訂正有価証券報告書-第18期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、「日本」・「米国」・「クリプトアセット事業」・「アジア・パシフィック」・「投資事業」の5つの報告セグメントとしています。なお、報告セグメントの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6セグメント情報」をご参照下さい。
(連結) (単位:百万円)
当連結会計年度は、米国セグメントでその他の受入手数料が増加したことなどにより、受入手数料が37,361百万円(前連結会計年度比1.3%増)となりました。また、クリプトアセット事業セグメントで暗号資産取引が活性化したことにより、トレーディング損益が30,477百万円(同24.4%増)となりました。さらに、日本セグメントで信用取引収益が増加したことなどにより、金融収益が18,886百万円(同22.7%増)となりました。その結果、営業収益88,783百万円(同14.0%増)となり、収益合計は96,311百万円(同20.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、日本セグメント、米国セグメント及びクリプトアセット事業セグメントで増加した結果、68,601百万円(同37.6%増)となり、費用合計は75,510百万円(同29.4%増)となりました。
以上の結果、税引前利益が20,801百万円(同2.3%減)となりました。また、法人所得税費用が7,770百万円(同12.4%増)となりました。当期利益は13,032百万円(同9.4%減)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は13,017百万円(同9.3%減)となりました。
各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(日本) (単位:百万円)
日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社とマネックス・アセットマネジメント株式会社で構成されています。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家を主要な顧客層としており、売買動向の影響を受けます。
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルスの感染拡大が継続し経済の下押し圧力となる一方で、徐々に経済正常化に向けた取り組みも模索されるなか日本銀行がこれまで同様緩和的な金融政策を継続していることもあり、持ち直し傾向となりました。ロシアのウクライナ侵攻によるマーケットセンチメントの悪化や原材料の高騰、大幅な円安進行による先行きの不透明感が指摘されるなか株価は調整基調となり、第3四半期末時点で28,791円だった日経平均株価は当期末時点では27,821円となりました。また、米金利の上昇や昨年までの大幅な株価上昇の反動もあるなか新興成長株は特に売られ、第3四半期末時点で987ポイントだった東証マザーズ指数は、当期末時点で790ポイントと約20%の大幅下落となっています。
当連結会計年度における東京、名古屋二市場の株式等(株式、ETF及びREIT)の1営業日平均個人売買代金は1兆5,995億円となり、前連結会計年度比で7.0%増加しました。
このような環境の下、日本セグメントにおいては、当連結会計年度の株式等の1営業日平均委託売買代金は、売買代金シェアが低下した結果、726億円(前連結会計年度比7.5%減)と減少しました。そのため、受入手数料は16,978百万円(同4.7%減)となりました。また、トレーディング損益は4,350百万円(同4.4%減)となりました。一方、信用取引平均残高の増加により金融収益が10,156百万円(同19.9%増)となりました。その結果、営業収益は31,865百万円(同2.9%増)となりました。
金融費用は1,427百万円(同23.4%減)となり、金融収支は8,729百万円(同32.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、IFAや金融商品仲介による支払手数料、人件費、広告宣伝費の増加などの結果、25,250百万円(同4.6%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が6,819百万円の利益(同194.6%増)となっていますが、暗号資産売却益3,956百万円が含まれております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は11,965百万円(同64.5%増)となりました。
(米国) (単位:百万円)
米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層をはじめ多様な投資家を顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)の上昇および稼働口座数増加にともなう取引量増加が収益に貢献する傾向にあります。また、顧客の預り金を運用することで金融収益を獲得していることから、金利が上昇すると収益に貢献する傾向にあります。
当連結会計年度の米国経済は、新型コロナウイルスの感染者数は増加したものの、FRBが大規模な金融緩和政策を継続したことやワクチン接種率の高まりによる重症化率の低下などを背景に、回復が継続しました。労働市場の回復に支えられて個人消費が堅調に推移すると、資源価格の高騰の影響もあり物価上昇率が高まりました。こうした経済の回復や物価高を受けFRBは量的金融緩和政策の縮小(テーパリング)を開始すると表明し、2022年3月に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では利上げが実施されるとともに、2022年には複数回の積極的な利上げが行われる可能性が示唆されました。FRBによる積極的な金融引締め方針やロシアのウクライナ侵攻がマーケットセンチメントを冷やす中、第3四半期末時点で36,338ドルだったNYダウ平均は調整色を強めて当期末時点で34,678ドルとなりました。米長期金利はFRBの金融引締め観測が強まると徐々に上昇しました。
