四半期報告書-第21期第2四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)
財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
1 財政状態及び経営成績の状況
(1) 経営環境
当第2四半期連結累計期間を顧みますと、世界経済は、総じてみれば緩やかな回復が続いたものの、物価高や金融引き締め政策が回復ペースを抑制しました。
主要地域別に見ますと、米国では、雇用環境の改善が続いたものの、高進するインフレを抑制するために政策金利が急ピッチで引き上げられたことで、景気の持ち直しペースが緩慢となりました。また、中国では、ゼロコロナ政策による活動制限や不動産市場の調整を受けて、景気回復は緩やかにとどまりました。一方、欧州では、ロシア・ウクライナ情勢の悪化を受けてエネルギー関連の価格が一段と上昇するなか、インフレ抑制のために政策金利が大幅に引き上げられたことで、景気が減速しました。その他、東南アジア等では、新型コロナ禍で急増したデジタル関連需要の一服などを受けて輸出が鈍化したものの、行動制限の緩和に伴い個人消費が好調に推移し、景気の回復が継続した地域もありました。
わが国の景気は、円安や資源高等の影響を受けながらも、基調としては緩やかな持ち直しの動きが続きました。まず、個人消費は、夏場に新型コロナウイルス感染症が拡大したものの、人流の目立った落ち込みはみられず、緩やかに増加しました。また、企業収益が高水準で推移するなか、設備投資も増加しました。更に、世界的な供給制約が緩和したことを受けて、自動車や資本財関連を中心に輸出も増加に転じました。
わが国の金融資本市場におきましては、日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもと、短期市場金利はマイナス0.03%前後を中心に推移しましたが、期末にはマイナス0.07%前後へ低下しました。長期市場金利は、米国の大幅利上げ観測等を背景とする海外からの金利上昇圧力が強まり、期末にかけて日本銀行が示す上限目途0.25%近辺で推移しました。円相場は、9月に財務省による円買い介入が実施されたものの、日米の金融政策スタンスの違い等を反映して円安基調は継続し、期末には1ドル145円前後まで円安が進みました。日経平均株価は、円安に伴う輸出企業の採算改善期待や米国の利上げペース鈍化の思惑が強まり、8月半ばに2万9千円台へ上昇しましたが、米国の大幅利上げに対する警戒感が強まったことなどから、期末には2万5千円台へ下落しました。
規制面では、6月に上場会社等の非公開情報等の情報授受に関する銀証ファイアーウォール規制の見直し等を定めた「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」等が施行されました。また、7月には、2017年12月に最終合意された「バーゼルⅢの最終規則文書」等に基づいたレバレッジ比率の水準上乗措置(レバレッジ・バッファー)の導入や、日銀預け金を総エクスポージャーから除外する時限的措置の継続等に係る告示が公表されました。
(2) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間の連結業務純益は、円安による為替影響に加え、国内外の法人向け貸出の増加により資金運用収支が増益となったことや付帯取引の獲得によって役務取引等収支が増益となったこと等から、前第2四半期連結累計期間比1,358億円増益の7,219億円となりました。
与信関係費用は、前連結会計年度に計上した引当金の戻りが発生した一方、新規のコスト発生が前第2四半期連結累計期間比で増加したことにより、同565億円増加の831億円となりました。
以上の結果、経常利益は同960億円増益の7,261億円となりました。
また、親会社株主に帰属する中間純利益は、同694億円増益の5,254億円となりました。
主な項目の分析は、以下のとおりであります。
(単位:億円)
(注)1 減算項目には金額頭部に△を付しております。
2 連結粗利益=資金運用収支+信託報酬+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支
また、連結業務純益の事業部門別の状況は以下のとおりであります。
ホールセール事業部門の連結業務純益は前第2四半期連結累計期間比303億円増益の2,592億円、リテール事業部門は同118億円減益の997億円、グローバル事業部門は同715億円増益の3,324億円、市場事業部門は同65億円増益の2,247億円となりました。
(単位:億円)
(注) 1 セグメントは内部管理上採用している区分によっております。
2 本社管理等には、内部取引として消去すべきものを含めております。
3 前第2四半期連結累計期間比は、金利・為替影響等を調整しております。
① ホールセール事業部門
原料費高騰に伴う運転資金や、為替相場の急激な変動に対するヘッジ目的でのデリバティブ取引等、環境の変化に伴うお客さまのニーズを捕捉した結果、連結業務純益は前第2四半期連結累計期間比303億円増益の2,592億円となりました。
② リテール事業部門
国内消費の回復により、決済関連ビジネスが買物取扱高の増加により好調であった他、コンシューマーファイナンスビジネスにおいてカードローン残高が増加に転じた一方、資産運用ビジネスが相場環境の悪化を背景として下振れたことから、連結業務純益は前第2四半期連結累計期間比118億円減益の997億円となりました。
