有価証券報告書-第36期(2024/01/01-2024/12/31)
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年3月26日)現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の連結業績は、
となりました。
当連結会計年度における経済環境をみると、不安定な世界情勢、国内外における物価上昇継続といった環境の中でも、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)や業務改革、生成AI等を利用した新たなデジタルサービスの創出などITを通じた経営改革への取組みは引き続き旺盛です。
また、恒常的な人手不足への対応の取組みとして生産性・効率性の向上、BCP(事業継続計画)の観点からの企業全体のサプライチェーンの見直し、ESG・SDGsの取組みに関連したITの活用も加速しており、あらゆる業種や領域において活発なIT投資が続いています。
このような状況下、これからの銀行サービスの基盤となる「次世代バンキングシステム」の1行目における導入が完了するなど、当社の中長期的な成長に資する大型プロジェクトが順調に進行した結果、当社グループの当連結会計年度においては、売上高及び営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で増収増益となりました。
各セグメントの業績(売上高・営業利益)については以下のとおりとなります。
① ITコンサルティング&サービス事業
フューチャーアーキテクト株式会社(フューチャー株式会社のテクノロジー部門を含む)は、次世代バンキングシステム、FutureBANK、食品卸向けシステム等の当社知財を、金融、流通業界の各業界において展開することで新規顧客の案件を獲得、推進したほか、顧客の経営改革を支える基幹システム、データ基盤の構築支援等、顧客のDX及び経営改革を実現するプロジェクトをはじめ、多種多様な顧客の案件を獲得、推進しました。中長期的な成長に資する、当社知財を活用した案件については、「次世代バンキングシステム」導入プロジェクトが、2024年7月16日に安定稼働を開始し、システム利用等に係るライセンス料を計上いたしました。2行目については開発・テストフェーズが順調に進捗しております。加えて、メディア向けCMS(Contents Management System)「GlyphFeeds」の導入プロジェクト、アパレル向け基幹プラットフォームシステム「FutureApparel」の導入プロジェクトのほか、政府が主導する医療DXに関連するシステム構築のプロジェクトなどが順調に進捗しております。これらの結果、前期比で増収増益となりました。
フューチャーインスペース株式会社は、定常的な保守運用サービスに加え、既存顧客のシステム基盤更改及びクラウド移行案件の開発が引き続き好調に推移し、前期比で増収増益となりました。
FutureOne株式会社は、強みであるオリジナルのパッケージソフトウェア「InfiniOne」の販売において、鉄鋼業など業界特化型の営業展開による新規受注が増加したことにより、前期比で増収増益となりました。
フューチャーアーティザン株式会社は、製造業を中心とした顧客に対して、DXコンサルティング等を通じたデータ活用による工場マネジメントのデジタル化を実現する「Smart Factory」構築に加え、DX案件実行を通じた顧客への価値訴求が売上に寄与したものの、大型のコンサルティング案件のピークアウトや人的資産も含めた積極的な投資を反映した採用コスト増、ソフトウェアの償却負担増などが影響し、前期比で減収減益となりました。
フューチャーセキュアウェイブ株式会社は、サイバー防御演習等の従来のサービスに加えて、医療分野でのセキュリティコンサルティングサービスを開始し、地域の基幹病院の案件を受注するなど新規取引が増加しました。一方で、セキュリティ関連商材の販売が減少したことにより、前期比で減収減益となりました。
株式会社リヴァンプは、プライベートエクイティファンドや経営者の実務を支援する経営マーケティング事業において、ヘルスケア分野の案件を新規受注いたしました。同事業及び基幹システム刷新や全社構造改革のコンサルティングを行うDX事業は、ともに計画通りの業績となりました。なお、当社グループは、株式会社リヴァンプの損益を第2四半期連結会計期間から取り込んでおります。
この結果、本セグメントの売上高は60,881百万円(前期比19.8%増)、営業利益は14,538百万円(同6.1%増)と増収増益となりました。
② ビジネスイノベーション事業
株式会社YOCABITOは、仕入、商品掲載、EC販売を一気通貫で推進する施策や、単品単位でのコスト・利益を管理する等の事業構造改革に努めているものの、アウトドア用品の市場が依然厳しい競争環境にあることに加え、アパレル及びスポーツ・フィットネス用品の売上も伸び悩んだ結果、前期比で減収、営業利益は前期に引き続き営業赤字となりました。
東京カレンダー株式会社は、コンテンツ事業における広告売上及び「東カレデート」等のネットサービス収入が堅調に推移したことにより、前期比で増収増益となりました。
ライブリッツ株式会社は、プロ野球球団をはじめとする各種スポーツ団体や、建設業、テーマパークなどの顧客のIT投資が増加したことに加え、プロ野球の最先端技術を体験できる「デジタル野球教室」の開催などの新たな取組みにより前期比で増収となりましたが、esportsなど新規事業の立ち上げへ積極的な投資を行ったことによりコストが増加したため、営業利益は前年並みとなりました。