なお、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で6.1%円安となったことから、米国セグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、米国セグメントにおいては、当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)は、オプションが増加したものの、株式・先物が減少した結果、217,405件(前連結会計年度比5.4%減)となり、委託手数料は米ドルベースで6.0%減少しました。一方、その他の受入手数料は米ドルベースで3.2%増加しました。その結果、受入手数料は米ドルベースでは2.6%減少し、円換算後では18,583百万円(同3.3%増)となりました。一方、金融収益は、株券貸借取引収益の増加などにより米ドルベースでは16.2%増加し、円換算後では7,773百万円(同23.2%増)となりました。
金融費用は3,520百万円(同47.1%増)となり、金融収支は米ドルベースで2.4%の増加、円換算後で4,252百万円(同8.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、成長のための先行投資として広告宣伝費、人件費などが増加した結果、米ドルベースで41.1%増加し、円換算後では29,587百万円(同49.6%増)となりました。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は5,557百万円(前連結会計年度は3,200百万円のセグメント利益)となりました。
(クリプトアセット事業) (単位:百万円)
クリプトアセット事業セグメントは、主にコインチェック株式会社で構成されています。
当連結会計年度の暗号資産市場は、中国の暗号資産規制やマイニングの環境問題への懸念によって一時は低迷しましたが、米国で初めてビットコイン先物ETFが上場したことをきっかけに、ビットコインの価格が期初以来、史上最高値となる770万円台を記録するまで活況となりました。その後は米国における金融引き締めの動きやウクライナ情勢の悪化によって市場全体で調整色が強まりました。しかし、一部では暗号資産が逃避資産として注目を集め、日米金利差拡大による円安進行が影響したこともあり、第3四半期末時点で550万円台だったビットコインの価格は当期末時点においても同水準を維持しました。また、アルトコインでは、メタバース(仮想空間)やノンファンジブルトークン(NFT)に関連した銘柄への関心が続き、その基盤レイヤーとしてイーサリアムの他にソラナやテラ、アバランチなどの銘柄も新しく注目されました。
このような環境の下、コインチェック株式会社においては、当連結会計年度における取引所暗号資産売買代金は5兆3,382億円となり、前連結会計年度比で44.8%増加しました。販売所暗号資産売買代金は5,684億円となり、前連結会計年度比で28.9%増加しました。IEOの手数料収益や送金手数料の増加などにより受入手数料が1,494百万円(前連結会計年度比75.2%増)となり、ビットコインおよびアルトコインの販売所取引が活発だったことによりトレーディング損益は26,144百万円(同31.0%増)となりました。また、NFT等の販売売上を計上し売上収益は950百万円となりました。さらにNFTの販売手数料などを計上したことにより、その他の営業収益は85百万円(同498.5%増)となり、営業収益は28,673百万円(同37.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、新規口座獲得のための広告宣伝費及びDe-SPAC上場準備に伴う人件費が増加したことにより14,909百万円(同109.1%増)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は13,870百万円(同40.6%増)となりました。
(アジア・パシフィック) (単位:百万円)
アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(以下「マネックスBoom証券」)、豪州拠点のMonex Securities Australia Pty Ltd(以下「マネックスオーストラリア証券」)で構成されています。
当連結会計年度の香港経済は、中国経済の成長が鈍化していることなどから低調に推移しました。第3四半期末時点で23,397ポイントだったハンセン指数は一時18,000ポイント程度まで下落するなど厳しい下げとなり、当期末時点で21,996ポイントとなりました。
また、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で5.6%円安となったことから、アジア・パシフィックセグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、マネックスBoom証券で委託手数料が減少したことにより、受入手数料が771百万円(前連結会計年度比28.6%減)となりました。また、銀行の実効金利が低下したことから金融収益が131百万円(同21.2%減)となりました。その他の営業収益は323百万円(同12.2%減)となり、営業収益は1,225百万円(同24.1%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、マネックスBoom証券で株式取引減少による支払手数料の減少などにより1,083百万円(同5.4%減)となりました。
持分法による投資利益は27百万円(同55.6%減)となっていますが、これは、中国本土で事業展開するジョイントベンチャーに関するものです。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は171百万円(同66.9%減)となりました。
(投資事業) (単位:百万円)
投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合、MV2号投資事業有限責任組合で構成されています。
