有価証券報告書-第65期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済におきましては、ゆるやかな回復基調が継続し、企業収益も堅調に推移いたしました。一方、世界経済におきましても、地政学的リスクの高まり等の懸念もありましたが、概ね回復基調で推移いたしました。また、為替水準につきましても年度を通して比較的安定的に推移いたしました。このような状況下において、当社グループは引き続き売上の拡大と生産コストの低減に取り組み、ユーザーの願いをいち早く実現することを目標に業績の向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、医療関連事業の好調により前期比9.9%増加の3,953億97百万円となりました。一方、利益面におきましては、売上総利益率が前期比で0.2%改善したものの、再生医療開発や医薬品開発を積極的に推進したことにより販売管理費が大幅に増加した結果、営業利益は前期比5.8%減少の270億88百万円となり、経常利益は前期比2.1%減少の226億84百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の計上があったものの法人税等の減少により、前期比4.3%増加の118億29百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<医療関連事業>国内販売におきましては、メディカル営業部門では、注射・輸液関連製品、経腸栄養関連製品、検査関連製品、透析関連製品、バスキュラー関連製品、心臓外科(CVS)関連製品の全分野において堅調に推移し、特に透析関連製品のHDFフィルター、次いで、バスキュラー関連製品の薬剤溶出型バルーンカテーテル「SeQuent® Please ドラッグ イルーティング バルーンカテーテル」、心臓外科(CVS)関連製品の「植込み型補助人工心臓HeartMateⅡ」の売上が大きく伸長しました。他方、医薬営業部門では、地域医療連携、地域包括ケアを視野に入れた当社医療研修施設も活用した在宅医療関連の勉強会など地道な活動がニプロブランドの向上につながり、既存品ならびに6月、12月の追補収載品の売上増につながりました。また、当社初のオーソライズド・ジェネリックであるベポタスチンベシルを平成30年3月に発売し、初月に大きく市場を獲得し、売上、利益に寄与しました。医療機器、医薬品の複合型企業である当社の特長を活かし、調剤薬局、DPC病院への販促活動を一層強化し、医薬品卸とのさらなる連携を通じ一層のシェア拡大を図りました。
一方、海外販売におきましては、ダイアライザをはじめとする主力の透析関連製品およびホスピタル関連製品の販売強化等により、順調な伸びを示しました。特に2~3年前に導入した新型透析装置の販売が好調で、売上に貢献しました。最重要市場と位置付ける米国・中国・インドにつきまして、米国では大手透析プロバイダーとの提携強化を図り、売上げを順調に伸ばし、中国では、引き続き販売好調なダイアライザに加え、透析装置の販売も拡大しております。インドでもダイアライザ、透析装置の販売は順調で、さらに、インド自社工場で生産する注射・輸液関連商品の販売も好調に推移し、売上の拡大に寄与しております。また、他市場につきましても、当期はカナダ、中国で新規拠点を開設し、直販体制の強化を継続しております。今後も直販体制の充実により、医療現場のニーズに迅速に対応し、顧客満足の向上に努め、販売の拡大に繋げてまいります。
海外新工場(インド・インドネシア・バングラデシュ・中国合肥)に関しましては、インド工場および中国合肥工場におきましてダイアライザの生産設備の増設を行い、中国合肥では10月より新ラインの稼働を開始しております他、各工場とも順調にその生産能力を拡充いたしました。
この結果、当事業の売上高は3,001億17百万円(前期比14.5%増)、セグメント利益(営業利益)は365億22百万円(前期比19.2%増)となりました。
<医薬関連事業>医薬関連事業におきましては、従来の経口剤、注射剤、外用剤の全剤形の受託製造に加え、それぞれの剤形における製剤設計からの開発受託の提案、また、注射剤においてはバイアル、シリンジ、バッグといった包装容器から開発・供給できる特長を活かした、開発初期段階からの支援および治験薬の製造、剤形追加などによる付加価値の向上および差別化を目指したライフサイクルマネジメントの支援など、多様できめ細かな幅広い開発および製造の受託営業に努めてまいりました。さらに、高薬理活性医薬品製造棟といった専用ラインでの受託製造ならびに海外生産拠点での受託製造に注力してまいりました。