③ グローバル事業部門
海外における起債額減少を主因に証券ビジネスが下振れた一方、資金需要増加を背景に、欧米非日系企業向けやサブスクリプションファイナンス等における貸出金残高が増加した結果、貸金収益や貸金関連手数料が好調に推移し、連結業務純益は前第2四半期連結累計期間比715億円増益の3,324億円となりました。
④ 市場事業部門
金融市場が不安定に推移する中で運用ポートフォリオのリスクコントロールに注力する一方、お客さまのマーケットリスクに関するニーズを捉えてソリューション提案するセールス&トレーディング業務が好調であったこと等により、連結業務純益は前第2四半期連結累計期間比65億円増益の2,247億円となりました。
(3) 財政状態の分析
① 貸出金
貸出金は、前連結会計年度末比10兆394億円増加して100兆8,735億円となりました。
(単位:億円)
(注) 当社国内銀行子会社の単体計数を単純合算して表示しております。
[ご参考]国内・海外別貸出金残高の状況
○業種別貸出状況(末残・構成比)
(注) 1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
また、銀行法及び再生法に基づく債権は以下のとおりであります。
銀行法及び再生法に基づく債権は、前連結会計年度末比343億円増加して1兆1,919億円となりました。一方で、為替影響含む総与信残高の増加により、不良債権比率は前連結会計年度末比0.09%低下して0.99%となりました。債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が126億円増加して1,118億円、危険債権が675億円増加して7,114億円、要管理債権が458億円減少して3,686億円となりました。
(単位:億円)
② 有価証券
有価証券は、前連結会計年度末比5兆9,883億円減少して32兆5,504億円となりました。
(単位:億円)
(注) 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式が含まれております。
また、有価証券等の評価損益は以下のとおりであります。
(単位:億円)
③ 繰延税金資産(負債)
繰延税金資産は、前連結会計年度末比279億円増加して947億円となりました。また、繰延税金負債は、前連結会計年度末比1,720億円減少して1,036億円となりました。
(単位:億円)
④ 預金
預金は、前連結会計年度末比8兆4,970億円増加して157兆825億円となりました。また、譲渡性預金は、前連結会計年度末比1兆4,433億円増加して14兆5,131億円となりました。
(単位:億円)
(注) 1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
⑤ 純資産の部
純資産の部合計は、12兆7,608億円となりました。このうち株主資本合計は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上や剰余金の配当等の結果、前連結会計年度末比3,828億円増加して10兆3,214億円となりました。また、その他の包括利益累計額合計は、前連結会計年度末比1,718億円増加して2兆3,314億円となりました。
(単位:億円)
なお、詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 (3)中間連結株主資本等変動計算書」に記載しております。
(4) 国内・海外別収支
当第2四半期連結累計期間の資金運用収支は前第2四半期連結累計期間比1,614億円増益の8,736億円、信託報酬は同4億円増益の30億円、役務取引等収支は同334億円増益の5,883億円、特定取引収支は同2,246億円減益の△1,024億円、その他業務収支は同2,304億円増益の2,699億円となりました。
国内・海外別に見ますと、国内の資金運用収支は前第2四半期連結累計期間比715億円減益の4,165億円、信託報酬は同4億円増益の30億円、役務取引等収支は同128億円減益の4,299億円、特定取引収支は同2,629億円減益の△1,702億円、その他業務収支は同2,447億円増益の2,547億円となりました。
海外の資金運用収支は前第2四半期連結累計期間比2,639億円増益の5,764億円、役務取引等収支は同448億円増益の1,643億円、特定取引収支は同383億円増益の677億円、その他業務収支は同138億円減益の154億円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
3 「国内」、「海外」間の内部取引は、「消去又は全社(△)」欄に表示しております。
2 キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、資金の運用・調達や貸出金・預金の増減等の「営業活動によるキャッシュ・フロー」が前第2四半期連結累計期間対比11兆8,652億円減少の△14兆5,581億円、有価証券の取得・売却や有形固定資産の取得・売却等の「投資活動によるキャッシュ・フロー」が同6兆8,707億円増加の+7兆3,477億円、劣後調達等の「財務活動によるキャッシュ・フロー」が同490億円増加の△1,604億円となりました。
