有価証券報告書-第84期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、サービス業を中心に企業収益が大幅に悪化するなど、極めて厳しい状況で推移いたしました。
旅行業界におきましては、期を通じて海外旅行および訪日旅行を催行できず、国内旅行についても、令和2年7月にスタートしたGoToトラベルキャンペーンで一時活況を呈したものの、11月下旬に到来した新型コロナウイルスの感染拡大第3波の影響を受け同キャンペーンが縮小・停止されたこともあり、その効果は限定的なものとなりました。
このような状況の下、当社グループは海外旅行および訪日旅行を原則中止としたほか、4月中旬から5月末まで全旅行営業所を休業いたしました。6月に国内旅行の営業を再開した後は、感染症対策に徹底的に取り組んだ「クラブツーリズム ニュースタイル」ツアーやオンラインを駆使した近畿日本ツーリストの「リモート修学旅行」など、コロナ禍でも需要のある安全・安心の旅の販売に注力いたしました。さらに7月以降は、GoToトラベルキャンペーンに呼応し国内旅行の販売に大いに取り組んだため、11月には一時国内個人旅行の売上高が前年同期を上回る状況となりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大第3波の影響により、12月28日にGoToトラベルキャンペーンが全国で停止され、さらに令和3年1月8日に2回目の緊急事態宣言が実施された結果、個人旅行のキャンセル、修学旅行等団体旅行の中止が相次ぎ、非常に厳しい展開となりました。
このような状況から、当社グループは、国や地方自治体から観光に関わる調査業務、姫路城や大河ドラマ館等の運営業務、各種の事務局業務の受託等旅行業以外の収入確保に努めるとともに、人件費、事務所賃料、その他の費用の削減に格段の努力を払いましたが、新型コロナウイルスによる長期の旅行需要消失の影響は甚大なものとなりました。これらにより、海外旅行の売上高は19億27百万円(前年同期比98.7%減)、国内旅行の売上高は641億37百万円(前年同期比69.8%減)、その他事業の売上高は218億24百万円(前年同期比6.3%減)となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、主に受取手形及び営業未収金が増加したものの、現金及び預金、預け金および旅行前払金などの減少により628億17百万円となり、前連結会計年度末に比較して278億13百万円(30.7%)の減少となりました。一方、負債合計は、主に預り金が減少したものの、営業未払金、未払金などの増加により724億71百万円となり、前連結会計年度末に比較して2億66百万円(0.4%)の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により△96億54百万円(前連結会計年度末 184億25百万円)となりました。
この結果、自己資本比率は△15.4%(前連結会計年度末 20.3%)、1株当たり純資産は△354.72円(前連結会計年度末 672.25円)となりました。
b.経営成績
期を通じて新型コロナウイルスによる長期の旅行需要消失の影響は甚大なものがあり、連結売上高は878億89百万円(前年同期比77.2%減)、連結営業損失は270億82百万円(前期 営業損失16億8百万円)、連結経常損失は167億27百万円(前期 経常損失14億15百万円)となり、希望退職の募集等に伴う事業構造改革関連費用、ソフトウエア等の減損による特別損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は284億56百万円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失74億43百万円)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がりや収束時期等を含む仮定について、令和3年4月下旬からの緊急事態宣言の再発出などにより、感染症対策と経済活動の両立を求められる厳しい事業環境は当面続くものと想定し、令和3年度につきましては、インバウンド旅客の入国制限は継続するものの、国内においてワクチンが年度末までに徐々に普及するにつれて、経済活動が緩やかに回復すると仮定しております。
新型コロナウイルス感染症の収束時期は不確実であり、予測が困難ですが、このような仮定を踏まえ、連結財務諸表作成日現在において入手可能な情報に基づき、当連結会計年度における会計上の見積り(繰延税金資産の回収可能性および固定資産減損要否等の検討)を実施しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期に比較して243億95百万円減少し238億5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は241億67百万円の減少(前期は189億16百万円の減少)となりました。これは主に旅行前払金の減少による影響で55億91百万円、未払金の増加による影響で30億59百万円、仕入債務の増加による影響で23億97百万円、助成金の受取額の影響で83億30百万円それぞれ増加したものの、税金等調整前当期純損失の計上で276億74百万円、売上債権の増加による影響で49億95百万円、預り金の減少による影響で49億83百万円それぞれ減少したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は3億1百万円の減少(前期は30億69百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入で4億89百万円、差入保証金の回収による収入で4億94百万円それぞれ増加したものの、固定資産の取得による支出で14億45百万円減少したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は51百万円の減少(前期は41百万円の減少)となりました。これはリース債務の返済による支出で50百万円減少したためであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、旅行業の単一セグメントであり受注生産形態をとらない商品が多いため生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは旅行業の単一セグメントであるため、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容についての記載を省略しております。
