四半期報告書-第22期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)

【提出】
2023/08/14 15:40
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【項目】
47項目
財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
1 財政状態及び経営成績の状況
(1) 経営環境
当第1四半期連結累計期間を顧みますと、世界経済は、家計のサービス消費がコロナ禍での抑制からの反動により好調であった一方、コロナ禍における巣ごもり需要の終息や金融引き締めにより財消費の需要が低迷し、総じてみれば減速しました。
主要地域別に見ますと、米国では、インフレを抑制するために利上げが続けられ、住宅投資や財消費の下押し圧力となったものの、サービス消費のペントアップ需要や雇用の増加等が下支えとなり、景気は底堅く推移しました。また、東南アジア等では、デジタル関連財の需要減退等により外需が低迷しましたが、経済活動の正常化が進んだことでインバウンド消費を含めたサービス消費が増加し、景気が回復しました。一方、欧州では、インフレ率の高止まりを背景に家計の購買力が低下したほか、政策金利の引き上げが続けられたことで、景気は低調に推移しました。加えて、中国では、不動産市場の低迷や個人消費の停滞により、景気が減速しました。
わが国の景気は、緩やかに回復しました。まず、内需に関しましては、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行による行動規制の緩和や半導体不足等による自動車等の供給制約の緩和を背景に個人消費の回復が続いたほか、高水準の企業収益に支えられ、設備投資も増加しました。また、外需に関しましては、海外経済の減速等を背景に財輸出が伸び悩む一方、4月末に新型コロナウイルス感染症に係る水際対策が撤廃され、訪日外国人が増加したことに伴い、商品・サービスのインバウンド消費の回復が続きました。
わが国の金融資本市場におきましては、日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもと、民間金融機関の当座預金の一部に適用するマイナス金利が維持され、短期市場金利は期末にマイナス0.07%台となりました。長期市場金利は、3月に高まった欧米の金融システム不安が和らいだこと等を受け、4月上旬に0.4%台後半へ上昇したものの、日本銀行が早期に金融政策を修正するとの観測が後退したことで同月下旬には0.3%台へ低下し、期末にかけて0.4%前後で推移しました。円相場は、大規模な金融緩和を維持する日本と急ピッチな利上げを続ける米国との金融政策スタンスの違いなどを反映し、期末には一時145円台まで円安ドル高が進行しました。日経平均株価は、国内景気の回復や円安による輸出企業の採算改善に対する期待が高まり、6月中旬にはバブル経済崩壊後の最高値である3万3千円台後半へ上昇しました。
(2) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間の連結業務純益は、円安影響に加え、国内外の貸金関連収益が増加したことやSMBC日興証券株式会社の業績が回復したこと等から、前第1四半期連結累計期間比116億円増益の3,572億円となりました。
与信関係費用は、リテールビジネスにおけるコストの新規発生等から、前第1四半期連結累計期間比118億円増加の439億円となりました。
以上の結果、経常利益は前第1四半期連結累計期間比5億円減益の3,491億円となりました。
また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前第1四半期連結累計期間比44億円減益の2,480億円となりました。
主な項目の分析は、以下のとおりであります。
(単位:億円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前第1四半期
連結累計期間比
連結粗利益7,9698,754785
資金運用収支4,3184,205△113
信託報酬15184
役務取引等収支2,8013,299498
特定取引収支△861△727134
その他業務収支1,6971,958262
営業経費△4,840△5,351△511
持分法による投資損益327169△158
連結業務純益3,4563,572116
与信関係費用△321△439△118
不良債権処理額△358△537△178
貸出金償却△269△465△196
貸倒引当金繰入額△2323
その他△67△71△5
貸倒引当金戻入益-5757
償却債権取立益37403
株式等損益36841244
その他△7△53△47
経常利益3,4973,491△5
特別損益△10△11△1
うち固定資産処分損益△4△21
うち減損損失△6△6△0
税金等調整前四半期純利益3,4873,480△7
法人税等△940△973△33
四半期純利益2,5472,507△40
非支配株主に帰属する四半期純利益△23△27△4
親会社株主に帰属する四半期純利益2,5242,480△44

