四半期報告書-第25期第2四半期(令和2年2月1日-令和2年4月30日)

【提出】
2020/06/12 15:36
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当社グループは、前連結会計年度末より連結財務諸表を作成しているため、前第2四半期連結累計期間との比較・分析の記載はしておりません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国の経済は、前半こそ緩やかな回復基調も期待されましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、わが国経済もインバウンド需要の大幅減に加え、3月に入ってからは外出自粛に伴い多くの業態で休業や時短営業を実施しており、景気は急激な落ち込みを見せています。個人消費と輸出が減少し、1~3月の実質GDPは、前期比▲0.9%(年率▲3.4%)と、2期連続のマイナス成長となっております。
このような状況の中、当社グループにおいても、新型コロナウイルス対策として、3月にはいりまして3名以上の会議の抑制、一部テレワーク体制を導入してまいりましたが、2020年4月7日の非常事態宣言以降は全社テレワーク体制を通達し実施しております。
経済環境の悪化から、4~6月期の実質GDPは年率2桁のマイナスになる公算が高い状況でありますが、一方で働き方改革の促進、企業のテレワークへの移行や教育機関でのオンライン教育の導入など当社の事業領域での社会的ニーズは増していくと認識しており、当社グループは中期経営計画(2019年10月期~2022年10月期)における「収益力の大幅向上」に向けて引き続き業態のトランスフォームを推進しております。
こうしたマクロ経済動向のなか、当社は2020年3月1日に株式会社クシムインサイト(旧商号「株式会社CCCT」。以下、「クシムインサイト」といいます。)を連結子会社化いたしました。クシムインサイトが有するUI/UX設計、グラフィックデザインへの知見を利用し、当社の安定成長事業である「Eラーニング事業」のコンテンツ制作能力の向上、並びに高度ITエンジニアの創出・紹介事業である「アカデミー事業」において、UI/UXのコンサルティング及びUI/UX設計を要するシステムエンジニアリング案件の獲得をすすめてまいります。また、2020年5月1日に当社の連結子会社である株式会社エイム・ソフト(以下、「エイム・ソフト」といいます。)が株式会社ケア・ダイナミクス(以下、「ケア・ダイナミクス」といいます。)を完全子会社化いたしました。エイム・ソフトはケア・ダイナミクスのもつ介護事業者向けASPシステムの開発・保守を行いながら未進出であった介護事業領域に進出してまいります。さらに、2020年5月15日に当社は株式会社イーフロンティア(以下、「イーフロンティア」といいます。)の株式を取得し、連結子会社化いたしました。イーフロンティアのもつ、3Dグラフィック、AI×ゲームソフト開発、AI×画像処理、等の専門性の高いナレッジとのシナジーを用い、当社のLMSを初めとしたeラーニング事業のプロダクトの発展と拡張を推進し、新しいマーケット創造に挑戦するとともに、急速に社会需要が高まっているテレワークやオンライン学習の領域で社会的ニーズに応えるべく付加価値の高いサービスを提供してまいります。
このように、当社グループは産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を使命とする一企業集団として、あらゆるサービスのデジタル化が進む時代に備え、新たな連結対象子会社とシナジー効果の追求をしている中、売上高は、Eラーニング事業が企業のテレワークへの移行や教育機関でのオンライン教育の導入ニーズの高まりから、対計画比増で推移しました。アカデミー事業も堅調であり、インキュベーション事業も新規事業でありながら通期計画に比べ順調に伸張しております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高は881百万円、EBITDA84百万円、営業利益42百万円、経常利益44百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益19百万円となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりであります。
当社のセグメント別の製品・サービス分類は次のとおりです。
セグメント製品・サービス
Eラーニング事業・法人向け学習管理システム 「iStudy LMS」
・法人向けビジネスビデオ 「Qumu(クム)」
・各種研修講座・サービス
・研修・eラーニングコンテンツ
・ビデオ収録・映像配信
アカデミー事業・有料職業紹介サービス 「iStudy ACADEMY」
