株式会社メディスケットの事業拡大等によって増収となりました。
[営業利益]
営業利益は、前期から77億35百万円(44.3%)増益の252億7百万円となりました。
・売上総利益は、増収等により62億64百万円(4.3%)増益の1,503億87百万円となりました。売上総利益率は前期(6.28%)を0.07ポイント上回り、6.34%となりました。
・販売費及び一般管理費は、前期から14億71百万円(1.2%)減少の1,251億80百万円となり、売上高比率についても0.24ポイント改善し、5.28%となりました。これは、株式会社メディスケットの事業拡大等の影響に伴う増加29億58百万円(2.4%)があったものの、事業投資費等が減少したことによるものです。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 1,151,966 | 1,188,097 | +36,131 | +3.1% |
| 売上総利益 (対売上高比率) | 86,358 (7.50%) | 88,982 (7.49%) | +2,624 (△0.01pp) | +3.0% |
| 販売費及び一般管理費 (対売上高比率) | 59,185 (5.14%) | 60,973 (5.13%) | +1,788 (△0.01pp) | +3.0% |
| 営業利益 (対売上高比率) | 27,172 (2.36%) | 28,008 (2.36%) | +836 (△0.00pp) | +3.1% |
[売上高]
売上高は、前期から361億31百万円(3.1%)増収の1兆1,880億97百万円となりました。
・新型コロナウイルス感染症関連商材の需要減少や節約志向に加えて、サプリメントを中心とした一部商材の買い控えなどの影響を受けました。このような状況の中、積極的なデータ活用により、外出機会やインバウンドの増加、感染症の流行などをきっかけとする市場の変化を捉え、新規商材の投入など的確な販売活動に努めたことで増収となりました。
[営業利益]
営業利益は、前期から8億36百万円(3.1%)増益の280億8百万円となりました。
・売上総利益は、センターフィ率上昇などの影響により、売上総利益率は前期(7.50%)を下回りましたが、売上拡大を軸とする利益拡大施策が奏功したことにより、26億24百万円(3.0%)増益の889億82百万円となりました。
・販売費及び一般管理費は、売上拡大に伴い17億88百万円(3.0%)増加の609億73百万円となりましたが、売上高比率は固定費吸収効果により0.01ポイント改善し、5.13%となりました。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
| (単位:百万円) |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 114,023 | 116,861 | +2,838 | +2.5% |
| 売上総利益 (対売上高比率) | 16,259 (14.26%) | 16,446 (14.07%) | +186 (△0.19pp) | +1.2% |
| 販売費及び一般管理費 (対売上高比率) | 13,531 (11.87%) | 14,001 (11.98%) | +470 (+0.11pp) | +3.5% |
| 販売費及び一般管理費(下記を除く) | 11,475 | 11,945 | +470 | +4.1% |
| のれん・無形資産償却費(*) | 2,056 | 2,056 | 0 | - |
| 営業利益 (対売上高比率) | 2,727 (2.39%) | 2,444 (2.09%) | △283 (△0.30pp) | △10.4% |
| 上記の償却費を除く営業利益 | 4,783 | 4,500 | △283 | △5.9% |
(*)2027メディパル中期ビジョンに掲げた成長投資に伴い発生したのれん・無形資産償却費
[売上高]
売上高は、前期から28億38百万円(2.5%)増収の1,168億61百万円となりました。
・動物用医薬品等卸売事業は、コンパニオンアニマル※1領域では、一部のペットフードがメーカー直接販売となる商流変更による影響を受けたものの、新製品の積極的な導入等により堅調に推移いたしました。畜水産領域では、鳥インフルエンザ発生に伴う関連商材の特需に加え、生産性向上に寄与する機能性商材の販売拡大により堅調に推移いたしました。食品加工原材料卸売等関連事業は、食品素材領域及び化成品領域における販売が好調に推移し、当セグメント全体で増収となりました。
[用語解説]
※1 コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。
[営業利益]
営業利益は、前期から2億83百万円(10.4%)減益の24億44百万円となりました。
・売上総利益は、1億86百万円(1.2%)増益の164億46百万円、売上総利益率は前期14.26%から0.19ポイント低下し、14.07%となりました。動物用医薬品等卸売事業では仕入れ原価の上昇に伴う価格見直し、重点メーカーのリベート獲得などの施策により堅調に推移いたしました。また食品加工原材料卸売等関連事業では食品素材領域を中心として円安影響による輸入品価格の高騰が見られ、事業会社の利益を圧迫いたしました。このような状況の中、各事業における企画商品の販売等への積極的な取組や販売価格の見直しを行ったことで、売上総利益は増益となりました。
・販売費及び一般管理費は、4億70百万円(3.5%)増加の140億1百万円となり、売上高比率についても0.11ポイント増加の11.98%となりました。動物用医薬品等卸売事業では、人材育成への投資ならびに採用強化のための賃上げにより増加いたしました。また食品加工原材料卸売等関連事業では、基幹システム刷新による減価償却費や新製品開発に関する研究費に加え、メディパルフーズ株式会社との統合関連費用に伴い増加いたしました。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1兆8,249億84百万円となり、前連結会計年度末より258億57百万円増加いたしました。
流動資産は1兆2,827億46百万円となり、前連結会計年度末より385億56百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加312億52百万円、受取手形及び売掛金の増加54億57百万円、商品及び製品の増加60億70百万円によるものであります。
固定資産は5,422億37百万円となり、前連結会計年度末より126億99百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券の減少117億87百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は1兆670億37百万円となり、前連結会計年度末より45億22百万円増加いたしました。
流動負債は1兆94億47百万円となり、前連結会計年度より17億28百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加81億76百万円、独占禁止法関連損失引当金の減少34億70百万円によるものであります。
固定負債は575億90百万円となり、前連結会計年度末より27億94百万円増加いたしました。これは主に、リース債務(その他の固定負債)の増加25億57百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は7,579億47百万円となり、前連結会計年度末より213億34百万円増加いたしました。
株主資本は5,632億86百万円となり、前連結会計年度末より230億20百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加237億56百万円によるものであります。