(注)1 減算項目には金額頭部に△を付しております。
2 連結粗利益=資金運用収支+信託報酬+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支
ホールセール事業部門の連結業務純益は前第1四半期連結累計期間比52億円増益の1,217億円、リテール事業部門は同78億円増益の438億円、グローバル事業部門は同72億円増益の1,565億円、市場事業部門は同84億円増益の1,180億円となりました。
(単位:億円)
前第1四半期連結累計期間当第1四半期連結累計期間前第1四半期連結累計期間比
連結粗利益連結業務純益連結粗利益連結業務純益連結粗利益連結業務純益
ホールセール事業部門1,6671,0901,7291,2176952
リテール事業部門2,7174173,04643823778
グローバル事業部門2,6811,5543,3131,56552372
市場事業部門1,3621,1581,4941,18011284
本社管理等△458△763△828△828△156△170
合計7,9693,4568,7543,572785116

(注)1 セグメントは内部管理上採用している区分によっております。
2 本社管理等には、内部取引として消去すべきものを含めております。
3 前第1四半期連結累計期間比は、金利・為替影響等を調整しております。
(3) 財政状態の分析
① 貸出金
貸出金は、前連結会計年度末比2兆8,780億円増加して101兆2,821億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第1四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
貸出金残高(末残)984,0411,012,82128,780
うち銀行法及び再生法に基づく債権9,2789,458180
うち住宅ローン(注)112,241112,31271

(注) 当社国内銀行子会社の単体計数を単純合算して表示しております。
[ご参考]国内・海外別貸出金残高の状況
○業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別前連結会計年度末当第1四半期連結会計期間末
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国内(除く特別国際金融取引勘定分)59,091,821100.0059,486,032100.00
製造業9,019,44515.269,129,70215.35
農業、林業、漁業及び鉱業217,4400.37227,3000.38
建設業804,3391.36777,4701.31
運輸、情報通信、公益事業5,970,85510.106,152,62010.34
卸売・小売業5,018,4158.494,943,6618.31
金融・保険業3,108,9515.263,183,2825.35
不動産業、物品賃貸業12,342,47320.8912,692,80921.34
各種サービス業4,883,7138.274,844,9568.14
地方公共団体609,2851.03474,3040.80
その他17,116,90228.9717,059,92428.68
海外及び特別国際金融取引勘定分39,312,315100.0041,796,080100.00
政府等287,5040.73300,4850.72
金融機関2,875,5837.323,075,1057.36
商工業32,669,08283.1034,618,17082.82
その他3,480,1448.853,802,3179.10
合計98,404,137101,282,112

(注)1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
また、銀行法及び再生法に基づく債権は以下のとおりであります。
銀行法及び再生法に基づく債権は、前連結会計年度末比180億円増加して9,458億円となりました。一方で、不良債権比率は前連結会計年度末比0.01%低下して0.79%となりました。債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が27億円減少して903億円、危険債権が218億円増加して5,160億円、要管理債権が12億円減少して3,396億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第1四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
破産更生債権及びこれらに準ずる債権929903△27
危険債権4,9425,160218
要管理債権3,4073,396△12
三月以上延滞債権199308108
貸出条件緩和債権3,2083,088△120
小計9,2789,458180
正常債権1,151,3931,191,99940,606
合計1,160,6711,201,45840,787
不良債権比率(=①/②)0.80%0.79%△0.01%

② 有価証券
有価証券は、前連結会計年度末比5,748億円増加して33兆7,880億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第1四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
有価証券332,132337,8805,748
国債96,48884,031△12,457
地方債11,80712,128322
社債25,13624,245△891
株式39,30743,7884,481
うち時価のあるもの31,75535,6913,936
その他の証券159,393173,68714,294

(注)「その他の証券」には、外国債券及び外国株式が含まれております。
また、有価証券等の評価損益は以下のとおりであります。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第1四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
満期保有目的の債券△415
その他有価証券19,15123,0103,859
うち株式19,44823,4894,041
うち債券△642△519123
その他の金銭の信託
合計19,14823,0123,864