その結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末対比6兆7,406億円減少の59兆914億円となりました。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースで算出しております。
当社は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法を採用しております。また、マーケット・リスク規制を導入しており、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては先進的計測手法を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準」(平成31年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、連結ベースで算出しております。
連結自己資本比率(国際統一基準)
(単位:億円、%)
持株レバレッジ比率(国際統一基準)
(単位:%)
1 財政状態及び経営成績の状況
(1) 経営環境
当第2四半期連結累計期間を顧みますと、世界経済は、総じてみれば緩やかな回復が続いたものの、物価高や金融引き締め政策が回復ペースを抑制しました。
主要地域別に見ますと、米国では、雇用環境の改善が続いたものの、高進するインフレを抑制するために政策金利が急ピッチで引き上げられたことで、景気の持ち直しペースが緩慢となりました。また、中国では、ゼロコロナ政策による活動制限や不動産市場の調整を受けて、景気回復は緩やかにとどまりました。一方、欧州では、ロシア・ウクライナ情勢の悪化を受けてエネルギー関連の価格が一段と上昇するなか、インフレ抑制のために政策金利が大幅に引き上げられたことで、景気が減速しました。その他、東南アジア等では、新型コロナ禍で急増したデジタル関連需要の一服などを受けて輸出が鈍化したものの、行動制限の緩和に伴い個人消費が好調に推移し、景気の回復が継続した地域もありました。
わが国の景気は、円安や資源高等の影響を受けながらも、基調としては緩やかな持ち直しの動きが続きました。まず、個人消費は、夏場に新型コロナウイルス感染症が拡大したものの、人流の目立った落ち込みはみられず、緩やかに増加しました。また、企業収益が高水準で推移するなか、設備投資も増加しました。更に、世界的な供給制約が緩和したことを受けて、自動車や資本財関連を中心に輸出も増加に転じました。
わが国の金融資本市場におきましては、日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもと、短期市場金利はマイナス0.03%前後を中心に推移しましたが、期末にはマイナス0.07%前後へ低下しました。長期市場金利は、米国の大幅利上げ観測等を背景とする海外からの金利上昇圧力が強まり、期末にかけて日本銀行が示す上限目途0.25%近辺で推移しました。円相場は、9月に財務省による円買い介入が実施されたものの、日米の金融政策スタンスの違い等を反映して円安基調は継続し、期末には1ドル145円前後まで円安が進みました。日経平均株価は、円安に伴う輸出企業の採算改善期待や米国の利上げペース鈍化の思惑が強まり、8月半ばに2万9千円台へ上昇しましたが、米国の大幅利上げに対する警戒感が強まったことなどから、期末には2万5千円台へ下落しました。
規制面では、6月に上場会社等の非公開情報等の情報授受に関する銀証ファイアーウォール規制の見直し等を定めた「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」等が施行されました。また、7月には、2017年12月に最終合意された「バーゼルⅢの最終規則文書」等に基づいたレバレッジ比率の水準上乗措置(レバレッジ・バッファー)の導入や、日銀預け金を総エクスポージャーから除外する時限的措置の継続等に係る告示が公表されました。
(2) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間の連結業務純益は、円安による為替影響に加え、国内外の法人向け貸出の増加により資金運用収支が増益となったことや付帯取引の獲得によって役務取引等収支が増益となったこと等から、前第2四半期連結累計期間比1,358億円増益の7,219億円となりました。
与信関係費用は、前連結会計年度に計上した引当金の戻りが発生した一方、新規のコスト発生が前第2四半期連結累計期間比で増加したことにより、同565億円増加の831億円となりました。
以上の結果、経常利益は同960億円増益の7,261億円となりました。
また、親会社株主に帰属する中間純利益は、同694億円増益の5,254億円となりました。
主な項目の分析は、以下のとおりであります。
(単位:億円)
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前第2四半期 連結累計期間比 | ||
連結粗利益 | 14,313 | 16,324 | 2,011 | |
資金運用収支 | 7,122 | 8,736 | 1,614 | |
信託報酬 | 26 | 30 | 4 | |
役務取引等収支 | 5,549 | 5,883 | 334 | |
