有価証券報告書-第153期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 15:45
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【項目】
165項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済環境は、新型コロナウイルス感染症の落ち着きに伴い、社会経済活動の回復が進み、景気は緩やかながらも持ち直し傾向がみられました。世界的な物価上昇を受けて、日本でもデフレ脱却の兆しが出て、春闘における30年ぶりの高い賃上げが実現し、日銀によって、17年ぶりにマイナス金利政策が解除されました。反面、各地で不穏な国際情勢が続き、物価上昇やエネルギー・資源価格の高止まり、円安基調の長期化、不安定な政治状況など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
一方、当社グループにおきましては、2030年までにモビリティビジネスのグローバル商社を目指す「VISION2030」の1stCycle(2021年~2023年)の、最終年度にあたる当連結会計年度の業績は、基盤事業である国内で、安定的な業績を達成しながら、旺盛な需要に応え、円安メリットのあった海外事業と主要顧客の生産拡大やこれまで取り組んできた環境、安心、安全性能を向上させる製品開発への取り組みが実を結んだ工機事業において、大幅な伸長を示したこと、さらに国内外の連結子会社が貢献を果たしたことで、当初計画を超過する業績となりました。
このような経済状況のもとで、当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度の経営成績は売上高633億2百万円(前期比15.7%増)、営業利益31億45百万円(同15.6%増)、経常利益33億57百万円(同15.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益23億92百万円(同16.1%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(国内営業本部)
国内営業本部は、主要顧客からの受注が堅調に推移しており、商品別ではバッテリー、エンジンオイル、足回り商品、輸入車消耗部品等、主力商品の販売が好調となりました。また国内連結グループ会社の業績も堅調に推移しました。その結果、売上高は298億22百万円となり、前年同期比9.3%の増収となりました。依然として、円安による輸入商品価格の高騰など仕入価格の上昇要因はありますが、物流改革、拠点エリア再編や業務効率化を進めて、コスト増に対応してまいります。また、引き続き取引先や各本部、グループ会社との連携を強化し、補修部品の安定供給を最優先にバリューチェーンの構築に取り組んでまいります。
(海外営業本部)
海外営業本部は、円安が継続していることで、中東地域をはじめほぼ全地域で受注は好調に推移していますが、アジア・中南米地域市場などの一部市場では現地販売がスローダウンし、若干在庫過多の状況です。サプライヤーからの値上げは落ち着いたものの、納期の長期化は想定より改善しておらず、バックオーダーは依然として高い水準が続いています。その影響で当第4四半期の輸出はややペースダウンしましたが、当連結会計年度累計では好調な業績となりました。一方、海外連結グループ会社はシンガポール法人を筆頭に全て順調であり、連結業績に大きく貢献しています。その結果、売上高は223億36百万円となり前年同期比22.8%の増収となりました。
(工機営業本部)
工機営業本部は、主要顧客である建機・農機・産業車輌メーカーの生産が好調に推移しました。その結果、売上高は76億85百万円となり、前年同期比28.1%の増収となりました。一方、市場・業界動向は低調な欧州・中国需要に加え、好調を支えてきた北米需要の先行きが不透明な経営環境ではありますが、顧客・市場で需要が高まる環境性能、安心・安全性能を向上させる製品開発に取り組むことで、脱炭素・安心安全社会に向けて貢献してまいります。
(CUSPA営業本部)
CUSPA営業本部は、為替変動に伴う輸入商材価格の上昇、原材料費の高騰などの外部要因の影響を引き続き受けておりますが、自社ブランドの商品ラインアップの見直しや、新規ブランドの販売拡大を目的とした新規開拓を積極的に実施し、また、メディア露出やモータースポーツシーンを中心に効果的なプロモーションを継続的に行いました。その結果、売上高は34億58百万円となり、前年同期比7.7%の増収となりました。今後も原材料価格や為替の変動に柔軟に対応し、主要商品の安定供給を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は期首に比べ2億64百万円増加(前連結会計年度は4億66百万円増加)し、当連結会計年度末には68億52百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は18億35百万円(前連結会計年度は8億38百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益33億41百万円と、売上債権の増加6億40百万円、棚卸資産の増加8億70百万円、仕入債務の増加2億45百万円、および法人税等の支払額11億57百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は17億97百万円(前連結会計年度は8億79百万円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1億98百万円、子会社株式の取得による支出2億90百万円、有形固定資産の取得による支出10億34百万円、無形固定資産の取得による支出1億31百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は1億67百万円(前連結会計年度は4億26百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の減少3億27百万円、長期借入れによる収入21億円、長期借入金の返済による支出10億19百万円、および配当金の支払による支出4億71百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績・受注実績
