有価証券報告書-第76期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日、以下「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、企業収益及び雇用環境の改善が続く中、個人消費の持ち直しが見られる等、景気は緩やかに回復しています。一方で、今後の中東情勢や米国の通商政策等の影響には留意が必要な状況です。
航空業界を取り巻く環境は、中東情勢やウクライナ等の地政学リスクが懸念されるものの、旅客需要は増加しています。
このような社会・経済情勢の下、航空事業を中心に増収となったことから、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高となりました。
財政状態では、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が増加しています。
また、現金及び預金に有価証券を加えた手元流動性資金は1兆2,569億円となりました。
以上の結果、当期の財政状態及び経営成績等は以下のとおりとなりました。
1)財政状態
当期末の資産合計は、前期末に比べ3,348億円増加し、3兆9,551億円となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ277億円減少し、2兆4,524億円となりました。
当期末の純資産合計は、前期末に比べ3,625億円増加し、1兆5,026億円となりました。
2)経営成績
当期における売上高は2兆5,392億円(前期比12.3%増)、営業費用は2兆3,217億円(前期比12.4%増)
となり、営業利益は2,174億円(前期 営業利益1,966億円)、経常利益は2,196億円(前期 経常利益
2,000億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,690億円(前期 親会社株主に帰属する当期純利益
1,530億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは4,434億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは4,152億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,593億円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて1,263億円減少し、7,363億円となりまし
た。
③生産及び販売の実績
1)セグメント別売上高
最近2連結会計年度のセグメント別売上高は次のとおりです。
(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。
2.各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含みます。
3.NCAは2025年7月1日以降の実績となります。
2)セグメント別取扱実績
(a) 航空事業
(ア) ANAブランド輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
(イ) ANAブランド運航実績
最近2連結会計年度の運航実績は次のとおりです。
(注) 1.国際線、国内線ともに不定期便実績を除きます。
2.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績並びにオリエンタルエアブリッジ㈱、天草エアライン㈱及び日本エアコミューター㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。
3.国際線貨物、国内線貨物ともに2025年7月1日より不定期便実績を含みます。2025年6月30日までは不定期便実績を除きます。
4.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。
5.国内線貨物及び郵便実績には、Peach Aviation㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。
6.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
7.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
8.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便のほか、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれています。
9.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
10.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。
(ウ) NCA輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
(注) 1.NCAは2025年7月1日以降の実績となります。
2.NCA輸送実績には、不定期便実績、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。
3.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
4.貨物トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
5.貨物重量利用率は、貨物トンキロを有効貨物トンキロで除した数値です。
(エ) Peach・AirJapan輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
(注)1.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
2.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
