有価証券報告書-第32期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
1.経営成績等の状況の概要
(1) 経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度の連結業績は、
となりました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、不確実性の高い経済環境が続きました。ITコンサルティング&サービス事業においては、一部顧客によるIT投資の抑制、延期等が見られたほか、一部のプロジェクトにおいて納期の遅れによるコスト増加が発生したことなどから、売上高・営業利益はともに、前年同期比で減少しました。一方、ビジネスイノベーション事業においては、室内でのトレーニング需要や、オンライン教育の拡大といった、新たな生活様式への移行に伴う顧客ニーズの変化に対応したことなどから、各社ともに増収増益となり、売上高・営業利益ともに、前年同期比で大幅に増加しました。この結果、連結の売上高・営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比で減少となりました。
① ITコンサルティング&サービス事業
フューチャーアーキテクト株式会社(フューチャー株式会社のテクノロジー部門を含む)は、業務改革を推進する顧客からのグランドデザイン、「2025年の崖」を意識した様々な業界からの基幹刷新等の受注が堅調に推移しましたが、一部顧客の投資の抑制やプロジェクト開始の延期等により、売上高は減少しました。また、一部難度の高い既存プロジェクトのクロージングに際し、納期の遅れやテスト費用等でコストが増加したことなどから、営業利益は減少しました。
フューチャーインスペース株式会社は、フューチャーアーキテクト株式会社との連携により、同社が構築したプロジェクトの保守・運用案件がほぼ横ばいで推移したものの、人財強化の観点で採用を積極化したことなどでコストが増加し、前年同期比で売上高・営業利益ともに減少しました。
株式会社ワイ・ディ・シーは、投資意欲の高いメーカーからの受注獲得に加え、製造業の品質情報の統合・解析を行う自社ソフトウェア「YDC SONAR」の販売が好調に推移したことで、売上高が前年同期比で増加しました。また、当社グループシステムの導入による採算管理の高度化等により、営業利益は大幅に増加しました。
FutureOne株式会社は、一部の大型プロジェクトにおける納期の遅れへの対応を最優先に行い、当初計画を上回る人員の投入を行ったことから、売上高・営業利益ともに前年同期比で大幅に減少しました。
株式会社ディアイティは、脆弱性診断等のセキュリティ関連サービスが好調に推移したほか、ICT環境整備のためのネットワーク構築関連の受注を獲得したことで、売上高・営業利益ともに前年同期比で大幅に増加しました。
この結果、本セグメントの売上高は35,488百万円(前年同期比5.1%減)、営業利益は4,900百万円(前年同期比21.7%減)となり、売上高・営業利益とも減少しました。
② ビジネスイノベーション事業
株式会社eSPORTSは、新型コロナウイルス感染症拡大による室内でのトレーニング需要増加により、トレーニングギアの売上が伸長したほか、新しい生活様式や余暇の過ごし方の変化にクイックに対応し、ソロキャンプ等の屋外アクティビティ需要も取り込んだことで、売上高が前年同期比で増加しました。また、好調カテゴリにおけるPB商品の強化が寄与し、営業利益は前年同期比で大幅に増加しました。
東京カレンダー株式会社は、広告売上は大幅に減少したものの、「東カレデート」等のネットサービスが成長したことに加え、名店のシェフの味が学べるオンライン料理教室「東カレキッチン」などの新たな取り組みが好調だったことにより、売上高が前年同期を上回りました。これにより、営業損益は前年同期の赤字から、黒字へ転換しました。
コードキャンプ株式会社は、新型コロナウイルス感染症拡大により、個人の自宅学習や、法人のオンライン研修のニーズが飛躍的に増加したことを背景に、売上高・営業利益ともに、前年同期比で増加しました。
ライブリッツ株式会社は、プロ野球球団向けシステム提供が安定的に推移したほか、プロ野球球団のファンサイト運営やコラボ商品の販売が好調だったこと、また地域創生事業が売上に貢献したことなどから、売上高・営業利益ともに前年同期比で増加しました。
この結果、本セグメントの売上高は8,908百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益は462百万円(前年同期比1,642.6%増)となり、売上高・営業利益ともに大きく増加しました。
(注)上記のセグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高または振替高を調整前の金額で記載しております。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度の財政状態の分析は、以下のとおりです。
①資産
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,710百万円増加の26,436百万円、固定資産は9,073百万円増加の23,387百万円、総資産は10,784百万円増加の49,823百万円となりました。その主な要因は、保有株式の市場価格の上昇により投資有価証券(前連結会計年度末比+9,652百万円)が増加したことや、有価証券(同+1,000百万円)、受取手形及び売掛金(同+797百万円)が増加した一方で、仕掛品(同△335百万円)や顧客関連資産(同△208百万円)が減少したこと等によるものです。
②負債
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ75百万円減少の6,476百万円、固定負債は2,927百万円増加の5,117百万円、負債合計は2,851百万円増加の11,594百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券の市場価格上昇に伴って繰延税金負債(前連結会計年度末比+2,979百万円)が増加したことや、その他流動負債(同+554百万円)が増加した一方で、買掛金(同△276百万円)やプロジェクト損失引当金(同△241百万円)が減少したこと等によるものです。
