有価証券報告書-第35期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境において、世界的に新型コロナウイルスの感染拡大ペースが再加速し、欧米を中心に外出行動の抑制度が再び強まっております。国内では緊急事態宣言の再発令を受けて個人向けサービス業で赤字幅が拡大し、個人消費の低迷は長期化となる見通しです。
BPO市場においては、テクノロジーの進歩と共に、デジタル技術を駆使した便利で革新的なサービスへの変換が可能なことから、堅調な成長が見込まれております。
このような環境のもと、2018年3月期に発表した中期経営計画に基づき、「継続的・安定的な成長」「プレステージ・インターナショナルでしか実現できないサービスの創造」「地方都市での雇用の創造・継続」「女性の雇用機会の創出」を骨子とした取り組みをグループ全体として実行いたしました。
新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な中、大都市圏でのコンタクトセンターの運営には、三密対策やクラスター対策など安定した事業継続に影響を及ぼしておりますが、当社グループのBPO拠点を設置している地域では罹患者が少なく、BPO拠点でも感染者が発生しなかったことから、安定的に事業を継続しております。このことから、地方分散型のBCPニーズへの期待値が高まっております。
2019年10月には新潟BPO魚沼テラス、2021年3月には山形BPOパーク(500席増席)を開設し、従業員規模は順調に増加しております。今後も、2022年3月期に秋田BPOにかほキャンパス、2024年3月期には岩手BPOセンター(仮称)の開設を予定しております。
これらの取り組みの結果、着実にサービス提供を行うことにより「継続的・安定的な成長」を実現いたしました。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績及び受注実績
当社グループの提供するサービスの受注生産は僅少であるため、記載を省略しております。
②販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注)1.上記の金額には、消費税等を含んでおりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(3)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容
a. 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、連結決算日における資産、負債の報告金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益及び費用の報告金額に影響を与えるような見積り及び予測を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関しましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 追加情報」に記載のとおりであります。
b. 当連結会計年度の経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容
①財政状態
当連結会計年度末における総資産は、46,755百万円となり前連結会計年度末に比べ3,863百万円増加となりました。流動資産に関しましては、現金及び預金が778百万円減少、受取手形及び売掛金が489百万円減少、その他が694百万円増加となりました。これらにより流動資産合計では前連結会計年度末より426百万円減少し、27,275百万円となりました。固定資産に関しましては、有形固定資産の建物及び構築物が2,939百万円増加、投資その他の資産の投資有価証券が1,561百万円増加し、固定資産合計では前連結会計年度末より4,290百万円増加し、19,480百万円となりました。
負債に関しましては、流動負債の未払金が623百万円増加、前受金が1,231百万円増加、その他が941百万円減少、固定負債の資産除去債務が512百万円増加となりました。これらにより負債合計では前連結会計年度末より876百万円増加し、13,866百万円となりました。
また、純資産については、配当の支払いが2020年6月及び12月に発生いたしましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が2,968百万円であったため前連結会計年度末に比べ2,986百万円増加しております。
②経営成績
連結売上高に関しては、グローバル事業が新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響を受け、40,617百万円(前期比4.2%減)となりました。
営業利益につきましては、継続的にコストコントロールを徹底し、5,233百万円(前期比5.5%増)となりました。経常利益につきましては、5,453百万円(前期比1.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、海外グループの収益減を国内事業でカバーしたことにより、税負担率が増加したこと、また、特別損失(※1)として不正請求加算金116百万円を計上した結果、2,968百万円(前期比7.0%減)となっております。
(※1)特別損失の不正請求返還加算金は、当社連結子会社である株式会社プレミア・ケアにおいて、2020年11月25日に児童福祉法に基づく指定障害児通所支援事業者等の指定の取消しを受けたことに伴い、地方自治体に支払う給付金返還額の加算金であります。
(注)記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しております。
セグメントの業績は以下のとおりです。
1) 日本
日本国内においては、オートモーティブ事業が新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上高は38,535百万円(前期比1.5%減)となりました。
