有価証券報告書-第157期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで(以下、当期という。))における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
<経営成績>当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の抑制などにより、厳しい状況で推移しました。当社グループにおいても、新型コロナウイルス感染症の影響による移動需要の減少やサービス消費の低迷等により、これまでに経験したことのない厳しい事業環境となりました。
このような状況のもと、当社グループでは、安全を最優先にした事業運営の継続と収支改善等に努めたものの、新型コロナウイルス感染症の影響は甚大であり、営業収益は、481,645百万円(前期比22.7%減)、営業損益は、前期に比べ63,717百万円収支悪化し16,354百万円の損失となりました。経常損益は、営業損失により前期に比べ57,435百万円収支悪化し8,146百万円の損失となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、新型コロナウイルス感染症の影響による業績悪化等での減損損失の計上や前年の整理損失引当金戻入額の反動減などにより前期に比べ57,649百万円収支悪化し28,769百万円の損失となりました。
セグメント別の主な取組み及び経営成績は、次のとおりであります。
(交通事業)
[主な取組み]
鉄軌道事業では、当社は、都市計画事業の一環として、知立駅付近や布袋駅付近など5ヵ所で高架化工事を進め、布袋駅付近の高架化工事では、上下線の高架本線への切替えが完了したほか、新安城駅や味美駅等で駅改良工事を実施するなど、引続き安全面の強化やお客さまサービスの向上に努めました。また、お客さまに安心してご利用いただくため、新型コロナウイルス感染症対策として、全列車での終日車内換気、車両・主要駅の駅設備の定期的な消毒を行ったほか、主要駅の時間帯別利用状況をホームページに公開するなどの対策を実施しました。このほか、営業施策面では、沿線地域の魅力を発信する取組み「EMOTION!」の展開にあわせ、可児市・豊田市と連携し、沿線観光資源の発掘・発信及び誘客に努めました。
バス事業では、名鉄バス㈱は、需給の適正化を図るため、柔軟なダイヤ改正を実施したほか、新型コロナウイルス感染症対策として、車内の換気・消毒の実施や高速バスにおいて、外気導入空調やプラズマクラスターイオン発生装置を使用するなどの対策に取組みました。また、濃飛乗合自動車㈱は、「平湯バスターミナル」をリニューアルし、多言語案内放送システムやクレジットカード・QR決済対応自動券売機を導入するなど、サービスの向上を図りました。
タクシー事業では、名古屋市内を拠点とする各社等において、無料Wi-Fiサービスの導入を進めるなど、利便性の向上に努めました。
[経営成績]
交通事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での外出自粛により104,995百万円(前期比35.8%減)となり、営業損益は、全事業の減収により前期に比べ39,443百万円収支悪化し17,866百万円の損失となりました。
(業種別営業成績表)
(提出会社の運輸営業成績表)
鉄軌道事業
2 鉄道と軌道との乗車人員は重複しておりません。
(運送事業)
[主な取組み]
トラック事業では、名鉄運輸㈱は、西日本地区のグループ主要ターミナルとして、「名鉄トラックターミナル関西」をオープンし、関西地区における様々な輸送ニーズに応える複合拠点の構築を行いました。
[経営成績]
運送事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での貨物取扱量の減少などにより128,901百万円(前期比6.7%減)となり、営業利益は、減収により2,350百万円(前期比56.0%減)となりました。
(業種別営業成績表)
(不動産事業)
[主な取組み]
不動産賃貸業では、当社は、駅商業施設「μPLAT(ミュープラット)」を大曽根駅と名鉄一宮駅(第一期エリア)に開業したほか、大里駅直結の法人向け社員寮を、シェアスペースを併設した一般向け賃貸マンションにリノベーションするなど、魅力ある沿線・地域づくりを推進しました。
また、不動産分譲業では、名鉄不動産㈱は、「エムズシティ新安城ブランシエラ」の販売を行うなど、沿線における分譲マンション開発に取組みました。
[経営成績]
不動産事業の営業収益は、不動産分譲業におけるマンション販売の引渡戸数の減少に加え、不動産賃貸業における駐車場利用の減少などにより85,402百万円(前期比15.3%減)となり、営業利益は、全事業の減収により10,667百万円(前期比25.5%減)となりました。
(業種別営業成績表)
(レジャー・サービス事業)
[主な取組み]
ホテル業では、名鉄イン㈱は、「名鉄イン新大阪駅東口」を大阪市東淀川区に、「ホテルミュッセ京都四条河原町名鉄」を京都市中京区に、いずれも関西圏において初めて開業し、収益力及びブランド認知度の向上に努めました。
観光施設事業では、奥飛観光開発㈱は、新穂高ロープウェイの開業50周年を記念して、2階建てゴンドラのリニューアルを実施するなど、施設の魅力向上を図りました。また、㈱名鉄インプレスは、運営する施設において、各種催事を実施するなど、集客力の向上に努めました。
