有価証券報告書-第16期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、「日本」・「米国」・「アジア・パシフィック」・「クリプトアセット事業」・「投資事業」の5つの報告セグメントとしています。なお、報告セグメントの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6セグメント情報」をご参照下さい。
(連結) (単位:百万円)
当連結会計年度は、委託手数料が米国セグメントで増加したものの、日本セグメントで減少したことなどにより受入手数料が25,375百万円(前連結会計年度比1.4%減)となりました。また、クリプトアセット事業セグメントで暗号資産取引が増加したことや、日本セグメントでFX収益が増加したことなどによりトレーディング損益が8,550百万円(同32.3%増)となりました。さらに、米国セグメントで受取利息が増加したものの、日本セグメントで信用取引残高が減少したことなどから金融収益が18,579百万円(同3.4%減)となりました。その結果、営業収益は53,226百万円(同2.0%増)となり、収益合計は53,380百万円(同0.2%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、日本セグメントで減価償却費が減少し、クリプトアセット事業セグメントで事務委託費等が減少した結果、42,835百万円(同4.2%減)となり、費用合計は49,249百万円(同4.7%減)となりました。
以上の結果、税引前利益が4,131百万円(同130.8%増)となりました。また、法人所得税費用が1,310百万円(同72.1%増)となりました。
当期利益は2,820百万円(同174.2%増)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,011百万円(同154.8%増)となりました。
各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(日本) (単位:百万円)
日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社で構成されています。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家を主要な顧客層としており、株式市場での個人投資家の売買動向に影響を受けます。
当連結会計年度の日本経済は、米中対立やそれに伴う世界的な景気鈍化の影響などから国内景気が鈍化傾向となり、日韓の政治対立の影響で韓国からの観光客が顕著に減少したことなどからインバウンド消費も頭打ちになりました。その後米中の貿易交渉の進展やそれに伴う世界景気の回復期待から10月に入って株価が上昇し、2020年1月20日に24,083円の高値を付けました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による悪影響で日経平均株価は3月19日には16,552円まで下落し、当連結会計年度末時点は18,917円となりました。
当連結会計年度における東京、名古屋二市場の株式等(株式、ETF及びREIT)の1営業日平均個人売買代金は1兆478億円となり、前連結会計年度比で6.8%減少しました。
このような環境の下、日本セグメントにおいては、当連結会計年度の株式等の1営業日平均委託売買代金は561億円(前連結会計年度比3.2%減)と前連結会計年度比で減少したことや、投資信託の販売手数料の減少などにより受入手数料が12,614百万円(同5.2%減)となりました。また、信用取引残高の減少により金融収益が8,652百万円(同11.8%減)となりました。一方で、FX収益の増加によりトレーディング損益が5,030百万円(同10.9%増)となりました。その結果、営業収益は26,393百万円(同4.8%減)となりました。
金融費用は2,050百万円(同3.0%増)となり、金融収支は6,601百万円(同15.6%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、減価償却費の減少などの結果、21,671百万円(同5.8%減)となりました。
その他の収益費用(純額)が420百万円の損失(前連結会計年度は1,552百万円の損失)となっていますが、投資有価証券評価損344百万円、日本株取引ツール「トレードステーション」に関する固定資産の減損損失207百万円が含まれております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は2,251百万円(前連結会計年度比80.5%増)となりました。
(米国) (単位:百万円)
米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層を主要な顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)が上昇すると取引量が増加し収益に貢献する傾向にあります。また、顧客の預り金を運用することで金融収益を獲得していることから、金利が上昇すると収益に貢献する傾向にあります。
当連結会計年度の米国経済は、米中の貿易対立の激化の影響などから弱い経済指標が散見され景気鈍化懸念が強まった時期もありましたが、両国の貿易交渉の進展や金融緩和政策の効果等で徐々に持ち直しました。FRBによる金融緩和や安全資産への需要が高まったことの影響で金利は低下傾向となり、市場の値動きの度合いを示すS&P500のボラティリティ・インデックス(VIX指数)が秋口以降は徐々に低下しました。しかしながら、年度終盤に新型コロナウイルスの感染が米国内でも広がると米国経済は深刻な打撃を受け、FRBがゼロ金利政策の発動や量的金融緩和を再開するなど経済下支えのために大規模な政策の発動が行われました。2020年2月12日時点で29,551ドルの史上最高値をつけていたNYダウ平均は3月23日には18,591ドルまで約1ヶ月で11,000ドル近く下落し、市場のボラティリティをもとに算出されるVIX指数は急上昇しました。その結果VIX指数は、前連結会計年度比で15.7%上昇しました。