③純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7,932百万円増加し、38,228百万円となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金(前連結会計年度末比+6,631百万円)や、利益剰余金(同+1,918百万円)が増加したこと等によるものです。
なお、当社は、2020年3月25日開催の第31期定時株主総会の決議に基づき、2020年3月26日を効力発生日として、資本準備金を2,495百万円、その他資本剰余金を29百万円、その他利益剰余金を53百万円減少させ、全額を資本金に組み入れました。この結果、当連結会計年度末において、資本金の額は4,000百万円となります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下の通りです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益5,530百万円や減価償却費1,102百万円の計上等がありましたが、法人税等の支払額1,718百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは、4,452百万円の収入(前連結会計年度は5,002百万円の収入)となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
無形固定資産の取得による支出433百万円、有形固定資産の取得による支出121百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは、666百万円の支出(前連結会計年度は1,856百万円の支出)となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
配当金の支払額1,822百万円、自己株式の取得による支出758百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、2,708百万円の支出(前連結会計年度は2,118百万円の支出)となりました。
④現金及び現金同等物の期末残高
これら営業活動、投資活動、財務活動による現金及び現金同等物の増加額は1,080百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は16,010百万円となりました。
(4) 生産、受注及び販売の実績
①生産実績
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、ITコンサルティング&サービス事業については原価及びハードウェア等調達品の仕入価格、ビジネスイノベーション事業については原価及び商品仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
②受注実績
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.受注高には為替レート変動に伴う金額調整分を含めております。
3.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
③販売実績
(注)1.金額は、セグメント間の内部売上高又は振替高を除いた外部顧客に対する売上高によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中における将来に関する記載については、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針や見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
①重要な資産の評価基準及び評価方法
当社グループは戦略的投資を実施する場合がありますが、その他有価証券のうち時価のあるものについては、期末日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)により、時価のないものについては、移動平均法による原価法により評価しています。
その他有価証券のうち時価のあるものについては、時価の変動により貸借対照表価額が変動するため、その結果、純資産額が増減します。
また、その他有価証券については、時価又は実質価額が著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価又は実質価額まで減損処理を行います。将来、株式相場の下落及び投資先企業の業績不振等により時価又は実質価額が下落し、回復する見込みがあると認められない場合には、追加的に減損処理を行う可能性があります。
②重要な減価償却資産の減価償却の方法
当社グループは、クラウドサービスのような顧客へのサービス提供、及び社内の経営情報の充実化・業務効率化等のため、自社利用のソフトウェアの開発・導入を行う場合やパッケージ製品等の市場販売目的のソフトウェアの開発を行う場合に、その開発コストをソフトウェアとして無形固定資産に計上する場合があります。
その場合、自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法(ただし、サービス提供目的のソフトウェアは、5年以内の見込収益獲得期間に基づく定額法)により減価償却を実施し、市場販売目的のソフトウェアについては見込販売収益に基づく償却額と見込販売可能有効期間(3年)に基づく定額法のいずれか大きい額を償却する方法により減価償却を実施しています。しかし、将来、事業環境等の大幅な変化がある場合には、回収可能額を見直すことにより、損失を計上する可能性があります。
③重要な引当金の計上基準
(貸倒引当金)
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(品質保証引当金)