また、医薬品包装容器・医薬品調製・投与デバイスに関しましては、ワクチン用ゴム栓、キット製剤用容器はもとより、小容量バッグ、プレフィルドシリンジ(プラスチック・ガラス)等、医療現場における多岐にわたるニーズに対して、当社独自もしくは各製薬メーカーとの共同開発により各々の医薬品に適した容器、投与システムを提供することで順調に推移しました。さらに医療費抑制政策のもと、国内外の製薬メーカーとともに、将来のコンビネーション製品化(当社独自の医薬品と医療機器のコラボレーション)、自己注射システム化、剤形・投与経路変更を視野に入れた総合的な医薬品のライフサイクルマネジメントによる協力を行ってまいりました。
しかしながら、長期収載品およびジェネリック医薬品の既存品の製造数量が減少したことから、当事業の売上高は668億46百万円(前期比3.3%減)、セグメント利益(営業利益)は131億4百万円(前期比7.3%減)となりました。
<ファーマパッケージング事業>ファーマパッケージング事業におきましては、従来の商材のほか、高機能・高品質な医薬用包装商材を産学連携のもと商品開発し、新規需要の獲得に向け製薬メーカー研究部門へ積極的な技術営業を行いました。また各部門が一体となり、ユーザー目線で新技術・新商品の開発や学会での拡販活動に取り組み、商品競争力・商品価値の向上に努めました。さらに製造面において注射製剤と充填工程に対応した安定した高品質商品と高付加価値商品、技術開発を国内外において推し進めてまいりました。
海外部門につきましては、欧米では製薬会社における在庫圧縮も落ち着き、欧州ではシリンジ、米国ではバイアルの販売を中心に伸長しております。中国では高品質市場化が進む中、高品質ガラス管を使用した高付加価値バイアル・アンプルの販売を強化しております。インドでは販売強化と品質向上の結果、高品質ガラス管やバイアルの販売が堅調に推移しました。今後、各国製造ラインのオートメーション化および生産効率化による品質向上を進めてまいります。
国内部門につきましては、ガラス管販売は苦戦しましたが、シリンジの販売を中心に堅調に推移いたしました。魔法瓶用ガラスバルブでは加工メーカーでの生産調整の影響を受けましたが、利益は前年を上回りました。また、びわこ工場は、管理体制を強化し、医薬容器製造拠点としての生産体制を確立、今期より医療用ゴム栓の量産もはじまり順調に高収益体質へ改善しつつあります。今後は市場の成熟化とともに、より一層高品質品の需要が高まるアジア・インド市場への高付加価値商品の導入を戦略的に推進し売上拡大に努めてまいります。
この結果、当事業の売上高は284億4百万円(前期比0.3%増)、セグメント損失(営業損失)は13億8百万円(前期は13億13百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
<その他事業>不動産賃貸による売上高が29百万円(前期比2.0%減)、セグメント利益(営業利益)は75百万円(前期は10百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
また、財政状態におきましては、当連結会計年度末の資産合計は8,267億59百万円(前期比9.8%増)、負債合計は6,432億73百万円(前期比11.6%増)、純資産合計は1,834億85百万円(前期比4.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当社グループは医療関連、医薬関連、ファーマパッケージングの各事業の積極的な営業活動による現金及び現金同等物の収入と市場からの資金調達等により得た収入で、将来の当社グループ発展へ重点を置いた積極的な手元資金の運用に努めてまいりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローが410億46百万円の収入超過(前期比22.6%増)、投資活動によるキャッシュ・フローが641億40百万円の支出超過(前期は663億51百万円の支出超過)、財務活動によるキャッシュ・フローが473億41百万円の収入超過(前期比29.8%増)となり、現金及び現金同等物の期末残高は1,355億99百万円(前期比21.0%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入の主な科目は、税金等調整前当期純利益170億26百万円、減価償却費325億65百万円であり、支出の主な科目は、売上債権の増加額が73億31百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローにおける支出の主な科目は、固定資産の取得による支出が623億82百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローにおける収入の主な科目は、長期借入れによる収入が1,351億10百万円であり、支出の主な科目は長期借入金の返済による支出が749億3百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によって算出しております。