[経営成績]
レジャー・サービス事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での観光需要の低下により20,007百万円(前期比60.1%減)となり、営業損益は、全事業の減収により前期に比べ13,620百万円収支悪化し13,008百万円の損失となりました。
(業種別営業成績表)
(流通事業)
[経営成績]
流通事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での外出自粛や百貨店業における臨時休業により111,272百万円(前期比20.8%減)となり、営業損益は、減収により前期に比べ2,515百万円収支悪化し2,185百万円の損失となりました。
(業種別営業成績表)
(航空関連サービス事業)
[主な取組み]
中日本航空㈱は、本社整備工場の全面建替えを行い、整備体制の強化等を図ったほか、無人飛行ロボット(ドローン)を活用した荷物輸送の社会実装を目指す事業を当社とともに愛知県から受託し、先端技術を活用した実証実験を実施しました。
[経営成績]
航空関連サービス事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での機内食事業の受注減少により22,983百万円(前期比15.7%減)となり、営業利益は、減収により1,959百万円(前期比25.1%減)となりました。
(業種別営業成績表)
(その他の事業)
[経営成績]
その他の事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での設備保守整備事業の受注減少などにより45,862百万円(前期比12.0%減)となり、営業利益は、減収により1,752百万円(前期比38.6%減)となりました。
(業種別営業成績表)
<財政状態>当期末における総資産は、資金調達により現金及び預金が増加したことなどにより、前期末に比べ26,151百万円増加し1,191,131百万円となりました。
負債は、社債や借入金が増加したことなどにより、前期末に比べ57,041百万円増加し783,619百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少などにより、前期末に比べ30,889百万円減少し407,512百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ21,448百万円増加し、53,459百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失を計上したことなどにより、前期に比べ50,561百万円減少し19,685百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出の減少などにより、18,292百万円増加し△44,235百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入の増加などにより、50,311百万円増加し49,413百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、交通事業のほか運送事業、不動産事業、流通事業等の広範囲かつ多種多様なサービス業が主体であり、また受注生産形態をとらない事業がほとんどでありますので、セグメントごとに網羅的に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらのうち主なものは以下のとおりでありますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、事業の特性上、多額の固定資産を保有しており、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して将来の課税所得や税務計画を合理的に見積っております。従って、将来の課税所得の見積額や税務計画が変更された場合には、繰延税金資産が増額又は減額される可能性があります。
(退職給付債務及び費用の計算)
当社グループは、従業員退職給付債務及び費用の計算について、割引率や年金資産の期待運用収益率等の前提条件に基づき行っております。従って、前提条件または制度に変化や変更が生じた場合には、退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(経営成績の分析)
当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(キャッシュ・フローの分析)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金については、社債及び長期借入金での調達を基本としております。また、当社グループにおいて、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
また、新型コロナウイルス感染症によるグループ資金繰りへの影響を考慮するとともに、資金調達基盤の安定化を図りつつ、安全に関する投資については優先的に実施をし、また中長期的な収益確保のための投資に関しても可能な限り実施してまいります。