当社グループが顧客に提供するITコンサルティングサービス及びシステム開発業務は、契約時ないし決算時には予見不能な問題解決のための役務の提供が売上計上後に不可避的に発生するケースがあります。当社グループが提供するサービスに関して、顧客に満足していただける品質水準を保証するため、この役務提供を無償で実施する場合があります。そこで、売上計上後の追加原価の発生に備えるため、過去の実績に基づき算出した発生見積額を品質保証引当金として計上しています。なお、当連結会計年度末においてこの品質保証引当金を61百万円計上しています。
(プロジェクト損失引当金)
当社グループが顧客に提供するITコンサルティングサービス及びシステム開発業務は、契約時には予見不能な問題解決のための役務の提供が不可避的に発生するケースがあります。そこで、将来の損失に備えるため、進行中のプロジェクトのうち当連結会計年度末において損失が発生すると見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることが可能なものについては、翌連結会計年度以降の損失見積額をプロジェクト損失引当金として計上しております。なお、当連結会計年度末においてこのプロジェクト損失引当金を13百万円計上しています。
(賞与引当金)
当社グループの連結子会社において、従業員に対して支給する賞与の支払に充てるため、当連結会計年度に負担すべき支給見込額を計上しております。
④売上高及び売上原価の計上方法
当社グループは、ITコンサルティングサービス売上及び売上原価の計上に関して、成果の確実性が認められるプロジェクトについては進行基準(進捗度の見積りは原価比例法)を、その他のプロジェクトについては完成基準を適用しています。
工事進行基準の採用に当たっては、プロジェクト別原価の見積りが合理的に可能であることが前提であり、契約時に慎重に総原価を見積った上で、プロジェクト開始後も見積りと実績の比較を行い、適時かつ適切に総原価の見直しを行うことで、売上計上時において相応の見積精度があると判断していますが、今後とも見積精度の向上に努める方針です。
⑤繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、税制の変更や事業環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
なお、繰延税金資産の詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご参照下さい。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
1)経営成績
①売上高
当連結会計年度の売上高は、44,311百万円(前連結会計年度比△1,078百万円、2.4%減少)となりました。セグメント別の売上高の詳細は、「1.経営成績等の状況の概要(1)経営成績の状況」をご参照下さい。
②売上原価及び売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、26,245百万円(前連結会計年度比△226百万円、0.9%減少)となりました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は18,065百万円(前連結会計年度比△852百万円、4.5%減少)となりました。
③販売費及び一般管理費並びに営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、給料及び賞与や研究開発費等の増加により12,830百万円(前連結会計年度比+436百万円、3.5%増加)となり、当連結会計年度の売上高販管費率は前連結会計年度の27.3%から29.0%に増加しました。
その結果、当連結会計年度の営業利益は、5,235百万円(前連結会計年度比△1,288百万円、19.8%減少)となりました。当連結会計年度の売上高営業利益率は前連結会計年度の14.4%から11.8%となりました。セグメント別の営業利益の詳細は、「1.経営成績等の状況の概要(1)経営成績の状況」をご参照下さい。
④営業外損益及び経常利益
受取配当金184百万円等により、営業外収益203百万円を計上した一方、持分法による投資損失等により営業外費用0百万円を計上した結果、当連結会計年度の経常利益は5,438百万円(前連結会計年度比△1,272百万円、19.0%減少)となりました。
⑤特別損益、税金等調整前当期純利益、及び親会社株主に帰属する当期純利益
投資有価証券売却益により特別利益を93百万円を計上した一方、持分変動損失により特別損失0百万円を計上した結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は5,530百万円(前連結会計年度比△947百万円、14.6%減少)となりました。
税効果会計適用後の法人税等は、1,682百万円となり、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は3,795百万円(△762百万円、16.7%減少)となりました。法人税等の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご参照下さい。
2)財政状態
①流動資産
当連結会計年度末の流動資産は、26,436百万円(前連結会計年度末比+1,710百万円)となりました。その主な要因は、現金及び預金(同+180百万円)、受取手形及び売掛金(同+797百万円)、有価証券(同+1,000百万円)、商品及び製品(同+79百万円)等が増加した一方、仕掛品(同△335百万円)及びその他流動資産(同△11百万円)等が減少したことによるものです。
②固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、23,387百万円(前連結会計年度末比+9,073百万円)となりました。その主な要因は、投資有価証券が9,652百万円増加したこと等によるものです。
③流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、6,476百万円(前連結会計年度末比△75百万円)となりました。その主な要因は、買掛金(同△276百万円)及びプロジェクト損失引当金(同△241百万円)等が減少した一方、賞与引当金(同+18百万円)及びその他流動負債(同+554百万円)が増加したこと等によるものです。
