四半期報告書-第113期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの新規感染者が減少傾向となり、社会活動の制限が緩和されるなど、回復傾向にあったものの、2021年11月に新型コロナウイルスの新変異株が発見されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社グループは医薬品や日用品などを扱う事業者として、事業の継続を求められており、必要な商品を安定的に供給するという変わらぬ使命のもと、人々の生命と暮らしを支えるべく、総力を挙げて取り組んでおります。
当社グループでは「医療と健康、美」の流通で社会に貢献する新しい卸の形をめざし、社会環境の変化を見据え
ております。既存事業のさらなる革新を進めるとともに、新規事業は「創造」から「拡大」へとステップアップいたしました。同時に、様々な分野の企業とのパートナーシップを通じて社会と顧客に貢献する新たな枠組みを構築することで、収益基盤のさらなる拡大と持続的な成長をめざしております。また、流通を担う企業として、環境負荷の軽減などを通じて、持続可能な社会の実現にも貢献してまいります。
この取組みの一環として、2021年10月、当社連結対象の完全子会社である株式会社メディセオ(東京都中央区、以下、メディセオという)と、株式会社マツキヨココカラ&カンパニー(東京都文京区)は、持続可能な社会を実現するための新たな医薬品流通最適化モデル構築に向けた取組みを開始いたしました。本取組みを通じて、受注・配送・納品などの方法を最適化し、両社にとって効率的なオペレーション体制を築き上げるとともに、CO2排出量の削減や、生産性の向上、働き方改革を進めてまいります。
また、SBIインベストメント株式会社(東京都港区、以下、SBIインベストメントという)と共同で設立したMEDIPAL Innovation投資事業有限責任組合の案件として、同年11月、医療ITベンチャーのHoloeyes株式会社(東京都港区)への出資を、12月には再生医療ベンチャーのイノバセル株式会社(東京都渋谷区)への出資を行いました。今後も、SBIインベストメントが有する多様なソーシング機能を活かし、様々なベンチャー企業への出資可能性を検討してまいります。
さらに、同年12月、食品・物資・繊維・電子という幅広い分野の事業を営む神栄株式会社(神戸市中央区、以下、神栄という)の第三者割当増資を引き受け、資本業務提携を行いました。メディセオと神栄の子会社である神栄テクノロジー株式会社(神戸市中央区)は、医療用医薬品等の温度管理に対応するロガーの共同開発を進めておりました。今後は、温度に加えて、湿度、衝撃、振動、照度の計測など機能拡張を図り、製薬企業から患者さんに至るまでの高精度なトレーサビリティを実現してまいります。
当社は、新規事業のひとつとして、独自のビジネスモデルであるPFMⓇ(Project Finance & Marketing)の取組みも進めております。同年12月には、再生医療ベンチャーの株式会社サイフューズ(東京都文京区、以下、サイフューズという)が行っている開発プロジェクトに対し開発投資を行いました。現在サイフューズが進めている再生医療等製品の開発を対象としており、同開発の事業化を支援し、将来の再生医療分野における取扱い製品の拡充と患者さんのQOL改善に貢献してまいります。
当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上高2兆5,072億70百万円、営業利益370億31百万円、経常利益518億41百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益288億32百万円となりました。
なお、第1四半期連結会計期間の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」等を適用しなかった場合の数値は、売上高2兆5,308億23百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益367億80百万円(前年同期比24.9%増)、経常利益515億91百万円(前年同期比29.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益287億53百万円(前年同期比75.9%増)となります。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品等の市場は、新型コロナウイルスワクチンの高い接種率を背景に、患者の受診状況は回復しつつあり、前年同期と比べ伸長いたしました。
このような状況の中、本事業では、人々の安全・安心な医療を支える社会インフラとして、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体の最適化・効率化を図るべく、卸機能を最大限発揮するための様々な取組みを行ってまいりました。
高品質・高機能かつ災害対策を施したALC※1は、厳格な温度管理が必要な再生医療等製品などを安全・安心にお届けするために、超低温を含む全温度帯に対応できる物流プラットフォームを構築しております。これらの技術やノウハウは、当社グループが担っている新型コロナウイルスワクチンの保管・配送にも活かされております。