(b) 航空関連事業
航空関連事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(c) 旅行事業
旅行事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(d) 商社事業
商社事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(e) その他
その他に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①財政状態
<資産の部>流動資産は、現金及び預金等が増加したことから、前期末に比べて1,967億円増加し、1兆8,905億円となり
ました。
固定資産は、NCAのグループ化に伴う航空機の増加等により、前期末に比べ1,371億円増加し、2兆633億円となりました。
以上により、当期末における総資産は前期末に比べて3,348億円増加し、3兆9,551億円となりました。
<負債の部>負債の部は、劣後特約付シンジケートローンの返済による借入金の減少等により、前期末に比べて277億円減少し、2兆4,524億円となりました。なお、有利子負債(無利子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含む)は、前期末に比べて1,773億円減少し、1兆1,717億円となりました。
<純資産の部>株主資本は、配当金の支払いがあった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に加え、成長投資資
金の確保や資本構成の最適化を目的とした第1回社債型種類株式を発行したこと等により、前期末に比べて2,874億円増加し、1兆3,587億円となりました。
その他の包括利益累計額は繰延ヘッジ損益の増加等により、前期末に比べて742億円増加し、1,332億円とな
りました。
これらの結果、純資産合計は前期末に比べて3,625億円増加し、1兆5,026億円となりました。
なお、自己資本比率は37.7%(前期末31.2%)となり、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは
0.8倍(前期末1.2倍)となりました。
②経営成績
航空業界を取り巻く環境は、中東情勢やウクライナ等の地政学リスクが懸念されるものの、旅客需要は増加し
ています。
このような社会・経済情勢の下、航空事業を中心に増収となったことから、売上高は2兆5,392億円(前期比
12.3%増)となりました。営業利益は2,174億円(前期比10.6%増)となり、経常利益は2,196億円(同9.8%
増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,690億円(同10.5%増)となりました。
8月にNCAの全株式を取得しました。ANAグループの貨物便と旅客便の広範なネットワークを併せ持った
コンビネーションキャリアに、NCAが強みとする日本と欧米を結ぶ大型貨物専用機によるネットワークとノウ
ハウが融合したことで更なる収益の拡大を目指してまいります。
また、従業員の健康をサポートする取り組み等が評価され、4年連続で「健康経営銘柄」に選定されたほか、国際的な環境評価を手掛ける非営利団体であるCDPより、最高評価の「Aリスト企業」に4年連続で選定されま
した。今後も人的資本経営を強化しつつ、事業を通じて環境問題等の社会課題解決に取り組み、持続的な成長と
企業価値の向上を目指してまいります。
以下、当期におけるセグメント別の概況をお知らせいたします。
(なお、各事業における売上高はセグメント間内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。)
◎航空事業
旺盛な訪日需要とレジャー需要に支えられ、国際線旅客・国内線旅客ともに堅調に推移したことや、当期にお
いて連結子会社となったNCAの収入が加わったこと等により、売上高は前期を上回り2兆3,132億円(前期比
12.4%増)となりました。費用面では燃油費や人件費等が増加したものの、営業利益は2,219億円(前期比
11.5%増)となり、前期と比べて増益となりました。
なお、当社グループは英国SKYTRAX社から顧客満足度で最高評価となる「5スター」に13年連続で認定されま
した。また、米国の非営利団体APEXから高品質なサービスの提供が評価され、最高評価となる「WORLD CLASS」
を2年連続で受賞したほか、英国のFlightGlobal社からは優れた経営戦略と顧客体験価値の向上が評価され
「Executive Leadership: Asia-Pacific Award」を初受賞しました。
<国際線旅客(ANAブランド)>国際線旅客では、訪日需要や日本発のレジャー需要を積極的に取り込んだこと等により、旅客数、収入ともに前期を上回りました。とりわけ2024年度下期から欧州3路線を新規就航したこと等により、欧州路線が好調に推移しました。
路線ネットワークでは、10月から成田=香港線、12月から羽田=香港線、成田=パース線、成田=ムンバイ線、本年3月から成田=ブリュッセル線を増便しました。
営業・サービス面では、効率的な路線計画や乗り継ぎの利便性向上等を目的に、シンガポール航空とジョイントベンチャー(共同事業)契約を締結し、5月から共同運賃の発売を開始しました。また、8月から機内高速インターネットの無料化を一部機材で開始したほか、12月から人気動画配信サービスを導入する等、お客様の快適性向上を図りました。
以上の結果、当期の国際線旅客数は902万人(前期比11.8%増)となり、収入は8,789億円(同9.1%増)と
なりました。
本年3月に国際線定期便の就航40周年を迎えました。長年にわたるお客様からのご愛顧に感謝するとともに、今後も安全運航を堅持し、高品質なサービスの提供に努めてまいります。