④固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、5,117百万円(前連結会計年度末比+2,927百万円)となりました。その主な要因は、繰延税金負債(同+2,979百万円)の増加等によるものです。
⑤純資産
当連結会計年度末の純資産は、38,228百万円(前連結会計年度末比+7,932百万円)となりました。その主な要因は、利益剰余金(同+1,918百万円)及びその他有価証券評価差額金(同+6,631百万円)の増加等によるものです。
⑥総資産
結果、当連結会計年度末の総資産は、49,823百万円(前連結会計年度末比+10,784百万円)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「1.経営成績等の状況の概要(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
4)経営成績に重要な影響を与える要因の分析・検討内容
当社グループの経営成績は様々な要因から影響を受けます。その中でも、経営成績に特に重要な影響を与える要因は、以下のとおりと考えています。
①コンサルタントの稼働率
顧客との契約の締結状況により、当社グループのコンサルタントの稼働率が継続的に低位推移した場合、その結果として、当社グループの経営成績が悪化する可能性があります。
②プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントがうまく機能しなかった場合、契約当初には予見していなかった追加コストが発生する可能性があります。
なお、上記に記載した事項以外に、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「2.事業等のリスク」に記載している事項も経営成績に影響を与えることが考えられます。
5)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
①資金需要
当社グループの運転資金需要は、主に従業員の給料や賞与やパートナー会社への外注費であり、その他に採用費や研修費など人財獲得や教育に関する費用、オフィスの賃貸料及び一般管理費等があります。また、投資資金需要としては、M&Aに必要な資金、販売目的や自社利用のためのソフトウェアの制作のための資金及びAI等の最先端技術の研究開発のための資金があります。
②財務政策
当社グループにおきましては、①の運転資金や投資資金の需要に対して、安定した営業キャッシュ・フローを反映した自己資金でまかなうことを原則としています。将来的にM&A等により大型の投資資金が必要となった場合は、財務健全性を考慮しながら借入を行うことも検討してまいります。
6)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、企業価値の持続的な向上のためには、事業の「稼ぐ力」の指標である営業利益に最も注目し、加えて売上高営業利益率の上昇を目標としております。
具体的には、他社との差異化を図り、成長を維持するために必要な「研究開発」、「教育・研修」及び「採用」などの戦略的投資項目には重点的に経営資源を配分しつつ、ITコンサルティング&サービス事業に関しては、売上高営業利益率20%以上を目指すとともに、ビジネスイノベーション事業に関しては、売上高営業利益率10%以上を目指すこととしています。
当連結会計年度においては、連結の営業利益は5,235百万円となり、前年同期比19.8%減少しました。売上高営業利益率は、ITコンサルティング&サービス事業で13.8%(前年同期は16.7%)となり、ビジネスイノベーション事業は5.2%(前年同期は0.3%)となりました。連結の営業利益率は、11.8%となりました。
7)セグメント毎の財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
セグメント毎の財政状態及び経営成績の状況は次のとおりであります。
①ITコンサルティング&サービス事業
フューチャーアーキテクト株式会社は、一部顧客の投資の抑制やプロジェクト開始の延期等により売上高が減少し、一部難度の高い既存プロジェクトのクロージングに際し、納期の遅れやテスト費用等でコストが増加したことなどから、営業利益が減少しました。また、フューチャーインスペース株式会社、FutureOne株式会社が前年同期比で売上、営業利益ともに減少したこと等により、株式会社ワイ・ディ・シーは、自社ソフトウェア「YDC SONAR」の販売が好調に推移したことで売上高が増加し、また当社グループシステムの導入による採算管理の高度化等により、営業利益は大幅に増加しましたが、セグメント全体で売上高、営業利益とも減少しました。その結果、売上高は35,488百万円(前年同期比5.1%減)、営業利益は4,900百万円(前年同期比21.7%減)となりました。
セグメント資産につきましては、現金及び預金等の減少により、前年同期末と比べて1,112百万円減少し、20,135百万円となりました。
②ビジネスイノベーション事業
ビジネスイノベーション事業の各社ともに、前年同期比で売上が増加し、営業利益が改善したこと等により、当セグメントの売上高は8,908百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益は462百万円(前年同期比1642.6%増)となりました。
セグメント資産につきましては、商品等の増加により、532百万円増加し、3,329百万円となりました。
(1) 経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度の連結業績は、
売上高 | 44,311百万円 | (前連結会計年度比 2.4%減) |
営業利益 | 5,235百万円 | (前連結会計年度比 19.8%減) |
経常利益 | 5,438百万円 | (前連結会計年度比 19.0%減) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,795百万円 | (前連結会計年度比 16.7%減) |