・IT技術者の紹介および派遣事業(エイム・ソフト、クシムテクノロジーズ)
・フリーランスマッチング事業(エイム・ソフト)
インキュベーション事業・システムの受託開発
・経営および各種コンサルティング事業
・投融資業

[Eラーニング事業]
法人向け学習管理システムである「iStudy LMS」および「SLAP」の引き合いは堅調であり、新型コロナウイルスの影響により働き方が大きく変化する中、この機会に研修の在り方や社員の能力育成を検討する会社も多く、企業における自学習(eラーニング)のニーズは拡大しております。昨年末にリリースした「SLAP」は、大型受注が入り中堅企業からの引き合いも多く業績への貢献が出来つつあります。また既存製品である「iStudy LMS」のカストマイズ案件も引き続き多数受注し第2四半期計画を達成致しました。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当社の社会貢献事業として実施した『学校教育機関向け「SLAP」無償提供キャンペーン』の反響は大きく、早くも数校で導入が始まり、学生・生徒のオンデマンド授業の一翼を担うことが出来ました。インフラ環境の刷新については、パブリック・クラウド環境の積極的な利用など安定基盤構築に向け計画が予定通り進んでおります。「SLAP」開発については、お客様により使い易い環境の提供を行うことを主眼としたアップデート開発を進めており、月度1回のペースで機能拡充を図って参りました。
各種研修講座・サービス・eラーニングコンテンツにおいては、引き続き先端技術分野のコンテンツの拡充を図っております。昨今の新型コロナウイルスの影響から、企業のオンデマンドコンテンツ制作ニーズが高まり、スタジオ利用が急激に増加しております。
AIスキル分野では、数学講座から実装エンジニア技能まで体系的に学べるコースをリリースしており、AI資格(E資格、G検定)対策コースを中心に開始以来1,000名近くの方々にご受講いただいております。ブロックチェーンについてはグローバル評価を得ているスタートアップ企業と協業し開発スキルを体系的に学べるコースをリリースしております。また、先端IT以外にも、食育領域でのコンテンツ開発を受託しており、制作に着手したところであります。
以上の結果、売上高392百万円、EBITDA125百万円、セグメント利益114百万円となりました。
[アカデミー事業]
有料職業紹介サービス「ACADEMY事業」では、企業の高度IT技術者採用支援、研修業務の受託代行を行っており、継続してサービスの拡充を図っております。また、グループ会社である株式会社CAICAテクノロジーズ(以下、「CAICAテクノロジーズ」といいます。)が擁するIT技術者約400名に加え、子会社の株式会社エイム・ソフトに対しても、ブロックチェーンを中心とした先端IT講座による育成を進めております。これにより、エンジニアの技能が向上し、ブロックチェーン等の新たな技術を用いた付加価値の高いシステム開発の基盤拡充に貢献しております。
エイム・ソフトでは、引き続きニーズの高いオープン系を中心としたIT技術者育成と技術力の向上により、顧客システム開発の支援、エンジニア派遣事業の拡充を図っております。グループシナジーを活かした高度IT人材の育成についても積極強化しており、徐々に高度ITの領域における新規顧客や新規案件を獲得しつつあります。
一方で、2020年4月13日付のネクスグループとの業務提携とその後のエイム・ソフトの高度IT人材の活用についての協議を重ねた結果、2020年5月1日にケア・ダイナミクスを完全子会社化いたしました。ケア・ダイナミクスの持つ400以上の施設に導入実績のある介護事業者向けASPシステムを自社開発プロダクトとして保守運営することによって、高度IT人材の活用と共に非稼働エンジニアの活用も重ねることにより収益性を高め、また、未進出であった介護事業領域に進出してまいります。
なお、エイム・ソフトの完全子会社である株式会社ネクストエッジは、エイム・ソフトとの重複する販管費を圧縮することで収益力向上を図るため、2020年3月31日にエイム・ソフトへの経営機能の一体化を完了させました。
株式会社クシムテクノロジーズ(旧商号「株式会社東京テック」。以下「クシムテック」といいます。)では、引き続きWEB系システムの開発実績を積み重ねとコスト面での最適化が持続的に行われており単体での黒字化を図ることと、グループシナジーを活かし、エイム・ソフトと連携したクライアント先への出向プロジェクトや、当社iStudy ACADEMYでの再育成により受注マージンの高い案件へのアサインを実現することで、営業利益の拡大が図れております。今後、さらにグループ連携をさらに高め、高度IT人材スキルが必要とされるシステム開発事業へと販路を拡大してまいります。
以上の結果、売上高399百万円、EBITDA17百万円、セグメント利益△12百万円となりました。