<国内線旅客(ANAブランド)>国内線旅客では、「ANA SUPER VALUEセール」を継続的に実施し、レジャー需要の喚起と早期取り込みに努めたこと等により、旅客数、収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、10月から羽田=新千歳線や羽田=福岡線等を増便したことに加え、高需要期を中心に臨時便を設定した一方で、機材の小型化等を実施し、需給適合を推進しました。
営業・サービス面では、機内Wi-Fiにおいて、6月から動画視聴可能な高速インターネット環境を整え、サービスの拡充に努めたほか、12月から地域創生を訴求する特別デザイン機「ANAふるさとJET」の運航を開始しました。「ふるさとをつなぐ」をコンセプトに自治体との連携を強化し、地方への人流拡大を目指した取り組み等を推進してまいります。
以上の結果、当期の国内線旅客数は4,563万人(前期比3.6%増)となり、収入は7,380億円(同4.8%増)と
なりました。
<貨物(ANAブランド)>国際線貨物では、アジア発北米向け貨物の取り込みを強化したこと等から、輸送重量は前期を上回りましたが、自動車関連やEコマースの需要が減退したこと等により、収入は前期を下回りました。
路線ネットワークでは、需要動向を見極め、貨物専用機の運航路線や供給量を柔軟に調整したほか、北米路線では他社によるエアラインチャーター便の運航を継続し、収益性の確保に努めました。
以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は726千トン(前期比3.2%増)となり、収入は1,841億円(同1.7%減)となりました。
NCAでは、米国の関税政策による中国発北米向け三国間貨物の需要減退の影響を受けましたが、アジア発欧米向け貨物等の取り込みを強化しました。
路線ネットワークでは、9月から成田=フランクフルト線を開設したほか、10月から成田=香港線および成田=ロサンゼルス線等において機動的に臨時便を設定し、収益の最大化を図りました。また、10月から欧米路線でANAとのコードシェアを開始しました。
以上の結果、当期の貨物輸送重量は313千トンとなり、貨物収入は1,089億円となりました。
Peachでは、訪日需要やレジャー需要が堅調に推移したこと等から旅客数、収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、4月から関西=金浦線、中部=金浦線を新規開設し、8月から両路線ともに増便しまし た。関西=金浦線においては段階的に増便し、本年2月には1日4往復とする等、ネットワークの拡大に努めまし た。
営業・サービス面では、4月にウェブサイトをリニューアルし、予約完了までの手順を短縮しました。また、12 月から事前設定により自動でチェックインが完了する「オートチェックイン」機能を新たに導入し、お客様の利便 性向上を図りました。
以上の結果、当期のPeach旅客数は945万人(前期比3.9%増)となり、収入は1,433億円(同2.9%増)となりました。
AirJapanでは、訪日需要を着実に取り込んだことに加え、レジャー需要の喚起を目的にセールを積極的に展開し たこと等により、旅客数・収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、11月から成田=シンガポール線を増便したほか、年末年始期間に成田=仁川線、本年1 月から成田=シンガポール線の期間増便を行いました。
以上の結果、当期のAirJapan旅客数は49万人(前期比16.7%増)となり、収入は139億円(同19.0%増)となりました。
本年3月をもって、AirJapanブランドを休止し、機材および人財をANAブランドの運航に集約することとしま した。今後は、ANAブランドとPeachブランドによるデュアルブランド戦略へと再構築し、グループ全体の収益 力・競争力の強化を図ってまいります。
<その他>航空事業におけるその他の収入は1,895億円(前期比5.1%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
◎航空関連事業
外国航空会社からの機内食関連業務の受託が増加したほか、国際貨物の取扱高が拡大したこと等により、売上
高は3,616億円(前期比7.2%増)となったものの、人件費等が増加したことから、営業利益は14億円(同63.9%
減)となりました。
◎旅行事業
海外旅行については、ハワイやヨーロッパ方面を中心に需要を取り込んだことにより、取扱高が増加しまし
た。国内旅行については、「ANAトラベラーズホテル」等の素材販売は好調に推移したものの、主力のダイナミッ
クパッケージ商品の集客が伸び悩んだこと等から、取扱高は減少しました。
以上の結果、当期の旅行事業における売上高は653億円(前期比11.2%減)、営業損失は1億円(前期 営業利
益1億円)となりました。
また、新たなインフラサービスとなる「ANAガス」やモバイル通信サービス「ANAモバイル」を開始しました。
日常生活の中でマイルを貯めやすくすることで、より利便性の高いマイルサービスの拡充に取り組みました。
◎商社事業
大阪・関西万博の開催効果により、観光土産品卸売「FUJISEY」が好調に推移したほか、物流会社向けセキュリ
ティ機器関連や半導体関連の電子事業の取扱高が増加したこと等により、売上高・営業利益ともに前期を上回りま
した。
以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,542億円(前期比18.7%増)、営業利益は75億円(同65.6%
増)となりました。
◎その他
建物・施設の保守管理事業や不動産関連事業において取扱高が増加したこと等から、売上高・営業利益ともに
前期を上回りました。
以上の結果、当期のその他の売上高は497億円(前期比9.3%増)、営業利益は22億円(同97.7%増)となりま
した。
③キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当期の税金等調整前当期純利益2,235億円に、減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減