となりました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、不確実性の高い経済環境が続きました。ITコンサルティング&サービス事業においては、一部顧客によるIT投資の抑制、延期等が見られたほか、一部のプロジェクトにおいて納期の遅れによるコスト増加が発生したことなどから、売上高・営業利益はともに、前年同期比で減少しました。一方、ビジネスイノベーション事業においては、室内でのトレーニング需要や、オンライン教育の拡大といった、新たな生活様式への移行に伴う顧客ニーズの変化に対応したことなどから、各社ともに増収増益となり、売上高・営業利益ともに、前年同期比で大幅に増加しました。この結果、連結の売上高・営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比で減少となりました。
① ITコンサルティング&サービス事業
フューチャーアーキテクト株式会社(フューチャー株式会社のテクノロジー部門を含む)は、業務改革を推進する顧客からのグランドデザイン、「2025年の崖」を意識した様々な業界からの基幹刷新等の受注が堅調に推移しましたが、一部顧客の投資の抑制やプロジェクト開始の延期等により、売上高は減少しました。また、一部難度の高い既存プロジェクトのクロージングに際し、納期の遅れやテスト費用等でコストが増加したことなどから、営業利益は減少しました。
フューチャーインスペース株式会社は、フューチャーアーキテクト株式会社との連携により、同社が構築したプロジェクトの保守・運用案件がほぼ横ばいで推移したものの、人財強化の観点で採用を積極化したことなどでコストが増加し、前年同期比で売上高・営業利益ともに減少しました。
株式会社ワイ・ディ・シーは、投資意欲の高いメーカーからの受注獲得に加え、製造業の品質情報の統合・解析を行う自社ソフトウェア「YDC SONAR」の販売が好調に推移したことで、売上高が前年同期比で増加しました。また、当社グループシステムの導入による採算管理の高度化等により、営業利益は大幅に増加しました。
FutureOne株式会社は、一部の大型プロジェクトにおける納期の遅れへの対応を最優先に行い、当初計画を上回る人員の投入を行ったことから、売上高・営業利益ともに前年同期比で大幅に減少しました。
株式会社ディアイティは、脆弱性診断等のセキュリティ関連サービスが好調に推移したほか、ICT環境整備のためのネットワーク構築関連の受注を獲得したことで、売上高・営業利益ともに前年同期比で大幅に増加しました。
この結果、本セグメントの売上高は35,488百万円(前年同期比5.1%減)、営業利益は4,900百万円(前年同期比21.7%減)となり、売上高・営業利益とも減少しました。
② ビジネスイノベーション事業
株式会社eSPORTSは、新型コロナウイルス感染症拡大による室内でのトレーニング需要増加により、トレーニングギアの売上が伸長したほか、新しい生活様式や余暇の過ごし方の変化にクイックに対応し、ソロキャンプ等の屋外アクティビティ需要も取り込んだことで、売上高が前年同期比で増加しました。また、好調カテゴリにおけるPB商品の強化が寄与し、営業利益は前年同期比で大幅に増加しました。
東京カレンダー株式会社は、広告売上は大幅に減少したものの、「東カレデート」等のネットサービスが成長したことに加え、名店のシェフの味が学べるオンライン料理教室「東カレキッチン」などの新たな取り組みが好調だったことにより、売上高が前年同期を上回りました。これにより、営業損益は前年同期の赤字から、黒字へ転換しました。
コードキャンプ株式会社は、新型コロナウイルス感染症拡大により、個人の自宅学習や、法人のオンライン研修のニーズが飛躍的に増加したことを背景に、売上高・営業利益ともに、前年同期比で増加しました。
ライブリッツ株式会社は、プロ野球球団向けシステム提供が安定的に推移したほか、プロ野球球団のファンサイト運営やコラボ商品の販売が好調だったこと、また地域創生事業が売上に貢献したことなどから、売上高・営業利益ともに前年同期比で増加しました。
この結果、本セグメントの売上高は8,908百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益は462百万円(前年同期比1,642.6%増)となり、売上高・営業利益ともに大きく増加しました。
(注)上記のセグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高または振替高を調整前の金額で記載しております。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度の財政状態の分析は、以下のとおりです。
①資産
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,710百万円増加の26,436百万円、固定資産は9,073百万円増加の23,387百万円、総資産は10,784百万円増加の49,823百万円となりました。その主な要因は、保有株式の市場価格の上昇により投資有価証券(前連結会計年度末比+9,652百万円)が増加したことや、有価証券(同+1,000百万円)、受取手形及び売掛金(同+797百万円)が増加した一方で、仕掛品(同△335百万円)や顧客関連資産(同△208百万円)が減少したこと等によるものです。
②負債
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ75百万円減少の6,476百万円、固定負債は2,927百万円増加の5,117百万円、負債合計は2,851百万円増加の11,594百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券の市場価格上昇に伴って繰延税金負債(前連結会計年度末比+2,979百万円)が増加したことや、その他流動負債(同+554百万円)が増加した一方で、買掛金(同△276百万円)やプロジェクト損失引当金(同△241百万円)が減少したこと等によるものです。
③純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7,932百万円増加し、38,228百万円となりました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金(前連結会計年度末比+6,631百万円)や、利益剰余金(同+1,918百万円)が増加したこと等によるものです。
