有価証券報告書-第57期(2025/04/01-2026/03/31)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
※「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの事業の取組状況、財政状態及び経営成績の状況、キャッシュ・フローの状況及び営業取引の状況の概要(以下「経営成績等」)は次のとおりであります。
① 事業の取組状況
(営業基盤の強化)
[国内リース事業分野]
・当社は、広島県東広島市及び東広島スマートエネルギー株式会社(以下、HSE)との間で、東広島市における脱炭素社会の実現を目指す「地域脱炭素化の実現に向けた連携協定」を締結いたしました。環境省の「脱炭素先行地域」に選定されている同市は、都市型脱炭素化特有の複合的な課題に直面しています。本協定に基づき、当社の持つ脱炭素ソリューションの知見と、HSEの地域密着型の供給力を掛け合わせ、同市への省エネ機器・高効率機器の普及促進、安定的な電力供給体制の構築を推進してまいります。今後もパートナー企業や自治体との連携を通じて、再生可能エネルギーの導入や省エネ機器の普及など、地域の脱炭素化と地域経済の発展を支援してまいります。
・当社のNTTグループとの合弁会社で総合リース事業を展開しているNTT・TCリース株式会社(以下、NTL)は、円金利上昇による資金原価増加を打ち返し、過去最高益を更新いたしました。海外データセンター向けファイナンスなどのNTTグループ関連ビジネスの強化、環境・不動産・教育分野における当社との共創・パートナー連携の強化による成長分野の拡大に注力したことにより、ベース収益が伸長しました。引き続き当社はNTLをはじめとするNTTグループとの様々な分野での連携を深め、共創案件を創出することで両社の企業価値向上と社会課題の解決に貢献してまいります。
[オートモビリティ事業分野]
・当社は、豪州の独立系レンタカー会社であるBargain Car Rentals Australia Pty Ltd(以下、Bargain Car Rentals)の全株式を取得することについて契約を締結いたしました。本件は、当社にとって単独では初となる海外レンタカー事業への出資となります。豪州は都市間移動のインフラとしてレンタカー需要が底堅く、今後もさらなる市場成長が見込まれています。当社は連結子会社のニッポンレンタカーサービス株式会社で培った運営ノウハウやDX推進等の知見を、Bargain Car Rentalsが持つ豪州の拠点ネットワークに注入することで、早期の企業価値最大化を図り、将来的には車両リース・ファイナンスや中古車事業といった周辺領域への展開も視野に入れ、豪州におけるモビリティ事業のバリューチェーン構築と事業基盤の拡大を加速させるとともに、グローバルなモビリティ社会の発展に貢献してまいります。
[スペシャルティ事業分野]
・当社は、アドバンテッジパートナーズグループ(以下、APグループ)の統括会社であるAdvantage Partners Pte. Ltd.の株式を追加取得し、同社を持分法適用関連会社といたしました。当社は、APグループを企業投資事業の中核と位置付け、両社の強みを融合させた独自の「ハイブリッド投資事業モデル」を推進することで、事業承継や親子上場の解消といった多様な経営課題に対する高度なソリューションを提供いたします。本パートナーシップの強化を通じて、従来の国内バイアウト投資に加え、上場企業への成長支援、アジア地域での企業投資や再生可能エネルギー分野などにも協業範囲を拡大し、社会課題の解決と日本の経済社会の発展に貢献してまいります。
・当社は、モナコを拠点とする有力海運グループであるC Transport Maritimeから、船舶の保有・調達機能を担うC Transport Maritime Ltd.の株式を取得し、持分法適用関連会社といたしました。世界最大級のドライバルク船(ばら積み船)プールを運営する同グループとの連携により、海運市況インテリジェンスや、専門的な配船・運航管理ノウハウを組織的に蓄積し、当社が培ってきた国内海事クラスター(造船所・船主・商社など)との強固なネットワークと同グループのグローバルな基盤を融合させることで、優良な船舶資産へのアクセスを容易にし、共同投資機会の創出や多様な海事ソリューションの提供など、海運業界の持続的な発展に貢献してまいります。
[国際事業分野]
・当社は、いすゞ自動車株式会社の100%子会社であるIsuzu Australia Ltd.との合弁により、豪州にリース会社Isuzu Financial Services Australia Pty Ltd.(以下、IFSA)を設立いたしました。豪州は輸送コストの上昇等を背景に車両の安定稼働や運用コスト最適化へのニーズが高まっており、いすゞの商用車が高いシェアを誇る同国においてリース市場の安定的な成長が見込まれています。新会社のIFSAでは、新車販売と一体となったメンテナンスリースを提供し、車両のライフサイクル全体を通じてサポートし、今回のいすゞとの合弁事業を通じ、高品質な車両と当社の強みを掛け合わせることで、多様化・高度化するお客さまのニーズに的確に応えるソリューションを提供してまいります。