当連結会計年度は、保有銘柄の評価額上昇による評価益及び保有銘柄の売却益により金融収益が1,079百万円(前連結会計年度比60.4%増)となり、営業収益は1,079百万円(同60.4%増)となりました。
金融費用は投資事業有限責任組合の持分損益を計上したことから614百万円(同276.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、事務委託費などの増加により89百万円(同24.9%増)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は376百万円(同14.2%減)となりました。
② 財政状態の状況
(連結) (単位:百万円)
当連結会計年度の資産合計は、信用取引資産などが減少したものの、現金及び現金同等物、金銭の信託、有価証券担保貸付金などが増加した結果、1,607,761百万円(前連結会計年度末比206,631百万円増)となりました。また、負債合計は、預り金、有価証券担保借入金などが増加した結果、1,501,742百万円(同191,137百万円増)となりました。
資本合計は、配当金の支払などにより減少したものの、当期利益や新株発行などにより増加した結果、106,018百万円(同15,494百万円増)となりました。
なお、2018年4月23日の取締役会において資金の借入を行うことを決議し、2018年6月29日に借入を実行した借入金30,000百万円を2021年6月30日に満期返済しました。
③ キャッシュ・フローの状況
(連結) (単位:百万円)
当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による収入51,701百万円(前連結会計年度は63,818百万円の支出)、投資活動による支出6,026百万円(同7,158百万円の支出)及び財務活動による収入13,763百万円(同95,483百万円の収入)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は253,458百万円(前連結会計年度末比66,775百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により取得した資金は、51,701百万円となりました。
金銭の信託の増減により63,684百万円の資金を使用し、金融収益及び費用が16,002百万円となった一方、受入保証金及び預り金の増減により81,132百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減により11,099百万円の資金を取得しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、6,026百万円となりました。
有価証券投資等の売却及び償還による収入により1,719百万円の資金を取得する一方、無形資産の取得により5,964百万円の資金を使用しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により取得した資金は、13,763百万円となりました。
長期借入債務の返済により38,857百万円、社債の償還により20,800百万円の資金を使用する一方、短期借入債務の収支により38,181百万円、長期借入債務の調達による収入により24,610百万円の資金を取得しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2022年3月期の連結決算については、金融費用及び売上原価控除後営業収益は835億円となり、前年比13%増と過去最高を記録しました。また、このような着実な成長を背景に、主要3セグメント(日本セグメント、米国セグメント、クリプトアセット事業セグメント)においては中長期的な成長への投資を推し進めることができた1年となりました。特に、米国セグメントおよびクリプトアセット事業セグメントにおいては、さらなる成長を実現するための積極的な先行投資を断行し、これに伴う米国市場への上場計画も発表しています。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
日本セグメントは、投資信託、信用金利などのストック収益や、米国株収益が継続的に伸長しました。また、預かり資産も着実に増加したため、セグメント利益(税引前利益)は120億円(前期比65%増)となりました。
米国セグメントは、新規口座獲得のための広告宣伝費65億円をかけ、積極的なマーケティング投資を実施したため、セグメント損失は56億円(前期比88億円減)となりました。
クリプトアセット事業セグメントは、口座数の増加により売買代金が伸長したため、当期の営業収益はグループ入り後過去最高の287億円となりました。また、中長期での収益基盤拡大を見据え、 新規顧客獲得のための広告宣伝費57億円を計上したため、セグメント利益は139億円(前期比41%増)となりました。
アジア・パシフィックセグメントは、低調なマーケット環境の中でも黒字を確保し、セグメント利益は2億円(前期比67%減)となりました。
投資事業セグメントは、複数の投資先においてEXITに成功し、トラックレコードを順調に積み上げました。また、2021年4月 に設立したMV2号投資事業有限責任組合も投資件数を順調に増やし、セグメント利益は4億円(前期比14%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
当社グループの事業活動における主な資金使途としては、金融商品取引業における信用取引に関するものの他、M&A及び事業投資等があります。これらの資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、社債による直接金融、シンジケートローン及び銀行借入等による間接金融により資金を調達しております。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(資本の財源)
2022年3月末の財政状態計算書
(注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。