なお、当社は、2020年3月25日開催の第31期定時株主総会の決議に基づき、2020年3月26日を効力発生日として、資本準備金を2,495百万円、その他資本剰余金を29百万円、その他利益剰余金を53百万円減少させ、全額を資本金に組み入れました。この結果、当連結会計年度末において、資本金の額は4,000百万円となります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下の通りです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益5,530百万円や減価償却費1,102百万円の計上等がありましたが、法人税等の支払額1,718百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは、4,452百万円の収入(前連結会計年度は5,002百万円の収入)となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
無形固定資産の取得による支出433百万円、有形固定資産の取得による支出121百万円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは、666百万円の支出(前連結会計年度は1,856百万円の支出)となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
配当金の支払額1,822百万円、自己株式の取得による支出758百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、2,708百万円の支出(前連結会計年度は2,118百万円の支出)となりました。
④現金及び現金同等物の期末残高
これら営業活動、投資活動、財務活動による現金及び現金同等物の増加額は1,080百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は16,010百万円となりました。
(4) 生産、受注及び販売の実績
①生産実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
ITコンサルティング&サービス事業(千円) | 20,583,222 | △1.3 |
ビジネスイノベーション事業(千円) | 5,409,086 | 2.1 |
合計(千円) | 25,992,308 | △0.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、ITコンサルティング&サービス事業については原価及びハードウェア等調達品の仕入価格、ビジネスイノベーション事業については原価及び商品仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
②受注実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | |||
受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
ITコンサルティング&サービス事業 | 32,429,029 | △14.4 | 9,516,505 | △24.0 |
ビジネスイノベーション事業 | 2,337,378 | 26.2 | 502,759 | 44.4 |
合計 | 34,766,407 | △12.6 | 10,019,264 | △22.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.受注高には為替レート変動に伴う金額調整分を含めております。
3.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
③販売実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
ITコンサルティング&サービス事業(千円) | 35,436,246 | △5.1 |
ビジネスイノベーション事業(千円) | 8,868,369 | 10.2 |
その他(千円) | 6,626 | - |
合計(千円) | 44,311,243 | △2.4 |
(注)1.金額は、セグメント間の内部売上高又は振替高を除いた外部顧客に対する売上高によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含めておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中における将来に関する記載については、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針や見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
①重要な資産の評価基準及び評価方法
当社グループは戦略的投資を実施する場合がありますが、その他有価証券のうち時価のあるものについては、期末日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)により、時価のないものについては、移動平均法による原価法により評価しています。
その他有価証券のうち時価のあるものについては、時価の変動により貸借対照表価額が変動するため、その結果、純資産額が増減します。
また、その他有価証券については、時価又は実質価額が著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価又は実質価額まで減損処理を行います。将来、株式相場の下落及び投資先企業の業績不振等により時価又は実質価額が下落し、回復する見込みがあると認められない場合には、追加的に減損処理を行う可能性があります。
②重要な減価償却資産の減価償却の方法
当社グループは、クラウドサービスのような顧客へのサービス提供、及び社内の経営情報の充実化・業務効率化等のため、自社利用のソフトウェアの開発・導入を行う場合やパッケージ製品等の市場販売目的のソフトウェアの開発を行う場合に、その開発コストをソフトウェアとして無形固定資産に計上する場合があります。