① 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、有価証券、減価償却資産、貸倒引当金、繰延税金資産、退職給付に係る資産、賞与引当金および旅行券等引換引当金等の計上について見積りを行っております。
なお、見積りについては、過去の実績や現在の状況等に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
主なものとしては次のとおりであります。
繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積っているため、税制改正や経営環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。)。
繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (税効果会計関係)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (税効果会計関係)」をご覧ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
(売上高と営業損益)
期を通じて新型コロナウイルスによる長期の旅行需要消失の影響は甚大なものがあり、前連結会計年度に比べ、売上高は77.2%減の878億89百万円となりました。販売費及び一般管理費においては給与・賞与等の人件費をはじめとする固定費、販管費全般の削減に努めましたが、営業損失は270億82百万円(前期 営業損失16億8百万円)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益および営業外費用の純額は103億55百万円の収益超過となり、助成金収入と為替差益の増加により前連結会計年度に比べ101億62百万円の増益となりましたが、当連結会計年度の経常損失は、167億27百万円(前期 経常損失14億15百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の特別利益および特別損失の純額は、特別損失として71億89百万円の事業構造改革関連費用や36億49百万円の減損損失を計上したことにより109億47百万円の損失超過となりました。
また、当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は55百万円、法人税等調整額は7億49百万円であり、非支配株主に帰属する当期純損失を差し引いた当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、284億56百万円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失74億43百万円)の損失となりました。
2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社をとりまく環境としましては、国内における人口減少や高齢化、アジア諸国の経済発展、国を越えた人の動きの活発化等内外の社会構造の変化が旅行業に影響を与えております。また、外資を含めたOTAの事業拡大、国内航空旅行を中心に柔軟に商品価格を変化させるテクノロジーを活用したプライシング機能等の新たなサービスの進化等により事業環境は著しく変化しております。
また、旅行市場は、政府の「観光立国」に向けた政策はあるものの、新型コロナウイルスによる感染症の拡大など旅行需要を激減させる事態が継続しており、今後も混乱が残るものと予想されます。
当社グループは、個人、団体の国内旅行、海外旅行の企画・販売をはじめ、海外からの訪日旅行を取り扱うため、国内、海外の安全性が損なわれる事態(自然災害、国際テロ、紛争および新興感染症等)が生じた場合や、景況悪化による個人消費の落ち込み、天候や休日の日並びの良否等市場環境の変化などに起因し、経営成績に影響を受ける可能性があります。
2)今後の見通し
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの資金需要は、営業活動については、旅行商品の企画販売にかかる宿泊機関・運輸機関・観光機関等からの仕入、および人件費ならびに販売諸経費等の営業費用が主な内容であります。投資活動については、システム投資をはじめとする設備投資が主な内容であります。
2)財務政策
当社グループは現在、営業活動による資金需要、投資活動による資金需要いずれについても、内部資金により調達しており、借入や社債発行等による外部からの資金調達は行っておらず、有利子負債の金額は僅少であります。
また、当社グループの各社の資金需要については当社が一元管理するとともに、グループ内における資金の効率的活用を図るため、キャッシュマネジメントシステムによる国内子会社の余剰資金の集中および配分を行っております。
なお、当社グループ全体の余剰資金は、親会社である近鉄グループホールディングス株式会社のキャッシュマネジメントシステムに預入を行っております。
3)資金の状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物の残高の状況および今後の資金繰りを検討した結果、令和3年7月31日までは主要取引銀行との間で300億円のコミットメントライン契約を締結しており、また令和3年6月30日を払込期日として「社債型」優先株式による第三者割当増資による400億円の資金調達を予定していることから、当面の事業活動の継続性に懸念はありません。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標(KPI)としては、営業利益および親会社株主に帰属する当期純利益を最も重要な指標と位置付けており、令和3年2月9日に公表した中期経営計画におきましては、事業構造改革に掲げた各施策を確実に実行することにより早期に収支の改善を図り、令和8年3月期には営業利益で130億円、親会社株主に帰属する当期純利益で110億円を計上することを目標としております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、サービス業を中心に企業収益が大幅に悪化するなど、極めて厳しい状況で推移いたしました。