算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは4,434億円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>有価証券の取得や設備投資による支出があったこと等から、投資活動によるキャッシュ・フローは4,152億円の支出となりました。
以上の結果、フリー・キャッシュ・フローは282億円の収入となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>配当金の支払いや社債の償還、借入金の返済による支出があったこと等から、財務活動によるキャッシュ・フ
ローは1,593億円の支出となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主に航空機等)につきましては、自己資金または金融機関から
の借入、及び社債発行等により資金調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に
確保することを基本方針としています。
当期においては、設備投資資金等の手当てのため民間金融機関から1,854億円の借り入れを実施しました。
当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、1兆1,717億円となっています。また、現
金及び預金に有価証券を加えた手元流動性資金は1兆2,569億円となりました。
なお、2026年3月31日現在、複数の金融機関との間で合計1,000億円のコミットメントライン契約を締結して
います。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
※普通株式に係る自己資本利益率 2026年3月期 13.8%
(「親会社株主に帰属する当期純利益」から当社普通株主に帰属しない金額を控除した金額を、「親会社株主
に帰属する純資産」から当社普通株主に帰属しない金額を控除した金額の平均で除して算定。)
当社グループは、「2026~2028年度 ANAグループ中期経営戦略」(2026年1月30日開示)のもと、成長投資を一段と加速させ、今後も世界的に需要の伸びが見込まれる国際線旅客事業・貨物事業に経営
資源を優先配分することで、2029年度以降の飛躍的な成長ステージへと移行させてまいります。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本とな
る重要な事項)」及び「(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日、以下「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、企業収益及び雇用環境の改善が続く中、個人消費の持ち直しが見られる等、景気は緩やかに回復しています。一方で、今後の中東情勢や米国の通商政策等の影響には留意が必要な状況です。
航空業界を取り巻く環境は、中東情勢やウクライナ等の地政学リスクが懸念されるものの、旅客需要は増加しています。
このような社会・経済情勢の下、航空事業を中心に増収となったことから、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高となりました。
財政状態では、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が増加しています。
また、現金及び預金に有価証券を加えた手元流動性資金は1兆2,569億円となりました。
以上の結果、当期の財政状態及び経営成績等は以下のとおりとなりました。
1)財政状態
当期末の資産合計は、前期末に比べ3,348億円増加し、3兆9,551億円となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ277億円減少し、2兆4,524億円となりました。
当期末の純資産合計は、前期末に比べ3,625億円増加し、1兆5,026億円となりました。
2)経営成績
当期における売上高は2兆5,392億円(前期比12.3%増)、営業費用は2兆3,217億円(前期比12.4%増)
となり、営業利益は2,174億円(前期 営業利益1,966億円)、経常利益は2,196億円(前期 経常利益
2,000億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,690億円(前期 親会社株主に帰属する当期純利益
1,530億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは4,434億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは4,152億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,593億円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて1,263億円減少し、7,363億円となりまし
た。
③生産及び販売の実績
1)セグメント別売上高
最近2連結会計年度のセグメント別売上高は次のとおりです。
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) |
| 航空事業 | ||||
| 国際線 | ||||
| 旅客収入 | 805,530 | 30.4 | 878,977 | 29.9 |
| 貨物収入 | 187,332 | 7.1 | 184,125 | 6.3 |
| 郵便収入 | 4,911 | 0.2 | 4,353 | 0.1 |
| 小計 | 997,773 | 37.7 | 1,067,455 | 36.3 |
| 国内線 | ||||
| 旅客収入 | 703,991 | 26.6 | 738,013 | 25.0 |
| 貨物収入 | 23,032 | 0.9 | 22,834 | 0.8 |
| 郵便収入 | 2,645 | 0.1 | 2,432 | 0.1 |
| 小計 | 729,668 | 27.6 | 763,279 | 25.9 |
| その他の収入 | 180,307 | 6.8 | 189,566 | 6.4 |
