有価証券報告書-第21期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 9:06
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69項目
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、政府の経済政策を背景に雇用情勢、企業業績の改善が引き続き見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方世界経済においては、中国をはじめとする新興国の景気減速や北朝鮮・中東等地政学リスク等により、先行き不透明な状況が続いております。
ネットワークセキュリティ業界においては、政府機関や企業はもとより、個人を対象としたサイバー攻撃は複雑化・巧妙化すると共に攻撃による被害も拡大し続けており、官民ともに対策強化の動きがより一層活発化しております。直近では、不正アクセスによる仮想通貨流出事件が発生し、その流出した仮想通貨の交換に匿名性が高いインターネット空間「ダークウェブ」が使用されていたことが報道されるなど、サイバーセキュリティ対策は、国民生活や社会経済活動観点から極めて重要な課題となっております。
このような環境の下、当社は、飛躍を図るべく次代を先取りしたオンリーワン商品の投入と、当社セキュリティ・ノウハウを組み合わせたハイブリッド型サービスビジネスを加速させることに注力しております。また、公共やエンタープライズに加えて、全く新しい市場が立ち上がるコネクテッドカーのセキュリティ分野を対象に、セキュリティ市場におけるグローバルな新潮流を体現した独自のポジショニングの確立を図ります。その上で、経営スローガンである「One Step Ahead of the Game ~ その一手先へ」を掲げて、経営理念を軸とした理念経営を推進していくことで、中長期的な成長基盤をより確実なものとします。
来期以降に向けた主な取り組みとして、新商材のリリース、サービス関連の収益改善、公共セクターにおける本番調達での仕様採用に向けた活動を実施いたしました。
新商材のリリースについては、Fireglass社(イスラエル)と契約を結び、アイソレーションによりWebサーバアプリケーションとクライアント双方を守る「Fireglass ThreatIsolation Platform」の提供を開始いたしました。他に無い特徴として、Webサーバアプリケーションの保護があげられます。Web全体をイメージとしてWebクライアントに提供することにより、ボットをはじめとするマルウェアがWebのソースを閲覧する事を防止します。これにより、万が一、Webアプリケーションに脆弱性があったとしても、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングといったWebアプリケーションへの攻撃を防ぐことができます。また、Deep Instinct社(イスラエル)と契約を結び、次世代エンドポイントマルウェア対策製品「Deep Instinct」の提供を開始いたしました。セキュリティでは世界初のニューラルネットワークを用いたディープラーニングにより、被害が発生する前に脅威を検知、防御するNGEPP(次世代エンドポイントプロテクション)製品です。さらに、IntSights社(イスラエル)と契約を締結し、サイバー攻撃への事前対策の為の脅威インテリジェンスとして企業リスクをダークウェブ、ディープウェブ、サーフェスウェブから発見する「IntSights Threat Intelligenceサービス」を提供開始いたしました。IntSights Threat Intelligenceサービスは、ダークウェブやディープウェブだけでなく、サーフェスウェブでやり取りされる様々な情報を独自のアルゴリズムと機械学習を用いて収集します。利用企業は、自社に関係のあるキーワードを登録することで、自社の脅威となる選択された情報をアラートとして受け取ることができます。
サービス関連の収益改善については、当期まで毎年200百万円弱の赤字事業でしたが、一定の顧客数の伸びに目途がたってきていることと、次期以降の高収益構造への転換を図るため、当期中のコスト負担と運用負担を増やし次期後半から確実な利益体質とする手立てを終了しました。具体的には、収益性を改善し利益転換するための設備投資を実施しました。設備投資により減価償却の発生と、既存設備から新システムへ切り替えるための並行運用による新旧システムの人員・運用コストの2重負担など一時的なコスト増加となりました。ただし、次期後半には並行運用が解消し、減価償却額も定率法採用により2年目以降で減額となることから、コストは大幅に減少する見込みです。
公共セクターにおける本番調達での採用に向けた活動については、厚労省等の公共セクターにおいてセキュリティ対策における仕様検討のための実証実験に当社取扱商品が複数採用され、次期以降の調達に優位性を発揮いたしました。例えば、AI型クラウドSOCシステム及びプロフェッショナル運用サービスの導入を推進するものであります。監視作業にAI型クラウドを使用する事で、従来のSOCサービスに比べ精度向上・コスト減・運用可用性向上の実現が可能となります。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当事業年度の総資産は2,356百万円となり、前事業年度末に比べ485百万円減少しました。負債合計は729百万円となり、前事業年度末に比べ372百万円減少しました。純資産合計は1,627百万円となり、前事業年度末に比べ113百万円減少しました。
b.経営成績
売上高3,513百万円(前年同期比27.4%減)、営業損失72百万円(前年同期は337百万円の営業利益)、経常損失76百万円(前年同期は332百万円の経常利益)、当期純損失86百万円(前年同期は312百万円の当期純利益)となりました。
なお、当社では事業セグメントをネットワークセキュリティ事業のみとしております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前事業年度末に比べ97百万円増加し、882百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は302百万円(前事業年度は275百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純損失78百万円を計上し、仕入債務116百万円、未払金108百万円の減少があった一方、売上債権の減少641百万円があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は186百万円(前事業年度は249百万円の使用)となりました。これは主に、保守部材として取得した有形固定資産70百万円、投資有価証券の取得による支出118百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は19百万円(前事業年度は0百万円の使用)となりました。これは、配当金の支払額19百万円などによるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
平成26年3月期平成27年3月期平成28年3月期平成29年3月期平成30年3月期
自己資本比率(%)75.672.864.661.269.0
時価ベースの
自己資本比率(%)
71.8100.871.1210.0313.2
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)
0.1--0.70.7
インタレスト・
カバレッジ・レシオ
(倍)
290.7--202.0225.6