株式会社キュリオシティは、ジュエリー、腕時計など海外ラグジュアリーブランドの複数の大型ストアデザインの順調な進捗などを背景に、売上・収益ともに堅調に推移しています。同社は前第2四半期連結会計期間から新規に連結しており、当連結会計年度より業績が通期寄与しました。
この結果、本セグメントの売上高は9,041百万円(前期比7.8%増)、営業利益は381百万円(前期は営業損失144百万円)となり、前期比で増収増益となりました。
なお、報告セグメントにおけるフューチャー株式会社の持株会社機能の収益並びに費用及びセグメント間の取引消去を計上する「調整額」の営業損失が119百万円となり、前期比で382百万円の減益(前期は営業利益263百万円)となりました。これは、主に、フューチャー株式会社が株式会社リヴァンプの株式取得関連費用を計上したことによるものです 。
(注) 上記のセグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高又は振替高を調整前の金額で記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当連結会計年度の財政状態の分析は、以下のとおりです。
① 資産
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ6,549百万円増加の50,787百万円、固定資産は19,455百万円増加の41,261百万円、総資産は26,004百万円増加の92,048百万円となりました。その主な要因は、利益の増加により現金及び預金が増加(前連結会計年度末比+4,359百万円)したことや、受取手形、売掛金及び契約資産の増加(同+5,012百万円)、株式会社リヴァンプ及びその連結子会社1社並びに持分法適用関連会社1社を連結の範囲に含めたことに伴い、のれんの増加(同+10,084百万円)及び顧客関連資産の増加(同+9,892百万円)したこと等によるものです。
② 負債
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ5,031百万円増加の15,874百万円、固定負債は16,871百万円増加の20,685百万円、負債合計は21,902百万円増加の36,559百万円となりました。その主な要因は、株式会社リヴァンプの全株式取得のための資金調達により、1年内返済予定の長期借入金が増加(前連結会計年度末比+2,856百万円)、長期借入金が増加(同+15,000百万円)したこと等によるものです。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4,102百万円増加し、55,489百万円となりました。その主な要因は、保有株式の市場価格の下落によりその他有価証券評価差額金が減少(前連結会計年度末比△2,678百万円)した一方で、利益剰余金が増加(同+6,689百万円)したこと等によるものです。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は以下のとおりです。
当社グループでは、企業価値の持続的な向上のためには、事業の「稼ぐ力」の指標である営業利益に最も注目し、加えて、売上高営業利益率の上昇を目標としております。
具体的には、他社との差異化を図り、成長を維持するために必要な「研究開発」、「教育・研修」及び「採用」などの戦略的投資項目には重点的に経営資源を配分しつつ、ITコンサルティング&サービス事業に関しては、売上高営業利益率20%以上を目指すとともに、ビジネスイノベーション事業に関しては、売上高営業利益率10%以上を目指すこととしています。
当連結会計年度においては、連結の営業利益は+14,667百万円となり、前期比で7.1%増加しました。売上高営業利益率は、ITコンサルティング&サービス事業で23.9%(前期は27.0%)となり、ビジネスイノベーション事業は4.2%(前期は△1.7%)となりました。連結の営業利益率は、21.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益14,999百万円の計上や減価償却費2,033百万円及びのれん償却額731百万円による資金留保等から法人税等の支払額1,629百万円等を差し引き、営業活動によるキャッシュ・フローは全体で10,683百万円の収入(前連結会計年度は7,568百万円の収入)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資有価証券の売却による収入802百万円があった一方、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出19,021百万円や無形固定資産の取得による支出752百万円があったこと等から、投資活動によるキャッシュ・フローは全体で20,406百万円の支出(前連結会計年度は3,029百万円の支出)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
配当金の支払額3,632百万円等があった一方、長期借入れによる収入20,000百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、13,812百万円の収入(前連結会計年度は3,898百万円の支出)となりました。
④ 現金及び現金同等物の期末残高