その場合、自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法(ただし、サービス提供目的のソフトウェアは、5年以内の見込収益獲得期間に基づく定額法)により減価償却を実施し、市場販売目的のソフトウェアについては見込販売収益に基づく償却額と見込販売可能有効期間(3年)に基づく定額法のいずれか大きい額を償却する方法により減価償却を実施しています。しかし、将来、事業環境等の大幅な変化がある場合には、回収可能額を見直すことにより、損失を計上する可能性があります。
③重要な引当金の計上基準
(貸倒引当金)
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(品質保証引当金)
当社グループが顧客に提供するITコンサルティングサービス及びシステム開発業務は、契約時ないし決算時には予見不能な問題解決のための役務の提供が売上計上後に不可避的に発生するケースがあります。当社グループが提供するサービスに関して、顧客に満足していただける品質水準を保証するため、この役務提供を無償で実施する場合があります。そこで、売上計上後の追加原価の発生に備えるため、過去の実績に基づき算出した発生見積額を品質保証引当金として計上しています。なお、当連結会計年度末においてこの品質保証引当金を61百万円計上しています。
(プロジェクト損失引当金)
当社グループが顧客に提供するITコンサルティングサービス及びシステム開発業務は、契約時には予見不能な問題解決のための役務の提供が不可避的に発生するケースがあります。そこで、将来の損失に備えるため、進行中のプロジェクトのうち当連結会計年度末において損失が発生すると見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることが可能なものについては、翌連結会計年度以降の損失見積額をプロジェクト損失引当金として計上しております。なお、当連結会計年度末においてこのプロジェクト損失引当金を13百万円計上しています。
(賞与引当金)
当社グループの連結子会社において、従業員に対して支給する賞与の支払に充てるため、当連結会計年度に負担すべき支給見込額を計上しております。
④売上高及び売上原価の計上方法
当社グループは、ITコンサルティングサービス売上及び売上原価の計上に関して、成果の確実性が認められるプロジェクトについては進行基準(進捗度の見積りは原価比例法)を、その他のプロジェクトについては完成基準を適用しています。
工事進行基準の採用に当たっては、プロジェクト別原価の見積りが合理的に可能であることが前提であり、契約時に慎重に総原価を見積った上で、プロジェクト開始後も見積りと実績の比較を行い、適時かつ適切に総原価の見直しを行うことで、売上計上時において相応の見積精度があると判断していますが、今後とも見積精度の向上に努める方針です。
⑤繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、税制の変更や事業環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
なお、繰延税金資産の詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご参照下さい。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
1)経営成績
①売上高
当連結会計年度の売上高は、44,311百万円(前連結会計年度比△1,078百万円、2.4%減少)となりました。セグメント別の売上高の詳細は、「1.経営成績等の状況の概要(1)経営成績の状況」をご参照下さい。
②売上原価及び売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、26,245百万円(前連結会計年度比△226百万円、0.9%減少)となりました。その結果、当連結会計年度の売上総利益は18,065百万円(前連結会計年度比△852百万円、4.5%減少)となりました。
③販売費及び一般管理費並びに営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、給料及び賞与や研究開発費等の増加により12,830百万円(前連結会計年度比+436百万円、3.5%増加)となり、当連結会計年度の売上高販管費率は前連結会計年度の27.3%から29.0%に増加しました。
その結果、当連結会計年度の営業利益は、5,235百万円(前連結会計年度比△1,288百万円、19.8%減少)となりました。当連結会計年度の売上高営業利益率は前連結会計年度の14.4%から11.8%となりました。セグメント別の営業利益の詳細は、「1.経営成績等の状況の概要(1)経営成績の状況」をご参照下さい。
④営業外損益及び経常利益
受取配当金184百万円等により、営業外収益203百万円を計上した一方、持分法による投資損失等により営業外費用0百万円を計上した結果、当連結会計年度の経常利益は5,438百万円(前連結会計年度比△1,272百万円、19.0%減少)となりました。
⑤特別損益、税金等調整前当期純利益、及び親会社株主に帰属する当期純利益
投資有価証券売却益により特別利益を93百万円を計上した一方、持分変動損失により特別損失0百万円を計上した結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は5,530百万円(前連結会計年度比△947百万円、14.6%減少)となりました。
税効果会計適用後の法人税等は、1,682百万円となり、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は3,795百万円(△762百万円、16.7%減少)となりました。法人税等の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご参照下さい。
2)財政状態
①流動資産
当連結会計年度末の流動資産は、26,436百万円(前連結会計年度末比+1,710百万円)となりました。その主な要因は、現金及び預金(同+180百万円)、受取手形及び売掛金(同+797百万円)、有価証券(同+1,000百万円)、商品及び製品(同+79百万円)等が増加した一方、仕掛品(同△335百万円)及びその他流動資産(同△11百万円)等が減少したことによるものです。