なお、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で1.9%円高となったことから、米国セグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、米国セグメントにおいては、2019年10月以降ゼロ手数料プランの導入があったものの、市場のボラティリティが上昇したことにより、当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)が96,765件(前連結会計年度比22.5%増)となった結果、委託手数料は米ドルベースで5.1%増加しました。その結果、受入手数料は米ドルベースで4.1%増加し、円換算後では12,270百万円(同2.1%増)となりました。また、金融収益は、短期金利が2019年度後半以降下落傾向となりましたが、預り資産の増加による受取利息の増加などにより米ドルベースで10.2%増加し、円換算後で9,965百万円(同8.1%増)となりました。その結果、営業収益は米ドルベースで5.7%増加、円換算後では23,645百万円(同3.7%増)となりました。
金融費用は有価証券貸借取引費用の増加等により3,396百万円(同5.6%増)となり、金融収支は米ドルベースで11.5%増加、円換算後で6,569百万円(同9.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、減価償却費、株式取引増加による支払手数料及び人件費などの増加の結果、米ドルベースで5.7%増加、円換算後では17,877百万円(同3.6%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が246百万円の損失(前連結会計年度は111百万円の損失)となっておりますが、マネックス証券に提供している日本株取引ツール「トレードステーション」のサービス終了を同社が決定したことに伴い、米国セグメント保有の固定資産に関して影響を精査した結果、減損損失を216百万円計上しております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は1,763百万円(前連結会計年度比10.8%減)となりました。
(アジア・パシフィック) (単位:百万円)
アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(以下「マネックスBoom証券」)、豪州拠点のMonex Securities Australia Pty Ltd(以下「マネックスオーストラリア証券」)で構成されています。
当連結会計年度の香港経済は、年度前半は米中の貿易対立の影響や香港政府が進めた「逃亡犯条例」の改正に対する反発による民衆のデモ激化の影響等で冴えない推移となりました。中国政府が金融緩和や財政拡大などの景気刺激策を行ったことで年度後半になると一時は持ち直しの兆しも見せたものの、新型コロナウイルスの感染が香港内でも確認され、世界的に株価が大きく下落する中、香港ハンセン指数も大幅に下落して当連結会計年度末時点で23,603ポイントとなりました。
また、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で1.6%円高となったことから、アジア・パシフィックセグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、マネックスBoom証券において年度後半で市場のボラティリティが上昇したことにより、米国株取引を中心に株式委託売買代金が増加したことなどから受入手数料が454百万円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。また、金融収益が280百万円(同7.0%減)となり、営業収益は887百万円(同6.9%増)となりました。
金融費用が252百万円(同1,057.5%増)となっていますが、これにはその他の金融資産(貸付金)に関する信用リスクの悪化に伴う金融費用229百万円が含まれています。
販売費及び一般管理費は、マネックスオーストラリア証券で広告宣伝費の減少等により費用が減少したものの、マネックスBoom証券で株式取引増加により支払手数料が増加したことなどにより898百万円(同1.7%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が15百万円の損失(前連結会計年度は4百万円の損失)となっています。
持分法による投資利益は48百万円(前連結会計年度比56.7%増)となっていますが、これは、中国本土で事業展開するジョイントベンチャーに関するものです。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は230百万円(前連結会計年度は48百万円のセグメント損失)となりました。
(クリプトアセット事業) (単位:百万円)
クリプトアセット事業セグメントは、コインチェック株式会社で構成されています。
コインチェック株式会社は、2018年10月に新規口座開設及び取扱暗号資産の新規取引を一部再開し、2018年11月末には顧客による全ての取扱暗号資産の取引が可能となりました。また、同社は2019年1月に暗号資産交換業の登録を完了しました。その後、新たに2019年6月にMONA、11月にXLM、2020年3月よりQTUMの取り扱いを開始し、同社の取り扱う暗号資産は12種類となりました。
当連結会計年度の暗号資産市場は、40万円台だったビットコインの価格が2019年6月に一時150万円近くまで急上昇し、価格の上昇に伴って暗号資産の取引も活況となりました。その後、2019年7月から12月にかけては低調となりましたが、2020年1月以降はビットコインの価格が110万円台まで上昇したことにより暗号資産の取引は再び活況となりました。
当連結会計年度は、前連結会計年度と異なり年間を通じて全ての取扱暗号資産について顧客による新規購入・売却等の営業活動を行ったこと及び暗号資産市場が一定の期間活況の様相を呈したことからトレーディング損益が3,528百万円(同82.9%増)となりました。また、受入手数料が287百万円(同54.2%増)となり、営業収益は3,815百万円(同80.3%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、事務委託費、人件費及びオフィス統合に伴う不動産関係費の減少などにより3,502百万円(同26.5%減)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は293百万円(前連結会計年度は1,732百万円のセグメント損失)となりました。