(経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、2018年度からの3か年計画、グループ中期経営計画「BUILD UP 2020」の中で、最終年度である2020年度の連結経営数値目標として、「営業利益」及び「EBITDA」を設定し、取組んでまいりました。また、参考指標として、「ROE(純利益/自己資本)」、「ROA(営業利益/総資産)」、「純有利子負債/EBITDA倍率」及び「株主資本比率」も設定しております。当連結会計年度における各指標は、以下のとおりであります。
(注)※EBITDA:営業利益+減価償却費
純有利子負債:有利子負債-現預金・短期有価証券
同計画の初年度である2018年度においては、各段階の利益で過去最高となり、2019年度についても数値目標到達に向け順調に進捗しておりましたが、同年度の終盤より新型コロナウイルス感染症の影響を強く受け業績が悪化しました。
最終年度となる当連結会計年度については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う移動需要の減少やサービス消費の低迷等により、交通事業、レジャー・サービス事業、流通事業を中心に幅広いセグメントでその影響を受けた結果、各段階で損失となり、目標として掲げた2つの経営指標は未達となりました。
なお、2021年度を初年度とするグループ中期経営計画「Turn-Over 2023 ~反転攻勢に向けて~」では、最終年度である2023年度の連結経営数値目標として「営業利益 35,000百万円」を掲げており、目標達成に向けて計画的に諸施策を推進してまいります。
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで(以下、当期という。))における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
<経営成績>当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の抑制などにより、厳しい状況で推移しました。当社グループにおいても、新型コロナウイルス感染症の影響による移動需要の減少やサービス消費の低迷等により、これまでに経験したことのない厳しい事業環境となりました。
このような状況のもと、当社グループでは、安全を最優先にした事業運営の継続と収支改善等に努めたものの、新型コロナウイルス感染症の影響は甚大であり、営業収益は、481,645百万円(前期比22.7%減)、営業損益は、前期に比べ63,717百万円収支悪化し16,354百万円の損失となりました。経常損益は、営業損失により前期に比べ57,435百万円収支悪化し8,146百万円の損失となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、新型コロナウイルス感染症の影響による業績悪化等での減損損失の計上や前年の整理損失引当金戻入額の反動減などにより前期に比べ57,649百万円収支悪化し28,769百万円の損失となりました。
セグメント別の主な取組み及び経営成績は、次のとおりであります。
(交通事業)
[主な取組み]
鉄軌道事業では、当社は、都市計画事業の一環として、知立駅付近や布袋駅付近など5ヵ所で高架化工事を進め、布袋駅付近の高架化工事では、上下線の高架本線への切替えが完了したほか、新安城駅や味美駅等で駅改良工事を実施するなど、引続き安全面の強化やお客さまサービスの向上に努めました。また、お客さまに安心してご利用いただくため、新型コロナウイルス感染症対策として、全列車での終日車内換気、車両・主要駅の駅設備の定期的な消毒を行ったほか、主要駅の時間帯別利用状況をホームページに公開するなどの対策を実施しました。このほか、営業施策面では、沿線地域の魅力を発信する取組み「EMOTION!」の展開にあわせ、可児市・豊田市と連携し、沿線観光資源の発掘・発信及び誘客に努めました。
バス事業では、名鉄バス㈱は、需給の適正化を図るため、柔軟なダイヤ改正を実施したほか、新型コロナウイルス感染症対策として、車内の換気・消毒の実施や高速バスにおいて、外気導入空調やプラズマクラスターイオン発生装置を使用するなどの対策に取組みました。また、濃飛乗合自動車㈱は、「平湯バスターミナル」をリニューアルし、多言語案内放送システムやクレジットカード・QR決済対応自動券売機を導入するなど、サービスの向上を図りました。
タクシー事業では、名古屋市内を拠点とする各社等において、無料Wi-Fiサービスの導入を進めるなど、利便性の向上に努めました。
[経営成績]
交通事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での外出自粛により104,995百万円(前期比35.8%減)となり、営業損益は、全事業の減収により前期に比べ39,443百万円収支悪化し17,866百万円の損失となりました。
(業種別営業成績表)
営業収益 | 営業利益 | |||||
当期 | 前期 | 増減率 | 当期 | 前期 | 増減率 | |
百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
