四半期報告書-第37期第2四半期(令和2年5月1日-令和2年7月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、2019年4月15日に行われたNetRange MMH GmbHとの企業結合において前第2四半期連結会計期間に暫定的な会計処理を行っておりましたが、前第3四半期連結会計期間に確定したため、前年同四半期連結累計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の考え方については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2020年2月1日~7月31日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症により停滞していた経済活動は再開しつつありますが、感染拡大の第2波、第3波が依然懸念されていることや終息時期の見通しが立たないことから、先行きについては今後も不透明な状況が続いております。
そのような中、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、中長期的な視点でDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の論調が一層高まってきたと認識しております。また、5G化の進展を背景に通信トラフィックが増加していくことに伴ってネットワークインフラ設備強化が求められているトレンド、それらへの投資・運用コストの低減及び運用自由度の向上といった需要を背景としたホワイトボックス導入トレンドには大きな変化はないと見込んでいます。これらを踏まえ、当社の成長戦略・注力事業分野の大きな変更は不要と認識しております。
しかしながら短期的には、世界的な経済活動の停滞により当社の営業活動も引き続き全般的に制約を受けており、当第2四半期連結累計期間においては、不確実性の高まりを背景とした顧客企業におけるDX投資の一時的な抑制による案件規模の縮小や延期、最終製品の出荷減、当社製品の試験評価の遅延や中断等の減収要因が顕在化しました。また、このような状況を踏まえ各種経費削減施策を実施したものの、当社におけるコストの大半が人件費や減価償却費といった固定費であることから、施策効果は限定的となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における連結業績は、売上高31億7百万円(前年同四半期比13.3%減)、営業損失17億88百万円(前年同四半期は営業損失6億97百万円)、経常損失16億97百万円(前年同四半期は経常損失6億33百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失17億35百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失6億92百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
○ 国内事業
センシング技術、通信技術、クラウド技術等を活用した各種IoTソリューションを提供するIoT分野と、スマートデバイス、情報家電や各種デバイス向けに豊富な搭載実績を持つ高性能・高機能ウェブブラウザ「NetFront® Browser」シリーズをはじめとした組み込みソフトウェア製品を提供するWebプラットフォーム分野、ならびに高度な表現力と多彩なコンテンツに対応する汎用性を兼ね備え、ユーザー向けアプリケーションからコンテンツ配信システム、サーバーシステムまでを包括的に提供するEPUB 3対応の電子出版ソリューション「PUBLUS®」を中核とする電子出版分野を主軸に事業展開しております。また、台湾子会社を通じて、現地に進出する日本の通販事業者向けに、業務支援システムや広告分析機能等を統合したクラウドサービス「CROS®」の提供を行うほか、国内子会社である株式会社ACCESS Worksにおいて各種ソフトウェア・システム開発の強化に取り組んでおります。
IoT分野の取り組みとしましては、各種センサー、IoTゲートウェイ機器向けエッジコンピューティングエンジン、IoTサービス開発・運用プラットフォーム等の多彩なIoT関連製品・技術の開発を推進しており、センサーデバイスから個別アプリケーション、クラウド基盤までワンストップで提供可能という当社の強みを活かし、様々な業界においてIoTサービス開発・構築案件の受注に取り組んでおります。Webプラットフォーム分野につきましては、TV向けブラウザにおける高いシェアの維持に努めつつ、車載機器向けに交通情報等の運転支援情報と各種コンテンツの視聴等の娯楽情報を統合して提供する車載インフォテインメント需要への対応を図っております。また、電子出版分野における取り組みとしましては、有力な顧客基盤である大手出版社や独自コンテンツを保有する事業者との関係強化を推進するとともに、購読履歴の分析やプロモーション支援等の新たなビジネスモデルに対応したプラットフォームの機能強化とサービス提供範囲の拡大による収益拡大に取り組む等、堅調に成長している電子出版市場においてマーケットシェア及び事業領域の拡大に努めております。
当第2四半期連結累計期間における当セグメントの業績につきましては、IoT分野においては、新型コロナウイルス感染症の拡大対策や働き方改革の観点から新たな案件の引き合いはあったものの、経済活動の全般的な縮小や先行きの不透明感が高まったことに伴って顧客企業のDX投資の一時的な抑制が発生したことから、IoTサービス開発・構築案件の規模縮小・延期・中止等が生じております。Webプラットフォーム分野においては、主要市場であるTVや車載機器等において、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う最終製品の出荷減によりロイヤリティ収入が減少しております。電子出版分野においては、既存のサービスは概ね堅調に推移したものの、営業活動が制約を受けたことによる新規案件のサービスインの延期等が発生しております。これらの減収要因に加え、製品開発投資の強化による減価償却費の増加に伴い、前期比で減収減益となりました。