| ANAブランド収入合計 | 1,907,748 | 72.1 | 2,020,300 | 68.6 |
| NCA収入 | ||||
| 貨物収入 | - | - | 108,963 | 3.7 |
| その他の収入 | - | - | 26,701 | 0.9 |
| 小計 | - | - | 135,664 | 4.6 |
| Peach収入 | 139,321 | 5.3 | 143,320 | 4.9 |
| AirJapan収入 | 11,710 | 0.4 | 13,935 | 0.5 |
| 航空事業小計 | 2,058,779 | 77.8 | 2,313,219 | 78.6 |
| 航空関連事業 | ||||
| 航空関連収入 | 337,270 | 12.8 | 361,619 | 12.3 |
| 航空関連事業小計 | 337,270 | 12.8 | 361,619 | 12.3 |
| 旅行事業 | ||||
| パッケージ商品収入(国内) | 37,696 | 1.4 | 33,180 | 1.1 |
| パッケージ商品収入(国際) | 5,312 | 0.2 | 6,201 | 0.2 |
| その他の収入 | 30,563 | 1.2 | 25,951 | 0.9 |
| 旅行事業小計 | 73,571 | 2.8 | 65,332 | 2.2 |
| 商社事業 | ||||
| 商社収入 | 129,999 | 4.9 | 154,249 | 5.2 |
| 商社事業小計 | 129,999 | 4.9 | 154,249 | 5.2 |
| 報告セグメント計 | 2,599,619 | 98.3 | 2,894,419 | 98.3 |
| その他 | ||||
| その他の収入 | 45,517 | 1.7 | 49,728 | 1.7 |
| その他小計 | 45,517 | 1.7 | 49,728 | 1.7 |
| 売上高合計 | 2,645,136 | 100.0 | 2,944,147 | 100.0 |
| セグメント間取引 | △383,280 | - | △404,914 | - |
| 売上高(連結) | 2,261,856 | - | 2,539,233 | - |
(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。
2.各セグメントの売上高はセグメント間の売上高を含みます。
3.NCAは2025年7月1日以降の実績となります。
2)セグメント別取扱実績
(a) 航空事業
(ア) ANAブランド輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
| 項目 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 国際線 | |||
| 旅客数 | (人) | 8,072,715 | 9,023,150 |
| 座席キロ | (千席キロ) | 57,746,182 | 61,835,497 |
| 旅客キロ | (千人キロ) | 45,738,339 | 51,307,355 |
| 利用率 | (%) | 79.2 | 83.0 |
| 有効貨物トンキロ | (千トンキロ) | 6,498,949 | 6,604,673 |
| 貨物輸送重量 | (トン) | 704,230 | 726,637 |
| 貨物トンキロ | (千トンキロ) | 3,611,709 | 3,741,920 |
| 郵便輸送重量 | (トン) | 11,414 | 9,946 |
| 郵便トンキロ | (千トンキロ) | 67,442 | 54,260 |
| 貨物重量利用率 | (%) | 56.6 | 57.5 |
| 国内線 | |||
| 旅客数 | (人) | 44,054,508 | 45,635,143 |
| 座席キロ | (千席キロ) | 47,037,025 | 46,469,213 |
| 旅客キロ | (千人キロ) | 35,274,415 | 36,780,474 |
| 利用率 | (%) | 75.0 | 79.2 |
| 有効貨物トンキロ | (千トンキロ) | 1,539,970 | 1,455,652 |
| 貨物輸送重量 | (トン) | 276,920 | 270,089 |
| 貨物トンキロ | (千トンキロ) | 266,591 | 262,564 |
| 郵便輸送重量 | (トン) | 22,162 | 17,224 |
| 郵便トンキロ | (千トンキロ) | 19,200 | 14,210 |
| 貨物重量利用率 | (%) | 18.6 | 19.0 |
(イ) ANAブランド運航実績
最近2連結会計年度の運航実績は次のとおりです。
| 項目 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 国際線 | 国内線 | 国際線 | 国内線 | |
| 運航回数(回) | 51,312 | 371,927 | 53,625 | 371,573 |
| 飛行距離(km) | 270,564,625 | 263,231,467 | 288,802,915 | 263,557,920 |
| 飛行時間(時間) | 366,318 | 555,731 | 392,242 | 555,322 |
(注) 1.国際線、国内線ともに不定期便実績を除きます。
2.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績並びにオリエンタルエアブリッジ㈱、天草エアライン㈱及び日本エアコミューター㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。
3.国際線貨物、国内線貨物ともに2025年7月1日より不定期便実績を含みます。2025年6月30日までは不定期便実績を除きます。
4.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。
5.国内線貨物及び郵便実績には、Peach Aviation㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。