鉄軌道事業 | 64,935 | 96,496 | △32.7 | △7,978 | 18,413 | ― |
バス事業 | 26,593 | 43,336 | △38.6 | △6,350 | 2,527 | ― |
タクシー事業 | 15,804 | 26,154 | △39.6 | △3,716 | 478 | ― |
調整額 | △2,339 | △2,441 | ― | 178 | 157 | ― |
計 | 104,995 | 163,544 | △35.8 | △17,866 | 21,577 | ― |
(提出会社の運輸営業成績表)
鉄軌道事業
種別 | 単位 | 当 期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 対前期増減率(%) | |
営業日数 | 日 | 365 | △0.3 | |
営業キロ | キロ | 444.2 | ― | |
走行キロ | 客車 | 千キロ | 192,201 | △2.3 |
貨車 | 〃 | 1 | △0.2 | |
乗車人員 | 定期 | 千人 | 221,200 | △17.6 |
定期外 | 〃 | 75,035 | △40.3 | |
計 | 〃 | 296,235 | △24.8 | |
貨物トン数 | 千トン | 3 | ― | |
旅客収入 | 定期 | 百万円 | 32,622 | △18.8 |
定期外 | 〃 | 26,907 | △46.0 | |
計 | 〃 | 59,530 | △33.9 | |
手小荷物収入 | 〃 | 14 | △55.4 | |
貨物収入 | 〃 | 3 | 0.0 | |
運輸雑収 | 〃 | 4,140 | △10.7 | |
収入合計 | 〃 | 63,689 | △32.8 | |
1日平均収入 | 〃 | 174 | △32.6 | |
乗車効率 | % | 22.9 |
(注) 1 乗車効率の算出方法は | 延人キロ | ×100によります。 |
客車走行キロ×1車平均定員 |
2 鉄道と軌道との乗車人員は重複しておりません。
(運送事業)
[主な取組み]
トラック事業では、名鉄運輸㈱は、西日本地区のグループ主要ターミナルとして、「名鉄トラックターミナル関西」をオープンし、関西地区における様々な輸送ニーズに応える複合拠点の構築を行いました。
[経営成績]
運送事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での貨物取扱量の減少などにより128,901百万円(前期比6.7%減)となり、営業利益は、減収により2,350百万円(前期比56.0%減)となりました。
(業種別営業成績表)
営業収益 | 営業利益 | |||||
当期 | 前期 | 増減率 | 当期 | 前期 | 増減率 | |
百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
トラック事業 | 149,776 | 158,125 | △5.3 | 3,591 | 4,762 | △24.6 |
海運事業 | 12,655 | 16,342 | △22.6 | △1,307 | 525 | ― |
調整額 | △33,530 | △36,248 | ― | 66 | 55 | ― |
計 | 128,901 | 138,220 | △6.7 | 2,350 | 5,342 | △56.0 |
(不動産事業)
[主な取組み]
不動産賃貸業では、当社は、駅商業施設「μPLAT(ミュープラット)」を大曽根駅と名鉄一宮駅(第一期エリア)に開業したほか、大里駅直結の法人向け社員寮を、シェアスペースを併設した一般向け賃貸マンションにリノベーションするなど、魅力ある沿線・地域づくりを推進しました。
また、不動産分譲業では、名鉄不動産㈱は、「エムズシティ新安城ブランシエラ」の販売を行うなど、沿線における分譲マンション開発に取組みました。
[経営成績]
不動産事業の営業収益は、不動産分譲業におけるマンション販売の引渡戸数の減少に加え、不動産賃貸業における駐車場利用の減少などにより85,402百万円(前期比15.3%減)となり、営業利益は、全事業の減収により10,667百万円(前期比25.5%減)となりました。
(業種別営業成績表)
営業収益 | 営業利益 | |||||
当期 | 前期 | 増減率 | 当期 | 前期 | 増減率 | |
百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
不動産賃貸業 | 43,246 | 48,940 | △11.6 | 5,775 | 8,822 | △34.5 |
不動産分譲業 | 35,422 | 44,606 | △20.6 | 2,293 | 2,956 | △22.4 |
不動産管理業 | 14,551 | 15,181 | △4.2 | 393 | 582 | △32.4 |
調整額 | △7,816 | △7,859 | ― | 2,204 | 1,947 | ― |
計 | 85,402 | 100,869 | △15.3 | 10,667 | 14,309 | △25.5 |
(レジャー・サービス事業)
[主な取組み]
ホテル業では、名鉄イン㈱は、「名鉄イン新大阪駅東口」を大阪市東淀川区に、「ホテルミュッセ京都四条河原町名鉄」を京都市中京区に、いずれも関西圏において初めて開業し、収益力及びブランド認知度の向上に努めました。