2 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注実績
当社グループは、見込生産形態を採っておりますので、該当事項はありません。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
売上高は前連結会計年度に比べ356億97百万円増加し、3,953億97百万円(前期比9.9%増)となりました。これは主に、医療関連事業において国内販売が前期比15.9%の増加、海外販売が12.9%の増加と大幅に増加したことによるものです。この結果、各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、医療関連事業が75.9%、医薬関連事業が16.9%、ファーマパッケージング事業が7.2%、その他が0.0%となりました。
(営業利益)
営業利益は前連結会計年度に比べ16億82百万円減少し、270億88百万円(前期比5.8%減)となりました。これは主に、販売費及び一般管理費が前期比137億10百万円増加したことによるものです。内訳として研究開発費が42億15百万円増、給与関係が24億45百万円それぞれ増加しております。
(経常利益)
営業外収益は前連結会計年度に比べ4億57百万円増加し、39億81百万円(前期比13.0%増)、営業外費用は前連結会計年度に比べ7億43百万円減少し、83億84百万円(前期比8.2%減)となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ4億81百万円減少し、226億84百万円(前期比2.1%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として減損損失22億16百万円、製品補償費用10億74百万円、事業整理損10億56百万円を計上しましたが、法人税等の減少により、前連結会計年度に比べ4億83百万円増加し、118億29百万円(前期比4.3%増)となりました。
なお、セグメントごとの経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は8,267億59百万円で、前連結会計年度末に比べ739億19百万円の増加となりました。このうち流動資産は492億71百万円の増加、固定資産は246億48百万円の増加となりました。流動資産の増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が194億73百万円増加したことによるものであり、固定資産の増加の主な要因は、建設仮勘定が115億84百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
一方、負債合計は6,432億73百万円で、前連結会計年度末に比べ668億42百万円の増加となりました。このうち流動負債は6億5百万円の減少、固定負債は674億48百万円の増加となりました。流動負債の減少の主な要因は、1年内償還予定の社債が139億45百万円減少したことによるものであり、固定負債の増加の主な要因は、長期借入金が693億35百万円増加したことによるものであります。
(純資産の部)
純資産合計は1,834億85百万円で、前連結会計年度末に比べ70億77百万円の増加となりました。このうち株主資本は53億85百万円の増加、その他の包括利益累計額は11億53百万円の増加となりました。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりです。
当社は、2030年度に売上高1兆円の企業グループとなることを目指しており、まずは2020年度の経営目標を売上高5,000億円、経常利益400億円と設定しております。
当社グループは引き続きユーザー目線にたっての新商品、新技術の開発を進め、技術革新により社会貢献を志向する事業展開を継続し、医療関連、医薬関連およびファーマパッケージングの各事業において着実に成長を図り、目標達成を目指してまいります。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。なお、平成30年度における当社グループの設備投資額は556億円を予定しております。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済におきましては、ゆるやかな回復基調が継続し、企業収益も堅調に推移いたしました。一方、世界経済におきましても、地政学的リスクの高まり等の懸念もありましたが、概ね回復基調で推移いたしました。また、為替水準につきましても年度を通して比較的安定的に推移いたしました。