特定取引収支 | 1,222 | △1,024 | △2,246 | |
その他業務収支 | 394 | 2,699 | 2,304 | |
営業経費 | △8,759 | △9,626 | △866 | |
持分法による投資損益 | 307 | 521 | 214 | |
連結業務純益 | 5,861 | 7,219 | 1,358 | |
与信関係費用 | △267 | △831 | △565 | |
不良債権処理額 | △530 | △936 | △406 | |
貸出金償却 | △483 | △445 | 38 | |
貸倒引当金繰入額 | ― | △387 | △387 | |
その他 | △47 | △105 | △58 | |
貸倒引当金戻入益 | 81 | - | △81 | |
償却債権取立益 | 182 | 105 | △77 | |
株式等損益 | 812 | 921 | 109 | |
その他 | △106 | △48 | 58 | |
経常利益 | 6,300 | 7,261 | 960 | |
特別損益 | △33 | △14 | 19 | |
うち固定資産処分損益 | 2 | △5 | △7 | |
うち減損損失 | △33 | △9 | 24 | |
税金等調整前中間純利益 | 6,268 | 7,247 | 979 | |
法人税、住民税及び事業税 | △1,127 | △1,461 | △333 | |
法人税等調整額 | △547 | △477 | 70 | |
中間純利益 | 4,594 | 5,309 | 716 | |
非支配株主に帰属する中間純利益 | △33 | △55 | △22 | |
親会社株主に帰属する中間純利益 | 4,561 | 5,254 | 694 |
(注)1 減算項目には金額頭部に△を付しております。
2 連結粗利益=資金運用収支+信託報酬+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支
また、連結業務純益の事業部門別の状況は以下のとおりであります。
ホールセール事業部門の連結業務純益は前第2四半期連結累計期間比303億円増益の2,592億円、リテール事業部門は同118億円減益の997億円、グローバル事業部門は同715億円増益の3,324億円、市場事業部門は同65億円増益の2,247億円となりました。
(単位:億円)
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前第2四半期 連結累計期間比 | ||||
連結 粗利益 | 連結 業務純益 | 連結 粗利益 | 連結 業務純益 | 連結 粗利益 | 連結 業務純益 | |
ホールセール事業部門 | 3,295 | 2,109 | 3,674 | 2,592 | 186 | 303 |
リテール事業部門 | 5,681 | 1,040 | 5,538 | 997 | △183 | △118 |
グローバル事業部門 | 3,945 | 2,057 | 6,011 | 3,324 | 775 | 715 |
市場事業部門 | 2,509 | 2,255 | 2,660 | 2,247 | 86 | 65 |
本社管理等 | △1,117 | △1,600 | △1,559 | △1,941 | 1,147 | 393 |
合計 | 14,313 | 5,861 | 16,324 | 7,219 | 2,011 | 1,358 |
(注) 1 セグメントは内部管理上採用している区分によっております。
2 本社管理等には、内部取引として消去すべきものを含めております。
3 前第2四半期連結累計期間比は、金利・為替影響等を調整しております。
① ホールセール事業部門
原料費高騰に伴う運転資金や、為替相場の急激な変動に対するヘッジ目的でのデリバティブ取引等、環境の変化に伴うお客さまのニーズを捕捉した結果、連結業務純益は前第2四半期連結累計期間比303億円増益の2,592億円となりました。
② リテール事業部門
国内消費の回復により、決済関連ビジネスが買物取扱高の増加により好調であった他、コンシューマーファイナンスビジネスにおいてカードローン残高が増加に転じた一方、資産運用ビジネスが相場環境の悪化を背景として下振れたことから、連結業務純益は前第2四半期連結累計期間比118億円減益の997億円となりました。
③ グローバル事業部門
海外における起債額減少を主因に証券ビジネスが下振れた一方、資金需要増加を背景に、欧米非日系企業向けやサブスクリプションファイナンス等における貸出金残高が増加した結果、貸金収益や貸金関連手数料が好調に推移し、連結業務純益は前第2四半期連結累計期間比715億円増益の3,324億円となりました。
④ 市場事業部門
金融市場が不安定に推移する中で運用ポートフォリオのリスクコントロールに注力する一方、お客さまのマーケットリスクに関するニーズを捉えてソリューション提案するセールス&トレーディング業務が好調であったこと等により、連結業務純益は前第2四半期連結累計期間比65億円増益の2,247億円となりました。
(3) 財政状態の分析
① 貸出金
貸出金は、前連結会計年度末比10兆394億円増加して100兆8,735億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末 | 当第2四半期 連結会計期間末 | 前連結会計年度末比 | |