○ 海外事業
ドイツ・中国・韓国に現地法人を設置し、海外市場におけるスマートデバイス及び情報家電関連分野向けにブラウザ製品等のWebプラットフォームの提供を行っております。
ドイツにおきましては、ウェブとの融合が進む車載機器やTV・セットトップボックス等の情報家電向けに、多彩かつ高付加価値なインターネットサービスの提供に適したHTML5対応のブラウザソリューションを開発・展開するとともに、新規事業として、あらゆるスマートデバイスへセキュアにマルチメディアコンテンツ配信を実現し、あわせて視聴履歴の分析等の事業者向けサービスを可能とする「ACCESS Twine™」シリーズの拡販に努めております。特に、自動運転技術の発展に伴い市場が立ち上がりつつある車載インフォテインメント向け分野に注力し、高付加価値なサービスプラットフォームを提供し、ストック収益基盤を構築する方針です。
中国・韓国における取り組みとしましては、現地の大手情報家電メーカー向けにブラウザ製品を提供するほか、本社で新規開発・事業化したソリューションの現地展開を図っております。
当第2四半期連結累計期間における当セグメントの業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、顧客企業の工場停止等による既存案件の中断、主要市場であるTVや車載機器等における最終製品の出荷減によるロイヤリティ収入の減少、今後の主な成長分野に位置づけております車載インフォテインメント向け分野における顧客企業の事業活動の停滞、製品開発投資の強化による減価償却費の増加等に伴い、前期比で減収減益となりました。
○ ネットワーク事業
米国子会社IP Infusion Inc.を中核としてインドやカナダ等に現地法人を設置し、既存ビジネスであるネットワーク機器向け基盤ソフトウェア・プラットフォーム「ZebOS®」シリーズの事業基盤維持に努めるとともに、ホワイトボックス向け統合Network OS「OcNOS®」の事業拡大に注力しております。ホワイトボックスは、5G時代を迎え更なる通信トラフィックの増加が見込まれる中、データセンター事業者、通信キャリア、IXP(インターネット相互接続ポイント)事業者等においてネットワークインフラ設備投資・運用コストを大幅に低減しつつ運用の自由度を高める有力な手段と目されており、米国を中心に近年急速に市場が拡大しつつあります。
前連結会計年度に、当社の連結子会社であるIP Infusion Inc.と米国の大手情報通信・メディアコングロマリットであるAT&T Inc.の子会社との間で通信キャリア向けネットワーク機器のホワイトボックス(ハードウェアとソフトウェアの分離)ソリューションに関するライセンス契約及び業務提携契約を締結しました。本提携により、IP Infusion Inc.は「DANOS-Vyatta edition」の付加価値インテグレーターとして、商用ソリューションを通信事業者向けに、複数のハードウェア選択肢の中からユースケースに沿って柔軟に提供しております。また今後はその提供範囲を、これまでの通信事業者向けのWAN/LAN向け共通プラットフォーム内のCSR(Cell Site Router)に加え、uCPE(Universal Customer Premise Equipment、汎用顧客構内設備)向けにも拡大し、通信事業者のみならず企業向け市場へ広げてまいります。また7月には、台湾の通信事業者であるAsia Pacific Telecom(亞太電信)が、自社5Gモバイルネットワーク構築にあたりIP Infusion Inc.のホワイトボックスソリューションの採用を決定したことや、チリ共和国の通信プロバイダーであるMundo Pacíficoがチリ中央部の主要都市における自社ネットワークの増強を企図した南米初のホワイトボックス型光ネットワークの導入にあたりIP Infusion Inc.を選定したことを発表しましたように、採用事例を着実に積み上げてまいります。
当第2四半期連結累計期間における当セグメントの業績につきましては、今後の商用採用に向けて当社製品を試験評価している案件において、新型コロナウイルス感染症の拡大により人材・機材の調達に制限を受けたことで、試験評価の遅延や中断が発生したことに加えて、受注までに要する試験評価期間自体が当初想定よりも長引く見込みとなり、総じて案件受注タイミングが後ろ倒しになった結果、製品開発投資の強化に伴う減価償却費の増加が先行し、前期比で減収減益となりました。なお、ホワイトボックスソリューションの営業活動進捗が当初想定より遅れておりますが、前述の通り、5G化を背景としたホワイトボックスソリューション需要の拡大トレンドについても大きな変化はないと見込んでおります。今後、Asia Pacific Telecom(亞太電信)やMundo Pacíficoの導入を通じて得られた知見、リモートでの顧客提案や導入試験を活用しながら、営業活動の加速を図ってまいります。
② 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、製品開発投資の強化に伴いソフトウエアが増加したものの、受取手形及び売掛金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ24億15百万円減少して303億68百万円となりました。
負債は、未払法人税等や買掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ5億20百万円減少して20億38百万円となりました。
