四半期報告書-第25期第1四半期(令和1年11月1日-令和2年1月31日)

【提出】
2020/03/13 15:51
【資料】
PDFをみる
【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当社グループは、前連結会計年度末より連結財務諸表を作成しているため、前第1四半期連結累計期間との比較・分析の記載はしておりません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善などを背景に景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、通商問題の長期化や中東情勢の緊迫化、新型肺炎の発生といった世界経済の不確実性の影響もあり、先行き不透明な状況が続いております。
景気の先行きが不透明な状況ではありますが、当社グループは中期経営計画(2019年10月期~2022年10月期)における初年度は「収益力の大幅向上」に向けて業態のトランスフォームを推進しました。その結果、今期からは、創業事業であるLMSや企業向けオンライン配信事業「Qumu」やイベントスタジオ事業を「eラーニング事業」としてセグメント統合しています。加えて、高度IT人材の育成・紹介に本腰を入れるべく、M&Aにて株式会社エイム・ソフト(以下、「エイム・ソフト」といいます。)、株式会社ネクストエッジ(以下、「ネクストエッジ」といいます。)、株式会社東京テック(以下、「東京テック」といいます。)を連結子会社化し、「アカデミー事業」として新たなセグメントを設けました。また、デジタル時代を見据え、デジタルトランスフォーメーションを志向する企業へのコンサルティングや先端IT領域にて高い専門性やビジネスモデルを有するスタートアップへの純投資、そのバリューアップ、あるいは資本業務提携パートナーと新規事業開発を推進する「インキュベーション事業」を立ち上げ、「HRTech」・「EdTech」の分野にて日本を代表するソリューションカンパニーへ力強く業態転換しています。
当社の業態が属するeラーニング/情報サービス業界は、政府の成長戦略を受けた「IoT」や「ビッグデータ」等によるIT活用の高度化、多様化に向けて企業からの需要増加が見込まれております。また、2019年4月に施行された「働き方改革関連法」によって、企業の人材育成に対する認識の高まりとともに生産性向上・効率化を追求する流れを強め、残業時間に対する抑制も相まって、時間・場所に対する制約が少ないeラーニングの需要もますます高まることが予想されます。
こうしたマクロ経済動向のなか、当社の次なる成長エンジンである有料職業紹介事業「iStudy ACADEMY」事業を伸張させるため、IT技術者の紹介派遣事業を営む東京テックを2019年11月1日付で完全子会社化し、「アカデミー事業」への積極的な事業投資をしました。また、「いつでもどこでも学べるよろこび」をサービスコンセプトとし、オリジナルeラーニングコンテンツの作成が容易、動画コンテンツの編集、配信が簡単、スマートデバイスに対応する新たなLMSモデルとして「SLAP」をローンチいたしました。さらに「インキュベーション」事業として、先端IT技術の社会実装を目的とする介護技術分野におけるAI適用を図る受託研究事業、ブロックチェーンスタートアップ企業とのソリューション販売事業も開始しております。
このように、新たなビジョンの達成に向けて非連続に成長しており、並びにM&Aした連結対象子会社と新たなシナジー効果の追求に経営の舵を切った最中にあるなかで、売上高は、Eラーニング事業が、企業からの旺盛な需要を受けて対計画比増で推移しました。アカデミー事業も堅調であり、インキュベーション事業も新規事業でありながら通期計画に比べ順調に伸張しております。また、当社グループは、当期より正味キャッシュフロー創出能力である実態収益指標としてEBITDAを重要な経営指標にしており、第1四半期連結累計期間から目標通りプラスで着地しております。このため、M&Aによるのれん償却費などを加味した営業利益は赤字となっておりますが、当第1四半期連結累計期間の営業利益計画値△30百万円に対して実績△9百万円と計画進捗率を上回る結果となっており、実態収益がいっそうに向上している状況です。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は419百万円、EBITDA10百万円(※)、営業損失9百万円、経常損失9百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失17百万円となりました。
(※)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを変更しております。
当社のセグメント別の製品・サービス分類は次のとおりです。
セグメント製品・サービス
Eラーニング事業・法人向け学習管理システム 「iStudy LMS」
・法人向けビジネスビデオ 「Qumu(クム)」
・各種研修講座・サービス
・研修・eラーニングコンテンツ
・ビデオ収録・映像配信
アカデミー事業・有料職業紹介サービス 「iStudy ACADEMY」・IT技術者の紹介および派遣事業(エイム・ソフト、東京テック)・フリーランスマッチング事業(ネクストエッジ)
インキュベーション事業・システムの受託開発・経営および各種コンサルティング事業・投融資業

[Eラーニング事業]
法人向け学習管理システムである「iStudyLMS」および「SLAP」の引き合いは堅調であり、昨今の働き方改革を支援するツールとして利用範囲が拡大しております。既存製品である「iStudyLMS」は、大型案件のライセンス受注が入り、導入企業からはカスタマイズの受注が多く売上に貢献いたしました。新製品である「SLAP」は中堅企業からの引き合いが多く、導入からわずか数か月で複数社からの内定を頂いており、下期業績に貢献できる予定であります。また、開発プロセスを見直す事で生産性が向上し、その結果収益率も改善いたしました。なお、これらの製品を稼働させるインフラの改革にも取り組んでおります。2020年度末にはインフラ環境が刷新されることで稼働信頼性が向上し、さらに運用費用の低減も図って参ります。