貸出金残高(末残) | 908,341 | 1,008,735 | 100,394 |
うち銀行法及び再生法に基づく債権 | 11,576 | 11,919 | 343 |
うち住宅ローン(注) | 112,372 | 111,583 | △788 |
(注) 当社国内銀行子会社の単体計数を単純合算して表示しております。
[ご参考]国内・海外別貸出金残高の状況
○業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別 | 前連結会計年度末 | 当第2四半期連結会計期間末 | ||
金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | |
国内(除く特別国際金融取引勘定分) | 56,166,187 | 100.00 | 57,238,216 | 100.00 |
製造業 | 8,507,790 | 15.15 | 8,567,173 | 14.97 |
農業、林業、漁業及び鉱業 | 285,983 | 0.51 | 322,362 | 0.56 |
建設業 | 712,875 | 1.27 | 790,810 | 1.38 |
運輸、情報通信、公益事業 | 5,703,229 | 10.15 | 5,904,208 | 10.31 |
卸売・小売業 | 4,711,845 | 8.39 | 4,882,141 | 8.53 |
金融・保険業 | 2,814,300 | 5.01 | 3,066,686 | 5.36 |
不動産業、物品賃貸業 | 11,139,355 | 19.83 | 11,324,037 | 19.78 |
各種サービス業 | 4,856,087 | 8.65 | 4,806,553 | 8.40 |
地方公共団体 | 512,841 | 0.91 | 501,278 | 0.88 |
その他 | 16,921,876 | 30.13 | 17,072,965 | 29.83 |
海外及び特別国際金融取引勘定分 | 34,667,869 | 100.00 | 43,635,248 | 100.00 |
政府等 | 441,474 | 1.27 | 506,948 | 1.16 |
金融機関 | 2,710,372 | 7.82 | 3,304,382 | 7.57 |
商工業 | 28,370,151 | 81.83 | 36,138,166 | 82.82 |
その他 | 3,145,870 | 9.08 | 3,685,749 | 8.45 |
合計 | 90,834,056 | ― | 100,873,464 | ― |
(注) 1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
また、銀行法及び再生法に基づく債権は以下のとおりであります。
銀行法及び再生法に基づく債権は、前連結会計年度末比343億円増加して1兆1,919億円となりました。一方で、為替影響含む総与信残高の増加により、不良債権比率は前連結会計年度末比0.09%低下して0.99%となりました。債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が126億円増加して1,118億円、危険債権が675億円増加して7,114億円、要管理債権が458億円減少して3,686億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末 | 当第2四半期 連結会計期間末 | 前連結会計年度末比 | |||||
破産更生債権及びこれらに準ずる 債権 | 993 | 1,118 | 126 | ||||
危険債権 | 6,439 | 7,114 | 675 | ||||
要管理債権 | 4,144 | 3,686 | △458 | ||||
三月以上延滞債権 | 136 | 142 | 7 | ||||
貸出条件緩和債権 | 4,009 | 3,544 | △465 | ||||
合計 | ① | 11,576 | 11,919 | 343 | |||
正常債権 | 1,060,195 | 1,190,082 | 129,887 | ||||
総計 | ② | 1,071,770 | 1,202,000 | 130,230 | |||
不良債権比率 | (=①/②) | 1.08 | % | 0.99 | % | △0.09 | % |
② 有価証券
有価証券は、前連結会計年度末比5兆9,883億円減少して32兆5,504億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末 | 当第2四半期 連結会計期間末 | 前連結会計年度末比 | ||
有価証券 | 385,387 | 325,504 | △59,883 | |
国債 | 157,742 | 100,606 | △57,136 | |
地方債 | 11,712 | 11,294 | △418 | |
社債 | 26,406 | 27,402 | 995 | |
株式 | 39,434 | 38,158 | △1,276 | |
うち時価のあるもの | 32,423 | 30,493 | △1,930 | |
その他の証券 | 150,093 | 148,043 | △2,050 |