(投資事業) (単位:百万円)
投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合で構成されています。
当連結会計年度は、保有銘柄の評価額上昇による評価益により金融収益が148百万円(前連結会計年度比64.3%減)となり、営業収益は148百万円(同64.3%減)となりました。なお、前連結会計年度の金融収益には保有銘柄の売却による売却益を計上したことによるものも含まれております。
販売費及び一般管理費は54百万円(同130.1%増)と増加していますが、これはMV1号投資事業有限責任組合を前第4四半期連結会計期間より連結の範囲に含めているためです。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は94百万円(同75.4%減)となりました。
② 財政状態の状況
(連結) (単位:百万円)
当連結会計年度の資産合計は、預託金及び金銭の信託などが増加したものの、信用取引資産、現金及び現金同等物などが減少した結果、1,022,934百万円(前連結会計年度末比4,916百万円減)となりました。また、負債合計は、預り金、受入保証金などが増加したものの、社債及び借入金、有価証券担保借入金などが減少した結果、945,909百万円(同1,798百万円減)となりました。
資本合計は、当期利益などが増加したものの、自己株式の取得、配当金の支払などにより減少した結果、77,024百万円(同3,118百万円減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(連結) (単位:百万円)
当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による収入34,454百万円(前連結会計年度は53,834百万円の収入)、投資活動による支出7,068百万円(同22,763百万円の収入)及び財務活動による支出48,399百万円(同5,909百万円の支出)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は127,832百万円(前連結会計年度末比23,094百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により取得した資金は、34,454百万円となりました。
預託金及び金銭の信託の増減により60,603百万円、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減により19,477百万円の資金を使用する一方、受入保証金及び預り金の増減により74,781百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減により28,880百万円の資金を取得しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、7,068百万円となりました。
無形資産の取得により5,548百万円、有形固定資産の取得により841百万円の資金を使用しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、48,399百万円となりました。
社債の発行により15,495百万円、長期借入債務の調達により14,105百万円の資金を取得する一方、長期借入債務の返済により33,705百万円、短期借入債務の収支により26,730百万円、社債の償還により11,205百万円の資金を使用しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、クリプトアセット事業セグメントのトレーディング損益増加等により増収となったことに加え、日本セグメントの減価償却費減少等により販売費及び一般管理費が減少したため、親会社の所有者に帰属する当期利益は30億円(前連結会計年度比154.8%)となりました。一方、資本合計は、当期利益などが増加したものの、自己株式の取得、配当金の支払、在外営業活動体の換算差額等により減少した結果、77,024百万円(同3,118百万円減)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
日本セグメントは、市場売買代金の水準が下半期以降回復し、費用を適切に管理した結果、セグメント利益(税引前利益)は23億円(前期比81%増)となりました(なお、投資有価証券評価損3億円、固定資産の減損損失2億円の一時要因を除くと、セグメント利益は28億円となります)。
米国セグメントは、相場変動に伴う取引増が金利低下やゼロ手数料による減収をカバーし、増収となりました。一方で、新規事業のサービス開始に伴い人件費と減価償却費が増加したため、セグメント利益は18億円(前期比11%減)となりました(なお、固定資産の減損損失2億円の一時要因を除くと、セグメント利益は20億円となります)。
アジア・パシフィックセグメントは、株式の取引活況による取引増に伴う収益増をマージンローンの引当金計上が上回ったため、セグメント損失2億円(前期比2億円減)となりました。
クリプトアセット事業セグメントは、暗号資産市場の取引活況を受けた取引増に伴う増収および固定費を中心とした大幅な費用削減により、セグメント利益は3億円(前期比20億円増)となりました。
投資事業セグメントは、保有株式評価益および売却益の計上により、セグメント利益は1億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、預託金及び金銭の信託が減少したこと等により営業活動による収入が34,454百万円(前連結会計年度は53,834百万円の収入)、子会社の取得による収入が剥落したこと等により投資活動による支出が7,068百万円(同22,763百万円の収入)、長期借入債務の調達による収入が減少したこと等により財務活動による支出が48,399百万円(同5,909百万円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は127,832百万円(前連結会計年度末比23,094百万円減)となりました。景気の不確実性に備えるため十分な手元流動性を確保しつつ、無形資産や有形固定資産等へ事業投資を行い、不要不急な資金調達を控えました。