該当事項はありません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
国内営業本部(千円)24,051,486107.1
海外営業本部(千円)19,139,522116.0
工機営業本部(千円)6,683,419126.0
CUSPA営業本部(千円)2,642,124106.4
合計(千円)52,516,552112.3

c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
国内営業本部(千円)29,822,124109.3
海外営業本部(千円)22,336,160122.8
工機営業本部(千円)7,685,900128.1
CUSPA営業本部(千円)3,458,215107.7
合計(千円)63,302,401115.7

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
流動資産は306億25百万円となり、前連結会計年度末と比較して29億48百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加3億55百万円、受取手形及び売掛金の増加2億67百万円、電子記録債権の増加6億67百万円、および棚卸資産の増加15億79百万円によるものです。固定資産は80億16百万円となり、前連結会計年度末と比較して13億41百万円の増加となりました。これは主に建物及び構築物(純額)の増加6億55百万円、土地の増加5億円、および投資有価証券の増加2億20百万円によるものです。
この結果、総資産は386億41百万円となり、前連結会計年度末と比較して42億90百万円の増加となりました。
流動負債は107億33百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億82百万円の増加となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加4億64百万円、および1年内返済予定の長期借入金の増加2億60百万円によるものです。固定負債は33億16百万円となり、前連結会計年度末と比較して8億90百万円の増加となりました。これは主に長期借入金の増加9億29百万円によるものです。
この結果、負債合計は140億50百万円となり、前連結会計年度末と比較して18億73百万円の増加となりました。
純資産の部は245億91百万円となり、前連結会計年度末と比較して24億16百万円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益23億92百万円及び剰余金の配当4億71百万円によるものです。この結果、自己資本比率は63.4%(前連結会計年度末は64.6%)となりました。
2)経営成績
売上高は、前連結会計年度に比べて86億6百万円増加(15.7%増)し、633億2百万円となりました。
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している要因により、国内営業本部は25億34百万円増加(9.3%増)、海外営業本部は41億40百万円増加(22.8%増)、工機営業本部は16億83百万円増加(28.1%増)、CUSPA営業本部は2億47百万円増加(7.7%増)となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べて4億25百万円増加(15.6%増)し、31億45百万円となりました。売上高販管費率は前期比0.7ポイント増加し13.5%となりましたが、売上総利益率が前期比0.7ポイント増加し18.4%となったため、売上高営業利益率は前期と同水準の5.0%となりました。
経常利益は、前連結会計年度に比べて4億46百万円増加(15.3%増)し、33億57百万円となりました。
特別損益は、16百万円の損失(前連結会計年度は57百万円の利益)となりました。
法人税等(法人税等調整額を含む)は、前連結会計年度に比べて34百万円増加(3.8%増)し、9億43百万円となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて3億32百万円増加(16.1%増)して23億92百万円となり、自己資本当期純利益率は(ROE)は10.3%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金は内部資金の活用を基本としておりますが、設備資金を中心とする事業の維持拡大のための資金として金融機関からの借入による調達も行っております。また、事業環境等の不測の変化に備え、流動性の確保のために金融機関には十分な借入枠を有しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績は売上高633億2百万円(前連結会計年度比15.7%増)、営業利益31億45百万円(同15.6%増)と増収増益となりました。売上については海外営業本部や工機営業本部が大きく牽引しました。また、利益面につきましては経常利益、当期純利益とも増益となりました。しかしながら自動車補修部品市場は、車輌のIT化・自動運転化・HV/EV化による大きな変革が訪れつつあり、引き続き当社グループは進取の気性を持って柔軟に対応していくことができる人材の育成に注力してまいります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおいて重要と位置付ける経営指標は、売上高営業利益率であると捉え、4.5%を目標としております。当連結会計年度の売上高営業利益率は前連結会計年度と同水準の5.0%でした。引き続き、これらの指標が改善されるよう取り組んでまいります。
⑤セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
⑥重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。