有価証券報告書-第23期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 9:18
【資料】
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【項目】
106項目
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、相次ぐ自然災害の発生や消費増税の影響を受け景気の先行きへの不透明感が増す展開となっていたところ、当事業年度終盤に発生した新型コロナウイルス感染拡大の影響による外出及びイベントの自粛が拡がったため、消費が大幅に落ち込み景気が悪化しております。海外においても、米中の通商問題や香港の条例改正案に対する抗議活動の長期化等、先行き不透明な状況の中、新型コロナウイルス感染拡大により経済活動が抑制されている状況となっております。
ネットワークセキュリティ業界においては、新型コロナウイルス感染拡大に伴い多くの企業でテレワーク環境の整備が急務となっており、セキュリティが手薄な環境を狙ったサイバー攻撃や新型コロナウイルスに便乗したフィッシング詐欺が急増する等、サイバーセキュリティ対策は国民生活や社会経済活動観点からますます重要な課題となっております。
当社の主な活動内容としては、従前より取り組んでおりますセミナーの開催や各種展示会への出展を継続的に行い、顧客開拓に向けたPR活動や当社取扱商品の拡販活動に注力いたしました。その結果として近年取り扱いを開始した製品の導入実績も出始めております。一方で、新商品の取扱開始に向けた準備も進めてまいりました。
取扱商品の主なトピックスとしては、無害化ソリューション「VOTIRO Disarmer」が、株式会社アイ・ティ・アールが調査した「ITR MARKET VIEW:エンドポイント/無害化/インターネット分離/CASB市場2020」(2020年3月発刊)の国内メール無害化/ファイル無害化市場において3年連続ベンダー別売上金額シェアNo.1 を獲得しました。また、フィッシングメール詐欺対策ソリューション「IRONSCALES」が、Cyber Defense Magazine誌とInfoSecurity Products Guide誌より Awardsを受賞いたしました。さらに、次世代エンドポイントマルウェア対策製品「DEEP INSTINCT」が、シグネチャベースのアンチウイルス製品では検知できなかったランサムウェアを検知したことを発表いたしました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
総資産は2,403百万円となり、前事業年度末に比べ141百万円増加しました。負債合計は860百万円となり、前事業年度末に比べ99百万円増加しました。純資産合計は1,542百万円となり、前事業年度末に比べ42百万円増加しました。
b.経営成績
売上高3,126百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益44百万円(前年同期は174百万円の営業損失)、経常利益61百万円(前年同期は122百万円の経常損失)、当期純利益45百万円(前年同期は121百万円の当期純損失)となりました。
なお、当社では事業セグメントをネットワークセキュリティ事業のみとしております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前事業年度末に比べ68百万円増加し、974百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は191百万円(前事業年度は46百万円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加58百万円、たな卸資産の増加19百万円があった一方、税引前当期純利益50百万円、減価償却費116百万円の計上、仕入債務の増加67百万円があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は122百万円(前事業年度は13百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出114百万円、有価証券の取得による支出84百万円、有価証券の売却による収入65百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は0百万円(前事業年度は9百万円の使用)となりました。これは、自己株式の取得0百万円などによるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期
自己資本比率(%)64.661.269.066.364.2
時価ベースの
自己資本比率(%)
71.1210.0313.2366.0167.5
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)
-0.70.74.31.0
インタレスト・
カバレッジ・レシオ
(倍)
-202.0225.633.3133.7

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は貸借対照表に記載されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象として
おります。
4.2016年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③生産、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当事業年度における商品仕入実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
商 品 区 分当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
パッケージソフトウェア商品
(千円)
セキュリティ商品及び
運用関連商品
1,420,07099.4

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度における受注実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
商 品 区 分受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
パッケージソフトウェア商品セキュリティ商品及び
運用管理商品
3,055,81399.0150,77895.4

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
商 品 区 分当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比
(%)
パッケージソフトウェア商品
(千円)
セキュリティ商品及び
運用管理商品
3,126,010103.4

(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額 (千円)割合(%)金額 (千円)割合(%)
ネットワンシステムズ株式会社320,38110.59--