(資本の財源)
2020年3月末の財政状態計算書
(注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。
当連結会計年度末の資本は770億円であり、固定的な資産562億円を上回っています。差額の208億円については以下の原資とする予定です。
1.海外含む証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応
2.将来の事業投資に備える内部留保
3.株主還元(配当金及び自己株式取得)
(重要な資本的支出の予定)
重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(資金の流動性)
当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また、資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。なお、債務の期日別の残高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって、のれんの減損テストにおける使用価値の算定等重要な判断や見積りを行っていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び同「38.追加情報」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、「日本」・「米国」・「アジア・パシフィック」・「クリプトアセット事業」・「投資事業」の5つの報告セグメントとしています。なお、報告セグメントの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6セグメント情報」をご参照下さい。
(連結) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2019年3月期) | 当連結会計年度 (2020年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 受入手数料 | 25,741 | 25,375 | △366 | 1.4%減 |
| トレーディング損益 | 6,461 | 8,550 | 2,089 | 32.3%増 |
| 金融収益 | 19,242 | 18,579 | △663 | 3.4%減 |
| その他の営業収益 | 731 | 722 | △9 | 1.2%減 |
| 営業収益 | 52,175 | 53,226 | 1,051 | 2.0%増 |
| 収益合計 | 53,480 | 53,380 | △100 | 0.2%減 |
| 金融費用 | 4,758 | 5,236 | 478 | 10.0%増 |
| 販売費及び一般管理費 | 44,690 | 42,835 | △1,855 | 4.2%減 |
| 費用合計 | 51,690 | 49,249 | △2,441 | 4.7%減 |
| 税引前利益 | 1,790 | 4,131 | 2,341 | 130.8%増 |
| 法人所得税費用 | 761 | 1,310 | 549 | 72.1%増 |
| 当期利益 | 1,029 | 2,820 | 1,792 | 174.2%増 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,181 | 3,011 | 1,829 | 154.8%増 |
当連結会計年度は、委託手数料が米国セグメントで増加したものの、日本セグメントで減少したことなどにより受入手数料が25,375百万円(前連結会計年度比1.4%減)となりました。また、クリプトアセット事業セグメントで暗号資産取引が増加したことや、日本セグメントでFX収益が増加したことなどによりトレーディング損益が8,550百万円(同32.3%増)となりました。さらに、米国セグメントで受取利息が増加したものの、日本セグメントで信用取引残高が減少したことなどから金融収益が18,579百万円(同3.4%減)となりました。その結果、営業収益は53,226百万円(同2.0%増)となり、収益合計は53,380百万円(同0.2%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、日本セグメントで減価償却費が減少し、クリプトアセット事業セグメントで事務委託費等が減少した結果、42,835百万円(同4.2%減)となり、費用合計は49,249百万円(同4.7%減)となりました。
以上の結果、税引前利益が4,131百万円(同130.8%増)となりました。また、法人所得税費用が1,310百万円(同72.1%増)となりました。
当期利益は2,820百万円(同174.2%増)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,011百万円(同154.8%増)となりました。
各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(日本) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2019年3月期) | 当連結会計年度 (2020年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 受入手数料 | 13,301 | 12,614 | △687 | 5.2%減 |
| トレーディング損益 | 4,535 | 5,030 | 496 | 10.9%増 |
| 金融収益 | 9,808 | 8,652 | △1,156 | 11.8%減 |
| その他の営業収益 | 86 | 96 | 10 | 12.1%増 |
| 営業収益 | 27,729 | 26,393 | △1,337 | 4.8%減 |
| 金融費用 | 1,990 | 2,050 | 60 | 3.0%増 |
| 販売費及び一般管理費 | 23,013 | 21,671 | △1,342 | 5.8%減 |
