半期報告書-第36期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2024/08/14 9:37
【資料】
PDFをみる
【項目】
37項目
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間における経済環境をみると、不安定な世界情勢、国内におけるインフレや円安傾向の継続及び金利先高観の広がりなどの環境の中でも、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)や業務改革、生成AI等を利用した新たなデジタルサービスの創出などITを通じた経営改革への取組みは引き続き旺盛です。また、働き方改革関連法の施行や人手不足への対応の取組みとして生産性・効率性の向上及び企業全体のサプライチェーンの見直し、ESG・SDGsの取組みに関連したITの活用も加速しており、あらゆる業種や領域において活発なIT投資が続いています。個人においては、ECサイト経由での購買、動画やオンラインを活用した娯楽やスポーツ観戦、ネットサービス上での教育、自己啓発などでのITの利用が定着し、これらに関連した様々なサービスが生まれています。
このような状況下、これからの銀行サービスの基盤となる「次世代バンキングシステム」の1行目の銀行における導入が完了するなど、当社の中長期的な成長に資する大型プロジェクトが順調に進行した結果、当社グループの当中間連結会計期間の売上高は32,954百万円(前年同期比16.3%増)、営業利益においては、6,902百万円(同9.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は、4,864百万円(同12.6%増)となりました。
各セグメントの業績(売上高・営業利益)については以下のとおりです。
① ITコンサルティング&サービス事業
フューチャーアーキテクト株式会社(フューチャー株式会社のテクノロジー部門を含む)は、全国30行の地域金融機関に導入している融資支援システム「FutureBANK」に、生成AIを組み込むことで融資支援業務の効率化を図る実証実験を開始したほか、物流センターの入出庫業務における検品作業を当社開発のAI-OCR「Future EdgeAI」を利用することで省人化と業務効率化を実現するなど、当社のAI技術を活用した業界の課題解決に資するソリューションを提供しました。そのほか、顧客のDXを推進し、業務効率化を実現するプロジェクトをはじめ、多種多様な顧客の案件を獲得、推進しました。当社の中長期的な成長に資する、知財を活用した案件については、「次世代バンキングシステム」導入プロジェクトが、1行目は2024年7月16日に安定稼働を開始し、2行目は開発・テストフェーズが順調に推移しております。加えて、メディア向けCMS(Contents Management System)「GlyphFeeds」の導入プロジェクト、アパレル向け基幹プラットフォームシステム「FutureApparel」の導入プロジェクトなどが順調に進捗しております。これらの結果、前年同期比で増収増益となりました。
フューチャーインスペース株式会社は、定常的な保守運用サービスに加え、既存顧客のシステム基盤更改及びクラウド移行案件の開発が好調に推移し、前年同期比で増収増益となりました。
FutureOne株式会社は、強みであるオリジナルのパッケージソフトウェア「InfiniOne」の販売において、鉄鋼業など業界特化型の営業展開による新規受注が増加したものの、大型の開発案件がピークアウトした影響により、前年同期比で減収減益となりました。
株式会社ワイ・ディ・シーは、製造業を中心とした顧客に対して、DXコンサルティング等を通じたデータ活用による工場マネジメントのデジタル化を実現する「Smart Factory」構築の牽引に加え、DX案件実行を通じた顧客への価値訴求が売上増に寄与したものの、人的資産も含めた積極的な投資を反映した採用コスト増やソフトウェアの償却負担増などが影響し、前年同期比で増収減益となりました。
株式会社ディアイティは、サイバー防御演習やセキュリティコンサルティング等のセキュリティサービスの売上が増加している一方で、製品販売の受注減少や、広告宣伝及び採用への積極的な投資によるコスト増により、前年同期比で減収減益となりました。
株式会社リヴァンプは、プライベートエクイティファンドや経営者の実務を支援する経営マーケティング事業において、既存案件に加えてヘルスケア分野の案件を新規受注するなど、業績は堅調に推移しています。基幹システム刷新や全社構造改革のコンサルティングを行うDX事業は、概ね計画通り進捗しています。なお、当社は、株式会社リヴァンプの損益を当第2四半期連結会計期間から取り込んでおります。
この結果、本セグメントの売上高は28,436百万円(前年同期比16.4%増)、営業利益は6,719百万円(同2.0%増)と増収増益となりました。
② ビジネスイノベーション事業
株式会社YOCABITOは、アウトドアやアパレル市場における厳しい競争が続く中で前年同期比で減収となったものの、仕入から商品掲載、EC販売までを一気通貫で管理する体制に変更し、単品ごとの戦略売価設定や販売促進施策の推進により粗利率が改善したことから、営業損失額は減少しました。
東京カレンダー株式会社は、メディア事業における広告売上及び「東カレデート」等のネットサービス収入が堅調に推移したことに加え、コスト改善施策を進めたことにより、前年同期比で増収増益となりました。
ライブリッツ株式会社は、スポーツチーム向けの会員管理・ECパッケージ「FastBiz」の複数チームへの導入案件が順調に開発フェーズへ推移したことに加え、esports事業のビジネス案件を受注したことから、前年同期比で増収増益となりました。
株式会社キュリオシティは、ジュエリー、腕時計など海外ラグジュアリーブランドの複数の大型ストアデザインの順調な進捗などを背景に、売上・収益ともに堅調に推移しています。同社は前第2四半期連結会計期間から新規に連結しており、当連結会計年度より業績が通期寄与します。
この結果、本セグメントの売上高は4,535百万円(前年同期比14.2%増)、営業利益は245百万円(前年同期は営業損失310百万円)となり、前年同期比で増収増益となりました。
なお、報告セグメントにおけるフューチャー株式会社の持株会社機能の収益並びに費用及びセグメント間の取引消去を計上する「調整額」の営業損失が34百万円となり、前年同期比で100百万円の減益(前年同期は営業利益66百万円)となりました。これは、主にフューチャー株式会社が株式会社リヴァンプの株式取得関連費用を計上したことによるものです。
(注)上記のセグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高又は振替高を調整前の金額で記載しております。
(2) 財政状態の状況
当中間連結会計期間末の総資産は89,057百万円となり、前連結会計年度末に比べ23,013百万円増加しました。その主な要因は、株式会社リヴァンプ及びその連結子会社1社並びに持分法適用関連会社1社を連結の範囲に含めたことに伴い、のれんの増加(前連結会計年度末比+10,540百万円)及び顧客関連資産の増加(同+10,429百万円)等によるものです。
負債は36,922百万円となり、前連結会計年度末に比べ22,265百万円増加しました。その主な要因は、株式会社リヴァンプの全株式取得のための資金調達により、1年内返済予定の長期借入金が増加(前連結会計年度末比+2,856百万円)、長期借入金が増加(同+16,429百万円)したこと等によるものです。
純資産は52,135百万円となり、前連結会計年度末に比べて748百万円増加しました。その主な要因は、利益の積み上げ等により利益剰余金が増加(前連結会計年度末比+3,092百万円)した一方で、保有株式の市場価格の下落によりその他有価証券評価差額金が減少(同△2,432百万円)したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は31,760百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,544百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益7,215百万円や減価償却費767百万円の計上があった一方で、その他の負債の減少額1,691百万円等により、6,068百万円の収入(前年同期は1,591百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出19,021百万円があったこと等により、19,817百万円の支出(前年同期は2,412百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額1,771百万円、長期借入れによる収入20,000百万円等により、17,191百万円の収入(前年同期は1,988百万円の支出)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費は600百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。