純資産は、配当金の支払い及び親会社株主に帰属する四半期純損失17億35百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ18億94百万円減少して283億29百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて9億91百万円減少し、180億78百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金は5億29百万円の増加(前第2四半期連結累計期間は7億20百万円の増加)となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純損失16億97百万円を計上した一方で、売上債権が18億61百万円減少し、減価償却費11億53百万円を計上したことであります。前第2四半期連結累計期間との比較では、売上債権の減少による資金の純収入が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金は15億7百万円の減少(前第2四半期連結累計期間は24億67百万円の減少)となりました。その主な要因は、無形固定資産の取得による支出が14億49百万円であったことであります。前第2四半期連結累計期間との比較では、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出及び無形固定資産の取得による支出が減少いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金は20百万円の増加(前第2四半期連結累計期間は3億28百万円の減少)となりました。その主な要因は、引出制限付預金の引出による収入が1億61百万円であった一方、配当金の支払額が1億16百万円であったことであります。前第2四半期連結累計期間との比較では、引出制限付預金の預入による支出が減少し、引出制限付預金の引出による収入が増加いたしました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は34百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要として、事業活動の遂行に係る運転資金需要に加え、製品開発投資やM&A等の外部成長施策の遂行に係る投資資金需要を想定しておりますが、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は180億78百万円であることから、十分な流動性を確保しており、資金需要については手元資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによって対応可能な状況であると認識しております。
なお、2019年4月15日に行われたNetRange MMH GmbHとの企業結合において前第2四半期連結会計期間に暫定的な会計処理を行っておりましたが、前第3四半期連結会計期間に確定したため、前年同四半期連結累計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の考え方については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2020年2月1日~7月31日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症により停滞していた経済活動は再開しつつありますが、感染拡大の第2波、第3波が依然懸念されていることや終息時期の見通しが立たないことから、先行きについては今後も不透明な状況が続いております。
そのような中、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、中長期的な視点でDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の論調が一層高まってきたと認識しております。また、5G化の進展を背景に通信トラフィックが増加していくことに伴ってネットワークインフラ設備強化が求められているトレンド、それらへの投資・運用コストの低減及び運用自由度の向上といった需要を背景としたホワイトボックス導入トレンドには大きな変化はないと見込んでいます。これらを踏まえ、当社の成長戦略・注力事業分野の大きな変更は不要と認識しております。
しかしながら短期的には、世界的な経済活動の停滞により当社の営業活動も引き続き全般的に制約を受けており、当第2四半期連結累計期間においては、不確実性の高まりを背景とした顧客企業におけるDX投資の一時的な抑制による案件規模の縮小や延期、最終製品の出荷減、当社製品の試験評価の遅延や中断等の減収要因が顕在化しました。また、このような状況を踏まえ各種経費削減施策を実施したものの、当社におけるコストの大半が人件費や減価償却費といった固定費であることから、施策効果は限定的となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における連結業績は、売上高31億7百万円(前年同四半期比13.3%減)、営業損失17億88百万円(前年同四半期は営業損失6億97百万円)、経常損失16億97百万円(前年同四半期は経常損失6億33百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失17億35百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失6億92百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
○ 国内事業