各種研修講座・サービス・eラーニングコンテンツにおいては、引き続き先端技術分野のコンテンツの拡充を図っております。また、企業のテレワーク業務の推進が活発化し、スタジオ利用が増え売上が増加しております。
AIスキル分野では、数学講座から実装エンジニア技能まで体系的に学べるコースを、ブロックチェーンについてはグローバル評価を得ている企業と協業し開発スキルを体系的に学べるコースをリリースしております。また秘密計算といったユニークかつ最先端分野のラーニングコンテンツの開発にも着手しており、コンテンツベンダーとしての商品企画力も向上しております。これら新たなコンテンツの紹介を含めた新規の法人開拓を行っており、オンライン講座だけでなく、法人向けに技術演習のある研修の提供というニーズの開拓、実績をあげております。
以上の結果、売上高166百万円、EBITDA32百万円、セグメント利益27百万円となりました。
[アカデミー事業]
有料職業紹介サービス「iStudy ACADEMY」では、法人向けの企業の採用、研修業務を代行する業務請負を継続して提供しサービスの拡充を図るとともに、グループ企業の育成プログラムや法人営業連携といったグループシナジーを活かす展開を進めております。また、当社の親会社である株式会社CAICA(以下、「カイカ」といいます。)が擁するIT技術者約500名に対し、弊社のブロックチェーン講座による育成を開始しました。これにより、カイカのエンジニアたちの技術知識力が向上し、ブロックチェーンを使ったシステム開発力の基盤拡充に貢献しております。
エイム・ソフトでは、引き続きIT技術者の育成を継続し、顧客システム開発の支援として、エンジニア派遣事業の拡充を図っております。技術者の育成についてはニーズの高いオープン系を中心に技術力向上を図ること、ならびにグループシナジーを活かした高度IT人材の育成にも積極的に取り組んでおります。また、取引先の新規開拓に向けては、顧客に必要な技術レベルを具体化したエンジニアの提案を実施し、新規案件の獲得を実現しております。
ネクストエッジは、販管費を吸収できるだけの売上総利益の確保にはいたっておりません。従いまして、エイム・ソフトと経営機能を一体化することで重複する販管費を圧縮し、エイム・ソフトの収益力向上を図る予定です。
東京テックでは、WEB系システムの開発実績を積み重ねており、コスト面での最適化も持続的に行われており単体での黒字化を図ることができました。また、東京テックのエンジニアを、エイム・ソフトの受託開発案件や、パートナー企業と連携したクライアント先への出向プロジェクトに組み入れることで、エンジニア一人当たりの受注単価増並びにより受注マージンの高い案件へのアサインを図ることができました。
以上の結果、売上高214百万円、EBITDA15百万円、セグメント利益0百万円となりました。
なお、エイム・ソフトの株式取得に伴うのれん償却額13百万円は当セグメント利益に含めております。
[インキュベーション事業]
東京大学松尾研究室およびそのパートナー企業、社会福祉法人善光会とのAIを活用した共同研究事業が予定通り進捗しております。また、ブロックチェーン技術に係るシステムの請負開発と保守運用事業において安定的な受注獲得に至りました。
以上の結果、売上高39百万円、EBITDA8百万円、セグメント利益8百万円となりました。
② 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて15百万円減少し1,842百万円となりました。
流動資産の残高は前連結会計年度末に比べて60百万円減少し1,324百万円となりました。これは主に、現金及び預金が51百万円、売掛金が25百万円減少したことによるものであります。
固定資産の残高は前連結会計年度末に比べて44百万円増加し518百万円となりました。これは主に無形固定資産のその他に含まれるソフトウエア仮勘定が45百万円、のれんが12百万円減少した一方で、ソフトウエアが58百万円、投資有価証券が43百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当第1四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて17百万円増加し、525百万円となりました。
流動負債の残高は前連結会計年度末に比べて27百万円増加し382百万円となりました。これは主に買掛金が32百万円増加したことによるものであります。
固定負債の残高は前連結会計年度末に比べて10百万円減少し142百万円となりました。これは主に長期借入金が10百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は前連結会計年度末に比べて32百万円減少し1,317百万円となりました。これは主に利益剰余金が31百万円減少したことによるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当社は2019年9月末にエイム・ソフトを取得し連結グループ経営を開始いたしました。前連結会計年度末より連結財務諸表にのれんを計上し、当第1四半期連結累計期間よりのれんの償却を開始しております。セグメント間の比較可能性の確保及び実態収益を把握する観点から、新たに経営上の目標の達成状況を判断する指標としてEBITDAを設定しております。なお、EBITDAは営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加算して算出しております。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。