当連結会計年度末の資本合計は1,060億円であり、固定的な資産630億円を上回っています。差額については以下の原資とする予定です。
1.海外含む証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応
2.将来の事業投資に備える内部留保
3.株主還元(配当金及び自己株式取得)
(重要な資本的支出の予定)
重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(資金の流動性)
当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また、資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。なお、債務の期日別の残高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって、のれんの減損テストにおける使用価値の算定等重要な判断や見積りを行っていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」、同「22.無形資産」及び同「38.追加情報」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、「日本」・「米国」・「クリプトアセット事業」・「アジア・パシフィック」・「投資事業」の5つの報告セグメントとしています。なお、報告セグメントの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6セグメント情報」をご参照下さい。
(連結) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2021年3月期) | 当連結会計年度 (2022年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 受入手数料 | 36,864 | 37,361 | 497 | 1.3%増 |
| トレーディング損益 | 24,504 | 30,477 | 5,973 | 24.4%増 |
| 金融収益 | 15,394 | 18,886 | 3,492 | 22.7%増 |
| 売上収益 | - | 950 | 950 | - |
| その他の営業収益 | 1,144 | 1,109 | △35 | 3.0%減 |
| 営業収益 | 77,905 | 88,783 | 10,878 | 14.0%増 |
| 収益合計 | 79,668 | 96,311 | 16,644 | 20.9%増 |
| 金融費用 | 4,211 | 5,183 | 972 | 23.1%増 |
| 売上原価 | - | 51 | 51 | - |
| 販売費及び一般管理費 | 49,861 | 68,601 | 18,739 | 37.6%増 |
| 費用合計 | 58,372 | 75,510 | 17,138 | 29.4%増 |
| 税引前利益 | 21,296 | 20,801 | △495 | 2.3%減 |
| 法人所得税費用 | 6,911 | 7,770 | 859 | 12.4%増 |
| 当期利益 | 14,385 | 13,032 | △1,354 | 9.4%減 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 14,354 | 13,017 | △1,337 | 9.3%減 |
当連結会計年度は、米国セグメントでその他の受入手数料が増加したことなどにより、受入手数料が37,361百万円(前連結会計年度比1.3%増)となりました。また、クリプトアセット事業セグメントで暗号資産取引が活性化したことにより、トレーディング損益が30,477百万円(同24.4%増)となりました。さらに、日本セグメントで信用取引収益が増加したことなどにより、金融収益が18,886百万円(同22.7%増)となりました。その結果、営業収益88,783百万円(同14.0%増)となり、収益合計は96,311百万円(同20.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、日本セグメント、米国セグメント及びクリプトアセット事業セグメントで増加した結果、68,601百万円(同37.6%増)となり、費用合計は75,510百万円(同29.4%増)となりました。
以上の結果、税引前利益が20,801百万円(同2.3%減)となりました。また、法人所得税費用が7,770百万円(同12.4%増)となりました。当期利益は13,032百万円(同9.4%減)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は13,017百万円(同9.3%減)となりました。
各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(日本) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2021年3月期) | 当連結会計年度 (2022年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 受入手数料 | 17,811 | 16,978 | △833 | 4.7%減 |
| トレーディング損益 | 4,553 | 4,350 | △203 | 4.4%減 |
| 金融収益 | 8,469 | 10,156 | 1,687 | 19.9%増 |
| その他の営業収益 | 130 | 381 | 251 | 192.8%増 |
| 営業収益 | 30,962 | 31,865 | 903 | 2.9%増 |
| 金融費用 | 1,864 | 1,427 | △436 | 23.4%減 |
| 販売費及び一般管理費 | 24,136 | 25,250 | 1,113 | 4.6%増 |
| その他の収益費用(純額) | 2,314 | 6,819 | 4,505 | 194.6%増 |
| 持分法による投資利益又は損失(△) | △1 | △42 | △41 | - |
| セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) | 7,276 | 11,965 | 4,690 | 64.5%増 |
日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社とマネックス・アセットマネジメント株式会社で構成されています。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家を主要な顧客層としており、売買動向の影響を受けます。
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルスの感染拡大が継続し経済の下押し圧力となる一方で、徐々に経済正常化に向けた取り組みも模索されるなか日本銀行がこれまで同様緩和的な金融政策を継続していることもあり、持ち直し傾向となりました。ロシアのウクライナ侵攻によるマーケットセンチメントの悪化や原材料の高騰、大幅な円安進行による先行きの不透明感が指摘されるなか株価は調整基調となり、第3四半期末時点で28,791円だった日経平均株価は当期末時点では27,821円となりました。また、米金利の上昇や昨年までの大幅な株価上昇の反動もあるなか新興成長株は特に売られ、第3四半期末時点で987ポイントだった東証マザーズ指数は、当期末時点で790ポイントと約20%の大幅下落となっています。
当連結会計年度における東京、名古屋二市場の株式等(株式、ETF及びREIT)の1営業日平均個人売買代金は1兆5,995億円となり、前連結会計年度比で7.0%増加しました。
このような環境の下、日本セグメントにおいては、当連結会計年度の株式等の1営業日平均委託売買代金は、売買代金シェアが低下した結果、726億円(前連結会計年度比7.5%減)と減少しました。そのため、受入手数料は16,978百万円(同4.7%減)となりました。また、トレーディング損益は4,350百万円(同4.4%減)となりました。一方、信用取引平均残高の増加により金融収益が10,156百万円(同19.9%増)となりました。その結果、営業収益は31,865百万円(同2.9%増)となりました。
金融費用は1,427百万円(同23.4%減)となり、金融収支は8,729百万円(同32.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、IFAや金融商品仲介による支払手数料、人件費、広告宣伝費の増加などの結果、25,250百万円(同4.6%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が6,819百万円の利益(同194.6%増)となっていますが、暗号資産売却益3,956百万円が含まれております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は11,965百万円(同64.5%増)となりました。
(米国) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2021年3月期) | 当連結会計年度 (2022年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 受入手数料 | 17,988 | 18,583 | 595 | 3.3%増 |
| 金融収益 | 6,309 | 7,773 | 1,463 | 23.2%増 |
| 売上収益 | 27 | 132 | 106 | 392.8%増 |
| その他の営業収益 | 1,051 | 727 | △324 | 30.9%減 |
| 営業収益 | 25,375 | 27,214 | 1,839 | 7.2%増 |
| 金融費用 | 2,394 | 3,520 | 1,126 | 47.1%増 |
| 売上原価 | 23 | 115 | 92 | 392.8%増 |
| 販売費及び一般管理費 | 19,771 | 29,587 | 9,816 | 49.6%増 |
| その他の収益費用(純額) | 13 | 451 | 438 | 3,435.9%増 |
| セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) | 3,200 | △5,557 | △8,757 | - |
米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層をはじめ多様な投資家を顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)の上昇および稼働口座数増加にともなう取引量増加が収益に貢献する傾向にあります。また、顧客の預り金を運用することで金融収益を獲得していることから、金利が上昇すると収益に貢献する傾向にあります。
当連結会計年度の米国経済は、新型コロナウイルスの感染者数は増加したものの、FRBが大規模な金融緩和政策を継続したことやワクチン接種率の高まりによる重症化率の低下などを背景に、回復が継続しました。労働市場の回復に支えられて個人消費が堅調に推移すると、資源価格の高騰の影響もあり物価上昇率が高まりました。こうした経済の回復や物価高を受けFRBは量的金融緩和政策の縮小(テーパリング)を開始すると表明し、2022年3月に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では利上げが実施されるとともに、2022年には複数回の積極的な利上げが行われる可能性が示唆されました。FRBによる積極的な金融引締め方針やロシアのウクライナ侵攻がマーケットセンチメントを冷やす中、第3四半期末時点で36,338ドルだったNYダウ平均は調整色を強めて当期末時点で34,678ドルとなりました。米長期金利はFRBの金融引締め観測が強まると徐々に上昇しました。