| その他の収益費用(純額) | △1,552 | △420 | 1,131 | - |
| 持分法による投資利益又は損失(△) | 73 | - | △73 | - |
| セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) | 1,247 | 2,251 | 1,004 | 80.5%増 |
日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社で構成されています。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家を主要な顧客層としており、株式市場での個人投資家の売買動向に影響を受けます。
当連結会計年度の日本経済は、米中対立やそれに伴う世界的な景気鈍化の影響などから国内景気が鈍化傾向となり、日韓の政治対立の影響で韓国からの観光客が顕著に減少したことなどからインバウンド消費も頭打ちになりました。その後米中の貿易交渉の進展やそれに伴う世界景気の回復期待から10月に入って株価が上昇し、2020年1月20日に24,083円の高値を付けました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による悪影響で日経平均株価は3月19日には16,552円まで下落し、当連結会計年度末時点は18,917円となりました。
当連結会計年度における東京、名古屋二市場の株式等(株式、ETF及びREIT)の1営業日平均個人売買代金は1兆478億円となり、前連結会計年度比で6.8%減少しました。
このような環境の下、日本セグメントにおいては、当連結会計年度の株式等の1営業日平均委託売買代金は561億円(前連結会計年度比3.2%減)と前連結会計年度比で減少したことや、投資信託の販売手数料の減少などにより受入手数料が12,614百万円(同5.2%減)となりました。また、信用取引残高の減少により金融収益が8,652百万円(同11.8%減)となりました。一方で、FX収益の増加によりトレーディング損益が5,030百万円(同10.9%増)となりました。その結果、営業収益は26,393百万円(同4.8%減)となりました。
金融費用は2,050百万円(同3.0%増)となり、金融収支は6,601百万円(同15.6%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、減価償却費の減少などの結果、21,671百万円(同5.8%減)となりました。
その他の収益費用(純額)が420百万円の損失(前連結会計年度は1,552百万円の損失)となっていますが、投資有価証券評価損344百万円、日本株取引ツール「トレードステーション」に関する固定資産の減損損失207百万円が含まれております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は2,251百万円(前連結会計年度比80.5%増)となりました。
(米国) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2019年3月期) | 当連結会計年度 (2020年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 受入手数料 | 12,014 | 12,270 | 256 | 2.1%増 |
| 金融収益 | 9,221 | 9,965 | 743 | 8.1%増 |
| 売上収益 | 282 | 412 | 130 | 46.2%増 |
| その他の営業収益 | 1,282 | 999 | △283 | 22.0%減 |
| 営業収益 | 22,798 | 23,645 | 847 | 3.7%増 |
| 金融費用 | 3,214 | 3,396 | 181 | 5.6%増 |
| 売上原価 | 245 | 363 | 117 | 47.8%増 |
| 販売費及び一般管理費 | 17,250 | 17,877 | 627 | 3.6%増 |
| その他の収益費用(純額) | △111 | △246 | △135 | - |
| セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) | 1,978 | 1,763 | △214 | 10.8%減 |
米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層を主要な顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)が上昇すると取引量が増加し収益に貢献する傾向にあります。また、顧客の預り金を運用することで金融収益を獲得していることから、金利が上昇すると収益に貢献する傾向にあります。
当連結会計年度の米国経済は、米中の貿易対立の激化の影響などから弱い経済指標が散見され景気鈍化懸念が強まった時期もありましたが、両国の貿易交渉の進展や金融緩和政策の効果等で徐々に持ち直しました。FRBによる金融緩和や安全資産への需要が高まったことの影響で金利は低下傾向となり、市場の値動きの度合いを示すS&P500のボラティリティ・インデックス(VIX指数)が秋口以降は徐々に低下しました。しかしながら、年度終盤に新型コロナウイルスの感染が米国内でも広がると米国経済は深刻な打撃を受け、FRBがゼロ金利政策の発動や量的金融緩和を再開するなど経済下支えのために大規模な政策の発動が行われました。2020年2月12日時点で29,551ドルの史上最高値をつけていたNYダウ平均は3月23日には18,591ドルまで約1ヶ月で11,000ドル近く下落し、市場のボラティリティをもとに算出されるVIX指数は急上昇しました。その結果VIX指数は、前連結会計年度比で15.7%上昇しました。
