有価証券報告書-第150期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/22 14:12
【資料】
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【項目】
144項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありますが、海外経済の改善等もあり企業収益については一部に持ち直しの動きも出てきております。先行きについては、感染の動向に大きく影響されることが予想されるほか、米中の関係悪化など世界情勢にも引続き十分注意を払う必要があります。当社の事業領域である自動車アフターマーケット市場や建機・産業車輌市場においても、持ち直しに向かう動きが期待されていますが、引続き国内外の感染の動向や政治・経済の情勢を注視していくことが必要です。
このような経済状況のもとで、当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度の経営成績は売上高419億2百万円(前期比4.5%減)、経常利益20億42百万円(同5.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13億83百万円(同11.0%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、従来の国内営業本部CUSPA部を、事業領域の開拓と意思決定の迅速化を目的として事業本部として独立させ、報告セグメントとしております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(国内営業本部) 国内営業本部は、新型コロナウイルス感染症拡大防止に最大限の対策を講じつつ、自動車補修部品の供給を社会にとって重要なライフラインと認識し、取引先と一丸になって安定供給の維持に努めてまいりました。また、今後も引き続き自動車の機能部品・消耗部品の販売に徹底するとともに、EV車・HV車の普及をはじめとした新規商材の開発・販売にも注力してまいります。その結果、売上高は242億81百万円となり、前年同期比1.0%の増収となりました。
(海外営業本部)
海外営業本部は、新型コロナウイルス感染症の影響からは全般的には回復傾向にありますが、世界的な流通コンテナ不足、配船スケジュールの乱れやアジアで引き続き拡大している新型コロナウイルス感染症により、売上高の減少に大きな影響を与えました。その結果、売上高は112億22百万円となり前年同期比15.0%の減収となりました。
(工機営業本部)
工機営業本部は、新型コロナウイルス感染症の影響による、建設・農業・産業車輌メーカーの減産から、一部農機や小型建機顧客で生産回復がみられましたが、業界全体での本格的な回復には至らず、加えて、世界的な物流の混乱や半導体不足が顧客生産に影響を与え始めております。その結果、売上高は42億48百万円となり、前年同期比10.0%の減収となりました。
(CUSPA営業本部)
CUSPA営業本部は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるカスタマイズパーツの消費マインド低下、モータースポーツやイベント等の開催延期・中止の多発など難しい環境が続く中、自社ブランドや総発売元・総輸入元の権利を有するブランドなど、当社が強みを持つ商材の拡販に集中して取り組みました。その結果、売上高は21億48百万円となり、前年同期比13.6%の増収となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループの経営成績に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は期首に比べ18億79百万円増加(前連結会計年度は5億23百万円増加)し、当連結会計年度末には72億54百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は23億49百万円(前連結会計年度は10億82百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益20億42百万円と、法人税等の支払額6億50百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は8億21百万円(前連結会計年度は2億7百万円の獲得)となりました。これは主に連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3億96百万円と、有形固定資産の取得による支出3億29百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、獲得した資金は3億62百万円(前連結会計年度は7億64百万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入13億27百万円と、長期借入金の返済による支出6億4百万円と、配当金の支払による支出3億51百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績・受注実績
該当事項はありません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
国内営業本部(千円)19,484,090101.0
海外営業本部(千円)9,910,51981.7
工機営業本部(千円)3,525,76891.0
CUSPA営業本部(千円)1,738,011112.8
合計(千円)34,658,38994.1

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
国内営業本部(千円)24,281,932101.0
海外営業本部(千円)11,222,90485.0
工機営業本部(千円)4,248,65890.0
CUSPA営業本部(千円)2,148,648113.6
合計(千円)41,902,14395.5

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
流動資産は229億74百万円となり、前連結会計年度末と比較して15億10百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加18億79百万円、受取手形及び売掛金の減少88百万円および電子記録債権の減少2億30百万円によるものです。
固定資産は49億50百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億82百万円の増加となりました。これは主に建設仮勘定の増加1億68百万円およびのれんの増加3億23百万円によるものです。
この結果、総資産は279億25百万円となり、前連結会計年度末と比較して20億92百万円増加いたしました。
流動負債は72億18百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億22百万円の増加となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加1億92百万円によるものです。
固定負債は18億9百万円となり、前連結会計年度末と比較して8億60百万円の増加となりました。これは主に長期借入金の増加6億57百万円および社債の増加1億80百万円によるものです。この結果、負債合計は90億27百万円となり、前連結会計年度末と比較して10億83百万円増加いたしました。
純資産の部は188億97百万円となり、前連結会計年度末と比較して10億9百万円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益13億83百万円及び剰余金の配当3億51百万円によるものです。この結果、自己資本比率は67.7%(前連結会計年度末は69.2%)となりました。
2)経営成績
売上高は、前連結会計年度に比べて19億57百万円減少(4.5%減)し、419億2百万円となりました。
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している要因により、国内営業本部は2億29百万円増加(1.0%増)、海外営業本部は19億74百万円減少(15.0%減)、工機営業本部は4億70百万円減少(10.0%減)、CUSPA営業本部は2億57百万円増加(13.6%増)となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べて98百万円増加(5.1%増)し、20億44百万円となりました。売上高販管費率は前期比0.3ポイント増加し12.3%となりましたが、売上総利益率が前期比0.7ポイント増加し17.1%となったため、売上高営業利益率は前期比0.5ポイント増加し4.9%となりました。
経常利益は、前連結会計年度に比べて1億10百万円増加(5.7%増)し、20億42百万円となりました。
特別損益は、0百万円の損失(前連結会計年度は3億56百万円の利益)となりました。
法人税等(法人税等調整額を含む)は、前連結会計年度に比べて76百万円減少(10.4%減)し、6億58百万円となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて1億70百万円減少(11.0%減)して13億83百万円となり、自己資本当期純利益率は(ROE)は7.5%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金は内部資金の活用を基本としておりますが、設備資金を中心とする事業の維持拡大のための資金として金融機関からの借入による調達も行っております。また、事業環境等の不測の変化に備え、流動性の確保のために金融機関には十分な借入枠を有しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は売上高419億2百万円(前連結会計年度比4.5%減)、営業利益20億44百万円(同5.1%増)と減収増益となりました。新型コロナウィルス感染症の影響もあり、売上は若干落ち込んだものの、地道に営業を重ねることで落ち込みを最低限に留め、更には年度を通じて取り組んだ経費削減が奏功したものと認識しております。しかしながら自動車補修部品市場は、車輌のIT化・自動運転化・HV/EV化による大きな変革が訪れつつあり、引き続き当社グループは進取の気性を持って柔軟に対応していくことができる人材の育成に注力してまいります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおいて重要と位置付ける経営指標は、売上高営業利益率であると捉え、4.5%を目標としております。当連結会計年度の売上高営業利益率は4.9%(前年同期比0.5ポイント増加)でした。引き続き、これらの指標が改善されるよう取り組んでまいります。
⑤セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
⑥重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。