営業利益につきましては、継続的なコストコントロールを行い、6,010百万円(前期比7.8%増)となりました。
2) 米州・欧州
米州・欧州においては、コロナ変異株の拡散により各企業の駐在員数の調整があり主力商品であるヘルスケアプログラムの減少により、売上は1,652百万円(前期比34.0%減)、営業利益につきましても、406百万円(前期比41.3%減)となりました。
3) アジア・オセアニア
アジア・オセアニアについても米国、欧州と同様の理由に、売上高は429百万円(前期比44.3%減)、営業利益につきましても、101百万円(前期比72.6%減)となりました。
事業別の業績は次のとおりであります。
1) オートモーティブ事業
主に損害保険会社、自動車メーカー向けロードサービス等を提供しているオートモーティブ事業は、国内における活動自粛の影響を受け、売上高は19,810百万円(前期比5.7%減)となりました。営業利益に関しては、コストコントロールを徹底した結果、2,909百万円(前期比18.0%増)となりました。
2) プロパティ事業
分譲・賃貸マンション・戸建ての専有部の一次修繕とコインパーキングのメンテナンス等を提供しているプロパティ事業は、不動産向けサービス(ホームアシスト)の堅調な成長により、売上高は5,375百万円(前期比1.5%増)となりました。営業利益に関しては、新センター稼働・基幹システム等に関するコストが先行したことにより、507百万円(前期比4.3%減)となりました。
3) グローバル事業
海外旅行保険のクレームエージェント、駐在員向けの医療サポート業務(ヘルスケアプログラム)、クレジットカードの発行業務を行うグローバル事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により海外渡航者の減少、クレジットカード利用額の減少等の影響を受け、売上高は4,593百万円(前期比25.4%減)、営業利益に関しては、235百万円(前期比75.1%減)となりました。
4) カスタマー事業
国内のカスタマーコンタクトサービス等を展開しているカスタマー事業は、既存受託業務の成長により、売上高は5,211百万円(前期比14.5%増)となりました。営業利益に関しては、不採算案件の解消・既存サービスの採算向上により、713百万円(前期比136.6%増)となりました。
5) 金融保証事業
金融に関わる保証サービスを提供している金融保証事業は、グループ会社である株式会社イントラストが経営する保証プログラムが堅調に推移し、売上高は4,597百万円(前期比6.1%増)、営業利益に関しては、1,124百万円(前期比4.7%増)となりました。
6) IT事業
IT事業におきましては、前期の受注検収の反動により、売上高は554百万円(前期比26.0%減)、営業利益につきましては126百万円(前期比33.6%減)となりました。
7) ソーシャル事業
女子スポーツチーム、保育事業等のサービスを中心としたソーシャル事業は、発達障害児支援プログラムでの会計処理の影響がなくなり、売上高は475百万円(前期比65.7%増)、営業損失は△379百万円(前期は555百万円の損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,630百万円の収入となりました。主なプラス要因としては、税金等調整前当期純利益が5,343百万円、その他の負債の増減額が1,692百万円、主なマイナス要因としては、法人税等の支払額が2,224百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、4,137百万円の支出となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が3,567百万円、投資有価証券の取得による支出が993百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,356百万円の支出となりました。主な要因は、配当金の支払額が896百万円、長期借入金の返済による支出が250百万円、非支配株主への配当金の支払額が103百万円等によるものであります。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より745百万円減少して16,291百万円となりました。
④経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営者の問題認識と今後の方針について
新型コロナウイルス感染症により、経営環境は限定的ではあるものの一定程度影響を受けることが想定されます。
BPO市場においては大都市圏での感染リスクが顕在化し、テレワークや時差出勤といった新たなワークスタイルが求められております。このような状況の中で、事業継続を目的とした地方都市での業務運用に対する需要が高まることが想定され、中長期的な視点からは当社グループを取り巻く環境は厳しさを残しながらも堅調に成長するものと考えております。
当社グループは、2015年4月に富山BPOタウンを、2019年4月には秋田BPO横手キャンパスを開設し、更に2019年10月には新潟BPO魚沼テラス、2021年3月期には山形BPOガーデンを500席増席し、山形BPOパークを開設いたしました。
これらの施策により、当社グループの従業員は4,000名を超える規模となっており、組織の隅々まで企業文化とコンプライアンス、ガバナンスの意識を徹底させることが重要と考えております。
また、当社グループのサービスを魅力的にする為に、それぞれのBPO拠点の役割、位置づけを明確にし、人材育成の観点からも拠点間での品質及び効率を競わすことも重要と認識しております。これらの施策を効果的に運営し、事業基盤の更なる強化に取り組んでまいります。