また、検品時間を大幅に短縮できる「個口スキャン検品※2」を利用した出荷割合は70%を超えるようになり、医療従事者の業務効率化と、接触機会の減少による新型コロナウイルス感染リスクの軽減に貢献しており、引き続き導入を推進してまいります。加えて、後発医薬品等の品切れ対応について、医療機関等に対して商品の納品遅延情報等を通知するアプリ「配送予定アプリ」を開発いたしました。このアプリを活用することで、医療機関等と当社グループ双方の業務負荷軽減に繋げてまいります。
営業面の強化については、MR認定試験合格者をAR※3として任命し、高い専門知識とスキルを活かした情報提供活動に取り組んでおります。また、コロナ禍で医療機関等への訪問規制がある中、医療従事者とのオンライン面談や勉強会、製薬企業とのWeb講演会の実施が定着してまいりました。今後も引き続きリアルとデジタルを融合させた営業活動を展開し、適正な医薬品の情報提供及び収集に努めてまいります。
売上高については、新型コロナウイルス感染症関連の臨床検査試薬等の需要が増加したことや、調剤薬局市場において、新たな医薬品流通最適化モデル構築に向けた取組みを協業で推進したことなどにより堅調に推移いたしました。
販管費については、持続的な成長に向けた構造改革の一環として、配送回数・発注の締め時間の見直しや人員の適正化により、前年同期から6.0%減少いたしました。
これらの結果、医療用医薬品等卸売事業における売上高は1兆6,532億2百万円、営業利益は142億19百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等を適用しなかった場合の数値は、売上高1兆6,790億18百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益142億42百万円(前年同期比95.0%増)となります。
[用語解説]
※1 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。
※2 個口スキャン検品とは、従来の伝票読み上げ方式から、納品箱単位でのバーコードスキャン方式に変更することで、検品時間を短縮する方法であります。
※3 AR(Assist Representatives)とは、MR認定試験に合格したMS(医薬品卸売業の営業担当者)や薬剤師などに付与した社内呼称であります。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
化粧品・日用品、一般用医薬品の市場は、新型コロナウイルス感染再拡大の第5波により落ち込んでいた、メイクアップやドリンク剤などの商材に対する需要が、感染状況の沈静化に伴い回復の兆しを見せましたが、その動きは緩やかであり、本格的な回復には至りませんでした。また、マスクや消毒液などの衛生関連品は、衛生意識の向上により消費は習慣化しているものの、急激に需要が拡大した前年と比較すると弱い需要となりました。
このような状況の中、当社連結子会社である株式会社PALTAC(大阪市中央区)は、従業員の安全を守ることが事業継続の要であるとの考えに立ち、引き続き、労働環境の整備や衛生管理を徹底し、当社の社会的役割である生活必需品の供給に努めております。また、労働人口減少による中長期的な人手不足をはじめとした社会の多様かつ複雑な変化に対応するため、中間流通機能の強化に向け、受発注を担うVAN事業に新たに取り組むなど、サプライチェーン全体を視野に連携・協働による最適化・効率化に向けた取組みを進めております。
売上高については、小売業様の幅広いニーズに対応できるリテールソリューション※1機能の充実と、連携・協働による同機能の積極的な活用などにより、増加いたしました。従前のマーチャンダイジングが通用しない環境下で、店頭の活きた情報やビッグデータを活用した売れ筋分析などによる鮮度の高い情報提供や、これまで取扱いがなかった商品群における新しいメーカー様との取引開始や環境配慮型の新規商品の取扱いなど、商品提案の充実に努めました。
販管費については、庫内作業の生産性向上に継続して取り組むとともに、配送費上昇とホワイト物流※2への対応を同時に実現するため、さまざまな視点から配送の改善に努めました。
これらの結果、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における売上高は8,021億2百万円、営業利益は202億32百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等を適用しなかった場合の数値は、売上高7,997億23百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益199億59百万円(前年同期比0.1%増)となります。
[用語解説]
※1 リテールソリューションとは、「商品が生活者にわたる現場(店頭)」を起点にマーチャンダイジングや生産性向上など流通全体の幅広い課題を解決することであります。
※2 ホワイト物流とは、トラック運転者不足が深刻になっていることに対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に役立つことを目的とした「トラック輸送の生産性向上・物流の効率化」や「女性や60代の運転者等も働きやすい、よりホワイトな労働環境の実現」のことであります。
動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業
