四半期報告書-第19期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

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2021/02/12 16:15
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財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
1 財政状態及び経営成績の状況
(1) 経営環境
当第3四半期連結累計期間を顧みますと、世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて大きく落ち込んだものの、経済活動の再開や各国の財政出動、金融緩和に支えられて持ち直しの動きが続きましたが、10月以降、世界的な感染再拡大に伴い、景気の回復ペースは鈍化しました。
主要地域別に見ますと、米国では、4月以降、ロックダウンが徐々に緩和されたことに伴い、個人消費の回復の動きが見られたほか、急上昇していた失業率が低下するなど雇用環境が改善しましたが、10月以降、感染再拡大が深刻化するなかで、活動制限が再び強化されたことを受けて、改善ペースは鈍化しました。欧州では、7月にEU(欧州連合)が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた加盟国を財政支援する「復興基金」の創設で合意したことなどが企業や家計の景況感改善に寄与しましたが、10月以降、感染再拡大に伴い多くの国で厳しいロックダウンが再び導入されたため、景気は悪化に転じました。新興国では、感染収束で先行する中国において、個人消費や固定資産投資などの内需の増勢や輸出の増加により、順調な景気回復が続いた一方、それ以外の国においては、感染状況の違いなどによって景気の回復ペースにばらつきがみられました。
わが国では、外出自粛の影響を受けやすい飲食・宿泊等のサービス消費の持ち直しのペースは鈍いものの、個人消費は全体として回復が続きました。また、内外経済の持ち直しを追い風に、輸出や鉱工業生産は増加したほか、企業収益や景況感が改善するなかで、デジタル化投資などにも支えられて、設備投資は持ち直しの動きがみられました。
わが国の金融資本市場におきましては、日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもと、短期市場金利はマイナス0.04%台を中心に推移しました。一方、長期市場金利は、米国金利上昇につれて8月下旬に0.05%台まで上昇しましたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大を受けた景気の先行き懸念などから、期末には0.02%となりました。ドル円相場は、米国の経済指標の改善などを手掛かりに投資家のリスク選好の動きが強まり、6月上旬に、一時109円台まで円安が進みましたが、その後FRB(連邦準備制度理事会)の金融緩和長期化観測などを背景に円高に転じ、期末には103円台前半となりました。日経平均株価は、米国の大統領選挙を巡る不透明感が後退したほか、新型コロナウイルス感染症の予防ワクチンの実用化が視野に入り、景気回復期待が高まったことから、期末にかけて2万7千円台へ上昇しました。
規制面では、6月に金融機能強化法の期限を延長し、新型コロナウイルス感染症等に関する特例を定めた「金融機能の強化のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律」が成立しました。また同月、金融庁が、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、レバレッジ比率の算定に当たり日本銀行に対する預け金の額を総エクスポージャーの額より除外することを定めた、レバレッジ比率規制に関する告示の一部改正を公表しました。12月には、銀行の業務範囲規制等のあり方等に関する提言を含む「金融審議会 銀行制度等ワーキング・グループ報告-経済を力強く支える金融機能の確立に向けて-」、外国の法人顧客に関する銀証ファイアーウォール規制の緩和等に関する提言を含む「金融審議会 市場制度ワーキング・グループ第一次報告-世界に開かれた国際金融センターの実現に向けて-」が公表されました。
(2) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間の連結業務純益は、海外金利の低下を捉えた債券売却益の計上により市場事業部門が増益となった一方、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、リテール事業部門が減益となったこと等に加え、持分法による投資損益が、SMBC Aviation Capital Limitedやアジア出資先でのクレジットコストの増加を主因に減益となったこと等から、前第3四半期連結累計期間比112億円減益の8,106億円となりました。
与信関係費用は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、前第3四半期連結累計期間比1,383億円増加の2,348億円の費用となりました。
以上の結果、経常利益は前第3四半期連結累計期間比2,169億円減益の5,949億円となりました。
また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前第3四半期連結累計期間に計上した三井住友アセットマネジメント株式会社と大和住銀投信投資顧問株式会社の合併に伴う段階取得に係る差益220億円の剥落等により、前第3四半期連結累計期間比1,769億円減益の4,339億円となりました。
主な項目の分析は、以下のとおりであります。
(単位:億円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前第3四半期
連結累計期間比
連結粗利益20,73520,704△31
資金運用収支9,8229,564△258
信託報酬3434△0
役務取引等収支8,0097,908△102
特定取引収支1,6541,957303
その他業務収支1,2151,24126
営業経費△12,993△12,794199
持分法による投資損益476196△280
連結業務純益8,2188,106△112
与信関係費用△965△2,348△1,383
不良債権処理額△1,060△2,443△1,384
貸出金償却△703△908△205
貸倒引当金繰入額△322△1,393△1,071
その他△35△143△108
償却債権取立益95961
株式等損益939727△211
その他△74△537△463
経常利益8,1185,949△2,169
特別損益196△78△274
うち固定資産処分損益4△6△10
うち減損損失△26△71△45
うち段階取得に係る差益2204△216
税金等調整前四半期純利益8,3145,871△2,444
法人税等△2,050△1,517533
四半期純利益6,2644,354△1,910
非支配株主に帰属する四半期純利益△156△15141
親会社株主に帰属する四半期純利益6,1084,339△1,769