当社の経営の根幹は「人」によるサービスにあると認識しております。当社としては「地方都市」において「サービス業」の雇用を創造し、特に「女性」の活躍の場を提供し、継続していくことを社会貢献方針に掲げております。また、当社の必要とする人財は、コミュニケーション能力、気配り、心配りといったホスピタリティのある優秀な人財でもあります。これらの人財を確保するために、当社のBPO拠点では「地域でNo.1の職場環境」を掲げ、様々な工夫に基づいた働きやすい環境を訴求すること、地域に密着し、愛される企業として知名度を向上させるための活動を継続的に行ってまいります。同時に「人でしかできない仕事」に集中するために、システム化、効率化に資する投資に関しましても積極的に実施してまいります。
以上を踏まえ、従業員一人一人が自ら体幹を鍛え、組織としてもそれを評価することで強いチームとして成長を続けることを目指してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症により、経営環境は限定的ではあるものの一定程度影響を受けることが想定されます。業績に関しては国内外において、エンドユーザーの活動量が抑制される傾向にあり、これに基づき事業計画を立案しておりますが、当社グループが提供するオペレーション量等が計画より大きく減少した場合、又は長期間に続く場合は、業績に対して以下のような影響を与える可能性があります。
(オートモーティブ関連)
・国内において、外出や旅行などの自粛で自動車を利用した外出が減少することにより、サービス利用者減少によるオペレーション量が大きく減少した場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。
・新車販売の低迷が続き、新車販売時に付帯するサービス加入が大きく減少した場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。
(プロパティ関連)
・再び緊急事態宣言された場合、分譲マンション等への設備の点検、各種サービス利用が大きく減少し、収益に影響を及ぼす可能性があります。
(グローバル関連)
・海外旅行保険のクレームエージェントサービスでは、海外への渡航者が減少しております。これに伴いサービス利用の減少が長期間続く場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。
・ヘルスケア・プログラムでは、日本人の海外駐在員が新型コロナウイルス感染症の影響で現地医療機関等への受診者数が減少しており、長期間続く場合は収益に影響を及ぼす可能性があります。
・米国におけるクレジットカード発行BPOサービスについては、米国内外の移動に伴う航空機の利用が減少しており、それに伴うカード決済金額の減少傾向がみられており、これらが長期間続く場合は収益に影響を及ぼす可能性があります。
(金融保証関連)
・家賃保証プログラムにおいて、滞納家賃が大きく増加することにより貸倒引当金の積増しなどで収益に影響を及ぼす可能性があります。
b. 中期経営計画に関して
新型コロナウイルス感染症は、国内外においてワクチン接種が開始されておりますが、感染の再拡大が生じ、未だ回復不透明な状況が継続しております。コロナ禍前のような経済・社会活動に戻るのは2~3年程かかると想定されております。一方、BPO市場においては、「デジタルトランスフォーメーション」が注目され、デジタル技術を駆使し、更に便利で革新的なサービスへの変換が求められております。
このような情勢の下、当社グループにおきましては、2021年5月に新たな中期経営計画を発表いたしました。「価値創造企業」というテーマを掲げ、「PIでしか実現できないサービス領域の創造」、「安定的・継続的成長」「地方都市での雇用の創造・維持」「女性が活躍できる職場環境の創出」という4つの戦略を掲げております
10年後の世界は、テクノロジーが進化し、デジタルな繋がりが増え、より快適な仕組みが生み出される一方で、高齢社会、地域格差等の課題が生じ新たな価値が求められると考えております。
そこで、「PIでしか実現できないサービス領域の創造」として、各事業セグメントのポテンシャルを高めると共に、優秀な人財の揃うBPO拠点の最高品質のオペレーション、ラストワンマイルを実現する現場対応グループ会社とデジタルトランスフォーメーションを融合させ、縦(メニュー追加)・横(マーケットへの展開)を立体的に拡充してまいります。
「地方都市での雇用の創造・維持」においては、2021年3月に山形BPOパーク(500席増席)が稼働を開始いたしました。今後、2022年3月には秋田BPOにかほキャンパス、2024年3月には岩手BPOセンター(仮称)が開設予定となります。また、新たな候補地にも拠点設置計画を予定しており、地方自治体との協力体制を密に、地域と共に成長を続けてまいります。
「インクルーシブな職場環境の創出」では、女性管理職比率50%の目標を掲げている他、多様な人財の確保のため、障がい者雇用、スポーツ人財の採用にも積極的に力を入れ、地方でのサステナブルな環境の構築を継続してまいります。
今回の中期経営計画では、2024年3月期までの目標として、連結決算ベースで売上高60,000百万円、売上高営業利益率13.3%、ROA10%、ROE13%の各指標を定めました。以上の経営戦略を実現することにより、「継続的・安定的成長」のため、全従業員が一丸となって目標達成に取り組むことを表明しております。
以上の中期経営計画を踏まえ、当社グループの2021年3月期の連結業績予想は、以下の通りであります。
各事業別については、以下のとおりになります。
(オートモーティブ事業)