このような状況下において、当社グループは引き続き売上の拡大と生産コストの低減に取り組み、ユーザーの願いをいち早く実現することを目標に業績の向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、医療関連事業の好調により前期比9.9%増加の3,953億97百万円となりました。一方、利益面におきましては、売上総利益率が前期比で0.2%改善したものの、再生医療開発や医薬品開発を積極的に推進したことにより販売管理費が大幅に増加した結果、営業利益は前期比5.8%減少の270億88百万円となり、経常利益は前期比2.1%減少の226億84百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の計上があったものの法人税等の減少により、前期比4.3%増加の118億29百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<医療関連事業>国内販売におきましては、メディカル営業部門では、注射・輸液関連製品、経腸栄養関連製品、検査関連製品、透析関連製品、バスキュラー関連製品、心臓外科(CVS)関連製品の全分野において堅調に推移し、特に透析関連製品のHDFフィルター、次いで、バスキュラー関連製品の薬剤溶出型バルーンカテーテル「SeQuent® Please ドラッグ イルーティング バルーンカテーテル」、心臓外科(CVS)関連製品の「植込み型補助人工心臓HeartMateⅡ」の売上が大きく伸長しました。他方、医薬営業部門では、地域医療連携、地域包括ケアを視野に入れた当社医療研修施設も活用した在宅医療関連の勉強会など地道な活動がニプロブランドの向上につながり、既存品ならびに6月、12月の追補収載品の売上増につながりました。また、当社初のオーソライズド・ジェネリックであるベポタスチンベシルを平成30年3月に発売し、初月に大きく市場を獲得し、売上、利益に寄与しました。医療機器、医薬品の複合型企業である当社の特長を活かし、調剤薬局、DPC病院への販促活動を一層強化し、医薬品卸とのさらなる連携を通じ一層のシェア拡大を図りました。
一方、海外販売におきましては、ダイアライザをはじめとする主力の透析関連製品およびホスピタル関連製品の販売強化等により、順調な伸びを示しました。特に2~3年前に導入した新型透析装置の販売が好調で、売上に貢献しました。最重要市場と位置付ける米国・中国・インドにつきまして、米国では大手透析プロバイダーとの提携強化を図り、売上げを順調に伸ばし、中国では、引き続き販売好調なダイアライザに加え、透析装置の販売も拡大しております。インドでもダイアライザ、透析装置の販売は順調で、さらに、インド自社工場で生産する注射・輸液関連商品の販売も好調に推移し、売上の拡大に寄与しております。また、他市場につきましても、当期はカナダ、中国で新規拠点を開設し、直販体制の強化を継続しております。今後も直販体制の充実により、医療現場のニーズに迅速に対応し、顧客満足の向上に努め、販売の拡大に繋げてまいります。
海外新工場(インド・インドネシア・バングラデシュ・中国合肥)に関しましては、インド工場および中国合肥工場におきましてダイアライザの生産設備の増設を行い、中国合肥では10月より新ラインの稼働を開始しております他、各工場とも順調にその生産能力を拡充いたしました。
この結果、当事業の売上高は3,001億17百万円(前期比14.5%増)、セグメント利益(営業利益)は365億22百万円(前期比19.2%増)となりました。
<医薬関連事業>医薬関連事業におきましては、従来の経口剤、注射剤、外用剤の全剤形の受託製造に加え、それぞれの剤形における製剤設計からの開発受託の提案、また、注射剤においてはバイアル、シリンジ、バッグといった包装容器から開発・供給できる特長を活かした、開発初期段階からの支援および治験薬の製造、剤形追加などによる付加価値の向上および差別化を目指したライフサイクルマネジメントの支援など、多様できめ細かな幅広い開発および製造の受託営業に努めてまいりました。さらに、高薬理活性医薬品製造棟といった専用ラインでの受託製造ならびに海外生産拠点での受託製造に注力してまいりました。
また、医薬品包装容器・医薬品調製・投与デバイスに関しましては、ワクチン用ゴム栓、キット製剤用容器はもとより、小容量バッグ、プレフィルドシリンジ(プラスチック・ガラス)等、医療現場における多岐にわたるニーズに対して、当社独自もしくは各製薬メーカーとの共同開発により各々の医薬品に適した容器、投与システムを提供することで順調に推移しました。さらに医療費抑制政策のもと、国内外の製薬メーカーとともに、将来のコンビネーション製品化(当社独自の医薬品と医療機器のコラボレーション)、自己注射システム化、剤形・投与経路変更を視野に入れた総合的な医薬品のライフサイクルマネジメントによる協力を行ってまいりました。