(注) 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式が含まれております。
また、有価証券等の評価損益は以下のとおりであります。
(単位:億円)
前連結会計年度末 | 当第2四半期 連結会計期間末 | 前連結会計年度末比 | ||
満期保有目的の債券 | △2 | △6 | △3 | |
その他有価証券 | 22,772 | 13,187 | △9,585 | |
うち株式 | 20,337 | 17,907 | △2,429 | |
うち債券 | △501 | △672 | △172 | |
その他の金銭の信託 | ― | ― | ― | |
合計 | 22,770 | 13,181 | △9,589 |
③ 繰延税金資産(負債)
繰延税金資産は、前連結会計年度末比279億円増加して947億円となりました。また、繰延税金負債は、前連結会計年度末比1,720億円減少して1,036億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末 | 当第2四半期 連結会計期間末 | 前連結会計年度末比 | |
繰延税金資産 | 667 | 947 | 279 |
繰延税金負債 | △2,756 | △1,036 | 1,720 |
④ 預金
預金は、前連結会計年度末比8兆4,970億円増加して157兆825億円となりました。また、譲渡性預金は、前連結会計年度末比1兆4,433億円増加して14兆5,131億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末 | 当第2四半期 連結会計期間末 | 前連結会計年度末比 | |
預金 | 1,485,855 | 1,570,825 | 84,970 |
国内 | 1,229,500 | 1,249,670 | 20,170 |
海外 | 256,354 | 321,155 | 64,800 |
譲渡性預金 | 130,698 | 145,131 | 14,433 |
(注) 1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
⑤ 純資産の部
純資産の部合計は、12兆7,608億円となりました。このうち株主資本合計は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上や剰余金の配当等の結果、前連結会計年度末比3,828億円増加して10兆3,214億円となりました。また、その他の包括利益累計額合計は、前連結会計年度末比1,718億円増加して2兆3,314億円となりました。
(単位:億円)
前連結会計年度末 | 当第2四半期 連結会計期間末 | 前連結会計年度末比 | |
純資産の部合計 | 121,973 | 127,608 | 5,635 |
うち株主資本合計 | 99,386 | 103,214 | 3,828 |
うちその他の包括利益累計額合計 | 21,596 | 23,314 | 1,718 |
なお、詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 (3)中間連結株主資本等変動計算書」に記載しております。
(4) 国内・海外別収支
当第2四半期連結累計期間の資金運用収支は前第2四半期連結累計期間比1,614億円増益の8,736億円、信託報酬は同4億円増益の30億円、役務取引等収支は同334億円増益の5,883億円、特定取引収支は同2,246億円減益の△1,024億円、その他業務収支は同2,304億円増益の2,699億円となりました。
国内・海外別に見ますと、国内の資金運用収支は前第2四半期連結累計期間比715億円減益の4,165億円、信託報酬は同4億円増益の30億円、役務取引等収支は同128億円減益の4,299億円、特定取引収支は同2,629億円減益の△1,702億円、その他業務収支は同2,447億円増益の2,547億円となりました。
海外の資金運用収支は前第2四半期連結累計期間比2,639億円増益の5,764億円、役務取引等収支は同448億円増益の1,643億円、特定取引収支は同383億円増益の677億円、その他業務収支は同138億円減益の154億円となりました。
種類 | 期別 | 国内 | 海外 | 消去又は 全社(△) | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
資金運用収支 | 前第2四半期連結累計期間 | 488,037 | 312,505 | △88,344 | 712,197 |
当第2四半期連結累計期間 | 416,537 | 576,440 | △119,387 | 873,589 | |
うち資金運用収益 | 前第2四半期連結累計期間 | 499,694 | 402,063 | △10,056 | 891,702 |
当第2四半期連結累計期間 | 594,806 | 959,601 | △21,240 | 1,533,167 | |
うち資金調達費用 | 前第2四半期連結累計期間 | 11,656 | 89,558 | 78,288 | 179,504 |
当第2四半期連結累計期間 | 178,269 | 383,161 | 98,146 | 659,577 | |