なお、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で6.1%円安となったことから、米国セグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、米国セグメントにおいては、当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)は、オプションが増加したものの、株式・先物が減少した結果、217,405件(前連結会計年度比5.4%減)となり、委託手数料は米ドルベースで6.0%減少しました。一方、その他の受入手数料は米ドルベースで3.2%増加しました。その結果、受入手数料は米ドルベースでは2.6%減少し、円換算後では18,583百万円(同3.3%増)となりました。一方、金融収益は、株券貸借取引収益の増加などにより米ドルベースでは16.2%増加し、円換算後では7,773百万円(同23.2%増)となりました。
金融費用は3,520百万円(同47.1%増)となり、金融収支は米ドルベースで2.4%の増加、円換算後で4,252百万円(同8.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、成長のための先行投資として広告宣伝費、人件費などが増加した結果、米ドルベースで41.1%増加し、円換算後では29,587百万円(同49.6%増)となりました。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は5,557百万円(前連結会計年度は3,200百万円のセグメント利益)となりました。
(クリプトアセット事業) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2021年3月期) | 当連結会計年度 (2022年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 受入手数料 | 853 | 1,494 | 641 | 75.2%増 |
| トレーディング損益 | 19,960 | 26,144 | 6,185 | 31.0%増 |
| 売上収益 | - | 950 | 950 | - |
| その他の営業収益 | 14 | 85 | 71 | 498.5%増 |
| 営業収益 | 20,826 | 28,673 | 7,847 | 37.7%増 |
| 金融費用 | 5 | 1 | △4 | 76.1%減 |
| 売上原価 | - | 51 | 51 | - |
| 販売費及び一般管理費 | 7,129 | 14,909 | 7,780 | 109.1%増 |
| その他の収益費用(純額) | △3,825 | 157 | 3,983 | - |
| セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) | 9,868 | 13,870 | 4,002 | 40.6%増 |
クリプトアセット事業セグメントは、主にコインチェック株式会社で構成されています。
当連結会計年度の暗号資産市場は、中国の暗号資産規制やマイニングの環境問題への懸念によって一時は低迷しましたが、米国で初めてビットコイン先物ETFが上場したことをきっかけに、ビットコインの価格が期初以来、史上最高値となる770万円台を記録するまで活況となりました。その後は米国における金融引き締めの動きやウクライナ情勢の悪化によって市場全体で調整色が強まりました。しかし、一部では暗号資産が逃避資産として注目を集め、日米金利差拡大による円安進行が影響したこともあり、第3四半期末時点で550万円台だったビットコインの価格は当期末時点においても同水準を維持しました。また、アルトコインでは、メタバース(仮想空間)やノンファンジブルトークン(NFT)に関連した銘柄への関心が続き、その基盤レイヤーとしてイーサリアムの他にソラナやテラ、アバランチなどの銘柄も新しく注目されました。
このような環境の下、コインチェック株式会社においては、当連結会計年度における取引所暗号資産売買代金は5兆3,382億円となり、前連結会計年度比で44.8%増加しました。販売所暗号資産売買代金は5,684億円となり、前連結会計年度比で28.9%増加しました。IEOの手数料収益や送金手数料の増加などにより受入手数料が1,494百万円(前連結会計年度比75.2%増)となり、ビットコインおよびアルトコインの販売所取引が活発だったことによりトレーディング損益は26,144百万円(同31.0%増)となりました。また、NFT等の販売売上を計上し売上収益は950百万円となりました。さらにNFTの販売手数料などを計上したことにより、その他の営業収益は85百万円(同498.5%増)となり、営業収益は28,673百万円(同37.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、新規口座獲得のための広告宣伝費及びDe-SPAC上場準備に伴う人件費が増加したことにより14,909百万円(同109.1%増)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は13,870百万円(同40.6%増)となりました。
(アジア・パシフィック) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2021年3月期) | 当連結会計年度 (2022年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 受入手数料 | 1,079 | 771 | △308 | 28.6%減 |
| トレーディング損益 | △0 | △0 | 0 | - |
| 金融収益 | 166 | 131 | △35 | 21.2%減 |
| その他の営業収益 | 368 | 323 | △45 | 12.2%減 |
| 営業収益 | 1,613 | 1,225 | △388 | 24.1%減 |
| 金融費用 | 9 | 3 | △6 | 69.7%減 |
| 販売費及び一般管理費 | 1,145 | 1,083 | △62 | 5.4%減 |
| その他の収益費用(純額) | △3 | 5 | 7 | - |
| 持分法による投資利益又は損失(△) | 62 | 27 | △34 | 55.6%減 |
| セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) | 519 | 171 | △347 | 66.9%減 |
アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(以下「マネックスBoom証券」)、豪州拠点のMonex Securities Australia Pty Ltd(以下「マネックスオーストラリア証券」)で構成されています。
当連結会計年度の香港経済は、中国経済の成長が鈍化していることなどから低調に推移しました。第3四半期末時点で23,397ポイントだったハンセン指数は一時18,000ポイント程度まで下落するなど厳しい下げとなり、当期末時点で21,996ポイントとなりました。
また、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で5.6%円安となったことから、アジア・パシフィックセグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、マネックスBoom証券で委託手数料が減少したことにより、受入手数料が771百万円(前連結会計年度比28.6%減)となりました。また、銀行の実効金利が低下したことから金融収益が131百万円(同21.2%減)となりました。その他の営業収益は323百万円(同12.2%減)となり、営業収益は1,225百万円(同24.1%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、マネックスBoom証券で株式取引減少による支払手数料の減少などにより1,083百万円(同5.4%減)となりました。
持分法による投資利益は27百万円(同55.6%減)となっていますが、これは、中国本土で事業展開するジョイントベンチャーに関するものです。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は171百万円(同66.9%減)となりました。
(投資事業) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2021年3月期) | 当連結会計年度 (2022年3月期) | 増減 | 増減率 | |
| 金融収益 | 672 | 1,079 | 406 | 60.4%増 |
| 営業収益 | 672 | 1,079 | 406 | 60.4%増 |
| 金融費用 | 163 | 614 | 451 | 276.4%増 |
| 販売費及び一般管理費 | 71 | 89 | 18 | 24.9%増 |
| その他の収益費用(純額) | △0 | △0 | △0 | - |
| セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) | 438 | 376 | △62 | 14.2%減 |
投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合、MV2号投資事業有限責任組合で構成されています。
当連結会計年度は、保有銘柄の評価額上昇による評価益及び保有銘柄の売却益により金融収益が1,079百万円(前連結会計年度比60.4%増)となり、営業収益は1,079百万円(同60.4%増)となりました。
金融費用は投資事業有限責任組合の持分損益を計上したことから614百万円(同276.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、事務委託費などの増加により89百万円(同24.9%増)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は376百万円(同14.2%減)となりました。
② 財政状態の状況
(連結) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2021年3月末) | 当連結会計年度 (2022年3月末) | 増減 | |
| 資産合計 | 1,401,130 | 1,607,761 | 206,631 |
| 負債合計 | 1,310,605 | 1,501,742 | 191,137 |
| 資本合計 | 90,524 | 106,018 | 15,494 |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 89,573 | 104,286 | 14,713 |
当連結会計年度の資産合計は、信用取引資産などが減少したものの、現金及び現金同等物、金銭の信託、有価証券担保貸付金などが増加した結果、1,607,761百万円(前連結会計年度末比206,631百万円増)となりました。また、負債合計は、預り金、有価証券担保借入金などが増加した結果、1,501,742百万円(同191,137百万円増)となりました。
資本合計は、配当金の支払などにより減少したものの、当期利益や新株発行などにより増加した結果、106,018百万円(同15,494百万円増)となりました。
なお、2018年4月23日の取締役会において資金の借入を行うことを決議し、2018年6月29日に借入を実行した借入金30,000百万円を2021年6月30日に満期返済しました。
③ キャッシュ・フローの状況
(連結) (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2021年3月期) | 当連結会計年度 (2022年3月期) | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | △63,818 | 51,701 | 115,519 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △7,158 | △6,026 | 1,132 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 95,483 | 13,763 | △81,719 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 186,683 | 253,458 | 66,775 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による収入51,701百万円(前連結会計年度は63,818百万円の支出)、投資活動による支出6,026百万円(同7,158百万円の支出)及び財務活動による収入13,763百万円(同95,483百万円の収入)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は253,458百万円(前連結会計年度末比66,775百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により取得した資金は、51,701百万円となりました。
