有価証券報告書-第22期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
主な活動内容としては、近年取扱いを開始した新商品の立上げを促進すべく、市場ニーズに応えるための販売形態の多様化やバージョンアップ版の投入を推進しました。例えば、次世代エンドポイントマルウェア対策製品Deep InstinctのSaaS版の提供や、無害化ソリューションVotiro Disarmer(旧名称:Votiro Secure Data Sanitization)の機能強化のためのバージョンアップ等です。
サービス関連のMSS事業においては、体制強化と高収益事業への構造転換が完了したことに加え、顧客数が着実に増加したことで損益分岐点を超え、収益事業に転換しました。
また、投資育成事業では、当社がテストケースとして出資を行っているイスラエルのインキュベータであるTeam8において、Team8が投資、インキュベートしている一部のサイバーセキュリティ関連スタートアップ企業の買収が確定したことにより、当該部分のみで当社の出資分の5倍超の運用益を実現致しました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当事業年度の総資産は2,261百万円となり、前事業年度末に比べ94百万円減少しました。負債合計は761百万円となり、前事業年度末に比べ31百万円増加しました。純資産合計は1,500百万円となり、前事業年度末に比べ126百万円減少しました。
b.経営成績
売上高3,024百万円(前年同期比13.9%減)、営業損失174百万円(前年同期は72百万円の営業損失)、経常損失122百万円(前年同期は76百万円の経常損失)、当期純損失121百万円(前年同期は86百万円の当期純損失)となりました。
なお、当社では事業セグメントをネットワークセキュリティ事業のみとしております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前事業年度末に比べ23百万円増加し、905百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は46百万円(前事業年度は302百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純損失120百万円、投資事業組合運用益45百万円を計上した一方、減価償却費128百万円の計上、たな卸資産の減少28百万円、前受金の増加20百万円、法人税の還付24百万円があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は13百万円(前事業年度は186百万円の使用)となりました。これは主に、保守部材として取得した有形固定資産54百万円、投資有価証券の取得による支出7百万円があった一方、投資事業組合からの分配による収入50百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は9百万円(前事業年度は19百万円の使用)となりました。これは、配当金の支払額9百万円などによるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は貸借対照表に記載されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象として
おります。
4.2015年3月期、2016年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③生産、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当事業年度における商品仕入実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度における受注実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.前事業年度は販売実績が10%未満の為、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。
当社の財務諸表の作成においては、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断を必要としております。過去の実績やその時点で入手可能な情報を基に、合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で、継続的に見積り、判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社では、特に以下の項目が、当社の財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに重大な影響を及ぼすと考えております。
a.収益の認識
当社での売上計上基準は、商品売上については「出荷基準」、受託開発やコンサルティングサービス等の売上については「検収基準」としております。また、長期サービス契約については、期間対応の計上を行っております。出荷に係る証憑書類や、受領書等により計上時には、適切なチェックが行われております。
b.貸倒引当金
貸倒引当金について当社では、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
定期的に顧客毎の与信審査及び実績管理等の貸倒れ発生防止策を行っておりますが、将来顧客の財務状態が悪化した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c.たな卸資産
たな卸資産について当社では、商品については「移動平均法による原価法」、仕掛品については「個別法による原価法」によりたな卸資産の評価を行っております。また、現在の市場価値と取得原価との間に大きな乖離が生じていると判断された場合は、評価減しております。実際の将来需要や商品の陳腐化により追加の評価減が必要となる可能性があります。売上高からみて、現状の在庫高水準は適正レベルにあると判断しております。
d.ソフトウェア勘定及びソフトウェア仮勘定
ソフトウェア勘定及びソフトウェア仮勘定において、自社利用ソフトウェアについては、将来の収益獲得能力又は費用削減効果が認められないと判断された場合には一時の費用又は損失となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況
1)財政状態の分析
(総資産)