なお、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で1.9%円高となったことから、米国セグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、米国セグメントにおいては、2019年10月以降ゼロ手数料プランの導入があったものの、市場のボラティリティが上昇したことにより、当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)が96,765件(前連結会計年度比22.5%増)となった結果、委託手数料は米ドルベースで5.1%増加しました。その結果、受入手数料は米ドルベースで4.1%増加し、円換算後では12,270百万円(同2.1%増)となりました。また、金融収益は、短期金利が2019年度後半以降下落傾向となりましたが、預り資産の増加による受取利息の増加などにより米ドルベースで10.2%増加し、円換算後で9,965百万円(同8.1%増)となりました。その結果、営業収益は米ドルベースで5.7%増加、円換算後では23,645百万円(同3.7%増)となりました。
金融費用は有価証券貸借取引費用の増加等により3,396百万円(同5.6%増)となり、金融収支は米ドルベースで11.5%増加、円換算後で6,569百万円(同9.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、減価償却費、株式取引増加による支払手数料及び人件費などの増加の結果、米ドルベースで5.7%増加、円換算後では17,877百万円(同3.6%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が246百万円の損失(前連結会計年度は111百万円の損失)となっておりますが、マネックス証券に提供している日本株取引ツール「トレードステーション」のサービス終了を同社が決定したことに伴い、米国セグメント保有の固定資産に関して影響を精査した結果、減損損失を216百万円計上しております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は1,763百万円(前連結会計年度比10.8%減)となりました。
(アジア・パシフィック) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2019年3月期) | 当連結会計年度 (2020年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 受入手数料 | 406 | 454 | 48 | 11.9%増 |
| トレーディング損益 | △3 | 0 | 3 | - |
| 金融収益 | 301 | 280 | △21 | 7.0%減 |
| その他の営業収益 | 126 | 153 | 27 | 21.6%増 |
| 営業収益 | 829 | 887 | 57 | 6.9%増 |
| 金融費用 | 22 | 252 | 231 | 1,057.5%増 |
| 販売費及び一般管理費 | 883 | 898 | 15 | 1.7%増 |
| その他の収益費用(純額) | △4 | △15 | △11 | - |
| 持分法による投資利益又は損失(△) | 30 | 48 | 17 | 56.7%増 |
| セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) | △48 | △230 | △182 | - |
アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(以下「マネックスBoom証券」)、豪州拠点のMonex Securities Australia Pty Ltd(以下「マネックスオーストラリア証券」)で構成されています。
当連結会計年度の香港経済は、年度前半は米中の貿易対立の影響や香港政府が進めた「逃亡犯条例」の改正に対する反発による民衆のデモ激化の影響等で冴えない推移となりました。中国政府が金融緩和や財政拡大などの景気刺激策を行ったことで年度後半になると一時は持ち直しの兆しも見せたものの、新型コロナウイルスの感染が香港内でも確認され、世界的に株価が大きく下落する中、香港ハンセン指数も大幅に下落して当連結会計年度末時点で23,603ポイントとなりました。
また、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で1.6%円高となったことから、アジア・パシフィックセグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、マネックスBoom証券において年度後半で市場のボラティリティが上昇したことにより、米国株取引を中心に株式委託売買代金が増加したことなどから受入手数料が454百万円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。また、金融収益が280百万円(同7.0%減)となり、営業収益は887百万円(同6.9%増)となりました。
金融費用が252百万円(同1,057.5%増)となっていますが、これにはその他の金融資産(貸付金)に関する信用リスクの悪化に伴う金融費用229百万円が含まれています。
販売費及び一般管理費は、マネックスオーストラリア証券で広告宣伝費の減少等により費用が減少したものの、マネックスBoom証券で株式取引増加により支払手数料が増加したことなどにより898百万円(同1.7%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が15百万円の損失(前連結会計年度は4百万円の損失)となっています。
持分法による投資利益は48百万円(前連結会計年度比56.7%増)となっていますが、これは、中国本土で事業展開するジョイントベンチャーに関するものです。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は230百万円(前連結会計年度は48百万円のセグメント損失)となりました。
(クリプトアセット事業) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2019年3月期) | 当連結会計年度 (2020年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 受入手数料 | 186 | 287 | 101 | 54.2%増 |
| トレーディング損益 | 1,929 | 3,528 | 1,599 | 82.9%増 |
| 営業収益 | 2,116 | 3,815 | 1,699 | 80.3%増 |
| 金融費用 | 39 | 3 | △36 | 92.5%減 |
| 販売費及び一般管理費 | 4,766 | 3,502 | △1,264 | 26.5%減 |