・当社の連結子会社であるCSI Leasing, Inc.は、航空機地上支援機材(以下、GSE:Ground Support Equipment)の専門企業であるAeroservicios USA, Inc.の過半の株式を取得いたしました。本件により、従来のGSEリース事業に機器のリファービッシュ及び再販機能を加え、機材の導入から処分までを一貫して担う「GSEライフサイクルマネジメント」を本格展開いたします。安定成長が見込まれるGSE市場において、高品質な機材の提供と資産管理をワンストップで実施し、機器の長寿命化と再利用を通じて資源の有効活用を図り、多様な顧客ニーズへの対応と循環型経済社会の実現に貢献し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
[環境インフラ事業分野]
・当社は、英国で再生可能エネルギー投資や開発を手掛けるDowning LLPと共同で、同国における太陽光発電所への投資、建設及び運営を目的とした合弁会社を設立いたしました。本件は、当社にとって英国における太陽光発電所の建設フェーズに初めて参画し、再生可能エネルギー事業において海外パートナーと合弁会社を設立して共同運営を行う初の事例となります。2028年までに累計約500MW(10ヵ所程度)の太陽光発電所ポートフォリオ構築を目指しており、英国政府の促進制度であるCfD(注1)を通じて長期安定的な収益の確保を見込んでいます。当社は本事業を通じて、発電所の建設・開発のリスクマネジメントやガバナンスのノウハウを獲得し、海外事業運営能力を向上させるとともに、クリーンエネルギーの普及と脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
(注)1.Contract for Difference(差額決済型固定価格買取制度)の略であり、事前に決定された価格を発電事業者に保証し、市場価格との差額を調整することで収益の安定化を図る制度。
・当社は、成長戦略の柱として系統用蓄電池事業を強力に推進しております。国内の再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、その出力変動を吸収し、電力系統を安定させるための調整力として、系統用蓄電池の重要性が高まる中、当社は大阪府や岩手県において系統用蓄電池の商業運転を開始したほか、鹿児島県では国内最大級となる太陽光発電所の蓄電池併設プロジェクトに着手するなど、着実に稼働案件を積み上げてまいりました。今後、自社主導の開発体制に注力することにより事業組成のスピード強化と運営ノウハウの確実な蓄積を図り、約600MW規模の運転開始を目指し、再生可能エネルギーの拡大並びに電力系統の安定化を通じて、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
(経営基盤の強化)
・当社事業の成長・グローバル化が進み、複雑化・多様化する外部環境の変化や社会課題に迅速かつ柔軟に対応する力を強化していく必要性が増す中、中長期的に当社の企業価値を最大化していくため、2026年4月1日付にて組織改編及びCxO体制の導入を行いました。これにより、事業競争力の強化、意思決定の迅速化及びグループガバナンスの向上を推進することで、企業変革の加速と経営基盤の強化を図り、当社の企業価値の持続的向上・最大化を目指してまいります。
・当社は、CDP(注1)が実施する2025年度調査の「気候変動」分野において、初めてリーダーシップレベルの「A-(Aマイナス)」スコアを獲得いたしました。今回の選定は、TCFD提言に基づく情報開示の深化や、サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量算定の精緻化、再生可能エネルギー事業の拡大といった当社の継続的な取り組みと、透明性の高い情報開示が総合的に評価されたものと認識しております。今回の評価を新たな原動力とし、金融・サービスの機能を通じたソリューションの提供により、気候変動という地球規模の社会課題の解決に向けた取り組みを一層加速させ、持続可能な未来の創造に全力を尽くしてまいります。
(注)1.Carbon Disclosure Projectの略であり、環境情報開示システムを運営する国際的な非営利団体として企業や都市を対象に気候変動等の分野で調査を実施し、評価・公表している機関。
・当社は、国内初となる「自己評価型ポジティブ・インパクト・ファイナンス・フレームワーク」(以下、本フレームワーク)を策定し、これに基づき総額1,714億円の資金調達を実施いたしました。本フレームワークは、当社が主体的に事業活動の社会的・環境的インパクトを評価・管理し、貸付人との対話を通じて自律的にサステナビリティ経営を推進することを特徴としています。当社は、今後も多様な資金調達手法を確保し、事業活動を通じてポジティブなインパクトの創出を加速させることで、循環型経済社会の実現と持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
・当社は、一般社団法人work with Prideが策定した職場におけるLGBTQ+など性的マイノリティに関する取組評価指標「PRIDE指標2025」において、昨年に続き最高位の「ゴールド」を受賞しました。あわせて、当社の連結子会社でANA インターコンチネンタル別府リゾート&スパとホテルインディゴ軽井沢を経営するTCホテルズ&リゾーツ株式会社においても「ゴールド」を受賞し、グループでのダブル受賞となりました。当社は「ダイバーシティ基本方針」に基づき、多様な人材の採用・育成・登用を推進しており、今後も一人ひとりが働きやすい職場づくりを通じて、多様な人材が活躍・融合するダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを実現してまいります。