6.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
7.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
8.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便のほか、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれています。
9.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
10.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。
(ウ) NCA輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
| 項目 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 有効貨物トンキロ | (千トンキロ) | - | 2,998,285 |
| 貨物輸送重量 | (トン) | - | 313,082 |
| 貨物トンキロ | (千トンキロ) | - | 1,919,074 |
| 貨物重量利用率 | (%) | - | 64.0 |
(注) 1.NCAは2025年7月1日以降の実績となります。
2.NCA輸送実績には、不定期便実績、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。
3.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
4.貨物トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
5.貨物重量利用率は、貨物トンキロを有効貨物トンキロで除した数値です。
(エ) Peach・AirJapan輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
| 項目 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| Peach | |||
| 旅客数 | (人) | 9,100,553 | 9,456,675 |
| 座席キロ | (千席キロ) | 12,710,064 | 13,377,210 |
| 旅客キロ | (千人キロ) | 10,733,182 | 11,278,281 |
| 利用率 | (%) | 84.4 | 84.3 |
| AirJapan | |||
| 旅客数 | (人) | 428,347 | 499,915 |
| 座席キロ | (千席キロ) | 2,194,895 | 2,422,634 |
| 旅客キロ | (千人キロ) | 1,522,088 | 1,758,015 |
| 利用率 | (%) | 69.3 | 72.6 |
(注)1.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
2.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
(b) 航空関連事業
航空関連事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(c) 旅行事業
旅行事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(d) 商社事業
商社事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(e) その他
その他に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①財政状態
<資産の部>流動資産は、現金及び預金等が増加したことから、前期末に比べて1,967億円増加し、1兆8,905億円となり
ました。
固定資産は、NCAのグループ化に伴う航空機の増加等により、前期末に比べ1,371億円増加し、2兆633億円となりました。
以上により、当期末における総資産は前期末に比べて3,348億円増加し、3兆9,551億円となりました。
<負債の部>負債の部は、劣後特約付シンジケートローンの返済による借入金の減少等により、前期末に比べて277億円減少し、2兆4,524億円となりました。なお、有利子負債(無利子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含む)は、前期末に比べて1,773億円減少し、1兆1,717億円となりました。
<純資産の部>株主資本は、配当金の支払いがあった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に加え、成長投資資
金の確保や資本構成の最適化を目的とした第1回社債型種類株式を発行したこと等により、前期末に比べて2,874億円増加し、1兆3,587億円となりました。
その他の包括利益累計額は繰延ヘッジ損益の増加等により、前期末に比べて742億円増加し、1,332億円とな
りました。
これらの結果、純資産合計は前期末に比べて3,625億円増加し、1兆5,026億円となりました。
なお、自己資本比率は37.7%(前期末31.2%)となり、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは
0.8倍(前期末1.2倍)となりました。
②経営成績
航空業界を取り巻く環境は、中東情勢やウクライナ等の地政学リスクが懸念されるものの、旅客需要は増加し
ています。
このような社会・経済情勢の下、航空事業を中心に増収となったことから、売上高は2兆5,392億円(前期比
12.3%増)となりました。営業利益は2,174億円(前期比10.6%増)となり、経常利益は2,196億円(同9.8%
増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,690億円(同10.5%増)となりました。