損害保険会社向けロードアシスタンスサービスの市場は、将来において技術革新が最も進む分野であると認識しております。一方で、緊急通報サービスなど自動車メーカー向けのサービスが拡大しており、成長分野として重点投資を行う予定であります。このような環境のもと、当社としては、一番の強みである現場対応を行うグループ会社の体制強化を行うことで「人でしかできない」サービスとしての独自性を高め、将来においても社会に求められるサービスを提供してまいります。具体的には「PREMIER Assist」ブランドの強化の為、FC化の拡大及び2020年5月に「富山トレーニングフィールド」を竣工し、新しい時代の適切なアシスタンスの技術を習得するとともにフランチャイズ展開を強化してまいります。また、アンドロイド端末やモバイルアプリを使用した自動手配システムとオペレーションの連携をより密にすることで、お客様からのお問い合わせから現場までの到着時間を短縮するなどの業務効率化ならびにコスト削減による競争力の強化も推進してまいります。
(プロパティ事業)
不動産向けサービス(ホームアシスト)においては、居住者サービスへのメニュー拡充等、「PIでしかできないサービス領域」の実現を目指しております。機能修繕だけではなく、共用部の対応、延長保証や点検作業など当社のスタンダードとなるサービスを確立し、成長性を獲得する方針です。サービスの差別化を図るため、現場対応を行うグループ会社の拡充やネットワーク構築を進め、エンド・ユーザーに品質の高いサービスを提供することで、新たなサービスメニューの獲得を実現し、同時に業務の効率化を進めてまいります。駐車場管理会社向けサービス(パークアシスト)におきましては、厳しい経済環境下で、コスト削減のために価格を重視する傾向になっております。既存クライアント企業との継続的な連携を強化するとともに技術進化やシェアリングビジネスの強化にも注力してまいります。
(グローバル事業)
主に海外の日本人駐在員向けヘルスケア・プログラムにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響により事業の回復には時間を要しますが、今後、価格の優位性やグローバル市場への新規参入を目的に新興国に進出する企業や進出地域の拠点拡大に向け海外駐在員を増やす企業など、日系企業のグローバル展開は南アジア・中南米及び中東地域を中心に更に加速することが予想されます。ヘルスケアプログラムを重点投資分野と位置づけ、アジア・中南米をはじめとする新興国を戦略的拡大地域とし、日系企業の進出が著しい地域の拠点における基盤強化を推進するとともに、世界18ヵ国に展開する海外拠点の役割を明確化し、必要な機能を獲得しながらオペレーション体制を構築してまいります。その一環として、海外の主要医療機関にスタッフを配置するなどの施策を行い、日本人駐在員や帯同家族に一層手厚いサポートができるよう注力してまいります。また、主に海外の日本人駐在員向けに現地通貨で決済が可能なクレジットカードを発行しているカードビジネスにおいては、日系企業における生産拠点の海外シフトが加速されることから日本人駐在員が増加し、カード会員数の増加が見込まれます。新型コロナウイルス感染症の影響で利用が減少している足元の状況ではありますが、サービスの向上を図り、海外赴任者に対して提携航空会社と共同で継続的なマーケティングを展開し、また新規会員獲得、利用頻度の増加のためプログラム特典の強化を推進するとともに、原価管理を強化し、収益力を高めてまいります。
(カスタマー事業)
カスタマーサービスにおいては、サービスの差別化要素が少なく、顧客獲得競争は厳しい状況である上、間接コストを抑制するため、価格を重視する傾向になっております。厳しい環境下ではありますが、家電、通信機器等の製品保証ビジネスにおいて、独自のプラットフォームモデルを構築し、BPO設置拠点でのコロナワクチンなどの自治体向けサービスを取り入れ、地域の発展・安定と共に成長を続けてまいります。今後も、大手コールセンター企業との競合は避け、当社が提供する付加価値サービスを評価して、長期的に関係構築のできるクライアント企業及び他の事業がサービスを提供している既存クライアント企業に対して、包括的なカスタマーコンタクトサービスの提案をしてまいります。特に新型コロナウイルス感染症の影響により、地方都市で運用していることによる事業継続性の需要の高まりは増加傾向にあり、着実に獲得していく方針です。
(金融保証事業)
金融に関わる保証サービスを提供している金融保証事業においては、家賃保証で培ったノウハウを、新規分野である医療費保証や介護費用保証、養育費保証へと展開し、「生活の安心=保証」の切り口で価値創造の領域を広げてまいります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
①資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、BPO拠点設置時の設備投資資金であります。受注能力の拡大を目的に山形BPOガーデン拡張および秋田BPOにかほキャンパスの設置を計画しております。加えて現場対応の品質、能力の向上を目的とした富山トレーニングフィールドの竣工、業務効率化を目的としたIT投資の継続を計画しております。
②財務政策
当社グループにおいては、資本需要に対しては原則として内部資金を充当することとしております。一時的な資金に関しましては、最も有利な調達手段を採用する方針であります。なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の業績への影響を考慮し、手元資金を十分確保しており、経営の安定化を図っております。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境において、世界的に新型コロナウイルスの感染拡大ペースが再加速し、欧米を中心に外出行動の抑制度が再び強まっております。国内では緊急事態宣言の再発令を受けて個人向けサービス業で赤字幅が拡大し、個人消費の低迷は長期化となる見通しです。
BPO市場においては、テクノロジーの進歩と共に、デジタル技術を駆使した便利で革新的なサービスへの変換が可能なことから、堅調な成長が見込まれております。
このような環境のもと、2018年3月期に発表した中期経営計画に基づき、「継続的・安定的な成長」「プレステージ・インターナショナルでしか実現できないサービスの創造」「地方都市での雇用の創造・継続」「女性の雇用機会の創出」を骨子とした取り組みをグループ全体として実行いたしました。
