有価証券報告書-第140期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/19 14:24
【資料】
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【項目】
106項目
(1)業績等の概要
①業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が続くなか、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、米国の政策動向をはじめとした、海外経済の不確実性や地政学リスクによる金融資本市場への不安感など、先行きは不透明な状況が続いております。
このような経済情勢のなか、当社は11月5日に創立100周年を迎え、次の100年もお客さまから必要とされ、愛される企業を目指すべく ①お客さまへの感謝 ②地域との更なる連携 ③未来への挑戦 を基本方針とする、「伊豆箱根鉄道グループ“アニバーサリー 2017~2020”」を定めるとともに、「既存事業の強化」と「長期事業基盤の確立」に向け、質の高いサービスの提供や事業運営の更なる効率化による収益力の強化に取り組んでまいりました。また、2017年に訪日外国人旅行者が2,800万人を突破したことや、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催など、日本でも有数の観光地“伊豆・箱根”で事業展開している当社グループにとっては、ビジネスチャンスが続いていることから、地元自治体や沿線の学校、企業との連携を強化して、地域のPR活動による誘客に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、営業収益は119億24,238千円(前期比1.3%増)、営業利益は89,551千円(前期比67.3%減)、経常利益は10,962千円(前期比95.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,483千円(前期比94.5%減)となりました。
事業のセグメント別の業績は、次のとおりであります。
(鉄道)
鉄道事業は、定期収入において、駿豆線・大雄山線ともに通学定期利用が伸び悩みましたが、通勤定期利用が堅調に推移し、前期を上回りました。定期外収入においては、駿豆線で、人気アニメとコラボレートしたフルラッピング車両の運行や企画乗車券の販売、各種イベントの実施など、新たな顧客需要の創出に努めたことが奏功し、前期を上回りました。一方大雄山線では、沿線のお客さまに当社事業を身近に感じていただくことや新たなファンの獲得に向け、イベントの複数開催や各種記念乗車券の販売など、鉄道需要の喚起に努めましたが、前期を下回りました。このような状況下、今後も増加が見込まれる訪日外国人旅行者へのサービス向上を目的に、英語による車内アナウンスを実施したほか、駿豆線においては、沿線地域での回遊性を高めるために、2日間有効のフリー乗車券「2Day Pass」の販売を開始いたしました。なお、駿豆線では、3月17日に9年ぶりとなる大幅なダイヤ改正を行い、一部時間帯のダイヤを15分ヘッドでパターン化するなど、お客さまの利便性向上を図りました。
この結果、鉄道事業の営業収益は26億95,778千円(前期比1.0%増)、営業利益は電気料金の値上げによる運転動力費の増加などもあり53,774千円(前期比52.1%減)となりました。
業種当連結会計年度
(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
営業収益(千円)対前期増減率(%)
鉄道事業2,695,7781.0

鉄道事業
伊豆箱根鉄道㈱
種別単位当連結会計年度
(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
対前期増減率(%)
営業日数365-
営業キロキロ29.4-
客車走行キロ千キロ4,961△0.0
旅客乗車人員定期千人10,2910.1
定期外千人7,327△0.0
旅客収入定期千円1,016,3780.1
定期外千円1,580,4091.2
小計千円2,596,7870.8
運輸雑収千円98,9916.7
運輸収入合計千円2,695,7781.0
乗車効率%18.6-


(バス)
バス事業は、乗合バス部門において、事業エリア内に大型の宿泊・商業施設が新規オープンしたことや、国内外のお客さま利用が増加していることもあり、観光路線を中心に利用者数が好調に推移いたしました。しかしながら、沿線地域における人口の減少や大学のキャンパス移転もあり、一部の生活路線で利用者数が低迷したほか、企業・学校などの契約輸送が減少したことも要因となり、売上高は前期を下回りました。貸切バス部門においては、「貸切バス新運賃制度」が需要の減少に繋がったほか、慢性的に続いている乗務員不足がバスの稼働率低下に繋がり、売上高は前期を下回りました。このような状況下、神奈川県内の小田原・箱根・南足柄地区を運行する乗合バス車両に、バスロケーションシステムを試験的に導入し、リアルタイムでバスの運行状況をWebサイト上で提供するサービスを開始いたしました。また、乗務員不足を解消すべく、採用活動の強化や労働環境の改善を実施するとともに、乗合バスダイヤの見直しによる運行の効率化を図りました。なお、熱海営業所については、伊豆箱根鉄道株式会社が検討を進めている土地高度利用計画に基づき、3月31日の営業終了をもって、三島営業所と小田原営業所に統合いたしました。
この結果、バス事業の営業収益は26億1,560千円(前期比2.8%減)、営業損失は燃料価格の高騰や設備更新にともなう減価償却費の増加が影響し26,389千円(前期営業利益1億33,102千円)となりました。
業種当連結会計年度
(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
営業収益(千円)対前期増減率(%)
バス事業2,601,560△2.8