観光施設事業では、奥飛観光開発㈱は、新穂高ロープウェイの開業50周年を記念して、2階建てゴンドラのリニューアルを実施するなど、施設の魅力向上を図りました。また、㈱名鉄インプレスは、運営する施設において、各種催事を実施するなど、集客力の向上に努めました。
[経営成績]
レジャー・サービス事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での観光需要の低下により20,007百万円(前期比60.1%減)となり、営業損益は、全事業の減収により前期に比べ13,620百万円収支悪化し13,008百万円の損失となりました。
(業種別営業成績表)
営業収益 | 営業利益 | |||||
当期 | 前期 | 増減率 | 当期 | 前期 | 増減率 | |
百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
ホテル業 | 5,912 | 17,727 | △66.6 | △4,738 | 570 | ― |
観光施設事業 | 10,821 | 19,162 | △43.5 | △2,013 | 99 | ― |
旅行業 | 3,732 | 13,907 | △73.2 | △6,258 | △75 | ― |
調整額 | △459 | △659 | ― | 2 | 16 | ― |
計 | 20,007 | 50,137 | △60.1 | △13,008 | 611 | ― |
(流通事業)
[経営成績]
流通事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での外出自粛や百貨店業における臨時休業により111,272百万円(前期比20.8%減)となり、営業損益は、減収により前期に比べ2,515百万円収支悪化し2,185百万円の損失となりました。
(業種別営業成績表)
営業収益 | 営業利益 | |||||
当期 | 前期 | 増減率 | 当期 | 前期 | 増減率 | |
百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
百貨店業 | 43,048 | 61,832 | △30.4 | △2,389 | △568 | ― |
その他物品販売 | 69,199 | 79,957 | △13.5 | 204 | 750 | △72.8 |
調整額 | △975 | △1,252 | ― | 0 | 149 | ― |
計 | 111,272 | 140,538 | △20.8 | △2,185 | 330 | ― |
(航空関連サービス事業)
[主な取組み]
中日本航空㈱は、本社整備工場の全面建替えを行い、整備体制の強化等を図ったほか、無人飛行ロボット(ドローン)を活用した荷物輸送の社会実装を目指す事業を当社とともに愛知県から受託し、先端技術を活用した実証実験を実施しました。
[経営成績]
航空関連サービス事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での機内食事業の受注減少により22,983百万円(前期比15.7%減)となり、営業利益は、減収により1,959百万円(前期比25.1%減)となりました。
(業種別営業成績表)
営業収益 | 営業利益 | |||||
当期 | 前期 | 増減率 | 当期 | 前期 | 増減率 | |
百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
航空関連サービス事業 | 23,334 | 27,650 | △15.6 | 1,952 | 2,609 | △25.2 |
調整額 | △351 | △398 | ― | 7 | 7 | ― |
計 | 22,983 | 27,251 | △15.7 | 1,959 | 2,616 | △25.1 |
(その他の事業)
[経営成績]
その他の事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症の影響での設備保守整備事業の受注減少などにより45,862百万円(前期比12.0%減)となり、営業利益は、減収により1,752百万円(前期比38.6%減)となりました。
(業種別営業成績表)
営業収益 | 営業利益 | |||||
当期 | 前期 | 増減率 | 当期 | 前期 | 増減率 | |
百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | |
設備保守整備事業 | 25,807 | 30,973 | △16.7 | 1,041 | 2,003 | △48.0 |
その他事業 | 20,674 | 22,030 | △6.2 | 702 | 838 | △16.3 |
調整額 | △619 | △879 | ― | 8 | 12 | ― |
計 | 45,862 | 52,123 | △12.0 | 1,752 | 2,854 | △38.6 |
<財政状態>当期末における総資産は、資金調達により現金及び預金が増加したことなどにより、前期末に比べ26,151百万円増加し1,191,131百万円となりました。