新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な中、大都市圏でのコンタクトセンターの運営には、三密対策やクラスター対策など安定した事業継続に影響を及ぼしておりますが、当社グループのBPO拠点を設置している地域では罹患者が少なく、BPO拠点でも感染者が発生しなかったことから、安定的に事業を継続しております。このことから、地方分散型のBCPニーズへの期待値が高まっております。
2019年10月には新潟BPO魚沼テラス、2021年3月には山形BPOパーク(500席増席)を開設し、従業員規模は順調に増加しております。今後も、2022年3月期に秋田BPOにかほキャンパス、2024年3月期には岩手BPOセンター(仮称)の開設を予定しております。
これらの取り組みの結果、着実にサービス提供を行うことにより「継続的・安定的な成長」を実現いたしました。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績及び受注実績
当社グループの提供するサービスの受注生産は僅少であるため、記載を省略しております。
②販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
| 名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前期比(%) |
| 日本 | 38,535,463 | △1.5 |
| 米州・欧州 | 1,652,384 | △34.0 |
| アジア・オセアニア | 429,783 | △44.3 |
| 合計 | 40,617,631 | △4.2 |
(注)1.上記の金額には、消費税等を含んでおりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(3)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容
a. 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、連結決算日における資産、負債の報告金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益及び費用の報告金額に影響を与えるような見積り及び予測を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関しましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 追加情報」に記載のとおりであります。
b. 当連結会計年度の経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容
①財政状態
当連結会計年度末における総資産は、46,755百万円となり前連結会計年度末に比べ3,863百万円増加となりました。流動資産に関しましては、現金及び預金が778百万円減少、受取手形及び売掛金が489百万円減少、その他が694百万円増加となりました。これらにより流動資産合計では前連結会計年度末より426百万円減少し、27,275百万円となりました。固定資産に関しましては、有形固定資産の建物及び構築物が2,939百万円増加、投資その他の資産の投資有価証券が1,561百万円増加し、固定資産合計では前連結会計年度末より4,290百万円増加し、19,480百万円となりました。
負債に関しましては、流動負債の未払金が623百万円増加、前受金が1,231百万円増加、その他が941百万円減少、固定負債の資産除去債務が512百万円増加となりました。これらにより負債合計では前連結会計年度末より876百万円増加し、13,866百万円となりました。
また、純資産については、配当の支払いが2020年6月及び12月に発生いたしましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が2,968百万円であったため前連結会計年度末に比べ2,986百万円増加しております。
②経営成績
連結売上高に関しては、グローバル事業が新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響を受け、40,617百万円(前期比4.2%減)となりました。
営業利益につきましては、継続的にコストコントロールを徹底し、5,233百万円(前期比5.5%増)となりました。経常利益につきましては、5,453百万円(前期比1.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、海外グループの収益減を国内事業でカバーしたことにより、税負担率が増加したこと、また、特別損失(※1)として不正請求加算金116百万円を計上した結果、2,968百万円(前期比7.0%減)となっております。
(※1)特別損失の不正請求返還加算金は、当社連結子会社である株式会社プレミア・ケアにおいて、2020年11月25日に児童福祉法に基づく指定障害児通所支援事業者等の指定の取消しを受けたことに伴い、地方自治体に支払う給付金返還額の加算金であります。
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減 | |
| 売上高(百万円) | 42,377 | 40,617 | 1,760 |
| 営業利益(百万円) | 4,959 | 5,233 | 274 |
| 経常利益(百万円) | 5,364 | 5,453 | 88 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) | 3,193 | 2,968 | 224 |
(注)記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しております。
セグメントの業績は以下のとおりです。