信託報酬 | 前第2四半期連結累計期間 | 2,630 | ― | ― | 2,630 |
当第2四半期連結累計期間 | 3,044 | ― | ― | 3,044 | |
役務取引等収支 | 前第2四半期連結累計期間 | 442,710 | 119,561 | △7,400 | 554,871 |
当第2四半期連結累計期間 | 429,864 | 164,339 | △5,911 | 588,293 | |
うち役務取引等 収益 | 前第2四半期連結累計期間 | 539,132 | 139,439 | △9,701 | 668,871 |
当第2四半期連結累計期間 | 523,123 | 190,669 | △9,970 | 703,822 | |
うち役務取引等 費用 | 前第2四半期連結累計期間 | 96,421 | 19,878 | △2,300 | 113,999 |
当第2四半期連結累計期間 | 93,258 | 26,329 | △4,058 | 115,529 | |
特定取引収支 | 前第2四半期連結累計期間 | 92,742 | 29,415 | ― | 122,158 |
当第2四半期連結累計期間 | △170,163 | 67,718 | ― | △102,445 | |
うち特定取引収益 | 前第2四半期連結累計期間 | 92,941 | 30,174 | △815 | 122,300 |
当第2四半期連結累計期間 | 8,346 | 73,410 | △72,949 | 8,807 | |
うち特定取引費用 | 前第2四半期連結累計期間 | 199 | 758 | △815 | 142 |
当第2四半期連結累計期間 | 178,509 | 5,692 | △72,949 | 111,252 | |
その他業務収支 | 前第2四半期連結累計期間 | 10,003 | 29,233 | 190 | 39,427 |
当第2四半期連結累計期間 | 254,749 | 15,408 | △285 | 269,873 | |
うちその他業務 収益 | 前第2四半期連結累計期間 | 64,411 | 60,484 | △406 | 124,489 |
当第2四半期連結累計期間 | 379,476 | 82,920 | △757 | 461,639 | |
うちその他業務 費用 | 前第2四半期連結累計期間 | 54,408 | 31,250 | △596 | 85,061 |
当第2四半期連結累計期間 | 124,727 | 67,511 | △472 | 191,766 |
(注) 1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
3 「国内」、「海外」間の内部取引は、「消去又は全社(△)」欄に表示しております。
2 キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、資金の運用・調達や貸出金・預金の増減等の「営業活動によるキャッシュ・フロー」が前第2四半期連結累計期間対比11兆8,652億円減少の△14兆5,581億円、有価証券の取得・売却や有形固定資産の取得・売却等の「投資活動によるキャッシュ・フロー」が同6兆8,707億円増加の+7兆3,477億円、劣後調達等の「財務活動によるキャッシュ・フロー」が同490億円増加の△1,604億円となりました。
その結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末対比6兆7,406億円減少の59兆914億円となりました。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースで算出しております。
当社は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法を採用しております。また、マーケット・リスク規制を導入しており、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては先進的計測手法を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準」(平成31年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、連結ベースで算出しております。
連結自己資本比率(国際統一基準)
(単位:億円、%)
2022年3月31日 | 2022年9月30日 | |
1.連結総自己資本比率(4/7) | 16.56 | 15.63 |
2.連結Tier1比率(5/7) | 15.46 | 14.64 |
3.連結普通株式等Tier1比率(6/7) | 14.45 | 13.69 |
4.連結における総自己資本の額 | 119,838 | 121,935 |
5.連結におけるTier1資本の額 | 111,862 | 114,154 |
6.連結における普通株式等Tier1資本の額 | 104,584 | 106,818 |
7.リスク・アセットの額 | 723,501 | 779,714 |
8.連結総所要自己資本額 | 57,880 | 62,377 |
持株レバレッジ比率(国際統一基準)
(単位:%)
2022年3月31日 | 2022年9月30日 | |
持株レバレッジ比率 | 5.17 | 4.83 |