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は貸借対照表に記載されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象として
おります。
4.平成27年3月期、平成28年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
③生産、受注及び販売の実績
a.商品仕入実績
当事業年度における商品仕入実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
商 品 区 分当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
パッケージソフトウェア商品
(千円)
セキュリティ商品及び
運用関連商品
1,854,75065.1

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度における受注実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
商 品 区 分受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
パッケージソフトウェア商品セキュリティ商品及び
運用管理商品
3,305,89264.9158,07443.3

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を商品区分別に示すと次のとおりであります。
商 品 区 分当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比
(%)
パッケージソフトウェア商品
(千円)
セキュリティ商品及び
運用管理商品
3,513,04272.6

(注)最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先前事業年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額 (千円)割合(%)金額 (千円)割合(%)
ネットワンシステムズ株式会社684,74614.14--

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.当事業年度は販売実績が10%未満の為、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。
当社の財務諸表の作成においては、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断を必要としております。過去の実績やその時点で入手可能な情報を基に、合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で、継続的に見積り、判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社では、特に以下の項目が、当社の財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに重大な影響を及ぼすと考えております。
a.収益の認識
当社での売上計上基準は、商品売上については「出荷基準」、受託開発やコンサルティングサービス等の売上については「検収基準」としております。また、長期サービス契約については、期間対応の計上を行っております。出荷に係る証憑書類や、受領書等により計上時には、適切なチェックが行われております。
b.貸倒引当金
貸倒引当金について当社では、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の一定期間における貸倒実績から算出した貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
定期的に顧客毎の与信審査及び実績管理等の貸倒れ発生防止策を行っておりますが、将来顧客の財務状態が悪化した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c.たな卸資産
たな卸資産について当社では、商品については「移動平均法による原価法」、仕掛品については「個別法による原価法」によりたな卸資産の評価を行っております。また、現在の市場価値と取得原価との間に大きな乖離が生じていると判断された場合は、評価減しております。実際の将来需要や商品の陳腐化により追加の評価減が必要となる可能性があります。売上高からみて、現状の在庫高水準は適正レベルにあると判断しております。
d.ソフトウェア勘定及びソフトウェア仮勘定
ソフトウェア勘定及びソフトウェア仮勘定において、自社利用ソフトウェアについては、将来の収益獲得能力又は費用削減効果が認められないと判断された場合には一時の費用又は損失となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の状況
1)財政状態の分析
(総資産)
当事業年度末における流動資産は1,781百万円となり、前事業年度末に比べ501百万円減少しました。これは主に現金及び預金が97百万円増加した一方、売掛金が641百万円減少したことなどによるものであります。固定資産は574百万円となり、前事業年度末に比べ15百万円増加しました。これは主に投資有価証券が107百万円増加した一方、工具、器具及び備品が60百万円減少したことなどによるものであります。
この結果、総資産は2,356百万円となり、前事業年度末に比べ485百万円減少しました。