1) 日本
日本国内においては、オートモーティブ事業が新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上高は38,535百万円(前期比1.5%減)となりました。
営業利益につきましては、継続的なコストコントロールを行い、6,010百万円(前期比7.8%増)となりました。
2) 米州・欧州
米州・欧州においては、コロナ変異株の拡散により各企業の駐在員数の調整があり主力商品であるヘルスケアプログラムの減少により、売上は1,652百万円(前期比34.0%減)、営業利益につきましても、406百万円(前期比41.3%減)となりました。
3) アジア・オセアニア
アジア・オセアニアについても米国、欧州と同様の理由に、売上高は429百万円(前期比44.3%減)、営業利益につきましても、101百万円(前期比72.6%減)となりました。
事業別の業績は次のとおりであります。
1) オートモーティブ事業
主に損害保険会社、自動車メーカー向けロードサービス等を提供しているオートモーティブ事業は、国内における活動自粛の影響を受け、売上高は19,810百万円(前期比5.7%減)となりました。営業利益に関しては、コストコントロールを徹底した結果、2,909百万円(前期比18.0%増)となりました。
2) プロパティ事業
分譲・賃貸マンション・戸建ての専有部の一次修繕とコインパーキングのメンテナンス等を提供しているプロパティ事業は、不動産向けサービス(ホームアシスト)の堅調な成長により、売上高は5,375百万円(前期比1.5%増)となりました。営業利益に関しては、新センター稼働・基幹システム等に関するコストが先行したことにより、507百万円(前期比4.3%減)となりました。
3) グローバル事業
海外旅行保険のクレームエージェント、駐在員向けの医療サポート業務(ヘルスケアプログラム)、クレジットカードの発行業務を行うグローバル事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により海外渡航者の減少、クレジットカード利用額の減少等の影響を受け、売上高は4,593百万円(前期比25.4%減)、営業利益に関しては、235百万円(前期比75.1%減)となりました。
4) カスタマー事業
国内のカスタマーコンタクトサービス等を展開しているカスタマー事業は、既存受託業務の成長により、売上高は5,211百万円(前期比14.5%増)となりました。営業利益に関しては、不採算案件の解消・既存サービスの採算向上により、713百万円(前期比136.6%増)となりました。
5) 金融保証事業
金融に関わる保証サービスを提供している金融保証事業は、グループ会社である株式会社イントラストが経営する保証プログラムが堅調に推移し、売上高は4,597百万円(前期比6.1%増)、営業利益に関しては、1,124百万円(前期比4.7%増)となりました。
6) IT事業
IT事業におきましては、前期の受注検収の反動により、売上高は554百万円(前期比26.0%減)、営業利益につきましては126百万円(前期比33.6%減)となりました。
7) ソーシャル事業
女子スポーツチーム、保育事業等のサービスを中心としたソーシャル事業は、発達障害児支援プログラムでの会計処理の影響がなくなり、売上高は475百万円(前期比65.7%増)、営業損失は△379百万円(前期は555百万円の損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,630百万円の収入となりました。主なプラス要因としては、税金等調整前当期純利益が5,343百万円、その他の負債の増減額が1,692百万円、主なマイナス要因としては、法人税等の支払額が2,224百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、4,137百万円の支出となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が3,567百万円、投資有価証券の取得による支出が993百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,356百万円の支出となりました。主な要因は、配当金の支払額が896百万円、長期借入金の返済による支出が250百万円、非支配株主への配当金の支払額が103百万円等によるものであります。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より745百万円減少して16,291百万円となりました。
④経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営者の問題認識と今後の方針について
新型コロナウイルス感染症により、経営環境は限定的ではあるものの一定程度影響を受けることが想定されます。
BPO市場においては大都市圏での感染リスクが顕在化し、テレワークや時差出勤といった新たなワークスタイルが求められております。このような状況の中で、事業継続を目的とした地方都市での業務運用に対する需要が高まることが想定され、中長期的な視点からは当社グループを取り巻く環境は厳しさを残しながらも堅調に成長するものと考えております。
当社グループは、2015年4月に富山BPOタウンを、2019年4月には秋田BPO横手キャンパスを開設し、更に2019年10月には新潟BPO魚沼テラス、2021年3月期には山形BPOガーデンを500席増席し、山形BPOパークを開設いたしました。
これらの施策により、当社グループの従業員は4,000名を超える規模となっており、組織の隅々まで企業文化とコンプライアンス、ガバナンスの意識を徹底させることが重要と考えております。
また、当社グループのサービスを魅力的にする為に、それぞれのBPO拠点の役割、位置づけを明確にし、人材育成の観点からも拠点間での品質及び効率を競わすことも重要と認識しております。これらの施策を効果的に運営し、事業基盤の更なる強化に取り組んでまいります。