負債は、社債や借入金が増加したことなどにより、前期末に比べ57,041百万円増加し783,619百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少などにより、前期末に比べ30,889百万円減少し407,512百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ21,448百万円増加し、53,459百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失を計上したことなどにより、前期に比べ50,561百万円減少し19,685百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出の減少などにより、18,292百万円増加し△44,235百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入の増加などにより、50,311百万円増加し49,413百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、交通事業のほか運送事業、不動産事業、流通事業等の広範囲かつ多種多様なサービス業が主体であり、また受注生産形態をとらない事業がほとんどでありますので、セグメントごとに網羅的に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらのうち主なものは以下のとおりでありますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、事業の特性上、多額の固定資産を保有しており、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して将来の課税所得や税務計画を合理的に見積っております。従って、将来の課税所得の見積額や税務計画が変更された場合には、繰延税金資産が増額又は減額される可能性があります。
(退職給付債務及び費用の計算)
当社グループは、従業員退職給付債務及び費用の計算について、割引率や年金資産の期待運用収益率等の前提条件に基づき行っております。従って、前提条件または制度に変化や変更が生じた場合には、退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(経営成績の分析)
当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(キャッシュ・フローの分析)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金については、社債及び長期借入金での調達を基本としております。また、当社グループにおいて、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
また、新型コロナウイルス感染症によるグループ資金繰りへの影響を考慮するとともに、資金調達基盤の安定化を図りつつ、安全に関する投資については優先的に実施をし、また中長期的な収益確保のための投資に関しても可能な限り実施してまいります。
(経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、2018年度からの3か年計画、グループ中期経営計画「BUILD UP 2020」の中で、最終年度である2020年度の連結経営数値目標として、「営業利益」及び「EBITDA」を設定し、取組んでまいりました。また、参考指標として、「ROE(純利益/自己資本)」、「ROA(営業利益/総資産)」、「純有利子負債/EBITDA倍率」及び「株主資本比率」も設定しております。当連結会計年度における各指標は、以下のとおりであります。
経営指標 | 当連結会計年度(目標値) | 当連結会計年度(実績) |
百万円 | 百万円 | |
営業利益 | 50,000 | △16,354 |
EBITDA※ | 93,000 | 22,996 |
(参考) | ||
ROE(純利益/自己資本) | 8%程度 | ― |
ROA(営業利益/総資産) | 4%程度 | ― |
純有利子負債/EBITDA倍率※ | 5倍程度 | 18.7倍 |
株主資本比率 | 25%程度 | 22.6% |
(注)※EBITDA:営業利益+減価償却費
純有利子負債:有利子負債-現預金・短期有価証券
同計画の初年度である2018年度においては、各段階の利益で過去最高となり、2019年度についても数値目標到達に向け順調に進捗しておりましたが、同年度の終盤より新型コロナウイルス感染症の影響を強く受け業績が悪化しました。
最終年度となる当連結会計年度については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う移動需要の減少やサービス消費の低迷等により、交通事業、レジャー・サービス事業、流通事業を中心に幅広いセグメントでその影響を受けた結果、各段階で損失となり、目標として掲げた2つの経営指標は未達となりました。
なお、2021年度を初年度とするグループ中期経営計画「Turn-Over 2023 ~反転攻勢に向けて~」では、最終年度である2023年度の連結経営数値目標として「営業利益 35,000百万円」を掲げており、目標達成に向けて計画的に諸施策を推進してまいります。