| その他の収益費用(純額) | 957 | △17 | △974 | - |
| セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) | △1,732 | 293 | 2,025 | - |
クリプトアセット事業セグメントは、コインチェック株式会社で構成されています。
コインチェック株式会社は、2018年10月に新規口座開設及び取扱暗号資産の新規取引を一部再開し、2018年11月末には顧客による全ての取扱暗号資産の取引が可能となりました。また、同社は2019年1月に暗号資産交換業の登録を完了しました。その後、新たに2019年6月にMONA、11月にXLM、2020年3月よりQTUMの取り扱いを開始し、同社の取り扱う暗号資産は12種類となりました。
当連結会計年度の暗号資産市場は、40万円台だったビットコインの価格が2019年6月に一時150万円近くまで急上昇し、価格の上昇に伴って暗号資産の取引も活況となりました。その後、2019年7月から12月にかけては低調となりましたが、2020年1月以降はビットコインの価格が110万円台まで上昇したことにより暗号資産の取引は再び活況となりました。
当連結会計年度は、前連結会計年度と異なり年間を通じて全ての取扱暗号資産について顧客による新規購入・売却等の営業活動を行ったこと及び暗号資産市場が一定の期間活況の様相を呈したことからトレーディング損益が3,528百万円(同82.9%増)となりました。また、受入手数料が287百万円(同54.2%増)となり、営業収益は3,815百万円(同80.3%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、事務委託費、人件費及びオフィス統合に伴う不動産関係費の減少などにより3,502百万円(同26.5%減)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は293百万円(前連結会計年度は1,732百万円のセグメント損失)となりました。
(投資事業) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2019年3月期) | 当連結会計年度 (2020年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 金融収益 | 414 | 148 | △266 | 64.3%減 |
| 営業収益 | 414 | 148 | △266 | 64.3%減 |
| 販売費及び一般管理費 | 23 | 54 | 31 | 130.1%増 |
| その他の収益費用(純額) | △1 | △0 | 0 | - |
| 持分法による投資利益又は損失(△) | △8 | - | 8 | - |
| セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) | 382 | 94 | △288 | 75.4%減 |
投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合で構成されています。
当連結会計年度は、保有銘柄の評価額上昇による評価益により金融収益が148百万円(前連結会計年度比64.3%減)となり、営業収益は148百万円(同64.3%減)となりました。なお、前連結会計年度の金融収益には保有銘柄の売却による売却益を計上したことによるものも含まれております。
販売費及び一般管理費は54百万円(同130.1%増)と増加していますが、これはMV1号投資事業有限責任組合を前第4四半期連結会計期間より連結の範囲に含めているためです。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は94百万円(同75.4%減)となりました。
② 財政状態の状況
(連結) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2019年3月末) | 当連結会計年度 (2020年3月末) | 増減 | |
| 資産合計 | 1,027,849 | 1,022,934 | △4,916 |
| 負債合計 | 947,707 | 945,909 | △1,798 |
| 資本合計 | 80,142 | 77,024 | △3,118 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 78,994 | 76,210 | △2,784 |
当連結会計年度の資産合計は、預託金及び金銭の信託などが増加したものの、信用取引資産、現金及び現金同等物などが減少した結果、1,022,934百万円(前連結会計年度末比4,916百万円減)となりました。また、負債合計は、預り金、受入保証金などが増加したものの、社債及び借入金、有価証券担保借入金などが減少した結果、945,909百万円(同1,798百万円減)となりました。
資本合計は、当期利益などが増加したものの、自己株式の取得、配当金の支払などにより減少した結果、77,024百万円(同3,118百万円減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(連結) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2019年3月期) | 当連結会計年度 (2020年3月期) | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 53,834 | 34,454 | △19,380 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | 22,763 | △7,068 | △29,832 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △5,909 | △48,399 | △42,490 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 150,926 | 127,832 | △23,094 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による収入34,454百万円(前連結会計年度は53,834百万円の収入)、投資活動による支出7,068百万円(同22,763百万円の収入)及び財務活動による支出48,399百万円(同5,909百万円の支出)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は127,832百万円(前連結会計年度末比23,094百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により取得した資金は、34,454百万円となりました。
