有価証券報告書-第81期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/20 15:00
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105項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度のおける当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、緩やかな回復基調のもと、企業収益の拡大や雇用・所得環境の改善が続きましたが、個人消費は一部に持ち直しの動きが見られたものの、回復には至りませんでした。
旅行業界におきましては、海外旅行は、ハワイやアジア方面が堅調に推移し、北米やオセアニア地域も回復傾向となりましたが、ミクロネシアなど一部の地域では地政学リスクの影響を受ける結果となりました。国内旅行は、沖縄や京阪神方面が堅調に推移しましたが、相次ぐ台風や雪害等の影響もあり、全体として伸び悩みました。一方、訪日旅行は航空路線の拡充やクルーズ船の寄港増加などが寄与し、当連結会計年度の訪日外国人数は過去最多の2,977万人となりました。
このような情勢の下、当社グループは、総合旅行会社として持続的な成長を図るため、昨年10月1日および本年4月1日の二度にわたり、近畿日本ツーリスト株式会社および近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社の会社分割を実施し、両社を関東、首都圏、中部および関西の地域旅行会社4社と東京地区の法人旅行専門会社ならびに成長マーケットに特化する訪日旅行専門会社およびWeb販売専門会社の合計7社に再編いたしました。これにより地域旅行会社は、すでに分社を終えている北海道、東北、中国四国および九州の各地域旅行会社とともに、地域それぞれのマーケットに即応して、団体旅行、個人旅行の区別なくお客さまの視点に立った営業活動が行える体制を、また、専門会社3社については変化の激しいマーケットに機動的に対応できる体制をそれぞれ確立いたしました。
このほか、中期経営計画で定めた事業方針に基づいて、成長分野であるスポーツ事業、訪日旅行事業および地域交流事業の3事業に注力し、収益の拡大を図りました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ15億26百万円(1.2%)増加し、1,304億16百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度に比べ7億39百万円(0.7%)増加し、1,051億11百万円となりました。当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ7億86百万円(3.2%)増加し、253億4百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、連結売上高4,051億72百万円(前期比2.3%増)、連結営業利益31億77百万円(前期比7.0%増)、連結経常利益33億42百万円(前期比9.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億12百万円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失13億29百万円)となりました。
当社グループの個人旅行事業、団体旅行事業およびその他の区分別の経営成績は、次のとおりであります。
個人旅行事業は連結売上高2,284億37百万円(前期比3.8%増)、連結営業利益14億87百万円(前期比114.3%増)となりました。
団体旅行事業は連結売上高983億90百万円(前期比1.0%減)、連結営業利益8億33百万円(前期比4.8%減)となりました。
その他は連結売上高780億54百万円(前期比2.4%増)、連結営業利益7億71百万円(前期比17.0%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期に比較して19億53百万円増加し671億91百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は45億90百万円の増加(前期は25億40百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上で28億77百万円、仕入債務の増加による影響で21億25百万円、旅行前払金の減少による影響で8億15百万円それぞれ増加したものの、法人税等の支払額で10億46百万円減少したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は25億19百万円の減少(前期は21億25百万円の減少)となりました。これは主に固定資産の取得による支出で21億38百万円、長期預金の預入による支出で3億円減少したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は23百万円の減少(前期は2億52百万円の増加)となりました。これは主にリース債務の返済による支出で18百万円、自己株式の取得による支出で2百万円減少したためであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、受注生産形態をとらない商品が多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」における個人旅行事業、団体旅行事業およびその他の区分別の販売の状況に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、有価証券、減価償却資産、貸倒引当金、繰延税金資産、退職給付に係る資産、賞与引当金および旅行券等引換引当金等の計上について見積りを行っております。
なお、見積りについては、過去の実績や現在の状況等に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
主なものとしては下記のとおりであります。
a.退職給付に係る資産
当社グループの退職給付に係る資産について、従業員の退職給付費用および退職給付債務は数理計算上で設定されている前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は、割引率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期期待運用収益率などの重要な見積りが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または、前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用および債務に影響を及ぼします。