(注)1 減算項目には金額頭部に△を付しております。
2 連結粗利益=資金運用収支+信託報酬+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支
3 当第3四半期連結累計期間より割賦販売取引の売上高及び売上原価の計上基準を変更し、前第3四半期連結累計期間について遡及適用を行った結果、遡及適用前と比較して、資金運用収支が238億円増加、その他業務収支が238億円減少しております。
ホールセール事業部門の連結業務純益は前第3四半期連結累計期間比19億円増益の2,634億円、リテール事業部門は同107億円減益の1,691億円、グローバル事業部門は同28億円減益の2,599億円、市場事業部門は同247億円増益の3,493億円となりました。
(単位:億円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前第3四半期
連結累計期間比
連結粗利益連結業務純益連結粗利益連結業務純益連結粗利益連結業務純益
ホールセール事業部門4,6942,9314,4692,634△3019
リテール事業部門9,3391,7388,4031,691△322△107
グローバル事業部門5,0942,8095,1442,599235△28
市場事業部門3,4783,2963,8483,493266247
本社管理等△1,870△2,556△1,160△2,311△180△243
合計20,7358,21820,7048,106△31△112

(注) 1 セグメントは内部管理上採用している区分によっております。
2 本社管理等には、内部取引として消去すべきものを含めております。
3 前第3四半期連結累計期間比は、金利・為替影響等を調整しております。
(3) 財政状態の分析
① 貸出金
貸出金は、前連結会計年度末比1兆4,184億円増加して83兆9,360億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第3四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
貸出金残高(末残)825,176839,36014,184
うちリスク管理債権6,2787,3721,093
うち住宅ローン(注)117,207114,860△2,347

(注)当社国内銀行子会社の単体計数を単純合算して表示しております。
[ご参考]国内・海外別貸出金残高の状況
○業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別前連結会計年度末当第3四半期連結会計期間末
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国内(除く特別国際金融取引勘定分)52,653,427100.0055,875,785100.00
製造業7,264,65613.809,560,97317.11
農業、林業、漁業及び鉱業271,2160.52264,3440.47
建設業753,2161.43846,9261.52
運輸、情報通信、公益事業5,228,3109.935,476,3189.80
卸売・小売業4,393,8948.344,476,5398.01
金融・保険業2,738,5835.202,578,3674.62
不動産業、物品賃貸業9,302,24417.6710,314,65818.46
各種サービス業4,355,9128.274,839,6888.66
地方公共団体784,2731.49519,1180.93
その他17,561,12033.3516,998,85030.42
海外及び特別国際金融取引勘定分29,864,181100.0028,060,239100.00
政府等276,4930.93216,1450.77
金融機関2,087,8896.992,165,2567.72
商工業23,939,81680.1622,405,71179.85
その他3,559,98211.923,273,12511.66
合計82,517,60983,936,025

(注) 1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
また、金融再生法開示債権は以下のとおりであります。
金融再生法開示債権は、前連結会計年度末比1,075億円増加して7,577億円となりました。その結果、不良債権比率は前連結会計年度末比0.10%上昇して0.78%となりました。債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が406億円増加して1,285億円、危険債権が262億円増加して3,530億円、要管理債権が407億円増加して2,762億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第3四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
破産更生債権及びこれらに準ずる債権8791,285406
危険債権3,2693,530262
要管理債権2,3552,762407
合計6,5037,5771,075
正常債権952,732965,78713,055
総計959,235973,36414,129
不良債権比率(=①/②)0.68%0.78%0.10%


② 有価証券
有価証券は、前連結会計年度末比6兆9,895億円増加して34兆1,183億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第3四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
有価証券271,288341,18369,895
国債73,480138,43164,951
地方債2,6276,5143,887
社債27,39126,818△573
株式32,25039,1466,896
うち時価のあるもの26,69633,4626,766
その他の証券135,539130,273△5,267

(注)「その他の証券」には、外国債券及び外国株式が含まれております。
また、有価証券等の評価損益は以下のとおりであります。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第3四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
満期保有目的の債券1△0△2
その他有価証券18,92328,2759,352
うち株式12,69620,3827,686
うち債券215198△17
その他の金銭の信託
合計18,92528,2759,350