金銭の信託の増減により63,684百万円の資金を使用し、金融収益及び費用が16,002百万円となった一方、受入保証金及び預り金の増減により81,132百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減により11,099百万円の資金を取得しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、6,026百万円となりました。
有価証券投資等の売却及び償還による収入により1,719百万円の資金を取得する一方、無形資産の取得により5,964百万円の資金を使用しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により取得した資金は、13,763百万円となりました。
長期借入債務の返済により38,857百万円、社債の償還により20,800百万円の資金を使用する一方、短期借入債務の収支により38,181百万円、長期借入債務の調達による収入により24,610百万円の資金を取得しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2022年3月期の連結決算については、金融費用及び売上原価控除後営業収益は835億円となり、前年比13%増と過去最高を記録しました。また、このような着実な成長を背景に、主要3セグメント(日本セグメント、米国セグメント、クリプトアセット事業セグメント)においては中長期的な成長への投資を推し進めることができた1年となりました。特に、米国セグメントおよびクリプトアセット事業セグメントにおいては、さらなる成長を実現するための積極的な先行投資を断行し、これに伴う米国市場への上場計画も発表しています。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
日本セグメントは、投資信託、信用金利などのストック収益や、米国株収益が継続的に伸長しました。また、預かり資産も着実に増加したため、セグメント利益(税引前利益)は120億円(前期比65%増)となりました。
米国セグメントは、新規口座獲得のための広告宣伝費65億円をかけ、積極的なマーケティング投資を実施したため、セグメント損失は56億円(前期比88億円減)となりました。
クリプトアセット事業セグメントは、口座数の増加により売買代金が伸長したため、当期の営業収益はグループ入り後過去最高の287億円となりました。また、中長期での収益基盤拡大を見据え、 新規顧客獲得のための広告宣伝費57億円を計上したため、セグメント利益は139億円(前期比41%増)となりました。
アジア・パシフィックセグメントは、低調なマーケット環境の中でも黒字を確保し、セグメント利益は2億円(前期比67%減)となりました。
投資事業セグメントは、複数の投資先においてEXITに成功し、トラックレコードを順調に積み上げました。また、2021年4月 に設立したMV2号投資事業有限責任組合も投資件数を順調に増やし、セグメント利益は4億円(前期比14%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
当社グループの事業活動における主な資金使途としては、金融商品取引業における信用取引に関するものの他、M&A及び事業投資等があります。これらの資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、社債による直接金融、シンジケートローン及び銀行借入等による間接金融により資金を調達しております。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(資本の財源)
2022年3月末の財政状態計算書
| 資産 16,078億円 | 負債 15,017億円 | ||
| 主な資産は金融商品取引業 に関連するもの 11,781億円 | 主な負債は金融商品取引業 に関連するもの 14,486億円 | ||
| その他 1,131億円 | |||
| 現金及び現金同等物 2,535億円 | その他 531億円 | ||
| 資本 1,060億円 | |||
| 固定的な資産(注) 630億円 |
(注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。
当連結会計年度末の資本合計は1,060億円であり、固定的な資産630億円を上回っています。差額については以下の原資とする予定です。
1.海外含む証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応
2.将来の事業投資に備える内部留保
3.株主還元(配当金及び自己株式取得)
(重要な資本的支出の予定)
重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(資金の流動性)
当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また、資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。なお、債務の期日別の残高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって、のれんの減損テストにおける使用価値の算定等重要な判断や見積りを行っていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」、同「22.無形資産」及び同「38.追加情報」に記載のとおりです。