動物用医薬品の市場は、巣ごもりの長期化により、コンパニオンアニマル※の需要が高まったことや、動物用の治療薬の進歩による長寿化が進み、順調に伸長いたしました。
このような状況の中、当社連結対象の完全子会社であるMPアグロ株式会社(北海道北広島市)は、日本市場での自社企画品の普及・定着や、独自の動物病院向けWEB発注情報システム「MP+(エムピープラス)」の利用拡大により販売は堅調に推移いたしました。従来からの商品流通や情報提供だけに留まらず、流通機能とマーケティング機能を融合させた新しい営業モデルの構築に取り組んでおります。
食品加工原材料の市場は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるものの、スーパーなどで家庭用商品の需要が堅調に推移するとともに、ファストフードなど外食産業の一部でも持ち直しの動きが見られました。
このような状況の中、当社連結対象の完全子会社であるメディパルフーズ株式会社(札幌市中央区)は、全国展開の強みを活かした営業の推進や、お得意様の商品企画から流通に至るまでをトータルにサポートするなどの取組みで、新規取引が拡大し、販売が順調に推移いたしました。
これらの結果、動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業における売上高は547億99百万円、営業利益は21億88百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等を適用しなかった場合の数値は、売上高549億15百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益21億86百万円(前年同期比12.9%増)となります。
[用語解説]
※ コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物
を指しております。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は1兆7,784億49百万円となり、前連結会計年度末より985億14百万円増加いたしました。
流動資産は1兆2,726億36百万円となり、前連結会計年度末より985億23百万円増加いたしました。これは主に受取手形及び売掛金の増加622億13百万円、商品及び製品の増加274億78百万円によるものであります。
固定資産は5,058億12百万円となり、前連結会計年度末より8百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産の増加33億54百万円、投資その他の資産の減少31億31百万円によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は1兆1,289億61百万円となり、前連結会計年度末より879億60百万円増加いたしました。
流動負債は1兆749億69百万円となり、前連結会計年度末より1,221億33百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の増加893億34百万円、1年内償還予定の新株予約権付社債の増加301億15百万円によるものであります。
固定負債は539億92百万円となり、前連結会計年度末より341億73百万円減少いたしました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の減少302億28百万円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は6,494億87百万円となり、前連結会計年度末より105億53百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加197億30百万円、その他有価証券評価差額金の減少101億4百万円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
なお、当社連結対象の完全子会社である株式会社メディセオ(東京都中央区)は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札における独占禁止法違反の疑いがあるとして、2019年11月に公正取引委員会による立入り検査を、2020年10月に東京地方検察庁による捜索及び公正取引委員会による立入り検査を受けました。また、当社連結対象の完全子会社である株式会社アトル(福岡市東区)は、独立行政法人国立病院機構本部が行う九州エリア所在の病院が調達する医薬品の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、2021年11月に公正取引委員会による立入り検査を受けました。当社は、これらの事態を厳粛かつ真摯に受け止めております。
当社グループでは、企業活動指針を制定し、経営トップ自らがグループコンプライアンス管掌として、遵法精神
を全社員に浸透させております。引き続きコンプライアンスの徹底を図るとともに、社会から信頼される企業とし