旅行業界におきましては、期を通じて海外旅行および訪日旅行を催行できず、国内旅行についても、令和2年7月にスタートしたGoToトラベルキャンペーンで一時活況を呈したものの、11月下旬に到来した新型コロナウイルスの感染拡大第3波の影響を受け同キャンペーンが縮小・停止されたこともあり、その効果は限定的なものとなりました。
このような状況の下、当社グループは海外旅行および訪日旅行を原則中止としたほか、4月中旬から5月末まで全旅行営業所を休業いたしました。6月に国内旅行の営業を再開した後は、感染症対策に徹底的に取り組んだ「クラブツーリズム ニュースタイル」ツアーやオンラインを駆使した近畿日本ツーリストの「リモート修学旅行」など、コロナ禍でも需要のある安全・安心の旅の販売に注力いたしました。さらに7月以降は、GoToトラベルキャンペーンに呼応し国内旅行の販売に大いに取り組んだため、11月には一時国内個人旅行の売上高が前年同期を上回る状況となりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大第3波の影響により、12月28日にGoToトラベルキャンペーンが全国で停止され、さらに令和3年1月8日に2回目の緊急事態宣言が実施された結果、個人旅行のキャンセル、修学旅行等団体旅行の中止が相次ぎ、非常に厳しい展開となりました。
このような状況から、当社グループは、国や地方自治体から観光に関わる調査業務、姫路城や大河ドラマ館等の運営業務、各種の事務局業務の受託等旅行業以外の収入確保に努めるとともに、人件費、事務所賃料、その他の費用の削減に格段の努力を払いましたが、新型コロナウイルスによる長期の旅行需要消失の影響は甚大なものとなりました。これらにより、海外旅行の売上高は19億27百万円(前年同期比98.7%減)、国内旅行の売上高は641億37百万円(前年同期比69.8%減)、その他事業の売上高は218億24百万円(前年同期比6.3%減)となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、主に受取手形及び営業未収金が増加したものの、現金及び預金、預け金および旅行前払金などの減少により628億17百万円となり、前連結会計年度末に比較して278億13百万円(30.7%)の減少となりました。一方、負債合計は、主に預り金が減少したものの、営業未払金、未払金などの増加により724億71百万円となり、前連結会計年度末に比較して2億66百万円(0.4%)の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により△96億54百万円(前連結会計年度末 184億25百万円)となりました。
この結果、自己資本比率は△15.4%(前連結会計年度末 20.3%)、1株当たり純資産は△354.72円(前連結会計年度末 672.25円)となりました。
b.経営成績
期を通じて新型コロナウイルスによる長期の旅行需要消失の影響は甚大なものがあり、連結売上高は878億89百万円(前年同期比77.2%減)、連結営業損失は270億82百万円(前期 営業損失16億8百万円)、連結経常損失は167億27百万円(前期 経常損失14億15百万円)となり、希望退職の募集等に伴う事業構造改革関連費用、ソフトウエア等の減損による特別損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は284億56百万円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失74億43百万円)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がりや収束時期等を含む仮定について、令和3年4月下旬からの緊急事態宣言の再発出などにより、感染症対策と経済活動の両立を求められる厳しい事業環境は当面続くものと想定し、令和3年度につきましては、インバウンド旅客の入国制限は継続するものの、国内においてワクチンが年度末までに徐々に普及するにつれて、経済活動が緩やかに回復すると仮定しております。
新型コロナウイルス感染症の収束時期は不確実であり、予測が困難ですが、このような仮定を踏まえ、連結財務諸表作成日現在において入手可能な情報に基づき、当連結会計年度における会計上の見積り(繰延税金資産の回収可能性および固定資産減損要否等の検討)を実施しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期に比較して243億95百万円減少し238億5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は241億67百万円の減少(前期は189億16百万円の減少)となりました。これは主に旅行前払金の減少による影響で55億91百万円、未払金の増加による影響で30億59百万円、仕入債務の増加による影響で23億97百万円、助成金の受取額の影響で83億30百万円それぞれ増加したものの、税金等調整前当期純損失の計上で276億74百万円、売上債権の増加による影響で49億95百万円、預り金の減少による影響で49億83百万円それぞれ減少したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は3億1百万円の減少(前期は30億69百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入で4億89百万円、差入保証金の回収による収入で4億94百万円それぞれ増加したものの、固定資産の取得による支出で14億45百万円減少したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は51百万円の減少(前期は41百万円の減少)となりました。これはリース債務の返済による支出で50百万円減少したためであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、旅行業の単一セグメントであり受注生産形態をとらない商品が多いため生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは旅行業の単一セグメントであるため、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容についての記載を省略しております。
