四半期報告書-第39期第1四半期(令和4年2月1日-令和4年4月30日)

【提出】
2022/06/07 16:10
【資料】
PDFをみる
【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2022年2月1日~4月30日)における世界経済は、オミクロン株による新型コロナウイルス感染症の再拡大に加え、原材料価格の高騰やサプライチェーンの混乱、ロシアによるウクライナ侵攻等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当第1四半期連結累計期間は、いずれのセグメントも概ね計画どおりに推移いたしました。前年同四半期との比較においては、IoT事業における受託案件が増加したほか、ネットワーク事業におけるホワイトボックスソリューション「OcNOS®」の新規受注件数が増加した等の要因により増収となっております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における連結業績は、売上高27億42百万円(前年同四半期比57.9%増)、営業損失6億95百万円(前年同四半期は営業損失10億17百万円)となりました。
また「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更) (収益認識に関する会計基準等の適用)」に記載のとおりであります。
セグメント別の取り組みは以下の通りです。
なお、当連結会計年度より、製品・サービス単位でのグローバルでの連携強化や更なるシナジー創出を企図した事業セグメントの変更を行っております。IoT分野、電子出版分野等の「IoT事業」、日本のWebプラットフォーム分野及びその傘下に欧州、中国、韓国の海外拠点を加えた「Webプラットフォーム事業」、米国子会社IP Infusion Inc.を中核とした「ネットワーク事業」と区分しており、これに伴い、以下の当第1四半期四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。セグメントに関する詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報 3.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりであります。
○ IoT事業
センシング技術、通信技術、クラウド技術、アプリ開発力等をワンストップで提供できる強みを活かし、企業のDX推進を加速させるソリューションや各種IoTソリューションを提供するIoT分野と、高度な表現力と多彩なコンテンツに対応する汎用性を兼ね備え、ユーザー向けアプリケーションからコンテンツ配信システム、サーバーシステムまでを包括的に提供するEPUB 3対応の電子出版ソリューション「PUBLUS®」を中核とする電子出版分野を主軸に事業展開しております。また、台湾子会社を通じて、台湾ならびにシンガポール等のアジア地域に進出する日本の通販事業者向けに、業務支援システムや広告分析機能等を統合したクラウドサービス「CROS®」の提供を行っております。
当第1四半期連結累計期間につきましては、IoT分野において、通信事業及び建設業向けの受託案件や屋内・屋外での位置情報共有とビジネスチャットを組み合わせた「Linkit®」シリーズの引き合いが増加したこと等により、前年同四半期比で増収となりました。
IoT事業前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年同四半期比
外部顧客への売上高956百万円1,334百万円39.6%
セグメント損益△178百万円△23百万円-

○ Webプラットフォーム事業
ドイツ・中国・韓国に設置している現地法人と連携し、国内外の市場において、スマートデバイス、情報家電や各種デバイス向けに豊富な搭載実績を持つ高性能・高機能ウェブブラウザ「NetFront® Browser」シリーズをはじめとした組み込みソフトウェア製品ならびに車載インフォテインメント向けにコンテンツ配信・サービスプラットフォームを提供し、TV向けブラウザ及び車載向けブラウザのグローバルでのシェア拡大を図っております。
当第1四半期連結累計期間につきましては、国内におけるTV向けブラウザのロイヤリティ収入の増加や、車載向けブラウザの受託案件の増加に伴い、前年同四半期比で増収となりました。
Webプラットフォーム事業前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年同四半期比
外部顧客への売上高376百万円484百万円28.4%
セグメント損益△137百万円△4百万円-

○ ネットワーク事業
米国子会社IP Infusion Inc.を中核としてインドやカナダ等に現地法人を設置し、既存ビジネスであるネットワーク機器向け基盤ソフトウェア・プラットフォーム「ZebOS®」シリーズの事業基盤維持に努めるとともに、ホワイトボックス向け統合Network OS「OcNOS®」の事業拡大に注力しております。ホワイトボックスは、5G時代を迎え更なる通信トラフィックの増加が見込まれる中、データセンター事業者、通信キャリア、IXP(インターネット相互接続ポイント)事業者等においてネットワークインフラ設備投資・運用コストを大幅に低減しつつ運用の自由度を高める有力な手段と目されており、世界的に市場が拡大しつつあります。この様な環境の中、IP Infusion Inc.では通信事業者向けのWAN/LAN向け共通プラットフォーム内のCSR(Cell Site Router)やuCPE(Universal Customer Premise Equipment、汎用顧客構内設備)、データセンター向けの商用版の「SONiC distribution」といった多岐にわたるホワイトボックスソリューションを展開しております。またKGPCoやTechDataといった大手ディストリビューターやWipro LimitedといったグローバルSIer との提携を通じ、通信事業者へのホワイトボックスソリューションやサポート等の安定的な提供につなげてまいります。
当第1四半期連結累計期間につきましては、「OcNOS®」をはじめとしたIP Infusion Inc. のソリューションを採用した新規顧客は20社以上となっており、売上高は前年同四半期比で増加しております。また体制強化に伴う人件費やソフトウェアの減価償却費等の増加により、あわせて費用も増加しております。
ネットワーク事業前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年同四半期比
外部顧客への売上高403百万円924百万円128.8%
セグメント損益△703百万円△667百万円-

②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金や仕掛品の減少等により、前連結会計年度末に比べ1億67百万円減少して277億95百万円となりました。
負債は、未払法人税等の減少等により、前連結会計年度末に比べ1億97百万円減少して23億71百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失6億62百万円を計上したものの、為替換算調整勘定の変動額6億17百万円等により、前連結会計年度末に比べ29百万円増加して254億23百万円となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・中長期的な成長戦略等について前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について前事業年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は50百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要として、事業活動の遂行に係る運転資金需要に加え、製品開発投資やM&A等の外部成長施策の遂行に係る投資資金需要を想定しておりますが、当四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は147億19百万円であることから、十分な流動性を確保しており、資金需要については手元資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによって対応可能な状況であると認識しております。