て、さらなる企業価値向上に努めてまいります。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の金額は、80百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に、重要な変更はありません。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの新規感染者が減少傾向となり、社会活動の制限が緩和されるなど、回復傾向にあったものの、2021年11月に新型コロナウイルスの新変異株が発見されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社グループは医薬品や日用品などを扱う事業者として、事業の継続を求められており、必要な商品を安定的に供給するという変わらぬ使命のもと、人々の生命と暮らしを支えるべく、総力を挙げて取り組んでおります。
当社グループでは「医療と健康、美」の流通で社会に貢献する新しい卸の形をめざし、社会環境の変化を見据え
| たビジョン | ![]() | に沿った取組みを展開し |
ております。既存事業のさらなる革新を進めるとともに、新規事業は「創造」から「拡大」へとステップアップいたしました。同時に、様々な分野の企業とのパートナーシップを通じて社会と顧客に貢献する新たな枠組みを構築することで、収益基盤のさらなる拡大と持続的な成長をめざしております。また、流通を担う企業として、環境負荷の軽減などを通じて、持続可能な社会の実現にも貢献してまいります。
この取組みの一環として、2021年10月、当社連結対象の完全子会社である株式会社メディセオ(東京都中央区、以下、メディセオという)と、株式会社マツキヨココカラ&カンパニー(東京都文京区)は、持続可能な社会を実現するための新たな医薬品流通最適化モデル構築に向けた取組みを開始いたしました。本取組みを通じて、受注・配送・納品などの方法を最適化し、両社にとって効率的なオペレーション体制を築き上げるとともに、CO2排出量の削減や、生産性の向上、働き方改革を進めてまいります。
また、SBIインベストメント株式会社(東京都港区、以下、SBIインベストメントという)と共同で設立したMEDIPAL Innovation投資事業有限責任組合の案件として、同年11月、医療ITベンチャーのHoloeyes株式会社(東京都港区)への出資を、12月には再生医療ベンチャーのイノバセル株式会社(東京都渋谷区)への出資を行いました。今後も、SBIインベストメントが有する多様なソーシング機能を活かし、様々なベンチャー企業への出資可能性を検討してまいります。
さらに、同年12月、食品・物資・繊維・電子という幅広い分野の事業を営む神栄株式会社(神戸市中央区、以下、神栄という)の第三者割当増資を引き受け、資本業務提携を行いました。メディセオと神栄の子会社である神栄テクノロジー株式会社(神戸市中央区)は、医療用医薬品等の温度管理に対応するロガーの共同開発を進めておりました。今後は、温度に加えて、湿度、衝撃、振動、照度の計測など機能拡張を図り、製薬企業から患者さんに至るまでの高精度なトレーサビリティを実現してまいります。
当社は、新規事業のひとつとして、独自のビジネスモデルであるPFMⓇ(Project Finance & Marketing)の取組みも進めております。同年12月には、再生医療ベンチャーの株式会社サイフューズ(東京都文京区、以下、サイフューズという)が行っている開発プロジェクトに対し開発投資を行いました。現在サイフューズが進めている再生医療等製品の開発を対象としており、同開発の事業化を支援し、将来の再生医療分野における取扱い製品の拡充と患者さんのQOL改善に貢献してまいります。
当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上高2兆5,072億70百万円、営業利益370億31百万円、経常利益518億41百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益288億32百万円となりました。
なお、第1四半期連結会計期間の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」等を適用しなかった場合の数値は、売上高2兆5,308億23百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益367億80百万円(前年同期比24.9%増)、経常利益515億91百万円(前年同期比29.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益287億53百万円(前年同期比75.9%増)となります。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品等の市場は、新型コロナウイルスワクチンの高い接種率を背景に、患者の受診状況は回復しつつあり、前年同期と比べ伸長いたしました。
このような状況の中、本事業では、人々の安全・安心な医療を支える社会インフラとして、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体の最適化・効率化を図るべく、卸機能を最大限発揮するための様々な取組みを行ってまいりました。
高品質・高機能かつ災害対策を施したALC※1は、厳格な温度管理が必要な再生医療等製品などを安全・安心にお届けするために、超低温を含む全温度帯に対応できる物流プラットフォームを構築しております。これらの技術やノウハウは、当社グループが担っている新型コロナウイルスワクチンの保管・配送にも活かされております。