(タクシー)
タクシー事業は、事業エリアの特性やお客さまのニーズに合わせた戦略的な車種の導入・配置転換を行い、需要の喚起に努めたことが奏功し、観光セクターを中心に、国内外の観光旅客利用が堅調に推移したほか、人気アニメとコラボレートしたラッピングタクシーの貸切運行が増収の要因となりましたが、都市セクターにおける慢性的な乗務員不足を主因とした減収に歯止めがかからず、タクシー事業全体で売上高は前期を下回りました。このような状況下、乗務員不足を解消すべく、6月に国土交通省が推奨する「女性ドライバー応援企業」の認定を取得し、子育て中の女性などでも働きやすい労働環境の整備を行ったほか、道に不慣れな方でも安心して働ける環境整備として、カーナビゲーションを順次車両に設置するなど、乗務員の確保を強化してまいりました。
この結果、タクシー事業の営業収益は27億50,957千円(前期比1.5%減)、営業損失は51,269千円(前期営業損失28,691千円)となりました。
業種当連結会計年度
(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
営業収益(千円)対前期増減率(%)
タクシー事業2,750,957△1.5

(レジャー・不動産)
鋼索鉄道事業は、箱根 十国峠ケーブルカーにおいて、4月の車両緊急修理による長期運休や8月・10月の多客時に悪天候に見舞われたことが減収の大きな要因となりましたが、季節により変化する星空をお楽しみいただく新規夜間イベント「星空・惑星観察会」など、夕暮れから夜間にかけての特別イベントを複数開催したことや、2017年2月に十国峠山頂のドッグランをリニューアルオープンしたことにより、ペット連れをはじめとする利用者が増加し、売上高は前期を上回りました。
自動車道事業は、湯河原パークウェイにおいて、観光目的車両の通行台数が増加したほか、湯河原温泉に大型宿泊施設が新規オープンしたこともあり、特に普通・小型自動車の利用が堅調で、売上高は前期を上回りました。
船舶事業は、箱根航路において、8月・10月の多客時に悪天候に見舞われたことなどが、個人のお客さま利用の減少に繋がりましたが、国内外の団体旅客利用が好調に推移したことから、売上高は前期を上回りました。
飲食店・物品販売業は、箱根地区のドライブインにおいて、近年訪日外国人旅行者が増加していることを受け、海外の現地エージェントへの直接セールスを複数回行ったことや、海外現地オプショナルツアー予約専門サイトへ当社施設情報を掲出し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス上での認知度の拡大を図るなど、営業強化による誘客に努めてまいりました。飲食部門では、大涌谷周辺の火山活動活発化以降伸び悩んでいた国内の一般・修学旅行団体利用が回復基調で推移したことや、訪日外国人旅行の団体利用が好調だったこともあり、売上高は前期を上回りました。売店部門では、昨年まで好調に推移していた中華圏訪日外国人旅行者の滞在時間の縮小や購買意欲の低下が減収要因となりましたが、一方では修学旅行団体利用が堅調だったこともあり、売上高は前期を上回りました。このような状況下、箱根関所 旅物語館では、近年訪日外国人旅行者が、日本の文化や歴史を理解できるような体験を好んでいることから、7月に「着物着付け」や「抹茶」を体験することができる和文化コーナーに加え、「日本庭園」を新規オープンいたしました。また、お客さまに芦ノ湖畔や周辺を気楽にお楽しみいただくために、箱根地区にある当社施設が連携し、レンタサイクルを新たに開始いたしました。十国地区の箱根 十国峠レストハウスにおいては、2016年5月17日をもってレストランの営業を終了したため、テイクアウトコーナーやそば処のメニューの充実を図りましたが、レストランの減収分を補うことが出来ず、飲食部門の売上高は前期を下回りました。売店部門においては、箱根 十国峠ケーブルカーの夜間特別イベントに合わせて、延長営業を実施したほか、一般団体のお客さま利用が好調に推移したことから、売上高は前期を上回りました。沼津地区の伊豆・三津シーパラダイスにおいては、3期連続となる新規施設“~川の遊び場~「イズリバ」”を7月にオープンしたことや、開館40周年を軸とした記念イベントを複数開催して誘客に努めた結果、ファミリー層を中心としたお客さま利用が堅調に推移いたしました。また、売店部門においても、当館キャラクター「うちっちー」のオリジナル商品の開発・販売を強化したことが増収の要因となり、入場者数、売上高ともに前期を大きく上回りました。なお、2016年度に当館が人気アニメのプロモーションビデオの舞台になったことが、継続的に入場者数を押し上げる要因となっております。
鉄道沿線の物品販売業は、鉄道売店において、主力商品である観光土産菓子の売上高が伸び悩むなか、沿線施設や当社駿豆線キャラクター「鉄道むすめ 修善寺まきの」をモチーフとしたオリジナル商品の開発・販売や、人気アニメの関連商品を積極的に取り扱うなど、購買意欲を高める商品展開を実施したことが奏功し、売上高は前期を上回りました。広告看板業においては、着実なルートセールスの実施や、新規顧客の獲得に向け、未開拓地区などへの営業活動を強化したことが新規の受注に繋がり、売上高は前期を上回りました。指定管理事業においては、季節ごとに多彩なイベントを開催したことや、管理先公園内の売店店舗数を増やしたことなどもあり、売上高は前期を上回りました。
不動産事業は、不動産賃貸業に特化しておりますが、物件の売却やテナントの解約など複数の減収要因が発生した一方で、保有不動産の利用方法見直しによる新規開発物件や既存物件の空室対策などにより、売上高は前期を上回りました。なお、沼津駅南口に保有しておりました旧沼津ビル跡地については10月に売却し、沼津駅東側に保有し他社に賃貸しておりました沼津駅前パーキングについては、老朽化による建替えのため、2月をもって賃貸を終了いたしました。
介護サービス事業は、各店舗において、顧客満足度の向上を図るべく各種イベントやレクリエーションを積極的に開催したほか、当社施設の強みである看護師が常勤していることや機能訓練指導員が充実していることを前面に押し出した営業を強化したことにより、稼働率、売上高ともに前期を上回りました。
保険代理店事業は、保険商品の販売チャンネルの多様化や人口減少による市場の縮小など、競争環境の厳しさが増すなか、既契約者に対して、医療技術の進歩や公的保証制度の見直しなどにより付加することができる補償内容を積極的に提案したほか、時代のニーズに対応した新種保険のセールスを強化して、新規契約の獲得に努めましたが、売上高は前期を下回りました。
この結果、レジャー・不動産事業の営業収益は45億95,331千円(前期比5.5%増)、営業利益は1億10,089千円(前期比105.7%増)となりました。
業種当連結会計年度
(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
営業収益(千円)対前期増減率(%)
鋼索鉄道事業56,3040.0
自動車道事業86,4446.4
船舶事業312,8811.9
飲食店・物品販売業2,753,8564.9
不動産賃貸業452,2030.2
介護事業750,58414.6
その他183,0552.7
営業収益計4,595,3315.5

②キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ95,977千円増加し、3億85,139千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8億14,022千円(前連結会計年度は9億12,101千円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失72,486千円に、減価償却費6億56,100千円、減損損失64,683千円、資産除去債務計上損72,391千円などの非資金項目を調整した結果と、退職給付に係る負債の増加額55,598千円や、たな卸資産の増加額33,766千円、仕入債務の減少額83,408千円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、4億36,019千円(前連結会計年度は7億54,219千円の支出)となりました。これは主に固定資産の取得による支出7億6,445千円や、資産除去債務の履行による支出1億63,728千円、固定資産の除却による支出23,915千円、固定資産の売却による収入2億54,235千円や、工事負担金等受入による収入64,602千円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は2億82,024千円(前連結会計年度は1億85,773千円の支出)となりました。これは長期借入による収入12億50,000千円と、長期借入金14億87,620千円の約定弁済及びリース債務44,404千円の返済によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、鉄道事業、バス事業、タクシー事業、レジャー・不動産事業であり、役務の提供を主体とする事業の性格上、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については、(1)業績等の概要 ①業績におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態
イ.資産・負債・純資産の状況
(資産の部)
固定資産の建設仮勘定及びリース資産の取得による増加があった一方、減価償却などによる減少により、前連結会計年度末に比べ1億86,161千円の減少となりました。
(負債の部)
リース債務の増加はありましたが、借入金の減少により、前連結会計年度末に比べ1億74,898千円の減少となりました。
(純資産の部)
退職給付に係る調整累計額の減少により、前連結会計年度末に比べ11,262千円の減少となりました。
ロ.キャッシュ・フローの状況
(1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローに記載のため本項目の記載は省略しております。
②経営成績
(営業収益と営業損益)
(1)業績等の概要 ①業績に記載のため本項目の記載は省略しております。
(営業外損益と経常損益)
「既存事業の強化」と「長期事業基盤の確立」に向け、質の高いサービスの提供や事業運営のさらなる効率化による収益力の強化に取り組んだ結果、営業利益は89,551千円となりました。支払利息も前連結会計年度に比べ8,385千円減少し、経常利益は10,962千円となりました。
特別利益と特別損失には、補助金等の受入額とそれに相対する圧縮額を概ね同額計上しました。そのほか、特別損失において固定資産に係る減損損失を計上したことにより、特別損益は83,448千円の損失となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
経常利益の10,962千円から特別損益の83,448千円を減算し、これに、法人税等調整額を加味した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,483千円となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、サービス提供及び安全・安心の維持に係る費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入並びに西武グループCMS(キャッシュマネジメントシステム)を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は6,978,023千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は385,139千円となっております。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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