しかしながら、長期収載品およびジェネリック医薬品の既存品の製造数量が減少したことから、当事業の売上高は668億46百万円(前期比3.3%減)、セグメント利益(営業利益)は131億4百万円(前期比7.3%減)となりました。
<ファーマパッケージング事業>ファーマパッケージング事業におきましては、従来の商材のほか、高機能・高品質な医薬用包装商材を産学連携のもと商品開発し、新規需要の獲得に向け製薬メーカー研究部門へ積極的な技術営業を行いました。また各部門が一体となり、ユーザー目線で新技術・新商品の開発や学会での拡販活動に取り組み、商品競争力・商品価値の向上に努めました。さらに製造面において注射製剤と充填工程に対応した安定した高品質商品と高付加価値商品、技術開発を国内外において推し進めてまいりました。
海外部門につきましては、欧米では製薬会社における在庫圧縮も落ち着き、欧州ではシリンジ、米国ではバイアルの販売を中心に伸長しております。中国では高品質市場化が進む中、高品質ガラス管を使用した高付加価値バイアル・アンプルの販売を強化しております。インドでは販売強化と品質向上の結果、高品質ガラス管やバイアルの販売が堅調に推移しました。今後、各国製造ラインのオートメーション化および生産効率化による品質向上を進めてまいります。
国内部門につきましては、ガラス管販売は苦戦しましたが、シリンジの販売を中心に堅調に推移いたしました。魔法瓶用ガラスバルブでは加工メーカーでの生産調整の影響を受けましたが、利益は前年を上回りました。また、びわこ工場は、管理体制を強化し、医薬容器製造拠点としての生産体制を確立、今期より医療用ゴム栓の量産もはじまり順調に高収益体質へ改善しつつあります。今後は市場の成熟化とともに、より一層高品質品の需要が高まるアジア・インド市場への高付加価値商品の導入を戦略的に推進し売上拡大に努めてまいります。
この結果、当事業の売上高は284億4百万円(前期比0.3%増)、セグメント損失(営業損失)は13億8百万円(前期は13億13百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
<その他事業>不動産賃貸による売上高が29百万円(前期比2.0%減)、セグメント利益(営業利益)は75百万円(前期は10百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
また、財政状態におきましては、当連結会計年度末の資産合計は8,267億59百万円(前期比9.8%増)、負債合計は6,432億73百万円(前期比11.6%増)、純資産合計は1,834億85百万円(前期比4.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当社グループは医療関連、医薬関連、ファーマパッケージングの各事業の積極的な営業活動による現金及び現金同等物の収入と市場からの資金調達等により得た収入で、将来の当社グループ発展へ重点を置いた積極的な手元資金の運用に努めてまいりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローが410億46百万円の収入超過(前期比22.6%増)、投資活動によるキャッシュ・フローが641億40百万円の支出超過(前期は663億51百万円の支出超過)、財務活動によるキャッシュ・フローが473億41百万円の収入超過(前期比29.8%増)となり、現金及び現金同等物の期末残高は1,355億99百万円(前期比21.0%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入の主な科目は、税金等調整前当期純利益170億26百万円、減価償却費325億65百万円であり、支出の主な科目は、売上債権の増加額が73億31百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローにおける支出の主な科目は、固定資産の取得による支出が623億82百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローにおける収入の主な科目は、長期借入れによる収入が1,351億10百万円であり、支出の主な科目は長期借入金の返済による支出が749億3百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 対前期増減率(%) |
| 医療関連 | 142,195 | 15.3 |
| 医薬関連 | 104,832 | 1.4 |
| ファーマパッケージング | 27,399 | 2.0 |
| 合計 | 274,427 | 8.3 |
(注) 1 金額は、製造原価によって算出しております。
2 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注実績