また、検品時間を大幅に短縮できる「個口スキャン検品※2」を利用した出荷割合は70%を超えるようになり、医療従事者の業務効率化と、接触機会の減少による新型コロナウイルス感染リスクの軽減に貢献しており、引き続き導入を推進してまいります。加えて、後発医薬品等の品切れ対応について、医療機関等に対して商品の納品遅延情報等を通知するアプリ「配送予定アプリ」を開発いたしました。このアプリを活用することで、医療機関等と当社グループ双方の業務負荷軽減に繋げてまいります。
営業面の強化については、MR認定試験合格者をAR※3として任命し、高い専門知識とスキルを活かした情報提供活動に取り組んでおります。また、コロナ禍で医療機関等への訪問規制がある中、医療従事者とのオンライン面談や勉強会、製薬企業とのWeb講演会の実施が定着してまいりました。今後も引き続きリアルとデジタルを融合させた営業活動を展開し、適正な医薬品の情報提供及び収集に努めてまいります。
売上高については、新型コロナウイルス感染症関連の臨床検査試薬等の需要が増加したことや、調剤薬局市場において、新たな医薬品流通最適化モデル構築に向けた取組みを協業で推進したことなどにより堅調に推移いたしました。
販管費については、持続的な成長に向けた構造改革の一環として、配送回数・発注の締め時間の見直しや人員の適正化により、前年同期から6.0%減少いたしました。
これらの結果、医療用医薬品等卸売事業における売上高は1兆6,532億2百万円、営業利益は142億19百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等を適用しなかった場合の数値は、売上高1兆6,790億18百万円(前年同期比5.2%増)、営業利益142億42百万円(前年同期比95.0%増)となります。
[用語解説]
※1 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。
※2 個口スキャン検品とは、従来の伝票読み上げ方式から、納品箱単位でのバーコードスキャン方式に変更することで、検品時間を短縮する方法であります。
※3 AR(Assist Representatives)とは、MR認定試験に合格したMS(医薬品卸売業の営業担当者)や薬剤師などに付与した社内呼称であります。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
化粧品・日用品、一般用医薬品の市場は、新型コロナウイルス感染再拡大の第5波により落ち込んでいた、メイクアップやドリンク剤などの商材に対する需要が、感染状況の沈静化に伴い回復の兆しを見せましたが、その動きは緩やかであり、本格的な回復には至りませんでした。また、マスクや消毒液などの衛生関連品は、衛生意識の向上により消費は習慣化しているものの、急激に需要が拡大した前年と比較すると弱い需要となりました。
このような状況の中、当社連結子会社である株式会社PALTAC(大阪市中央区)は、従業員の安全を守ることが事業継続の要であるとの考えに立ち、引き続き、労働環境の整備や衛生管理を徹底し、当社の社会的役割である生活必需品の供給に努めております。また、労働人口減少による中長期的な人手不足をはじめとした社会の多様かつ複雑な変化に対応するため、中間流通機能の強化に向け、受発注を担うVAN事業に新たに取り組むなど、サプライチェーン全体を視野に連携・協働による最適化・効率化に向けた取組みを進めております。
売上高については、小売業様の幅広いニーズに対応できるリテールソリューション※1機能の充実と、連携・協働による同機能の積極的な活用などにより、増加いたしました。従前のマーチャンダイジングが通用しない環境下で、店頭の活きた情報やビッグデータを活用した売れ筋分析などによる鮮度の高い情報提供や、これまで取扱いがなかった商品群における新しいメーカー様との取引開始や環境配慮型の新規商品の取扱いなど、商品提案の充実に努めました。
販管費については、庫内作業の生産性向上に継続して取り組むとともに、配送費上昇とホワイト物流※2への対応を同時に実現するため、さまざまな視点から配送の改善に努めました。
これらの結果、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における売上高は8,021億2百万円、営業利益は202億32百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等を適用しなかった場合の数値は、売上高7,997億23百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益199億59百万円(前年同期比0.1%増)となります。
[用語解説]
※1 リテールソリューションとは、「商品が生活者にわたる現場(店頭)」を起点にマーチャンダイジングや生産性向上など流通全体の幅広い課題を解決することであります。
※2 ホワイト物流とは、トラック運転者不足が深刻になっていることに対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に役立つことを目的とした「トラック輸送の生産性向上・物流の効率化」や「女性や60代の運転者等も働きやすい、よりホワイトな労働環境の実現」のことであります。
動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業