(負債合計)
当事業年度末における流動負債は627百万円となり、前事業年度末に比べ380百万円減少しました。これは主に買掛金が116百万円、未払金が105百万円及び未払消費税等が107百万円減少したことなどによるものであります。固定負債は101百万円となり、前事業年度末に比べ8百万円増加しました。
この結果、負債合計は729百万円となり、前事業年度末に比べ372百万円減少しました。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は1,627百万円となり、前事業年度末に比べ113百万円減少しました。これは主に当期純損失86百万円などによるものであります。
この結果、自己資本比率は69.0%となりました。
2)経営成績の分析
(売上高)
地方自治体におけるセキュリティ対策をはじめとしたセキュリティ対策需要が一巡したことに加え、政府セキュリティ予算概算要求を受けた独立行政法人向けセキュリティ対策が単年度から複数年度にかけてのものに変更になるなどの影響もあり、売上高は3,513百万円(前年同期比27.4%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
中期経営計画の達成に向けた施策を加速させるための人員体制強化を推進し、外部からの経験者採用等により16名の増強を実施しました(対前事業年度比で約114百万円の人件費増)。更にサービス関連は、当期まで毎年平均200百万円弱の赤字事業でしたが、一定の顧客数の伸びに目途がたってきていることと、次期以降の高収益構造への転換を図るため、当期中のコスト負担と運用負担を増やし次期後半から確実な利益体質とする手立てを終了しました。具体的には、収益性を改善し利益転換するための設備投資を実施しました。設備投資により減価償却の発生と、既存設備から新システムへ切り替えるための並行運用による新旧システムの人員・運用コストの2重負担など一時的なコスト増加となりました。ただし、次期後半には並行運用が解消し、減価償却額も定率法採用により2年目以降で減額となることから、コストは大幅に減少する見込みです。一方で、全社的な業務の効率化を進めたことにより、販売費及び一般管理費は1,439百万円(前年同期比3.0%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業活動に必要な流動性の維持と資金を確保することと、運転資金の効率的な管理による資本効率の最適化を目指しております。また、営業活動によるキャッシュ・フローを主な源泉と考え、さらに金融・資本市場からの資金調達、銀行との当座貸越契約等を必要に応じて行い、充分な流動性の確保と財務体質の向上を図っております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業などのリスク」に記載のとおりであります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、飛躍を図るべく2020年度に売上高150億円、営業利益20億円を目指す中期経営計画を策定しております。中期経営計画の最終年度(2020年度)に対する当事業年度の進捗率は、売上高で23.4%となっております。営業利益については営業損失となっております。
中期経営計画の達成に向けて、「最新の市場動向調査に基づいたオンリーワン商品の投入」と、「オンリーワン商品と当社セキュリティ・ノウハウを組み合わせたハイブリッド型サービスビジネスの加速」を基本方針として掲げ、その上で計画の実現に向けた経営基盤の強化を推進します。
以上の方針に基づき、具体的な施策を実施してまいります。
サービス関連においては、これまでの平均200百万円弱/年の赤字事業を脱し、収益貢献化に目途が付いたことにより、次期後半から黒字事業となり、以後黒字の拡大を見込んでおります。その理由としては、まず一定の顧客数と、顧客数の伸びによる売上の伸長が見込まれているためです。更には、新システムの導入に伴う運用コストの二重負担が次期後半から無くなることと、定率法の採用により新システムの償却費が2年目以降で減額となることによる運用費の大幅な減少が見込まれているためです。その上で、オンリーワン商品と組み合わせたハイブリッド型サービスを強化していくことで差別化を図り、販売強化に努めてまいります。
プロダクト関連においては、厚労省等公共セクターにおいてセキュリティ対策における仕様検討のための実証実験に当社取扱製品が複数採用され、次期以降の調達に優位性を発揮しております。例えば、AI型クラウドSOCシステム及びプロフェッショナル運用サービスの導入で、従来のSOCサービスに比べ精度向上・コスト減・運用可用性向上の実現を可能とするものです。今後については、当社取扱商品の採用に向けた活動を加速してまいります。また、これまで導入してきたイスラエルを中心とした、オンリーワン商品の販売拡大にも努めてまいります。AI、インテリジェンス、アイソレーションといったキーワードの商品は従前には無い新しい価値を提供するものであり、差別化を図る上で、大きなポイントとなります。
さらに、2020年度を目途に高度な自動運転車が市場に投入されることに伴い、新たに巨大なセキュリティ市場が立ち上がりつつあります。当社はKaramba社、Arxan社、Upstream社と契約を締結し、他社に先行する圧倒的な商品MIXを有しております。巨大セキュリティ需要を取り込み、中期経営計画の達成に向けた仕組みの1つとすべく、米国・ドイツ・日本でのディファクト化に向けた取り組みを推進いたします。

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