②固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、23,387百万円(前連結会計年度末比+9,073百万円)となりました。その主な要因は、投資有価証券が9,652百万円増加したこと等によるものです。
③流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、6,476百万円(前連結会計年度末比△75百万円)となりました。その主な要因は、買掛金(同△276百万円)及びプロジェクト損失引当金(同△241百万円)等が減少した一方、賞与引当金(同+18百万円)及びその他流動負債(同+554百万円)が増加したこと等によるものです。
④固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、5,117百万円(前連結会計年度末比+2,927百万円)となりました。その主な要因は、繰延税金負債(同+2,979百万円)の増加等によるものです。
⑤純資産
当連結会計年度末の純資産は、38,228百万円(前連結会計年度末比+7,932百万円)となりました。その主な要因は、利益剰余金(同+1,918百万円)及びその他有価証券評価差額金(同+6,631百万円)の増加等によるものです。
⑥総資産
結果、当連結会計年度末の総資産は、49,823百万円(前連結会計年度末比+10,784百万円)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「1.経営成績等の状況の概要(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
4)経営成績に重要な影響を与える要因の分析・検討内容
当社グループの経営成績は様々な要因から影響を受けます。その中でも、経営成績に特に重要な影響を与える要因は、以下のとおりと考えています。
①コンサルタントの稼働率
顧客との契約の締結状況により、当社グループのコンサルタントの稼働率が継続的に低位推移した場合、その結果として、当社グループの経営成績が悪化する可能性があります。
②プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントがうまく機能しなかった場合、契約当初には予見していなかった追加コストが発生する可能性があります。
なお、上記に記載した事項以外に、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「2.事業等のリスク」に記載している事項も経営成績に影響を与えることが考えられます。
5)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
①資金需要
当社グループの運転資金需要は、主に従業員の給料や賞与やパートナー会社への外注費であり、その他に採用費や研修費など人財獲得や教育に関する費用、オフィスの賃貸料及び一般管理費等があります。また、投資資金需要としては、M&Aに必要な資金、販売目的や自社利用のためのソフトウェアの制作のための資金及びAI等の最先端技術の研究開発のための資金があります。
②財務政策
当社グループにおきましては、①の運転資金や投資資金の需要に対して、安定した営業キャッシュ・フローを反映した自己資金でまかなうことを原則としています。将来的にM&A等により大型の投資資金が必要となった場合は、財務健全性を考慮しながら借入を行うことも検討してまいります。
6)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、企業価値の持続的な向上のためには、事業の「稼ぐ力」の指標である営業利益に最も注目し、加えて売上高営業利益率の上昇を目標としております。
具体的には、他社との差異化を図り、成長を維持するために必要な「研究開発」、「教育・研修」及び「採用」などの戦略的投資項目には重点的に経営資源を配分しつつ、ITコンサルティング&サービス事業に関しては、売上高営業利益率20%以上を目指すとともに、ビジネスイノベーション事業に関しては、売上高営業利益率10%以上を目指すこととしています。
当連結会計年度においては、連結の営業利益は5,235百万円となり、前年同期比19.8%減少しました。売上高営業利益率は、ITコンサルティング&サービス事業で13.8%(前年同期は16.7%)となり、ビジネスイノベーション事業は5.2%(前年同期は0.3%)となりました。連結の営業利益率は、11.8%となりました。
7)セグメント毎の財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
セグメント毎の財政状態及び経営成績の状況は次のとおりであります。
①ITコンサルティング&サービス事業
フューチャーアーキテクト株式会社は、一部顧客の投資の抑制やプロジェクト開始の延期等により売上高が減少し、一部難度の高い既存プロジェクトのクロージングに際し、納期の遅れやテスト費用等でコストが増加したことなどから、営業利益が減少しました。また、フューチャーインスペース株式会社、FutureOne株式会社が前年同期比で売上、営業利益ともに減少したこと等により、株式会社ワイ・ディ・シーは、自社ソフトウェア「YDC SONAR」の販売が好調に推移したことで売上高が増加し、また当社グループシステムの導入による採算管理の高度化等により、営業利益は大幅に増加しましたが、セグメント全体で売上高、営業利益とも減少しました。その結果、売上高は35,488百万円(前年同期比5.1%減)、営業利益は4,900百万円(前年同期比21.7%減)となりました。
セグメント資産につきましては、現金及び預金等の減少により、前年同期末と比べて1,112百万円減少し、20,135百万円となりました。
②ビジネスイノベーション事業
ビジネスイノベーション事業の各社ともに、前年同期比で売上が増加し、営業利益が改善したこと等により、当セグメントの売上高は8,908百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益は462百万円(前年同期比1642.6%増)となりました。
セグメント資産につきましては、商品等の増加により、532百万円増加し、3,329百万円となりました。