四半期報告書-第40期第2四半期(2023/05/01-2023/07/31)

【提出】
2023/09/07 16:21
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年2月1日~2023年7月31日)における世界経済は、資源・エネルギー価格高騰の長期化に加え、地域によっては高水準のインフレや金融引き締めに伴う景気減速懸念が見られる等、総じて不安定な状態が継続しております。他方、新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和等により、社会・経済活動は正常化へ向けて着実に進んでいるほか、生成AI技術の著しい発展等の技術革新も相俟って社会のデジタル化への取り組みが活発化しており、それに伴いデータ通信量の増加が続いております。
このような環境下において、当社グループはネットワーク事業を注力分野に据え、ホワイトボックス市場における更なる事業規模の拡大やIoT事業・Webプラットフォーム事業の安定化に取り組んでおります。当第2四半期連結累計期間においては、ネットワーク事業において第1四半期連結会計期間に大型のリピート案件を受注したこともあり、前年同四半期と比較して大幅な増収となり、それに伴い損益も改善しております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における連結業績は、売上高67億38百万円(前年同四半期比31.1%増)、営業損失11億25百万円(前年同四半期は営業損失20億16百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
○ IoT事業
通信技術、クラウド技術、アプリ開発力、センシング技術等をワンストップで提供できる強みを活かし、企業のいかなるDX(デジタルトランスフォーメーション)需要にも対応できるIoTプロフェッショナルサービスや、自社開発の各種IoTソリューションを提供するIoT分野を主軸に事業展開しております。また、高度な表現力と多彩なコンテンツに対応する汎用性を兼ね備え、ユーザー向けアプリケーションからコンテンツ配信システム、サーバーシステムまでを包括的に提供するEPUB 3対応の電子出版・ICT教育ソリューション「PUBLUS®」シリーズや、アジア地域に進出する日本の通販事業者向けに、オムニチャネルでの販路拡大機能と物流等のバックオフィス機能を統合した業務支援クラウドサービス「CROS®」の提供を行っております。
当第2四半期連結累計期間につきましては、IoT分野では引き続き通信業、建設業、及び各種インフラ業等における旺盛な各種DX投資需要を背景に位置情報の利活用やエネルギーマネジメント等に関連するプロフェッショナルサービス案件が堅調に推移し、「CROS®」関連の売上高も上向き傾向となったものの、電子出版分野における大型開発案件の完了に伴う減収により、売上高・セグメント損益はともに前年同四半期比で概ね横ばいとなりました。
IoT事業前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
前年同四半期比
外部顧客への売上高2,586百万円2,520百万円△2.6%
セグメント損益△48百万円△42百万円-


○ Webプラットフォーム事業
ドイツ・中国・韓国に設置している現地法人と連携し、国内外の市場においてスマートデバイス、情報家電や各種デバイス向けに豊富な搭載実績を持つ高性能・高機能ウェブブラウザ「NetFront® Browser」シリーズをはじめとした組み込みソフトウェア製品を提供しており、グローバルでのシェア拡大を推進しております。また、中長期的な成長施策としてTV・放送及び車載インフォテインメント用途向けにコンテンツや動画の配信システム・サービスプラットフォームの事業育成を図っております。
当第2四半期連結累計期間につきましては、国外における車載向けブラウザ案件や開発案件の増加があったことから、前年同四半期比で増収増益となりました。
Webプラットフォーム事業前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
前年同四半期比
外部顧客への売上高895百万円942百万円5.2%
セグメント損益△154百万円△144百万円-

○ ネットワーク事業
米国子会社IP Infusion Inc.を中核としてインドやカナダ等に開発拠点を設置しており、ネットワーク機器向け基盤ソフトウェア・プラットフォームの開発・提供から事業をスタートして現在はホワイトボックス向け統合Network OS「OcNOS®」のグローバル展開・事業拡大に注力しております。ホワイトボックスは、5G時代を迎え更なる通信トラフィックの増加が見込まれる中、データセンター事業者、通信キャリア、IXP(インターネット相互接続ポイント)事業者等においてネットワークインフラ設備投資・運用コストを大幅に低減しつつ運用の自由度を高める有力な手段と目されており、世界的に市場が拡大しつつあります。この様な環境の中、IP Infusion Inc.では通信事業者向けのWAN/LAN向け共通プラットフォーム内のCSR(Cell Site Router)やuCPE(Universal Customer Premise Equipment、汎用顧客構内設備)、データセンター向けの商用版の「SONiC distribution」といった多岐にわたるホワイトボックスソリューションを展開しております。またKGPCoやTechDataといった大手ディストリビューターやWipro LimitedといったグローバルSIerとの提携を通じ、通信事業者へのホワイトボックスソリューションやサポート等の安定的な提供に取り組んでおります。
当第2四半期連結累計期間につきましては、「OcNOS®」における新規顧客獲得やリピート受注が概ね想定に沿って推移したほか、特に第1四半期連結累計期間における大型リピート案件受注の前倒しによる影響により、前年同四半期比で大幅な増収増益となりました。
ネットワーク事業前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
前年同四半期比
外部顧客への売上高1,657百万円3,276百万円97.7%
セグメント損益△1,820百万円△940百万円-

なお、営業外収益として為替差益53百万円、持分法による投資利益25百万円を計上しております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における連結業績は、売上高67億38百万円(前年同四半期比31.1%増)、営業損失11億25百万円(前年同四半期は営業損失20億16百万円)、経常損失10億33百万円(前年同四半期は経常損失16億92百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失10億87百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失17億43百万円)となりました。
② 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金や受取手形、売掛金及び契約資産が減少した一方、ソフトウエアの増加等により、前連結会計年度末に比べ2億64百万円増加して255億4百万円となりました。
負債は、買掛金や賞与引当金の増加等により、前連結会計年度末に比べ3億25百万円増加して35億3百万円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定の増加8億68百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失10億87百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ61百万円減少して220億1百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて6億42百万円減少し、109億41百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金は10億77百万円の増加(前第2四半期連結累計期間は3億48百万円の減少)となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純損失10億53百万円や為替差益68百万円を計上した一方、減価償却費を13億92百万円計上したこと、売上債権及び契約資産が4億92百万円減少したことによるものであります。前第2四半期連結累計期間との比較では、売上債権及び契約資産が増加から減少へ転じました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金は19億79百万円の減少(前第2四半期連結累計期間は14億75百万円の減少)となりました。その主な要因は、無形固定資産の取得による支出が14億89百万円であったことであります。前第2四半期連結累計期間との比較では、無形固定資産の取得による支出が増加いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金は13百万円の減少(前第2四半期連結累計期間は5億13百万円の減少)となりました。前第2四半期連結累計期間との比較では、自己株式の取得による支出が減少いたしました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・中長期的な成長戦略等について前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5億48百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要として、事業活動の遂行に係る運転資金需要に加え、製品開発投資やM&A等の外部成長施策の遂行に係る投資資金需要を想定しておりますが、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は109億41百万円であることから、十分な流動性を確保しており、資金需要については手元資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによって対応可能な状況であると認識しております。