これら営業活動、投資活動、財務活動による現金及び現金同等物の増加額は4,159百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は32,374百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。
① 資金需要
当社グループの運転資金需要は、主に従業員の給料や賞与やパートナー会社への外注費であり、その他に採用費や研修費など人材獲得や教育に関する費用、オフィスの賃貸料及び一般管理費等があります。また、投資資金需要としては、M&Aに必要な資金、販売目的や自社利用のためのソフトウェアの制作のための資金及びAI等の最先端技術の研究開発のための資金があります。
② 財務政策
当社グループにおきましては、①の運転資金や投資資金の需要に対して、安定した営業キャッシュ・フローを反映した自己資金でまかなうことを原則としています。将来的にM&A等により大型の投資資金が必要となった場合は、財務健全性を考慮しながら借入を行うことも検討してまいります。
(3) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、ITコンサルティング&サービス事業については原価及びハードウェア等調達品の仕入価格、ビジネスイノベーション事業については原価及び商品仕入価格によっております。
② 受注実績
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.受注高には為替レート変動に伴う金額調整分を含めております。
③ 販売実績
(注) 金額は、セグメント間の内部売上高又は振替高を除いた外部顧客に対する売上高によっております。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年3月26日)現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の連結業績は、
売上高 | 69,878 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 17.8%増) |
営業利益 | 14,667 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 7.1%増) |
経常利益 | 14,951 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 6.1%増) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 10,322 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 11.9%増) |
となりました。
当連結会計年度における経済環境をみると、不安定な世界情勢、国内外における物価上昇継続といった環境の中でも、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)や業務改革、生成AI等を利用した新たなデジタルサービスの創出などITを通じた経営改革への取組みは引き続き旺盛です。
また、恒常的な人手不足への対応の取組みとして生産性・効率性の向上、BCP(事業継続計画)の観点からの企業全体のサプライチェーンの見直し、ESG・SDGsの取組みに関連したITの活用も加速しており、あらゆる業種や領域において活発なIT投資が続いています。
このような状況下、これからの銀行サービスの基盤となる「次世代バンキングシステム」の1行目における導入が完了するなど、当社の中長期的な成長に資する大型プロジェクトが順調に進行した結果、当社グループの当連結会計年度においては、売上高及び営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で増収増益となりました。
各セグメントの業績(売上高・営業利益)については以下のとおりとなります。
① ITコンサルティング&サービス事業
フューチャーアーキテクト株式会社(フューチャー株式会社のテクノロジー部門を含む)は、次世代バンキングシステム、FutureBANK、食品卸向けシステム等の当社知財を、金融、流通業界の各業界において展開することで新規顧客の案件を獲得、推進したほか、顧客の経営改革を支える基幹システム、データ基盤の構築支援等、顧客のDX及び経営改革を実現するプロジェクトをはじめ、多種多様な顧客の案件を獲得、推進しました。中長期的な成長に資する、当社知財を活用した案件については、「次世代バンキングシステム」導入プロジェクトが、2024年7月16日に安定稼働を開始し、システム利用等に係るライセンス料を計上いたしました。2行目については開発・テストフェーズが順調に進捗しております。加えて、メディア向けCMS(Contents Management System)「GlyphFeeds」の導入プロジェクト、アパレル向け基幹プラットフォームシステム「FutureApparel」の導入プロジェクトのほか、政府が主導する医療DXに関連するシステム構築のプロジェクトなどが順調に進捗しております。これらの結果、前期比で増収増益となりました。
フューチャーインスペース株式会社は、定常的な保守運用サービスに加え、既存顧客のシステム基盤更改及びクラウド移行案件の開発が引き続き好調に推移し、前期比で増収増益となりました。
FutureOne株式会社は、強みであるオリジナルのパッケージソフトウェア「InfiniOne」の販売において、鉄鋼業など業界特化型の営業展開による新規受注が増加したことにより、前期比で増収増益となりました。