当事業年度末における流動資産は1,725百万円となり、前事業年度末に比べ28百万円減少しました。これは主に現金及び預金が23百万円増加した一方、商品及び製品が29百万円、前払費用が10百万円減少したことなどによるものであります。固定資産は535百万円となり、前事業年度末に比べ66百万円減少しました。これは主に工具、器具及び備品が51百万円、ソフトウェアが20百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、総資産は2,261百万円となり、前事業年度末に比べ94百万円減少しました。
(負債合計)
当事業年度末における流動負債は651百万円となり、前事業年度末に比べ24百万円増加しました。これは主に前受金が20百万円、未払法人税等が9百万円が増加したことなどによるものであります。固定負債は109百万円となり、前事業年度末に比べ7百万円増加しました。
この結果、負債合計は761百万円となり、前事業年度末に比べ31百万円増加しました。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は1,500百万円となり、前事業年度末に比べ126百万円減少しました。これは主に当期純損失121百万円などによるものであります。
この結果、自己資本比率は66.3%となり、前事業年度末比で2.7ポイント減少しました。
2)経営成績の分析
(売上高)
過去に販売したセキュリティ機器のリプレイス需要が、対象システムの統廃合や競合製品との競争激化により想定を下回る結果となったことや、近年取扱いを開始した新商品の立ち上がりが遅れたことが影響しました。最大の要因は、厚労省をはじめとした公共セクターの大型案件の調達が、次期後半以降にずれ込む形となったことにより、売上高は3,024百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
中期経営計画の達成に向けた施策を加速させるための人員体制強化を推進し、外部からの経験者採用等を実施した事に加え、サービス関連におけるシステム移行に伴う設備投資による運用コストが、旧システムとの二重負担により今期第3四半期後半までかかったものの、経費節減を推進した事もあり予想よりも少ない金額に抑える事ができました。尚、サービス関連は、当事業年度の第4四半期より、損益分岐点を超え、収益事業に転換しました。
3)キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
a.資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業活動に必要な流動性の維持と資金を確保することと、運転資金の効率的な管理による資本効率の最適化を目指しております。また、営業活動によるキャッシュ・フローを主な源泉と考え、さらに金融・資本市場からの資金調達、銀行との当座貸越契約等を必要に応じて行い、充分な流動性の確保と財務体質の向上を図っております。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2020年度に売上高150億円、営業利益20億円を目指す中期経営計画を策定しております。中期経営計画の最終年度(2020年度)に対する当事業年度の進捗率は、売上高で20.1%となっております。営業利益については営業損失となっております。
中期経営計画の達成に向けて、次代を先取りしたオンリーワン商品の投入と、当社セキュリティ・ノウハウを組み合わせたハイブリッド型サービスビジネスを加速させると共に、これまで培ってきたイスラエルとのコネクションを生かした投資育成事業を推進しております。また、公共やエンタープライズ向けのITセキュリティ分野に加え、全く新しい市場が立ち上がるコネクテッドカー及びIoT分野を含めたセキュリティ市場を対象に、グローバルな新潮流を体現した独自のポジショニングの確立を図ります。
以上の方針に基づき、具体的な施策を実施致します。
サービス関連では、MSS事業において進めた高収益事業への構造転換が完了したことに加え、顧客数が着実に増加したことで損益分岐点を超え、収益事業に転換しました。今後、収益基盤として貢献するために、体制強化を図りつつ、サービスメニュー拡張や品質向上を推進することで競争力を高め、着実に顧客を増やしていきます。
プロダクト関連では、厚労省をはじめとした公共セクターにおいて、案件公示となった際に確実に取り込めるよう引き続きフォローを続けます。その他、Deep Instinct やIRONSCALES、Symantec Web Isoration等近年取扱いを開始した新商品については、収益貢献に向け引き続き拡販活動に注力致します。
コネクテッドカ―セキュリティ事業では、完全自動運転車の市場投入が間近に迫る中、当社はKaramba社、Upstream社等と契約を締結し、コネクテッドカーセキュリティで他社に先行する圧倒的な商品MIXを有しております。現状、提案活動は着実に進捗しており、ディファクト化に向け、中期的な視点での取組を推進します。 また、ヘルスケアや産業インフラといった領域でもIoT化が進展しており、セキュリティ対策が急務となっております。そのため、コネクテッドカー及びIoT機器に対するサイバー攻撃対策ソリューションの充実を図ることで、新たに創出されるセキュリティ市場の取り込みを図ります。
投資育成事業では、当社が長年培ってきたコネクションを活かし、イスラエルのセキュリティ関連のスタートアップ企業に対しテストケースとして投資を行っており、現状会計上は反映しておりませんが、グローバルでも注目される高いバリエーションを有しており、当事業年度はそのうちの一部で投資額の5倍超の運用益が実現するなど成果が出てきております。今後は、世界中から注目が集まるイスラエルのセキュリティスタートアップ企業投資を本格化させる準備を始めます。これまで出資したテストケース同様に、早期に情報を収集し見極めを図ります。
①財政状態及び経営成績の状況
主な活動内容としては、近年取扱いを開始した新商品の立上げを促進すべく、市場ニーズに応えるための販売形態の多様化やバージョンアップ版の投入を推進しました。例えば、次世代エンドポイントマルウェア対策製品Deep InstinctのSaaS版の提供や、無害化ソリューションVotiro Disarmer(旧名称:Votiro Secure Data Sanitization)の機能強化のためのバージョンアップ等です。
サービス関連のMSS事業においては、体制強化と高収益事業への構造転換が完了したことに加え、顧客数が着実に増加したことで損益分岐点を超え、収益事業に転換しました。
また、投資育成事業では、当社がテストケースとして出資を行っているイスラエルのインキュベータであるTeam8において、Team8が投資、インキュベートしている一部のサイバーセキュリティ関連スタートアップ企業の買収が確定したことにより、当該部分のみで当社の出資分の5倍超の運用益を実現致しました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当事業年度の総資産は2,261百万円となり、前事業年度末に比べ94百万円減少しました。負債合計は761百万円となり、前事業年度末に比べ31百万円増加しました。純資産合計は1,500百万円となり、前事業年度末に比べ126百万円減少しました。