① 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、有価証券、減価償却資産、貸倒引当金、繰延税金資産、退職給付に係る資産、賞与引当金および旅行券等引換引当金等の計上について見積りを行っております。
なお、見積りについては、過去の実績や現在の状況等に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
主なものとしては次のとおりであります。
繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積っているため、税制改正や経営環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。)。
繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (税効果会計関係)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (税効果会計関係)」をご覧ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
(売上高と営業損益)
期を通じて新型コロナウイルスによる長期の旅行需要消失の影響は甚大なものがあり、前連結会計年度に比べ、売上高は77.2%減の878億89百万円となりました。販売費及び一般管理費においては給与・賞与等の人件費をはじめとする固定費、販管費全般の削減に努めましたが、営業損失は270億82百万円(前期 営業損失16億8百万円)となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益および営業外費用の純額は103億55百万円の収益超過となり、助成金収入と為替差益の増加により前連結会計年度に比べ101億62百万円の増益となりましたが、当連結会計年度の経常損失は、167億27百万円(前期 経常損失14億15百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の特別利益および特別損失の純額は、特別損失として71億89百万円の事業構造改革関連費用や36億49百万円の減損損失を計上したことにより109億47百万円の損失超過となりました。
また、当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は55百万円、法人税等調整額は7億49百万円であり、非支配株主に帰属する当期純損失を差し引いた当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、284億56百万円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失74億43百万円)の損失となりました。
2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社をとりまく環境としましては、国内における人口減少や高齢化、アジア諸国の経済発展、国を越えた人の動きの活発化等内外の社会構造の変化が旅行業に影響を与えております。また、外資を含めたOTAの事業拡大、国内航空旅行を中心に柔軟に商品価格を変化させるテクノロジーを活用したプライシング機能等の新たなサービスの進化等により事業環境は著しく変化しております。
また、旅行市場は、政府の「観光立国」に向けた政策はあるものの、新型コロナウイルスによる感染症の拡大など旅行需要を激減させる事態が継続しており、今後も混乱が残るものと予想されます。
当社グループは、個人、団体の国内旅行、海外旅行の企画・販売をはじめ、海外からの訪日旅行を取り扱うため、国内、海外の安全性が損なわれる事態(自然災害、国際テロ、紛争および新興感染症等)が生じた場合や、景況悪化による個人消費の落ち込み、天候や休日の日並びの良否等市場環境の変化などに起因し、経営成績に影響を受ける可能性があります。
2)今後の見通し
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの資金需要は、営業活動については、旅行商品の企画販売にかかる宿泊機関・運輸機関・観光機関等からの仕入、および人件費ならびに販売諸経費等の営業費用が主な内容であります。投資活動については、システム投資をはじめとする設備投資が主な内容であります。
2)財務政策
当社グループは現在、営業活動による資金需要、投資活動による資金需要いずれについても、内部資金により調達しており、借入や社債発行等による外部からの資金調達は行っておらず、有利子負債の金額は僅少であります。
また、当社グループの各社の資金需要については当社が一元管理するとともに、グループ内における資金の効率的活用を図るため、キャッシュマネジメントシステムによる国内子会社の余剰資金の集中および配分を行っております。
なお、当社グループ全体の余剰資金は、親会社である近鉄グループホールディングス株式会社のキャッシュマネジメントシステムに預入を行っております。
3)資金の状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物の残高の状況および今後の資金繰りを検討した結果、令和3年7月31日までは主要取引銀行との間で300億円のコミットメントライン契約を締結しており、また令和3年6月30日を払込期日として「社債型」優先株式による第三者割当増資による400億円の資金調達を予定していることから、当面の事業活動の継続性に懸念はありません。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標(KPI)としては、営業利益および親会社株主に帰属する当期純利益を最も重要な指標と位置付けており、令和3年2月9日に公表した中期経営計画におきましては、事業構造改革に掲げた各施策を確実に実行することにより早期に収支の改善を図り、令和8年3月期には営業利益で130億円、親会社株主に帰属する当期純利益で110億円を計上することを目標としております。