フューチャーアーティザン株式会社は、製造業を中心とした顧客に対して、DXコンサルティング等を通じたデータ活用による工場マネジメントのデジタル化を実現する「Smart Factory」構築に加え、DX案件実行を通じた顧客への価値訴求が売上に寄与したものの、大型のコンサルティング案件のピークアウトや人的資産も含めた積極的な投資を反映した採用コスト増、ソフトウェアの償却負担増などが影響し、前期比で減収減益となりました。
フューチャーセキュアウェイブ株式会社は、サイバー防御演習等の従来のサービスに加えて、医療分野でのセキュリティコンサルティングサービスを開始し、地域の基幹病院の案件を受注するなど新規取引が増加しました。一方で、セキュリティ関連商材の販売が減少したことにより、前期比で減収減益となりました。
株式会社リヴァンプは、プライベートエクイティファンドや経営者の実務を支援する経営マーケティング事業において、ヘルスケア分野の案件を新規受注いたしました。同事業及び基幹システム刷新や全社構造改革のコンサルティングを行うDX事業は、ともに計画通りの業績となりました。なお、当社グループは、株式会社リヴァンプの損益を第2四半期連結会計期間から取り込んでおります。
この結果、本セグメントの売上高は60,881百万円(前期比19.8%増)、営業利益は14,538百万円(同6.1%増)と増収増益となりました。
② ビジネスイノベーション事業
株式会社YOCABITOは、仕入、商品掲載、EC販売を一気通貫で推進する施策や、単品単位でのコスト・利益を管理する等の事業構造改革に努めているものの、アウトドア用品の市場が依然厳しい競争環境にあることに加え、アパレル及びスポーツ・フィットネス用品の売上も伸び悩んだ結果、前期比で減収、営業利益は前期に引き続き営業赤字となりました。
東京カレンダー株式会社は、コンテンツ事業における広告売上及び「東カレデート」等のネットサービス収入が堅調に推移したことにより、前期比で増収増益となりました。
ライブリッツ株式会社は、プロ野球球団をはじめとする各種スポーツ団体や、建設業、テーマパークなどの顧客のIT投資が増加したことに加え、プロ野球の最先端技術を体験できる「デジタル野球教室」の開催などの新たな取組みにより前期比で増収となりましたが、esportsなど新規事業の立ち上げへ積極的な投資を行ったことによりコストが増加したため、営業利益は前年並みとなりました。
株式会社キュリオシティは、ジュエリー、腕時計など海外ラグジュアリーブランドの複数の大型ストアデザインの順調な進捗などを背景に、売上・収益ともに堅調に推移しています。同社は前第2四半期連結会計期間から新規に連結しており、当連結会計年度より業績が通期寄与しました。
この結果、本セグメントの売上高は9,041百万円(前期比7.8%増)、営業利益は381百万円(前期は営業損失144百万円)となり、前期比で増収増益となりました。
なお、報告セグメントにおけるフューチャー株式会社の持株会社機能の収益並びに費用及びセグメント間の取引消去を計上する「調整額」の営業損失が119百万円となり、前期比で382百万円の減益(前期は営業利益263百万円)となりました。これは、主に、フューチャー株式会社が株式会社リヴァンプの株式取得関連費用を計上したことによるものです 。
(注) 上記のセグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高又は振替高を調整前の金額で記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当連結会計年度の財政状態の分析は、以下のとおりです。
① 資産
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ6,549百万円増加の50,787百万円、固定資産は19,455百万円増加の41,261百万円、総資産は26,004百万円増加の92,048百万円となりました。その主な要因は、利益の増加により現金及び預金が増加(前連結会計年度末比+4,359百万円)したことや、受取手形、売掛金及び契約資産の増加(同+5,012百万円)、株式会社リヴァンプ及びその連結子会社1社並びに持分法適用関連会社1社を連結の範囲に含めたことに伴い、のれんの増加(同+10,084百万円)及び顧客関連資産の増加(同+9,892百万円)したこと等によるものです。
② 負債
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ5,031百万円増加の15,874百万円、固定負債は16,871百万円増加の20,685百万円、負債合計は21,902百万円増加の36,559百万円となりました。その主な要因は、株式会社リヴァンプの全株式取得のための資金調達により、1年内返済予定の長期借入金が増加(前連結会計年度末比+2,856百万円)、長期借入金が増加(同+15,000百万円)したこと等によるものです。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4,102百万円増加し、55,489百万円となりました。その主な要因は、保有株式の市場価格の下落によりその他有価証券評価差額金が減少(前連結会計年度末比△2,678百万円)した一方で、利益剰余金が増加(同+6,689百万円)したこと等によるものです。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は以下のとおりです。