動物用医薬品の市場は、巣ごもりの長期化により、コンパニオンアニマル※の需要が高まったことや、動物用の治療薬の進歩による長寿化が進み、順調に伸長いたしました。
このような状況の中、当社連結対象の完全子会社であるMPアグロ株式会社(北海道北広島市)は、日本市場での自社企画品の普及・定着や、独自の動物病院向けWEB発注情報システム「MP+(エムピープラス)」の利用拡大により販売は堅調に推移いたしました。従来からの商品流通や情報提供だけに留まらず、流通機能とマーケティング機能を融合させた新しい営業モデルの構築に取り組んでおります。
食品加工原材料の市場は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるものの、スーパーなどで家庭用商品の需要が堅調に推移するとともに、ファストフードなど外食産業の一部でも持ち直しの動きが見られました。
このような状況の中、当社連結対象の完全子会社であるメディパルフーズ株式会社(札幌市中央区)は、全国展開の強みを活かした営業の推進や、お得意様の商品企画から流通に至るまでをトータルにサポートするなどの取組みで、新規取引が拡大し、販売が順調に推移いたしました。
これらの結果、動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業における売上高は547億99百万円、営業利益は21億88百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等を適用しなかった場合の数値は、売上高549億15百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益21億86百万円(前年同期比12.9%増)となります。
[用語解説]
※ コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物
を指しております。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は1兆7,784億49百万円となり、前連結会計年度末より985億14百万円増加いたしました。
流動資産は1兆2,726億36百万円となり、前連結会計年度末より985億23百万円増加いたしました。これは主に受取手形及び売掛金の増加622億13百万円、商品及び製品の増加274億78百万円によるものであります。
固定資産は5,058億12百万円となり、前連結会計年度末より8百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産の増加33億54百万円、投資その他の資産の減少31億31百万円によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は1兆1,289億61百万円となり、前連結会計年度末より879億60百万円増加いたしました。
流動負債は1兆749億69百万円となり、前連結会計年度末より1,221億33百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の増加893億34百万円、1年内償還予定の新株予約権付社債の増加301億15百万円によるものであります。
固定負債は539億92百万円となり、前連結会計年度末より341億73百万円減少いたしました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の減少302億28百万円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は6,494億87百万円となり、前連結会計年度末より105億53百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加197億30百万円、その他有価証券評価差額金の減少101億4百万円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
なお、当社連結対象の完全子会社である株式会社メディセオ(東京都中央区)は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札における独占禁止法違反の疑いがあるとして、2019年11月に公正取引委員会による立入り検査を、2020年10月に東京地方検察庁による捜索及び公正取引委員会による立入り検査を受けました。また、当社連結対象の完全子会社である株式会社アトル(福岡市東区)は、独立行政法人国立病院機構本部が行う九州エリア所在の病院が調達する医薬品の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、2021年11月に公正取引委員会による立入り検査を受けました。当社は、これらの事態を厳粛かつ真摯に受け止めております。
当社グループでは、企業活動指針を制定し、経営トップ自らがグループコンプライアンス管掌として、遵法精神
を全社員に浸透させております。引き続きコンプライアンスの徹底を図るとともに、社会から信頼される企業とし
て、さらなる企業価値向上に努めてまいります。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の金額は、80百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に、重要な変更はありません。