当社グループは、見込生産形態を採っておりますので、該当事項はありません。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 対前期増減率(%) |
| 医療関連 | 300,117 | 14.5 |
| 医薬関連 | 66,846 | △3.3 |
| ファーマパッケージング | 28,404 | 0.3 |
| その他 | 29 | △2.0 |
| 合計 | 395,397 | 9.9 |
(注) 1 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
売上高は前連結会計年度に比べ356億97百万円増加し、3,953億97百万円(前期比9.9%増)となりました。これは主に、医療関連事業において国内販売が前期比15.9%の増加、海外販売が12.9%の増加と大幅に増加したことによるものです。この結果、各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、医療関連事業が75.9%、医薬関連事業が16.9%、ファーマパッケージング事業が7.2%、その他が0.0%となりました。
(営業利益)
営業利益は前連結会計年度に比べ16億82百万円減少し、270億88百万円(前期比5.8%減)となりました。これは主に、販売費及び一般管理費が前期比137億10百万円増加したことによるものです。内訳として研究開発費が42億15百万円増、給与関係が24億45百万円それぞれ増加しております。
(経常利益)
営業外収益は前連結会計年度に比べ4億57百万円増加し、39億81百万円(前期比13.0%増)、営業外費用は前連結会計年度に比べ7億43百万円減少し、83億84百万円(前期比8.2%減)となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ4億81百万円減少し、226億84百万円(前期比2.1%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として減損損失22億16百万円、製品補償費用10億74百万円、事業整理損10億56百万円を計上しましたが、法人税等の減少により、前連結会計年度に比べ4億83百万円増加し、118億29百万円(前期比4.3%増)となりました。
なお、セグメントごとの経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は8,267億59百万円で、前連結会計年度末に比べ739億19百万円の増加となりました。このうち流動資産は492億71百万円の増加、固定資産は246億48百万円の増加となりました。流動資産の増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が194億73百万円増加したことによるものであり、固定資産の増加の主な要因は、建設仮勘定が115億84百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
一方、負債合計は6,432億73百万円で、前連結会計年度末に比べ668億42百万円の増加となりました。このうち流動負債は6億5百万円の減少、固定負債は674億48百万円の増加となりました。流動負債の減少の主な要因は、1年内償還予定の社債が139億45百万円減少したことによるものであり、固定負債の増加の主な要因は、長期借入金が693億35百万円増加したことによるものであります。
(純資産の部)
純資産合計は1,834億85百万円で、前連結会計年度末に比べ70億77百万円の増加となりました。このうち株主資本は53億85百万円の増加、その他の包括利益累計額は11億53百万円の増加となりました。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりです。
当社は、2030年度に売上高1兆円の企業グループとなることを目指しており、まずは2020年度の経営目標を売上高5,000億円、経常利益400億円と設定しております。
| 経営指標 | 2017年度実績 | 2020年度目標 | 達成状況 |
| 売上高 | 3,953億円 | 5,000億円 | 79.1% |
| 経常利益 | 226億円 | 400億円 | 56.5% |
当社グループは引き続きユーザー目線にたっての新商品、新技術の開発を進め、技術革新により社会貢献を志向する事業展開を継続し、医療関連、医薬関連およびファーマパッケージングの各事業において着実に成長を図り、目標達成を目指してまいります。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。なお、平成30年度における当社グループの設備投資額は556億円を予定しております。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。