当社の経営の根幹は「人」によるサービスにあると認識しております。当社としては「地方都市」において「サービス業」の雇用を創造し、特に「女性」の活躍の場を提供し、継続していくことを社会貢献方針に掲げております。また、当社の必要とする人財は、コミュニケーション能力、気配り、心配りといったホスピタリティのある優秀な人財でもあります。これらの人財を確保するために、当社のBPO拠点では「地域でNo.1の職場環境」を掲げ、様々な工夫に基づいた働きやすい環境を訴求すること、地域に密着し、愛される企業として知名度を向上させるための活動を継続的に行ってまいります。同時に「人でしかできない仕事」に集中するために、システム化、効率化に資する投資に関しましても積極的に実施してまいります。
以上を踏まえ、従業員一人一人が自ら体幹を鍛え、組織としてもそれを評価することで強いチームとして成長を続けることを目指してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症により、経営環境は限定的ではあるものの一定程度影響を受けることが想定されます。業績に関しては国内外において、エンドユーザーの活動量が抑制される傾向にあり、これに基づき事業計画を立案しておりますが、当社グループが提供するオペレーション量等が計画より大きく減少した場合、又は長期間に続く場合は、業績に対して以下のような影響を与える可能性があります。
(オートモーティブ関連)
・国内において、外出や旅行などの自粛で自動車を利用した外出が減少することにより、サービス利用者減少によるオペレーション量が大きく減少した場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。
・新車販売の低迷が続き、新車販売時に付帯するサービス加入が大きく減少した場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。
(プロパティ関連)
・再び緊急事態宣言された場合、分譲マンション等への設備の点検、各種サービス利用が大きく減少し、収益に影響を及ぼす可能性があります。
(グローバル関連)
・海外旅行保険のクレームエージェントサービスでは、海外への渡航者が減少しております。これに伴いサービス利用の減少が長期間続く場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。
・ヘルスケア・プログラムでは、日本人の海外駐在員が新型コロナウイルス感染症の影響で現地医療機関等への受診者数が減少しており、長期間続く場合は収益に影響を及ぼす可能性があります。
・米国におけるクレジットカード発行BPOサービスについては、米国内外の移動に伴う航空機の利用が減少しており、それに伴うカード決済金額の減少傾向がみられており、これらが長期間続く場合は収益に影響を及ぼす可能性があります。
(金融保証関連)
・家賃保証プログラムにおいて、滞納家賃が大きく増加することにより貸倒引当金の積増しなどで収益に影響を及ぼす可能性があります。
b. 中期経営計画に関して
新型コロナウイルス感染症は、国内外においてワクチン接種が開始されておりますが、感染の再拡大が生じ、未だ回復不透明な状況が継続しております。コロナ禍前のような経済・社会活動に戻るのは2~3年程かかると想定されております。一方、BPO市場においては、「デジタルトランスフォーメーション」が注目され、デジタル技術を駆使し、更に便利で革新的なサービスへの変換が求められております。
このような情勢の下、当社グループにおきましては、2021年5月に新たな中期経営計画を発表いたしました。「価値創造企業」というテーマを掲げ、「PIでしか実現できないサービス領域の創造」、「安定的・継続的成長」「地方都市での雇用の創造・維持」「女性が活躍できる職場環境の創出」という4つの戦略を掲げております
10年後の世界は、テクノロジーが進化し、デジタルな繋がりが増え、より快適な仕組みが生み出される一方で、高齢社会、地域格差等の課題が生じ新たな価値が求められると考えております。
そこで、「PIでしか実現できないサービス領域の創造」として、各事業セグメントのポテンシャルを高めると共に、優秀な人財の揃うBPO拠点の最高品質のオペレーション、ラストワンマイルを実現する現場対応グループ会社とデジタルトランスフォーメーションを融合させ、縦(メニュー追加)・横(マーケットへの展開)を立体的に拡充してまいります。
「地方都市での雇用の創造・維持」においては、2021年3月に山形BPOパーク(500席増席)が稼働を開始いたしました。今後、2022年3月には秋田BPOにかほキャンパス、2024年3月には岩手BPOセンター(仮称)が開設予定となります。また、新たな候補地にも拠点設置計画を予定しており、地方自治体との協力体制を密に、地域と共に成長を続けてまいります。
「インクルーシブな職場環境の創出」では、女性管理職比率50%の目標を掲げている他、多様な人財の確保のため、障がい者雇用、スポーツ人財の採用にも積極的に力を入れ、地方でのサステナブルな環境の構築を継続してまいります。
今回の中期経営計画では、2024年3月期までの目標として、連結決算ベースで売上高60,000百万円、売上高営業利益率13.3%、ROA10%、ROE13%の各指標を定めました。以上の経営戦略を実現することにより、「継続的・安定的成長」のため、全従業員が一丸となって目標達成に取り組むことを表明しております。
以上の中期経営計画を踏まえ、当社グループの2021年3月期の連結業績予想は、以下の通りであります。
| 2021年3月期 | 2022年3月期 | ||
| 売上高 | 40,617百万円 | 45,000百万円 | (前期比10.8% 、4,382百万円 ) |
| 営業利益 | 5,233百万円 | 6,000百万円 | (前期比14.7% 、766百万円 ) |