当社グループでは、企業価値の持続的な向上のためには、事業の「稼ぐ力」の指標である営業利益に最も注目し、加えて、売上高営業利益率の上昇を目標としております。
具体的には、他社との差異化を図り、成長を維持するために必要な「研究開発」、「教育・研修」及び「採用」などの戦略的投資項目には重点的に経営資源を配分しつつ、ITコンサルティング&サービス事業に関しては、売上高営業利益率20%以上を目指すとともに、ビジネスイノベーション事業に関しては、売上高営業利益率10%以上を目指すこととしています。
当連結会計年度においては、連結の営業利益は+14,667百万円となり、前期比で7.1%増加しました。売上高営業利益率は、ITコンサルティング&サービス事業で23.9%(前期は27.0%)となり、ビジネスイノベーション事業は4.2%(前期は△1.7%)となりました。連結の営業利益率は、21.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益14,999百万円の計上や減価償却費2,033百万円及びのれん償却額731百万円による資金留保等から法人税等の支払額1,629百万円等を差し引き、営業活動によるキャッシュ・フローは全体で10,683百万円の収入(前連結会計年度は7,568百万円の収入)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資有価証券の売却による収入802百万円があった一方、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出19,021百万円や無形固定資産の取得による支出752百万円があったこと等から、投資活動によるキャッシュ・フローは全体で20,406百万円の支出(前連結会計年度は3,029百万円の支出)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
配当金の支払額3,632百万円等があった一方、長期借入れによる収入20,000百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、13,812百万円の収入(前連結会計年度は3,898百万円の支出)となりました。
④ 現金及び現金同等物の期末残高
これら営業活動、投資活動、財務活動による現金及び現金同等物の増加額は4,159百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は32,374百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。
① 資金需要
当社グループの運転資金需要は、主に従業員の給料や賞与やパートナー会社への外注費であり、その他に採用費や研修費など人材獲得や教育に関する費用、オフィスの賃貸料及び一般管理費等があります。また、投資資金需要としては、M&Aに必要な資金、販売目的や自社利用のためのソフトウェアの制作のための資金及びAI等の最先端技術の研究開発のための資金があります。
② 財務政策
当社グループにおきましては、①の運転資金や投資資金の需要に対して、安定した営業キャッシュ・フローを反映した自己資金でまかなうことを原則としています。将来的にM&A等により大型の投資資金が必要となった場合は、財務健全性を考慮しながら借入を行うことも検討してまいります。
(3) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 前期比(%) |
ITコンサルティング&サービス事業(百万円) | 29,722 | +19.6 |
ビジネスイノベーション事業(百万円) | 5,860 | △4.3 |
その他(百万円) | 594 | △19.0 |
合計(百万円) | 36,177 | +14.1 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、ITコンサルティング&サービス事業については原価及びハードウェア等調達品の仕入価格、ビジネスイノベーション事業については原価及び商品仕入価格によっております。
② 受注実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |||
受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) | |
ITコンサルティング&サービス事業 | 60,969 | +14.4 | 16,834 | +1.0 |
ビジネスイノベーション事業 | 4,271 | △10.0 | 900 | △43.5 |
合計 | 65,240 | +12.4 | 17,734 | △2.9 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.受注高には為替レート変動に伴う金額調整分を含めております。
③ 販売実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 前期比(%) |
ITコンサルティング&サービス事業(百万円) | 60,798 | +19.8 |
ビジネスイノベーション事業(百万円) | 8,895 | +7.7 |
その他(百万円) | 185 | △41.1 |
合計(百万円) | 69,878 | +17.8 |
(注) 金額は、セグメント間の内部売上高又は振替高を除いた外部顧客に対する売上高によっております。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。