その他の包括利益累計額は562億77百万円となり、前連結会計年度末より38億5百万円減少いたしました。これは主に、その他有価証券評価差額金の減少42億87百万円によるものであります。
非支配株主持分は1,383億81百万円となり、主に株式会社PALTACの純資産の増加により、前連結会計年度末より21億18百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
| (単位:百万円) |
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 61,843 | 60,559 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △7,817 | △3,363 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △25,248 | △25,947 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 0 | 3 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 28,778 | 31,252 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 193,561 | 228,084 |
| 新規連結に伴う現金及び現金同等物の増減額 | 5,744 | - |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 228,084 | 259,337 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より312億52百万円増加し当連結会計年度末には2,593億37百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、605億59百万円(前年同期比12億84百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益767億34百万円、減価償却費171億16百万円、売上債権の増加53億61百万円、棚卸資産の増加61億21百万円、仕入債務の増加80億99百万円、法人税等の支払236億51百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、33億63百万円(前年同期比44億53百万円の減少)となりました。これは主に、阪神ALC等の有形固定資産の取得による支出88億61百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入147億45百万円、連結子会社である株式会社プリメディカの取得関連の支出34億3百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、259億47百万円(前年同期比6億98百万円の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出50億70百万円、連結子会社である株式会社PALTACによる同社株式の取得による支出49億99百万円、配当金の支払155億89百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医療用医薬品等卸売事業 | 2,370,245 | 103.2 |
| 化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業 | 1,188,097 | 103.1 |
| 動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業 | 116,861 | 102.5 |
| 計 | 3,675,204 | 103.2 |
| 調整額(セグメント間消去) | △3,876 | - |
| 合計 | 3,671,328 | 103.2 |
(注)セグメント間の内部売上高を含んでおります。
b.仕入実績
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況等に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、②財政状態の状況、③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資本の財源は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、現金及び現金同等物、政策投資株式の売却に伴う収入等になります。当連結会計年度末の借入金残高はありませんが、引き続き、財務健全性を確保しつつ、当社グループにとって最適な資本構成を追求してまいります。
資金の流動性につきましては、事業活動を支える観点で充分な流動性を確保するとともに、金融機関からの当座貸越枠として1,845億円を設定し、突発的な資金需要にも対応しうる体制の構築をもって、流動性リスクに備えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っておりますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目事象は以下のとおりです。
なお、当社グループの取り扱う商品は、医薬品や食品、日用品など人々が生活をしていくうえで必要不可欠なものであることから、その需要が大きく減少することは想定しづらいと考えております。従いまして、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定において、新型コロナウイルスの影響は軽微であります。
a.繰延税金資産
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.のれんの評価
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c.退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い国債利回りなどを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、正味売却価額により測定しておりますが、売却予定の資産については売却予定価額を基に算定しておりますので、前提条件に変更があった場合、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
e.納入価格の見積り設定について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、納入停滞が許されない生命関連商品であることから、取引価格が未決定のまま医療機関等に納入し、納入後に価格交渉を行うという取引慣行が存在しております。取引価格が決定するまでは、過去の実績等を勘案し、合理的に判断した見積価格で売上計上を行っておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際に決定した取引価格との差異が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2024年3月期における医療用医薬品の売上高2.2兆円のうち、取引価格の決定比率(金額ベース)は99.6%となっており、期末には取引価格がほぼ確定する傾向となっております。
(過去3年間の取引価格の決定比率 2021年3月期:99.9%、2022年3月期:99.8%、2023年3月期:99.6%)