預託金及び金銭の信託の増減により60,603百万円、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減により19,477百万円の資金を使用する一方、受入保証金及び預り金の増減により74,781百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減により28,880百万円の資金を取得しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、7,068百万円となりました。
無形資産の取得により5,548百万円、有形固定資産の取得により841百万円の資金を使用しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、48,399百万円となりました。
社債の発行により15,495百万円、長期借入債務の調達により14,105百万円の資金を取得する一方、長期借入債務の返済により33,705百万円、短期借入債務の収支により26,730百万円、社債の償還により11,205百万円の資金を使用しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、クリプトアセット事業セグメントのトレーディング損益増加等により増収となったことに加え、日本セグメントの減価償却費減少等により販売費及び一般管理費が減少したため、親会社の所有者に帰属する当期利益は30億円(前連結会計年度比154.8%)となりました。一方、資本合計は、当期利益などが増加したものの、自己株式の取得、配当金の支払、在外営業活動体の換算差額等により減少した結果、77,024百万円(同3,118百万円減)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
日本セグメントは、市場売買代金の水準が下半期以降回復し、費用を適切に管理した結果、セグメント利益(税引前利益)は23億円(前期比81%増)となりました(なお、投資有価証券評価損3億円、固定資産の減損損失2億円の一時要因を除くと、セグメント利益は28億円となります)。
米国セグメントは、相場変動に伴う取引増が金利低下やゼロ手数料による減収をカバーし、増収となりました。一方で、新規事業のサービス開始に伴い人件費と減価償却費が増加したため、セグメント利益は18億円(前期比11%減)となりました(なお、固定資産の減損損失2億円の一時要因を除くと、セグメント利益は20億円となります)。
アジア・パシフィックセグメントは、株式の取引活況による取引増に伴う収益増をマージンローンの引当金計上が上回ったため、セグメント損失2億円(前期比2億円減)となりました。
クリプトアセット事業セグメントは、暗号資産市場の取引活況を受けた取引増に伴う増収および固定費を中心とした大幅な費用削減により、セグメント利益は3億円(前期比20億円増)となりました。
投資事業セグメントは、保有株式評価益および売却益の計上により、セグメント利益は1億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、預託金及び金銭の信託が減少したこと等により営業活動による収入が34,454百万円(前連結会計年度は53,834百万円の収入)、子会社の取得による収入が剥落したこと等により投資活動による支出が7,068百万円(同22,763百万円の収入)、長期借入債務の調達による収入が減少したこと等により財務活動による支出が48,399百万円(同5,909百万円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は127,832百万円(前連結会計年度末比23,094百万円減)となりました。景気の不確実性に備えるため十分な手元流動性を確保しつつ、無形資産や有形固定資産等へ事業投資を行い、不要不急な資金調達を控えました。
(資本の財源)
2020年3月末の財政状態計算書
| 資産 10,229億円 | 負債 9,459億円 | ||
| 主な資産は金融商品取引業 に関連するもの 7,824億円 | 主な負債は金融商品取引業 に関連するもの 9,319億円 | ||
| その他 517億円 | |||
| 現金及び現金同等物 1,326億円 | その他 140億円 | ||
| 資本 770億円 | |||
| 固定的な資産(注) 562億円 |
(注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。
当連結会計年度末の資本は770億円であり、固定的な資産562億円を上回っています。差額の208億円については以下の原資とする予定です。
1.海外含む証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応
2.将来の事業投資に備える内部留保
3.株主還元(配当金及び自己株式取得)
(重要な資本的支出の予定)
重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(資金の流動性)
当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また、資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。なお、債務の期日別の残高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって、のれんの減損テストにおける使用価値の算定等重要な判断や見積りを行っていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び同「38.追加情報」に記載のとおりです。