b.繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積っているため、税制改正や経営環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご覧ください。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ15億26百万円(1.2%)増加の1,304億16百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ3億32百万円(0.3%)増加の1,129億31百万円となりました。これは主に、現金及び預金が93億15百万円増加し、預け金が73億30百万円、旅行前払金が8億35百万円、為替予約が10億80百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ11億93百万円(7.3%)増加の174億84百万円となりました。これは主に、ソフトウエアが12億55百万円、退職給付に係る資産が4億11百万円増加し、繰延税金資産が12億64百万円減少したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ7億39百万円(0.7%)の増加の1,051億11百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ17億22百万円(1.7%)増加の1,016億31百万円となりました。これは主に、営業未払金が20億72百万円、為替予約が4億27百万円増加し、旅行券等が8億17百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ9億83百万円(22.0%)減少の34億80百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が8億20百万円減少したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7億86百万円(3.2%)増加の253億4百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したものの、その他の包括利益累計額が減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は19.3%で前連結会計年度末から0.3ポイント増加し、一株当たり純資産は923.26円で前連結会計年度末から29.39円の増加となりました。
2)経営成績
(売上高と営業損益)
当連結会計年度の売上高と営業損益は、近畿日本ツーリスト株式会社および近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社の会社分割の実施により、両社を関東、首都圏、中部および関西の地域旅行会社4社と東京地区の法人旅行専門会社ならびに成長マーケットに特化する訪日旅行専門会社およびWeb販売専門会社の合計7社に再編いたしました。これにより、地域旅行会社は、地域それぞれのマーケットに即応して、団体旅行、個人旅行の区別なくお客さまの視点に立った営業活動が行える体制を、また、専門会社3社については変化の激しいマーケットに機動的に対応できる体制を確立したほか、成長分野であるスポーツ事業、訪日旅行事業および地域交流事業の3事業に注力し、収益の拡大を図り、前連結会計年度に比べ、売上高は2.3%増の4,051億72百万円、営業利益は7.0%増の31億77百万円となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益および営業外費用の純額は1億65百万円の収益超過となり、持分法投資利益の増加や為替差損の減少などにより前連結会計年度に比べ88百万円の増益となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ9.8%増の33億42百万円となりました。
(親会社株式に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の特別利益および特別損失の純額は、特別利益として40百万円の投資有価証券売却益などを計上した一方で、特別損失として2億79百万円の事業構造改革関連費用や2億9百万円の減損損失を計上したことにより4億65百万円の損失超過となりました。
また、当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は8億円、法人税等調整額は6億73百万円であり、非支配株主に帰属する当期純損失を差し引いた当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は14億12百万円の利益となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社をとりまく環境としましては、国内における人口減少や高齢化、アジア諸国の経済発展、国を越えた人の動きの活発化等内外の社会構造の変化が旅行業に影響を与えております。また、外資を含めたオンライン・トラベル・エージェントの事業拡大、交通諸機関のインターネットを介した直販化の進展、「民泊」に代表される各種規制緩和により事業環境も著しく変化しております。
一方、旅行市場は、政府の「観光立国」に向けた政策、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催、訪日旅行客の大幅な増加等もあり、今後も拡大が続くものと予想されます。
さらに、当社グループは、個人、団体の国内旅行、海外旅行の企画・販売をはじめ、海外からの訪日旅行を取り扱うため、国内海外の安全性が損なわれる事態(自然災害、国際テロ、紛争および新興感染症等)が生じた場合や、景況悪化による個人消費の落ち込み、天候や休日の日並びの良否等市場環境の変化などに起因し、経営成績に影響を与える可能性があります。
2)今後の見通し
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの資金需要は、営業活動については、個人旅行事業、団体旅行事業、その他における旅行商品の企画販売にかかる宿泊機関・運輸機関・観光機関等からの仕入、および各事業に共通する販売費及び一般管理費等の営業費用が主な内容であります。投資活動については、システム投資をはじめとする設備投資が主な内容であります。