8月にNCAの全株式を取得しました。ANAグループの貨物便と旅客便の広範なネットワークを併せ持った
コンビネーションキャリアに、NCAが強みとする日本と欧米を結ぶ大型貨物専用機によるネットワークとノウ
ハウが融合したことで更なる収益の拡大を目指してまいります。
また、従業員の健康をサポートする取り組み等が評価され、4年連続で「健康経営銘柄」に選定されたほか、国際的な環境評価を手掛ける非営利団体であるCDPより、最高評価の「Aリスト企業」に4年連続で選定されま
した。今後も人的資本経営を強化しつつ、事業を通じて環境問題等の社会課題解決に取り組み、持続的な成長と
企業価値の向上を目指してまいります。
以下、当期におけるセグメント別の概況をお知らせいたします。
(なお、各事業における売上高はセグメント間内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。)
◎航空事業
旺盛な訪日需要とレジャー需要に支えられ、国際線旅客・国内線旅客ともに堅調に推移したことや、当期にお
いて連結子会社となったNCAの収入が加わったこと等により、売上高は前期を上回り2兆3,132億円(前期比
12.4%増)となりました。費用面では燃油費や人件費等が増加したものの、営業利益は2,219億円(前期比
11.5%増)となり、前期と比べて増益となりました。
なお、当社グループは英国SKYTRAX社から顧客満足度で最高評価となる「5スター」に13年連続で認定されま
した。また、米国の非営利団体APEXから高品質なサービスの提供が評価され、最高評価となる「WORLD CLASS」
を2年連続で受賞したほか、英国のFlightGlobal社からは優れた経営戦略と顧客体験価値の向上が評価され
「Executive Leadership: Asia-Pacific Award」を初受賞しました。
<国際線旅客(ANAブランド)>国際線旅客では、訪日需要や日本発のレジャー需要を積極的に取り込んだこと等により、旅客数、収入ともに前期を上回りました。とりわけ2024年度下期から欧州3路線を新規就航したこと等により、欧州路線が好調に推移しました。
路線ネットワークでは、10月から成田=香港線、12月から羽田=香港線、成田=パース線、成田=ムンバイ線、本年3月から成田=ブリュッセル線を増便しました。
営業・サービス面では、効率的な路線計画や乗り継ぎの利便性向上等を目的に、シンガポール航空とジョイントベンチャー(共同事業)契約を締結し、5月から共同運賃の発売を開始しました。また、8月から機内高速インターネットの無料化を一部機材で開始したほか、12月から人気動画配信サービスを導入する等、お客様の快適性向上を図りました。
以上の結果、当期の国際線旅客数は902万人(前期比11.8%増)となり、収入は8,789億円(同9.1%増)と
なりました。
本年3月に国際線定期便の就航40周年を迎えました。長年にわたるお客様からのご愛顧に感謝するとともに、今後も安全運航を堅持し、高品質なサービスの提供に努めてまいります。
<国内線旅客(ANAブランド)>国内線旅客では、「ANA SUPER VALUEセール」を継続的に実施し、レジャー需要の喚起と早期取り込みに努めたこと等により、旅客数、収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、10月から羽田=新千歳線や羽田=福岡線等を増便したことに加え、高需要期を中心に臨時便を設定した一方で、機材の小型化等を実施し、需給適合を推進しました。
営業・サービス面では、機内Wi-Fiにおいて、6月から動画視聴可能な高速インターネット環境を整え、サービスの拡充に努めたほか、12月から地域創生を訴求する特別デザイン機「ANAふるさとJET」の運航を開始しました。「ふるさとをつなぐ」をコンセプトに自治体との連携を強化し、地方への人流拡大を目指した取り組み等を推進してまいります。
以上の結果、当期の国内線旅客数は4,563万人(前期比3.6%増)となり、収入は7,380億円(同4.8%増)と
なりました。
<貨物(ANAブランド)>国際線貨物では、アジア発北米向け貨物の取り込みを強化したこと等から、輸送重量は前期を上回りましたが、自動車関連やEコマースの需要が減退したこと等により、収入は前期を下回りました。
路線ネットワークでは、需要動向を見極め、貨物専用機の運航路線や供給量を柔軟に調整したほか、北米路線では他社によるエアラインチャーター便の運航を継続し、収益性の確保に努めました。
以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は726千トン(前期比3.2%増)となり、収入は1,841億円(同1.7%減)となりました。
路線ネットワークでは、9月から成田=フランクフルト線を開設したほか、10月から成田=香港線および成田=ロサンゼルス線等において機動的に臨時便を設定し、収益の最大化を図りました。また、10月から欧米路線でANAとのコードシェアを開始しました。
以上の結果、当期の貨物輸送重量は313千トンとなり、貨物収入は1,089億円となりました。
路線ネットワークでは、4月から関西=金浦線、中部=金浦線を新規開設し、8月から両路線ともに増便しまし た。関西=金浦線においては段階的に増便し、本年2月には1日4往復とする等、ネットワークの拡大に努めまし た。
営業・サービス面では、4月にウェブサイトをリニューアルし、予約完了までの手順を短縮しました。また、12 月から事前設定により自動でチェックインが完了する「オートチェックイン」機能を新たに導入し、お客様の利便 性向上を図りました。
以上の結果、当期のPeach旅客数は945万人(前期比3.9%増)となり、収入は1,433億円(同2.9%増)となりました。
AirJapanでは、訪日需要を着実に取り込んだことに加え、レジャー需要の喚起を目的にセールを積極的に展開し たこと等により、旅客数・収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、11月から成田=シンガポール線を増便したほか、年末年始期間に成田=仁川線、本年1 月から成田=シンガポール線の期間増便を行いました。