③ 繰延税金資産(負債)
繰延税金資産は、前連結会計年度末比121億円増加して862億円となりました。また、繰延税金負債は、前連結会計年度末比1,502億円増加して4,155億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第1四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
繰延税金資産741862121
繰延税金負債△2,654△4,155△1,502

④ 預金
預金は、前連結会計年度末比2兆2,334億円増加して161兆36億円となりました。また、譲渡性預金は、前連結会計年度末比1兆346億円増加して14兆602億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第1四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
預金1,587,7031,610,03622,334
国内1,272,3061,286,97014,664
海外315,397323,0677,670
譲渡性預金130,256140,60210,346

(注)1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
⑤ 純資産の部
純資産の部合計は、13兆4,284億円となりました。このうち株主資本合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や剰余金の配当等の結果、前連結会計年度末比187億円増加して10兆3,271億円となりました。また、その他の包括利益累計額合計は、前連結会計年度末比6,146億円増加して2兆9,867億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末当第1四半期
連結会計期間末
前連結会計年度末比
純資産の部合計127,911134,2846,373
うち株主資本合計103,084103,271187
うちその他の包括利益累計額合計23,72129,8676,146


(4) 国内・海外別収支
当第1四半期連結累計期間の資金運用収支は前第1四半期連結累計期間比113億円減益の4,205億円、信託報酬は同4億円増益の18億円、役務取引等収支は同498億円増益の3,299億円、特定取引収支は同134億円増益の△727億円、その他業務収支は同262億円増益の1,958億円となりました。
国内・海外別に見ますと、国内の資金運用収支は前第1四半期連結累計期間比1,854億円減益の636億円、信託報酬は同4億円増益の18億円、役務取引等収支は同287億円増益の2,378億円、特定取引収支は同181億円減益の△1,379億円、その他業務収支は同98億円増益の1,727億円となりました。
海外の資金運用収支は前第1四半期連結累計期間比1,960億円増益の4,361億円、役務取引等収支は同220億円増益の968億円、特定取引収支は同315億円増益の652億円、その他業務収支は同165億円増益の235億円となりました。
種類期別国内海外消去又は
全社(△)
合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
資金運用収支前第1四半期連結累計期間249,035240,128△57,414431,750
当第1四半期連結累計期間63,640436,133△79,277420,497
うち資金運用収益前第1四半期連結累計期間287,071356,471△6,138637,403
当第1四半期連結累計期間378,0381,076,176△43,1471,411,067
うち資金調達費用前第1四半期連結累計期間38,035116,34251,275205,653
当第1四半期連結累計期間314,397640,04336,129990,570
信託報酬前第1四半期連結累計期間1,4781,478
当第1四半期連結累計期間1,8451,845
役務取引等収支前第1四半期連結累計期間209,15774,801△3,851280,107
当第1四半期連結累計期間237,83896,766△4,737329,867
うち役務取引等
収益
前第1四半期連結累計期間254,96186,823△5,454336,330
当第1四半期連結累計期間288,913109,322△8,088390,147
うち役務取引等
費用
前第1四半期連結累計期間45,80312,022△1,60356,222
当第1四半期連結累計期間51,07412,555△3,35060,279
特定取引収支前第1四半期連結累計期間△119,82733,728△86,099
当第1四半期連結累計期間△137,90265,237△72,664
うち特定取引収益前第1四半期連結累計期間4,35737,854△37,6684,543
当第1四半期連結累計期間113,72565,956△56,892122,789
うち特定取引費用前第1四半期連結累計期間124,1854,126△37,66890,643
当第1四半期連結累計期間251,628718△56,892195,454
その他業務収支前第1四半期連結累計期間162,8596,992△170169,681
当第1四半期連結累計期間172,68823,538△383195,844
うちその他業務
収益
前第1四半期連結累計期間217,66738,027△457255,237
当第1四半期連結累計期間201,51164,063△418265,156
うちその他業務
費用
前第1四半期連結累計期間54,80831,034△28785,556
当第1四半期連結累計期間28,82240,524△3569,312

(注)1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
3 「国内」、「海外」間の内部取引は、「消去又は全社(△)」欄に表示しております。