③ 繰延税金資産(負債)
繰延税金資産は、前連結会計年度末比30億円増加して294億円となりました。また、繰延税金負債は、前連結会計年度末比2,816億円増加して5,390億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第3四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
繰延税金資産26329430
繰延税金負債△2,574△5,390△2,816

④ 預金
預金は、前連結会計年度末比12兆6,806億円増加して139兆7,228億円となりました。また、譲渡性預金は、前連結会計年度末比2,649億円増加して10兆4,453億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第3四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
預金1,270,4221,397,228126,806
国内1,050,0411,147,21297,170
海外220,381250,01729,636
譲渡性預金101,804104,4532,649

(注) 1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
⑤ 純資産の部
純資産の部合計は、11兆5,137億円となりました。このうち株主資本合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や剰余金の配当等の結果、前連結会計年度末比794億円増加して9兆4,337億円となりました。また、その他の包括利益累計額合計は、前連結会計年度末比6,444億円増加して2兆101億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第3四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
純資産の部合計107,849115,1377,288
うち株主資本合計93,54394,337794
うちその他の包括利益累計額合計13,65720,1016,444


(4) 国内・海外別収支
当第3四半期連結累計期間の資金運用収支は前第3四半期連結累計期間比258億円減益の9,564億円、信託報酬は同0億円減益の34億円、役務取引等収支は同102億円減益の7,908億円、特定取引収支は同303億円増益の1,957億円、その他業務収支は同26億円増益の1,241億円となりました。
国内・海外別に見ますと、国内の資金運用収支は前第3四半期連結累計期間比591億円増益の6,492億円、信託報酬は同0億円減益の34億円、役務取引等収支は同316億円減益の6,315億円、特定取引収支は同143億円増益の1,541億円、その他業務収支は同216億円増益の763億円となりました。
海外の資金運用収支は前第3四半期連結累計期間比801億円減益の4,507億円、役務取引等収支は同183億円増益の1,640億円、特定取引収支は同160億円増益の416億円、その他業務収支は同178億円減益の501億円となりました。
種類期別国内海外消去又は
全社(△)
合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
資金運用収支前第3四半期連結累計期間590,085530,803△138,685982,203
当第3四半期連結累計期間649,163450,749△143,492956,420
うち資金運用収益前第3四半期連結累計期間873,1721,109,953△67,8731,915,252
当第3四半期連結累計期間743,652665,505△39,9341,369,224
うち資金調達費用前第3四半期連結累計期間283,086579,14970,811933,048
当第3四半期連結累計期間94,489214,756103,558412,803
信託報酬前第3四半期連結累計期間3,3963,396
当第3四半期連結累計期間3,3853,385
役務取引等収支前第3四半期連結累計期間663,020145,787△7,861800,946
当第3四半期連結累計期間631,462164,044△4,716790,789
うち役務取引等
収益
前第3四半期連結累計期間803,008172,496△14,302961,201
当第3四半期連結累計期間769,087191,788△13,750947,126
うち役務取引等
費用
前第3四半期連結累計期間139,98726,708△6,441160,255
当第3四半期連結累計期間137,62527,744△9,034156,336
特定取引収支前第3四半期連結累計期間139,79525,581165,376
当第3四半期連結累計期間154,06641,622195,689
うち特定取引収益前第3四半期連結累計期間140,13329,133△3,890165,376
当第3四半期連結累計期間154,91142,586△1,808195,689
うち特定取引費用前第3四半期連結累計期間3383,551△3,890
当第3四半期連結累計期間845963△1,808
その他業務収支前第3四半期連結累計期間54,77067,906△1,127121,548
当第3四半期連結累計期間76,32650,121△2,347124,101
うちその他業務
収益
前第3四半期連結累計期間141,696105,000△1,840244,856
当第3四半期連結累計期間154,54782,694△2,544234,697
うちその他業務
費用
前第3四半期連結累計期間86,92537,094△713123,307
当第3四半期連結累計期間78,22132,572△197110,596

(注) 1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
3 「国内」、「海外」間の内部取引は、「消去又は全社(△)」欄に表示しております。
4 当第3四半期連結累計期間より割賦販売取引の売上高及び売上原価の計上基準を変更し、前第3四半期連結累計期間について遡及適用を行った結果、「国内」及び「合計」について、遡及適用前と比較して、「資金運用収支」及び「資金運用収益」はそれぞれ23,844百万円増加、「その他業務収支」は23,844百万円、「その他業務収益」は566,291百万円、「その他業務費用」は542,446百万円減少しております。
2 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発活動につきましては、業務システムに関する研究開発を行い、研究開発費として35百万円を計上しております。なお、本研究開発費は、すべて本社管理(「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げる「セグメント情報」の区分と同一)に計上されております。