2)財務政策
当社グループは現在、営業活動による資金需要、投資活動による資金需要いずれについても、内部資金により調達しており、借入や社債発行等による外部からの資金調達は行っておらず、有利子負債の金額は僅少であります。
また、当社グループの各社の資金需要については当社が一元管理するとともに、グループ内における資金の効率的活用を図るため、キャッシュマネージメントシステムによる国内子会社の余剰資金の集中および配分を行っております。
なお、当社グループ全体の余剰資金は、親会社である近鉄グループホールディングスのキャッシュマネージメントシステムに預入を行っております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、安定的に利益を出すことのできる体質を構築し、売上高および営業利益を重視しておりますが、同時に安定性や効率性を計る指標として、自己資本比率および株主資本利益率を定めております。
当連結会計年度における自己資本比率は19.3%(前期比0.3ポイント改善)であり、株主資本利益率(ROE)は5.7%(前期比11.2ポイント改善)でした。引き続きこれらの指標について改善されるよう取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(個人旅行事業)
近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社、株式会社近畿日本ツーリスト中部および株式会社近畿日本ツーリスト関西の個人旅行部門では、国内旅行商品「メイト」において、人気スマホゲームやTVアニメとタイアップした旅行プラン、JR西日本の寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」を貸切りにしたオリジナルツアーなど話題性のある素材を商品化し、差別化を図りました。海外旅行商品「ホリデイ」では、ヨーロッパ方面を中心にクラブツーリズム株式会社との共同催行を拡充したこと等により販売を拡大いたしました。さらに、Web販売では、新たにインターネット販売システム「国内ダイナミックパッケージ」を導入し、お客さまが豊富な宿泊施設と新幹線・特急列車を自由に組み合わせて予約できるサービスを開始いたしました。
クラブツーリズム株式会社は、普段旅客列車が運行しない都会の貨物路線をお座敷列車「宴」で巡るツアーや、足湯付き新幹線「とれいゆつばさ」の貸切列車を利用したオリジナルイベントツアーなど、企画力に富んだテーマ性の高い旅行商品を展開したほか、プレミアム客船「ダイヤモンド・プリンセス」のチャータークルーズや、「ロイヤルクルーザー四季の華」バスツアーに全19席総革張り、木目調の内装と眺望に優れた大きな窓を装備した最高級車両「碧号」を導入するなど、高付加価値商品の拡充を図りました。
また、訪日旅行では、株式会社KNT-CTグローバルトラベルが運営する訪日旅行サイト「YOKOSO Japan Tour & Hotel」の利便性を高めるサイトリニューアルを実施したほか、より外国人観光客に魅力のある専用ツアーを開発し、販売を拡大いたしました。
これらの結果、売上高は前連結会計年度比3.8%増の2,284億37百万円、営業利益は前連結会計年度比114.3%増の14億87百万円となりました。
また、セグメント資産は、ソフトウエアが増加したものの、為替予約が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ9百万円減少の583億72百万円となりました。
(団体旅行事業)
近畿日本ツーリスト株式会社および株式会社KNT-CTグローバルトラベルならびに株式会社近畿日本ツーリスト中部および株式会社近畿日本ツーリスト関西の団体旅行部門では、法人、団体等への提案型営業に注力し、MICE(Meeting、Incentive、Convention・Congress、Event・Exhibition)市場等の積極的な開拓に努めました。殊にスポーツ事業では、平昌2018冬季オリンピック・パラリンピック大会の観戦ツアー指定旅行会社として、選手家族や後援組織の応援ツアーを始め各種ツアーの受注を獲得したほか、東京2020オリンピック・パラリンピック大会に向け、スポンサー企業が顧客に提供するホスピタリティ・プログラムの運営業務や競技団体の事前合宿受注に注力いたしました。また、世界文化遺産の国宝「姫路城」の管理運営業務を受託するなど、総合旅行会社のノウハウや観光施設の運営実績を活かした地域交流事業の拡大を図りました。
このほか、本年で5年目を迎える、近畿日本ツーリスト株式会社のオリジナル国際交流イベント「ジャパン ベトナム フェスティバル」では、ベトナム市場を視察するツアー参加者が着実に増加するなど好評を博しました。訪日旅行では、東京2020パラリンピック大会から正式競技となる「パラバドミントン」や「ボッチャ」の国際大会が日本で初めて開催されるに際し、運営業務等を受託することができました。
しかしながら、当連結会計年度は、前年の8月から9月に行われたリオデジャネイロ2016オリンピック・パラリンピックなどの国際イベントの反動減により、売上高は前連結会計年度比1.0%減の983億90百万円、営業利益は前連結会計年度比4.8%減の8億33百万円となりました。
また、セグメント資産は、預け金、旅行前払金および為替予約などが減少したものの、現金及び預金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ34億51百万円増加の442億55百万円となりました。
(その他)
北海道、東北、中国四国、九州の各地域旅行会社におきましては、北海道地区では「アジアの宝悠久の自然美への道ひがし北・海・道」バス周遊ルート事業を、九州地区では「西郷どん」大河ドラマ館の運営管理業務を受託するなど、地域密着のきめ細かな営業活動とグループ一体となった販売活動を展開いたしました。
これらの結果、売上高は前連結会計年度比2.4%増の780億54百万円となりましたが、営業利益については収益率の低下などにより、前連結会計年度比17.0%減の7億71百万円となりました。
また、セグメント資産は、現金預金が2億28百万円減少したものの、預け金や旅行前払金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ7億77百万円増加の233億23百万円となりました。

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