センシング技術、通信技術、クラウド技術等を活用した各種IoTソリューションを提供するIoT分野と、スマートデバイス、情報家電や各種デバイス向けに豊富な搭載実績を持つ高性能・高機能ウェブブラウザ「NetFront® Browser」シリーズをはじめとした組み込みソフトウェア製品を提供するWebプラットフォーム分野、ならびに高度な表現力と多彩なコンテンツに対応する汎用性を兼ね備え、ユーザー向けアプリケーションからコンテンツ配信システム、サーバーシステムまでを包括的に提供するEPUB 3対応の電子出版ソリューション「PUBLUS®」を中核とする電子出版分野を主軸に事業展開しております。また、台湾子会社を通じて、現地に進出する日本の通販事業者向けに、業務支援システムや広告分析機能等を統合したクラウドサービス「CROS®」の提供を行うほか、国内子会社である株式会社ACCESS Worksにおいて各種ソフトウェア・システム開発の強化に取り組んでおります。
IoT分野の取り組みとしましては、各種センサー、IoTゲートウェイ機器向けエッジコンピューティングエンジン、IoTサービス開発・運用プラットフォーム等の多彩なIoT関連製品・技術の開発を推進しており、センサーデバイスから個別アプリケーション、クラウド基盤までワンストップで提供可能という当社の強みを活かし、様々な業界においてIoTサービス開発・構築案件の受注に取り組んでおります。Webプラットフォーム分野につきましては、TV向けブラウザにおける高いシェアの維持に努めつつ、車載機器向けに交通情報等の運転支援情報と各種コンテンツの視聴等の娯楽情報を統合して提供する車載インフォテインメント需要への対応を図っております。また、電子出版分野における取り組みとしましては、有力な顧客基盤である大手出版社や独自コンテンツを保有する事業者との関係強化を推進するとともに、購読履歴の分析やプロモーション支援等の新たなビジネスモデルに対応したプラットフォームの機能強化とサービス提供範囲の拡大による収益拡大に取り組む等、堅調に成長している電子出版市場においてマーケットシェア及び事業領域の拡大に努めております。
当第2四半期連結累計期間における当セグメントの業績につきましては、IoT分野においては、新型コロナウイルス感染症の拡大対策や働き方改革の観点から新たな案件の引き合いはあったものの、経済活動の全般的な縮小や先行きの不透明感が高まったことに伴って顧客企業のDX投資の一時的な抑制が発生したことから、IoTサービス開発・構築案件の規模縮小・延期・中止等が生じております。Webプラットフォーム分野においては、主要市場であるTVや車載機器等において、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う最終製品の出荷減によりロイヤリティ収入が減少しております。電子出版分野においては、既存のサービスは概ね堅調に推移したものの、営業活動が制約を受けたことによる新規案件のサービスインの延期等が発生しております。これらの減収要因に加え、製品開発投資の強化による減価償却費の増加に伴い、前期比で減収減益となりました。
国内事業 | 前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同四半期比 |
外部顧客への売上高 | 2,468百万円 | 2,211百万円 | △10.4% |
セグメント損益 | △49百万円 | △389百万円 | ― |
○ 海外事業
ドイツ・中国・韓国に現地法人を設置し、海外市場におけるスマートデバイス及び情報家電関連分野向けにブラウザ製品等のWebプラットフォームの提供を行っております。
ドイツにおきましては、ウェブとの融合が進む車載機器やTV・セットトップボックス等の情報家電向けに、多彩かつ高付加価値なインターネットサービスの提供に適したHTML5対応のブラウザソリューションを開発・展開するとともに、新規事業として、あらゆるスマートデバイスへセキュアにマルチメディアコンテンツ配信を実現し、あわせて視聴履歴の分析等の事業者向けサービスを可能とする「ACCESS Twine™」シリーズの拡販に努めております。特に、自動運転技術の発展に伴い市場が立ち上がりつつある車載インフォテインメント向け分野に注力し、高付加価値なサービスプラットフォームを提供し、ストック収益基盤を構築する方針です。
中国・韓国における取り組みとしましては、現地の大手情報家電メーカー向けにブラウザ製品を提供するほか、本社で新規開発・事業化したソリューションの現地展開を図っております。
当第2四半期連結累計期間における当セグメントの業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、顧客企業の工場停止等による既存案件の中断、主要市場であるTVや車載機器等における最終製品の出荷減によるロイヤリティ収入の減少、今後の主な成長分野に位置づけております車載インフォテインメント向け分野における顧客企業の事業活動の停滞、製品開発投資の強化による減価償却費の増加等に伴い、前期比で減収減益となりました。
海外事業 | 前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同四半期比 |
外部顧客への売上高 | 297百万円 | 164百万円 | △44.7% |
セグメント損益 | △164百万円 | △358百万円 | ― |
○ ネットワーク事業
米国子会社IP Infusion Inc.を中核としてインドやカナダ等に現地法人を設置し、既存ビジネスであるネットワーク機器向け基盤ソフトウェア・プラットフォーム「ZebOS®」シリーズの事業基盤維持に努めるとともに、ホワイトボックス向け統合Network OS「OcNOS®」の事業拡大に注力しております。ホワイトボックスは、5G時代を迎え更なる通信トラフィックの増加が見込まれる中、データセンター事業者、通信キャリア、IXP(インターネット相互接続ポイント)事業者等においてネットワークインフラ設備投資・運用コストを大幅に低減しつつ運用の自由度を高める有力な手段と目されており、米国を中心に近年急速に市場が拡大しつつあります。