| 経常利益 | 5,453百万円 | 6,200百万円 | (前期比13.7% 、746百万円 ) |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 2,968百万円 | 3,400百万円 | (前期比14.5% 、431百万円 ) |
各事業別については、以下のとおりになります。
(オートモーティブ事業)
損害保険会社向けロードアシスタンスサービスの市場は、将来において技術革新が最も進む分野であると認識しております。一方で、緊急通報サービスなど自動車メーカー向けのサービスが拡大しており、成長分野として重点投資を行う予定であります。このような環境のもと、当社としては、一番の強みである現場対応を行うグループ会社の体制強化を行うことで「人でしかできない」サービスとしての独自性を高め、将来においても社会に求められるサービスを提供してまいります。具体的には「PREMIER Assist」ブランドの強化の為、FC化の拡大及び2020年5月に「富山トレーニングフィールド」を竣工し、新しい時代の適切なアシスタンスの技術を習得するとともにフランチャイズ展開を強化してまいります。また、アンドロイド端末やモバイルアプリを使用した自動手配システムとオペレーションの連携をより密にすることで、お客様からのお問い合わせから現場までの到着時間を短縮するなどの業務効率化ならびにコスト削減による競争力の強化も推進してまいります。
(プロパティ事業)
不動産向けサービス(ホームアシスト)においては、居住者サービスへのメニュー拡充等、「PIでしかできないサービス領域」の実現を目指しております。機能修繕だけではなく、共用部の対応、延長保証や点検作業など当社のスタンダードとなるサービスを確立し、成長性を獲得する方針です。サービスの差別化を図るため、現場対応を行うグループ会社の拡充やネットワーク構築を進め、エンド・ユーザーに品質の高いサービスを提供することで、新たなサービスメニューの獲得を実現し、同時に業務の効率化を進めてまいります。駐車場管理会社向けサービス(パークアシスト)におきましては、厳しい経済環境下で、コスト削減のために価格を重視する傾向になっております。既存クライアント企業との継続的な連携を強化するとともに技術進化やシェアリングビジネスの強化にも注力してまいります。
(グローバル事業)
主に海外の日本人駐在員向けヘルスケア・プログラムにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響により事業の回復には時間を要しますが、今後、価格の優位性やグローバル市場への新規参入を目的に新興国に進出する企業や進出地域の拠点拡大に向け海外駐在員を増やす企業など、日系企業のグローバル展開は南アジア・中南米及び中東地域を中心に更に加速することが予想されます。ヘルスケアプログラムを重点投資分野と位置づけ、アジア・中南米をはじめとする新興国を戦略的拡大地域とし、日系企業の進出が著しい地域の拠点における基盤強化を推進するとともに、世界18ヵ国に展開する海外拠点の役割を明確化し、必要な機能を獲得しながらオペレーション体制を構築してまいります。その一環として、海外の主要医療機関にスタッフを配置するなどの施策を行い、日本人駐在員や帯同家族に一層手厚いサポートができるよう注力してまいります。また、主に海外の日本人駐在員向けに現地通貨で決済が可能なクレジットカードを発行しているカードビジネスにおいては、日系企業における生産拠点の海外シフトが加速されることから日本人駐在員が増加し、カード会員数の増加が見込まれます。新型コロナウイルス感染症の影響で利用が減少している足元の状況ではありますが、サービスの向上を図り、海外赴任者に対して提携航空会社と共同で継続的なマーケティングを展開し、また新規会員獲得、利用頻度の増加のためプログラム特典の強化を推進するとともに、原価管理を強化し、収益力を高めてまいります。
(カスタマー事業)
カスタマーサービスにおいては、サービスの差別化要素が少なく、顧客獲得競争は厳しい状況である上、間接コストを抑制するため、価格を重視する傾向になっております。厳しい環境下ではありますが、家電、通信機器等の製品保証ビジネスにおいて、独自のプラットフォームモデルを構築し、BPO設置拠点でのコロナワクチンなどの自治体向けサービスを取り入れ、地域の発展・安定と共に成長を続けてまいります。今後も、大手コールセンター企業との競合は避け、当社が提供する付加価値サービスを評価して、長期的に関係構築のできるクライアント企業及び他の事業がサービスを提供している既存クライアント企業に対して、包括的なカスタマーコンタクトサービスの提案をしてまいります。特に新型コロナウイルス感染症の影響により、地方都市で運用していることによる事業継続性の需要の高まりは増加傾向にあり、着実に獲得していく方針です。
(金融保証事業)
金融に関わる保証サービスを提供している金融保証事業においては、家賃保証で培ったノウハウを、新規分野である医療費保証や介護費用保証、養育費保証へと展開し、「生活の安心=保証」の切り口で価値創造の領域を広げてまいります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
①資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、BPO拠点設置時の設備投資資金であります。受注能力の拡大を目的に山形BPOガーデン拡張および秋田BPOにかほキャンパスの設置を計画しております。加えて現場対応の品質、能力の向上を目的とした富山トレーニングフィールドの竣工、業務効率化を目的としたIT投資の継続を計画しております。
②財務政策
当社グループにおいては、資本需要に対しては原則として内部資金を充当することとしております。一時的な資金に関しましては、最も有利な調達手段を採用する方針であります。なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の業績への影響を考慮し、手元資金を十分確保しており、経営の安定化を図っております。