b.経営成績
売上高3,024百万円(前年同期比13.9%減)、営業損失174百万円(前年同期は72百万円の営業損失)、経常損失122百万円(前年同期は76百万円の経常損失)、当期純損失121百万円(前年同期は86百万円の当期純損失)となりました。
なお、当社では事業セグメントをネットワークセキュリティ事業のみとしております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前事業年度末に比べ23百万円増加し、905百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は46百万円(前事業年度は302百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純損失120百万円、投資事業組合運用益45百万円を計上した一方、減価償却費128百万円の計上、たな卸資産の減少28百万円、前受金の増加20百万円、法人税の還付24百万円があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は13百万円(前事業年度は186百万円の使用)となりました。これは主に、保守部材として取得した有形固定資産54百万円、投資有価証券の取得による支出7百万円があった一方、投資事業組合からの分配による収入50百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は9百万円(前事業年度は19百万円の使用)となりました。これは、配当金の支払額9百万円などによるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 72.8 | 64.6 | 61.2 | 69.0 | 66.3 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 100.8 | 71.1 | 210.0 | 313.2 | 366.0 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | - | - | 0.7 | 0.7 | 4.3 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ (倍) | - | - | 202.0 | 225.6 | 33.3 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は貸借対照表に記載されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象として
おります。
4.2015年3月期、2016年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③生産、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当事業年度における商品仕入実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
| 商 品 区 分 | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| パッケージソフトウェア商品 (千円) | セキュリティ商品及び 運用関連商品 | 1,428,907 | 77.0 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度における受注実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
| 商 品 区 分 | 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) | |
| パッケージソフトウェア商品 | セキュリティ商品及び 運用管理商品 | 3,086,953 | 93.4 | 220,975 | 139.8 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
| 商 品 区 分 | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比 (%) | |
| パッケージソフトウェア商品 (千円) | セキュリティ商品及び 運用管理商品 | 3,024,052 | 86.1 |
(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額 (千円) | 割合(%) | 金額 (千円) | 割合(%) | |
| ネットワンシステムズ株式会社 | - | - | 320,381 | 10.59 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.前事業年度は販売実績が10%未満の為、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。
当社の財務諸表の作成においては、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断を必要としております。過去の実績やその時点で入手可能な情報を基に、合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で、継続的に見積り、判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社では、特に以下の項目が、当社の財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに重大な影響を及ぼすと考えております。
a.収益の認識
当社での売上計上基準は、商品売上については「出荷基準」、受託開発やコンサルティングサービス等の売上については「検収基準」としております。また、長期サービス契約については、期間対応の計上を行っております。出荷に係る証憑書類や、受領書等により計上時には、適切なチェックが行われております。
b.貸倒引当金
貸倒引当金について当社では、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
定期的に顧客毎の与信審査及び実績管理等の貸倒れ発生防止策を行っておりますが、将来顧客の財務状態が悪化した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c.たな卸資産