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.当事業年度は販売実績が10%未満の為、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。
当社の財務諸表の作成においては、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断を必要としております。過去の実績やその時点で入手可能な情報を基に、合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で、継続的に見積り、判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社では、特に以下の項目が、当社の財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに重大な影響を及ぼすと考えております。
a.収益の認識
当社での売上計上基準は、商品売上については「出荷基準」、受託開発やコンサルティングサービス等の売上については「検収基準」としております。また、長期サービス契約については、期間対応の計上を行っております。出荷に係る証憑書類や、受領書等により計上時には、適切なチェックが行われております。
b.貸倒引当金
貸倒引当金について当社では、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
定期的に顧客毎の与信審査及び実績管理等の貸倒れ発生防止策を行っておりますが、将来顧客の財務状態が悪化した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c.たな卸資産
たな卸資産について当社では、商品は「移動平均法による原価法」、仕掛品は「個別法による原価法」によりたな卸資産の評価を行っております。また、現在の市場価値と取得原価との間に大きな乖離が生じていると判断された場合は、評価減しております。実際の将来需要や商品の陳腐化により追加の評価減が必要となる可能性があります。売上高からみて、現状の在庫高水準は適正レベルにあると判断しております。
d.ソフトウェア勘定及びソフトウェア仮勘定
ソフトウェア勘定及びソフトウェア仮勘定において、自社利用ソフトウェアについては、将来の収益獲得能力又は費用削減効果が認められないと判断された場合には一時の費用又は損失となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況
1)財政状態の分析
(総資産)
当事業年度末における流動資産は1,834百万円となり、前事業年度末に比べ108百万円増加しました。これは主に現金及び預金が68百万円、売掛金が58百万円増加した一方、未収消費税の支払23百万円があったことなどによるものであります。固定資産は569百万円となり、前事業年度末に比べ33百万円増加しました。これは主に工具、器具及び備品が36百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、総資産は2,403百万円となり、前事業年度末に比べ141百万円増加しました。
(負債合計)
当事業年度末における流動負債は747百万円となり、前事業年度末に比べ95百万円増加しました。これは主に買掛金が67百万円、未払金が21百万円増加したことなどによるものであります。固定負債は112百万円となり、前事業年度末に比べ3百万円増加しました。
この結果、負債合計は860百万円となり、前事業年度末に比べ99百万円増加しました。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は1,542百万円となり、前事業年度末に比べ42百万円増加しました。これは主に当期純利益45百万円などによるものであります。
この結果、自己資本比率は64.2%となり、前事業年度末比で2.1ポイント減少しました。
2)経営成績の分析
(売上高)
プロダクト関連においては従来からの主力商品の販売は競争激化により伸び悩んだものの粗利率改善に努めたほか、サービス関連においても従前より取り組んできた品質向上や体制強化の効果により実にストックが増加しました。一方で、厚労省をはじめとした大型案件は調達が遅れており一部のみの受注に留まったこととに加え、年度末に予定されていた案件が翌年度にずれ込んだこともあり、売上高は3,126百万円(前年同期比3.4%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上が前年対比で増加したことと粗利率改善により売上総利益が伸長した一方、コストについても、必要最小限に抑えました。前期まで発生していたサービス事業におけるシステム移行に伴う設備投資による運用コストの二重負担が解消されるなど、販売費及び一般管理費が1,335百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
a.資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業活動に必要な流動性の維持と資金を確保することと、運転資金の効率的な管理による資本効率の最適化を目指しております。また、営業活動によるキャッシュ・フローを主な源泉と考え、さらに金融・資本市場からの資金調達、銀行との当座貸越契約等を必要に応じて行い、充分な流動性の確保と財務体質の向上を図っております。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、セキュリティ事業におけるオンリーワン商品の投入と、当社セキュリティ・ノウハウを組み合わせたハイブリッド型サービスビジネスの加速に経営資源を集中させると共に、これまで培ってきたイスラエルとのコネクションを活かした投資育成事業の推進に取り組んでおります。公共やエンタープライズ向けのITセキュリティ分野に加え、新しい市場の立ち上がりが期待されるコネクテッドカー及びIoT分野を含めたセキュリティ市場を対象に、グローバルな新潮流を体現した独自のポジショニングの確立を図ります。
以上の方針に基づき、具体的な施策を実施致します。
ITセキュリティ事業については、テレワークは今後ニューノーマルとして常態化すると考えられ、Web会議やリモートアクセスの増加がより加速することに加え、PC等の端末機器をオフィス環境以外で利用する機会も増大することで、従来の想定と異なるセキュリティ・パラダイムに応える商品ラインアップが必要となります。この市場ニーズの変化に即応するため、イスラエルをはじめとした最新のセキュリティ商品の投入による商品ラインナップの拡充を図ります。
また、世の中全般でセキュリティ人材が不足していることに加え、セキュリティ対策が多様化、複雑化していることもあり、セキュリティ運用についてのニーズも高まりを見せています。当社としてはサービス関連を強化することで、顧客のセキュリティ運用の支援を行い、セキュリティ強度の向上に努めます。従前より取り組んでいる品質強化はもとより、取扱商品を運用サービスと組み合わせることで、競争力を高めてまいります。
更に、デジタルマーケティングによる顧客へのアプローチを強力に推進をすることで、顧客への訴求を図り、早期の収益増大を図ります。
コネクテッドカー/IoTセキュリティ事業については、自動運転化や官民連携で推進しているスマートシティー構想の進展に伴い、コネクテッドカー/IoTセキュリティ市場は急速に立ち上がることが期待されています。ただし、コロナ禍の影響による自動車セグメントへの影響等もあり、想定よりも進展は遅れております。現状はPoC等を通じた提案活動を展開していますが、今後はプロダクション・フェーズに向け、対象顧客との関係強化を図りつつ、拡販活動を推進していくことで、収益貢献の実現を目指します。
当社は、この分野で世界的に注目されているKaramba社をはじめとした複数のソリューションを展開しており、今後も拡充を図ることで、市場が立ち上がりの機を捉え確固たるポジションを築けるようにいたします。
投資育成事業については、当社が長年培ってきたコネクションを活かし、イスラエルのセキュリティ関連のスタートアップ企業に対しテストケースとして投資を行っております。当事業年度は、セキュリティ事業とのシナジーが期待でき、培ったコネクションと実績が活かせるイスラエルのセキュリティスタートアップ企業への投資を継続してまいります。実績の1つとして、当社は現在イスラエルで注目を浴びているインキュベータであるTeam8の初期のリミテッドパートナーとして参加しており、既に当事業年度末における実現・未実現を含めた評価額は投資金額の5倍超となっております。

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