なお、エイム・ソフト及びクシムテックの株式取得に伴うのれん償却額27百万円は当セグメント利益に含めております。
[インキュベーション事業]
東京大学松尾研究室およびそのパートナー企業、社会福祉法人善光会とのAIを活用した共同研究事業が予定通り進捗しております。本研究成果としては、2020年秋ごろにAIを活用したシステムプロダクトのローンチを予定しております。また、前四半期に引き続きブロックチェーン技術に係るシステムの請負開発と保守運用事業、組織経営コンサルティングに係る新たな収益獲得にも至りました。
クシムインサイトは、M&Aの狙い通り、連結対象各社とのシナジーを創出しています。UI/UXデザイナーを組織のケイパビリティとして獲得した結果、各ソリューションの提案力が向上し、かつ、グループブランディングをいっそう強化しております。クシムインサイト単体の業績も黒字転換し、財務体質も改善に至りました。引き続き、当社グループのUI/UXコンサルティングとして販路を拡大してまいります。
また、投融資事業については、先端IT領域のラーニングコンテンツ制作や講師となる人材を要する有望なスタートアップのStake Technologies株式会社との業務提携、同領域にてユニークな事業モデルの構築にチャレンジしているチューリンガム株式会社との資本業務提携を活かし、各社の先進性やノウハウと当社グループのエンジニアにて先端技術を応用するシステム開発請負の獲得、確かな実績につなげていく所存です。
以上の結果、売上高96百万円、EBITDA22百万円、セグメント利益21百万円となりました。
なお、クシムインサイトの株式取得に伴うのれん償却額1百万円は当セグメント利益に含めております。
② 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて13百万円減少し1,845百万円となりました。
流動資産の残高は前連結会計年度末に比べて447百万円減少し937百万円となりました。これは主に、現金及び預金が442百万円減少したことによるものであります。
固定資産の残高は前連結会計年度末に比べて434百万円増加し908百万円となりました。これは主に投資有価証券が324百万円、ソフトウエアが66百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて44百万円増加し、553百万円となりました。
流動負債の残高は前連結会計年度末に比べて66百万円増加し421百万円となりました。これは主に未払法人税等が33百万円、短期借入金が30百万円増加したことによるものであります。
固定負債の残高は前連結会計年度末に比べて21百万円減少し131百万円となりました。これは主に長期借入金が21百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は前連結会計年度末に比べて58百万円減少し1,291百万円となりました。これは主に利益剰余金が5百万円、新株予約権が4百万円増加する一方で、その他有価証券評価差額金が68百万円減少したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて442百万円減少し628百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは130百万円のプラスとなりました。これは主に、税金等調整前四半期利益30百万円、のれん償却額28百万円、売上債権の減少額23百万円、減損損失12百万円、前受収益の増加額25万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは294百万円のマイナスとなりました。これは主に投資有価証券の取得による支出214百万円、その他の支出83百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは279百万円のマイナスとなりました。これは主に、長期借入金の返済による支出295百万円によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当社は2019年9月末にエイム・ソフトを取得し連結グループ経営を開始いたしました。前連結会計年度末より連結財務諸表にのれんを計上し、第1四半期連結累計期間よりのれんの償却を開始しております。セグメント間の比較可能性の確保及び実態収益を把握する観点から、新たに経営上の目標の達成状況を判断する指標としてEBITDAを設定しております。なお、EBITDAは営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加算して算出しております。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。