以上の結果、当期のAirJapan旅客数は49万人(前期比16.7%増)となり、収入は139億円(同19.0%増)となりました。
本年3月をもって、AirJapanブランドを休止し、機材および人財をANAブランドの運航に集約することとしま した。今後は、ANAブランドとPeachブランドによるデュアルブランド戦略へと再構築し、グループ全体の収益 力・競争力の強化を図ってまいります。
<その他>航空事業におけるその他の収入は1,895億円(前期比5.1%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
◎航空関連事業
外国航空会社からの機内食関連業務の受託が増加したほか、国際貨物の取扱高が拡大したこと等により、売上
高は3,616億円(前期比7.2%増)となったものの、人件費等が増加したことから、営業利益は14億円(同63.9%
減)となりました。
◎旅行事業
海外旅行については、ハワイやヨーロッパ方面を中心に需要を取り込んだことにより、取扱高が増加しまし
た。国内旅行については、「ANAトラベラーズホテル」等の素材販売は好調に推移したものの、主力のダイナミッ
クパッケージ商品の集客が伸び悩んだこと等から、取扱高は減少しました。
以上の結果、当期の旅行事業における売上高は653億円(前期比11.2%減)、営業損失は1億円(前期 営業利
益1億円)となりました。
また、新たなインフラサービスとなる「ANAガス」やモバイル通信サービス「ANAモバイル」を開始しました。
日常生活の中でマイルを貯めやすくすることで、より利便性の高いマイルサービスの拡充に取り組みました。
◎商社事業
大阪・関西万博の開催効果により、観光土産品卸売「FUJISEY」が好調に推移したほか、物流会社向けセキュリ
ティ機器関連や半導体関連の電子事業の取扱高が増加したこと等により、売上高・営業利益ともに前期を上回りま
した。
以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,542億円(前期比18.7%増)、営業利益は75億円(同65.6%
増)となりました。
◎その他
建物・施設の保守管理事業や不動産関連事業において取扱高が増加したこと等から、売上高・営業利益ともに
前期を上回りました。
以上の結果、当期のその他の売上高は497億円(前期比9.3%増)、営業利益は22億円(同97.7%増)となりま
した。
③キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当期の税金等調整前当期純利益2,235億円に、減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減
算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは4,434億円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>有価証券の取得や設備投資による支出があったこと等から、投資活動によるキャッシュ・フローは4,152億円の支出となりました。
以上の結果、フリー・キャッシュ・フローは282億円の収入となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>配当金の支払いや社債の償還、借入金の返済による支出があったこと等から、財務活動によるキャッシュ・フ
ローは1,593億円の支出となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主に航空機等)につきましては、自己資金または金融機関から
の借入、及び社債発行等により資金調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に
確保することを基本方針としています。
当期においては、設備投資資金等の手当てのため民間金融機関から1,854億円の借り入れを実施しました。
当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、1兆1,717億円となっています。また、現
金及び預金に有価証券を加えた手元流動性資金は1兆2,569億円となりました。
なお、2026年3月31日現在、複数の金融機関との間で合計1,000億円のコミットメントライン契約を締結して
います。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
| 指標 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
| 売上高 (百万円) | 2,055,928 | 2,261,856 | 2,539,233 |
| 営業利益 (百万円) | 207,911 | 196,639 | 217,437 |
| 売上高営業利益率 (%) | 10.1 | 8.7 | 8.6 |
| 自己資本利益率(ROE)(%) | 16.5 | 14.1 | 12.9 |
| 総資本利益率(ROA)(%) | 6.1 | 5.6 | 6.0 |
| 自己資本比率 (%) | 29.3 | 31.2 | 37.7 |
※普通株式に係る自己資本利益率 2026年3月期 13.8%
(「親会社株主に帰属する当期純利益」から当社普通株主に帰属しない金額を控除した金額を、「親会社株主
に帰属する純資産」から当社普通株主に帰属しない金額を控除した金額の平均で除して算定。)
当社グループは、「2026~2028年度 ANAグループ中期経営戦略」(2026年1月30日開示)のもと、成長投資を一段と加速させ、今後も世界的に需要の伸びが見込まれる国際線旅客事業・貨物事業に経営
資源を優先配分することで、2029年度以降の飛躍的な成長ステージへと移行させてまいります。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本とな
る重要な事項)」及び「(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。