たな卸資産について当社では、商品については「移動平均法による原価法」、仕掛品については「個別法による原価法」によりたな卸資産の評価を行っております。また、現在の市場価値と取得原価との間に大きな乖離が生じていると判断された場合は、評価減しております。実際の将来需要や商品の陳腐化により追加の評価減が必要となる可能性があります。売上高からみて、現状の在庫高水準は適正レベルにあると判断しております。
d.ソフトウェア勘定及びソフトウェア仮勘定
ソフトウェア勘定及びソフトウェア仮勘定において、自社利用ソフトウェアについては、将来の収益獲得能力又は費用削減効果が認められないと判断された場合には一時の費用又は損失となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況
1)財政状態の分析
(総資産)
当事業年度末における流動資産は1,725百万円となり、前事業年度末に比べ28百万円減少しました。これは主に現金及び預金が23百万円増加した一方、商品及び製品が29百万円、前払費用が10百万円減少したことなどによるものであります。固定資産は535百万円となり、前事業年度末に比べ66百万円減少しました。これは主に工具、器具及び備品が51百万円、ソフトウェアが20百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、総資産は2,261百万円となり、前事業年度末に比べ94百万円減少しました。
(負債合計)
当事業年度末における流動負債は651百万円となり、前事業年度末に比べ24百万円増加しました。これは主に前受金が20百万円、未払法人税等が9百万円が増加したことなどによるものであります。固定負債は109百万円となり、前事業年度末に比べ7百万円増加しました。
この結果、負債合計は761百万円となり、前事業年度末に比べ31百万円増加しました。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は1,500百万円となり、前事業年度末に比べ126百万円減少しました。これは主に当期純損失121百万円などによるものであります。
この結果、自己資本比率は66.3%となり、前事業年度末比で2.7ポイント減少しました。
2)経営成績の分析
(売上高)
過去に販売したセキュリティ機器のリプレイス需要が、対象システムの統廃合や競合製品との競争激化により想定を下回る結果となったことや、近年取扱いを開始した新商品の立ち上がりが遅れたことが影響しました。最大の要因は、厚労省をはじめとした公共セクターの大型案件の調達が、次期後半以降にずれ込む形となったことにより、売上高は3,024百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
中期経営計画の達成に向けた施策を加速させるための人員体制強化を推進し、外部からの経験者採用等を実施した事に加え、サービス関連におけるシステム移行に伴う設備投資による運用コストが、旧システムとの二重負担により今期第3四半期後半までかかったものの、経費節減を推進した事もあり予想よりも少ない金額に抑える事ができました。尚、サービス関連は、当事業年度の第4四半期より、損益分岐点を超え、収益事業に転換しました。
3)キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
a.資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業活動に必要な流動性の維持と資金を確保することと、運転資金の効率的な管理による資本効率の最適化を目指しております。また、営業活動によるキャッシュ・フローを主な源泉と考え、さらに金融・資本市場からの資金調達、銀行との当座貸越契約等を必要に応じて行い、充分な流動性の確保と財務体質の向上を図っております。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2020年度に売上高150億円、営業利益20億円を目指す中期経営計画を策定しております。中期経営計画の最終年度(2020年度)に対する当事業年度の進捗率は、売上高で20.1%となっております。営業利益については営業損失となっております。
中期経営計画の達成に向けて、次代を先取りしたオンリーワン商品の投入と、当社セキュリティ・ノウハウを組み合わせたハイブリッド型サービスビジネスを加速させると共に、これまで培ってきたイスラエルとのコネクションを生かした投資育成事業を推進しております。また、公共やエンタープライズ向けのITセキュリティ分野に加え、全く新しい市場が立ち上がるコネクテッドカー及びIoT分野を含めたセキュリティ市場を対象に、グローバルな新潮流を体現した独自のポジショニングの確立を図ります。
以上の方針に基づき、具体的な施策を実施致します。
サービス関連では、MSS事業において進めた高収益事業への構造転換が完了したことに加え、顧客数が着実に増加したことで損益分岐点を超え、収益事業に転換しました。今後、収益基盤として貢献するために、体制強化を図りつつ、サービスメニュー拡張や品質向上を推進することで競争力を高め、着実に顧客を増やしていきます。
プロダクト関連では、厚労省をはじめとした公共セクターにおいて、案件公示となった際に確実に取り込めるよう引き続きフォローを続けます。その他、Deep Instinct やIRONSCALES、Symantec Web Isoration等近年取扱いを開始した新商品については、収益貢献に向け引き続き拡販活動に注力致します。
コネクテッドカ―セキュリティ事業では、完全自動運転車の市場投入が間近に迫る中、当社はKaramba社、Upstream社等と契約を締結し、コネクテッドカーセキュリティで他社に先行する圧倒的な商品MIXを有しております。現状、提案活動は着実に進捗しており、ディファクト化に向け、中期的な視点での取組を推進します。 また、ヘルスケアや産業インフラといった領域でもIoT化が進展しており、セキュリティ対策が急務となっております。そのため、コネクテッドカー及びIoT機器に対するサイバー攻撃対策ソリューションの充実を図ることで、新たに創出されるセキュリティ市場の取り込みを図ります。
投資育成事業では、当社が長年培ってきたコネクションを活かし、イスラエルのセキュリティ関連のスタートアップ企業に対しテストケースとして投資を行っており、現状会計上は反映しておりませんが、グローバルでも注目される高いバリエーションを有しており、当事業年度はそのうちの一部で投資額の5倍超の運用益が実現するなど成果が出てきております。今後は、世界中から注目が集まるイスラエルのセキュリティスタートアップ企業投資を本格化させる準備を始めます。これまで出資したテストケース同様に、早期に情報を収集し見極めを図ります。