前連結会計年度に、当社の連結子会社であるIP Infusion Inc.と米国の大手情報通信・メディアコングロマリットであるAT&T Inc.の子会社との間で通信キャリア向けネットワーク機器のホワイトボックス(ハードウェアとソフトウェアの分離)ソリューションに関するライセンス契約及び業務提携契約を締結しました。本提携により、IP Infusion Inc.は「DANOS-Vyatta edition」の付加価値インテグレーターとして、商用ソリューションを通信事業者向けに、複数のハードウェア選択肢の中からユースケースに沿って柔軟に提供しております。また今後はその提供範囲を、これまでの通信事業者向けのWAN/LAN向け共通プラットフォーム内のCSR(Cell Site Router)に加え、uCPE(Universal Customer Premise Equipment、汎用顧客構内設備)向けにも拡大し、通信事業者のみならず企業向け市場へ広げてまいります。また7月には、台湾の通信事業者であるAsia Pacific Telecom(亞太電信)が、自社5Gモバイルネットワーク構築にあたりIP Infusion Inc.のホワイトボックスソリューションの採用を決定したことや、チリ共和国の通信プロバイダーであるMundo Pacíficoがチリ中央部の主要都市における自社ネットワークの増強を企図した南米初のホワイトボックス型光ネットワークの導入にあたりIP Infusion Inc.を選定したことを発表しましたように、採用事例を着実に積み上げてまいります。
当第2四半期連結累計期間における当セグメントの業績につきましては、今後の商用採用に向けて当社製品を試験評価している案件において、新型コロナウイルス感染症の拡大により人材・機材の調達に制限を受けたことで、試験評価の遅延や中断が発生したことに加えて、受注までに要する試験評価期間自体が当初想定よりも長引く見込みとなり、総じて案件受注タイミングが後ろ倒しになった結果、製品開発投資の強化に伴う減価償却費の増加が先行し、前期比で減収減益となりました。なお、ホワイトボックスソリューションの営業活動進捗が当初想定より遅れておりますが、前述の通り、5G化を背景としたホワイトボックスソリューション需要の拡大トレンドについても大きな変化はないと見込んでおります。今後、Asia Pacific Telecom(亞太電信)やMundo Pacíficoの導入を通じて得られた知見、リモートでの顧客提案や導入試験を活用しながら、営業活動の加速を図ってまいります。
ネットワーク事業 | 前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同四半期比 |
外部顧客への売上高 | 819百万円 | 731百万円 | △10.7% |
セグメント損益 | △479百万円 | △1,040百万円 | ― |
② 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、製品開発投資の強化に伴いソフトウエアが増加したものの、受取手形及び売掛金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ24億15百万円減少して303億68百万円となりました。
負債は、未払法人税等や買掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ5億20百万円減少して20億38百万円となりました。
純資産は、配当金の支払い及び親会社株主に帰属する四半期純損失17億35百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ18億94百万円減少して283億29百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて9億91百万円減少し、180億78百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金は5億29百万円の増加(前第2四半期連結累計期間は7億20百万円の増加)となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純損失16億97百万円を計上した一方で、売上債権が18億61百万円減少し、減価償却費11億53百万円を計上したことであります。前第2四半期連結累計期間との比較では、売上債権の減少による資金の純収入が増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金は15億7百万円の減少(前第2四半期連結累計期間は24億67百万円の減少)となりました。その主な要因は、無形固定資産の取得による支出が14億49百万円であったことであります。前第2四半期連結累計期間との比較では、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出及び無形固定資産の取得による支出が減少いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金は20百万円の増加(前第2四半期連結累計期間は3億28百万円の減少)となりました。その主な要因は、引出制限付預金の引出による収入が1億61百万円であった一方、配当金の支払額が1億16百万円であったことであります。前第2四半期連結累計期間との比較では、引出制限付預金の預入による支出が減少し、引出制限付預金の引出による収入が増加いたしました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は34百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要として、事業活動の遂行に係る運転資金需要に加え、製品開発投資やM&A等の外部成長施策の遂行に係る投資資金需要を想定しておりますが、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は180億78百万円であることから、十分な流動性を確保しており、資金需要については手元資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによって対応可能な状況であると認識しております。