四半期報告書-第71期第3四半期(2023/04/01-2023/06/30)

【提出】
2023/08/10 13:05
【資料】
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【項目】
40項目
本文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当期は中期経営計画“TY2024”(2024年9月期経営目標:売上高300億円、営業利益35億円、ROE8.0%)の2年目となります。中期経営計画の達成に向け、成長戦略を推進しております。
当第3四半期連結累計期間の連結売上高は211億5千4百万円(前年同四半期比11.5%増)となりました。カーボンニュートラル分野における企業の投資において活発な状況が続いており、物性/エネルギー事業を中心に堅調に売上高を伸ばしました。一方、利益面におきましては、第2四半期に影響していた為替の変動による売上総利益率の低下が当第3四半期の半ばまで影響したことと、戦略的に低利益率で受注をした中国国家機関向け大型案件を売上計上したこと、また成長戦略のための人材の先行投資や活発化している営業活動などによる販売費及び一般管理費が想定より増加したことにより営業利益11億4千3百万円(前年同四半期比34.7%減)、経常利益13億6千2百万円(前年同四半期比35.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益9億6千3百万円(前年同四半期比34.1%減)となりました。
受注については、カーボンニュートラル分野や自動運転開発分野などで伸びた結果、受注高は232億8千8百万円(前年同四半期比1.4%増)、受注残高が176億8千1百万円(前年同四半期比11.9%増)となりました。
また、当社グループは経営管理区分及び社内組織の見直しを行ったことに伴い、第1四半期連結会計期間より事業セグメント「ライフサイエンス/マテリアルズ」を「ライフサイエンス」に名称変更し、マテリアルサイエンス(材料評価)分野の製品ラインを事業活動にシナジーが見込まれる「物性/エネルギー」に移管しております。なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の報告セグメントの区分方法により作成しており、以下の前年同四半期比については、変更後のセグメント区分方法に組み替えた数値で比較しております。
事業セグメントごとの業績は、次のとおりです。
(情報通信/情報セキュリティ)
情報通信/情報セキュリティ事業におきましては、通信事業者における5G商用サービス向けの試験や、企業のDX化推進に伴う通信品質試験の計測ソリューション、およびサービスプロバイダ向け情報セキュリティ製品の販売は前期並みに推移いたしましたが、いくつかの案件において顧客の設備導入スケジュールの変更による納入遅延が発生したため売上高が減少いたしました。また売上高減少に加え、セキュリティ分野における利益率の高いエンタープライズ製品の売上が縮小し、サービスプロバイダ向けの低利益率の大型案件が発生したことにより、セグメント利益につきましても減少いたしました。この結果、売上高は50億1百万円(前年同四半期比5.4%減)、セグメント利益は1億6千1百万円(前年同四半期比75.8%減)となりました。
(機械制御/振動騒音)
機械制御/振動騒音事業におきましては、CASEの電動化分野におけるモータートルク計測装置の販売が堅調に推移し、また振動騒音分野における企業の研究開発投資に関する販売が前期並みに推移しました。しかし、米国でのAD/ADAS開発向け大型案件の売上が客先都合で第4四半期に遅延し、売上高は微増となりました。為替変動の影響で第2四半期に低下した売上総利益率は改善していますが、当第3四半期は段階的であったためセグメント利益が減少しました。この結果、売上高は34億4千万円(前年同四半期比3.1%増)、セグメント利益は2億7千7百万円(前年同四半期比46.9%減)となりました。
(物性/エネルギー)
物性/エネルギー事業におきましては、引き続きカーボンニュートラル分野における企業の研究開発投資が活況で、全固体電池や燃料電池向けの自社開発製品や電気化学測定装置の販売が順調に推移したことにより、売上高が増加しました。売上高の増加に伴い、セグメント利益も大幅に増加しました。また、当期に移管した材料評価分野の事業も順調に立ち上がっています。この結果、売上高は51億8千2百万円(前年同四半期比15.8%増)、セグメント利益は12億2千7百万円(前年同四半期比24.9%増)となりました。
(EMC/大型アンテナ)
EMC/大型アンテナ事業におきましては、国内および中国市場においてEMC分野のビジネスで積み上がっていた受注残の納入が進み、売上高は大幅に増加しました。セグメント利益につきましては、国内においては堅調な売上総利益率となりましたが、中国において国家機関向け低利益の大型案件を売り上げたため、前年同期比では増加しているものの、第2四半期からは減少しております。この結果、売上高は43億5千2百万円(前年同四半期比62.7%増)、セグメント利益は2億4千1百万円(前年同四半期比738.9%増)となりました。
(海洋/特機)
海洋/特機事業におきましては、市場は回復傾向にあるものの、特機分野については、前期大型案件に相当する案件がありませんでした。海洋分野においては、半導体不足で受注中止になった主要製品の代替えとして新製品の立ち上げに時間を要していましたが、既に製品をリリースして販売活動を開始しております。しかし、業績への貢献は第4四半期以降になるため、売上高が減少しました。また、為替変動前に提案した案件で顧客の予算制限により価格転嫁ができなかった案件があり、これに伴いセグメント利益も減少しました。この結果、売上高は11億3千3百万円(前年同四半期比20.8%減)、セグメント利益は1億2千9百万円(前年同四半期比58.1%減)となりました。
(ソフトウェア開発支援)
ソフトウェア開発支援事業におきましては、引き続き、ゲーム関連ビジネスが堅調に推移し、売上高が増加しました。売上高の増加、及び為替の変動を考慮した価格改定により、セグメント利益においても増加しました。この結果、売上高は14億8千8百万円(前年同四半期比10.5%増)、セグメント利益は3億1千万円(前年同四半期比8.9%増)となりました。
(ライフサイエンス)
ライフサイエンス事業におきましては、医療機関の設備投資は緩やかに回復基調で整形外科デジタルプランニングツールの販売が堅調に推移いたしました。また当第3四半期からレキシー社が連結対象となったことにより売上高が増加しました。一方、セグメント利益は、前年同期比では大幅に増加しているものの、当第3四半期においては一時的に低利益率の案件を売り上げたため、第2四半期からは減少しております。この結果、売上高は5億5千6百万円(前年同四半期比33.0%増)、セグメント利益は4千万円(前年同四半期比86.0%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ24億4千5百万円減少し、391億4千7百万円となりました。主な増加要因は、商品及び製品の増加10億2千3百万円です。一方、主な減少要因は、投資有価証券の減少12億8千4百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少11億1千万円、有価証券の減少10億1千9百万円です。
負債は、前連結会計年度末に比べ8億9千2百万円減少し、113億2百万円となりました。主な増加要因は、流動負債のその他の増加4億3千9百万円です。一方、主な減少要因は、契約負債の減少4億6千6百万円、賞与引当金の減少4億2百万円、支払手形及び買掛金の減少3億7千7百万円です。
純資産は、前連結会計年度末に比べ15億5千2百万円減少し、278億4千5百万円となりました。主な増加要因は、その他有価証券評価差額金の増加1億3千5百万円です。一方、主な減少要因は、自己株式の増加14億5千1百万円、利益剰余金の減少2億3千9百万円です。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、257,745千円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 生産、受注及び売上の状況
受注高は232億8千8百万円(前年同四半期比1.4%増)であり、特に物性/エネルギーのセグメントが堅調です。また、売上高は211億5千4百万円(前年同四半期比11.5%増)でした。セグメント別の売上高は、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりです。受注残高は176億8千1百万円(前年同四半期比11.9%増)でした。