② 財政状態及び経営成績の状況
業績につきましては、売上高は前期比890億円(6.5%)増加し1兆4,577億円、売上総利益はスペシャルティ事業及び国際事業での増益を主因に前期比480億円(17.1%)増加し3,283億円となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比168億円(10.3%)増加し1,799億円となりました。主な要因は、オートモビリティ事業、スペシャルティ事業及び国際事業の人件費及び物件費の増加であります。
営業外損益は前期比1億円(0.7%)減少し151億円の利益となりました。
これらにより、経常利益は前期比311億円(23.5%)増加し1,634億円となりました。
また、特別損益はロシア関連保険和解金の計上はあったものの、バイオマス混焼発電事業を主因とする減損損失の計上の影響が上回り前期比207億円減少し75億円の損失、法人税等は前期比130億円(25.7%)減少し376億円、非支配株主に帰属する当期純利益は前期比25億円(26.7%)減少し70億円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比260億円(30.5%)増加し1,113億円となりました。
なお、12月決算会社である主な海外子会社・海外関連会社の連結財務諸表作成にかかる期中平均の為替レートは、当連結会計年度149.62円/米ドル(2025年1月~12月)、前連結会計年度151.68円/米ドル(2024年1月~12月)であります。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は、前期末比3,519億円(5.1%)増加し7兆2,148億円、セグメント資産は前期末比2,509億円(4.1%)増加し6兆3,107億円となりました。
負債合計は、前期末比2,762億円(4.9%)増加し5兆9,622億円となりました。有利子負債は、前期末比2,299億円(4.7%)増加し5兆1,425億円となりました。
純資産合計は、前期末比757億円(6.4%)増加し1兆2,526億円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.5ポイント上昇し15.5%となりました。
なお、12月決算会社である主な海外子会社・海外関連会社の連結財務諸表作成にかかる期末の為替レートは、当連結会計年度末156.54円/米ドル(2025年12月末)、前連結会計年度末158.17円/米ドル(2024年12月末)であります。
セグメント別の業績及びセグメント資産の状況については、④ 営業取引の状況に記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動では、税金等調整前当期純利益が1,559億円、賃貸資産減価償却費が2,448億円、賃貸資産除却損及び売却原価が3,412億円となったこと等に対し、賃貸資産の取得による支出が7,897億円、リース債権及びリース投資資産の増加による支出が1,104億円となったこと等により、769億円の支出(前連結会計年度は514億円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動では、投資有価証券の取得による支出が736億円となったこと等により、619億円の支出(前連結会計年度は315億円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動では、長期借入金の返済による支出が1兆224億円、社債の償還による支出が3,619億円となったこと等に対し、長期借入れによる収入が1兆1,930億円、社債の発行による収入が2,629億円、コマーシャル・ペーパーの純増減額による収入が1,048億円となったこと等により、1,880億円の収入(前連結会計年度は434億円の支出)となりました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比509億円増加し2,197億円となりました。
④ 営業取引の状況
連結会計年度におけるセグメント資産残高、セグメント売上高及びセグメント利益をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a. セグメント資産残高
(単位:億円)
b. セグメント売上高
(単位:億円)
(注) 売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
c. セグメント利益
(単位:億円)
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、「中期経営計画2027」のもと高い収益性と安定性のあるポートフォリオへの変革を推進し、事業領域の拡大や資産回転の加速等を実現した結果、同計画で掲げた財務目標(当期純利益1,000億円・ROA1.4%・ROE10%)を2年前倒しで達成いたしました。
他方、経営環境の不確実性が高まる中、マクロ環境の変化を好機と捉え、当社グループは、新たな「長期ビジョン2035」及び「中期経営計画2030」を策定いたしました。「中期経営計画2030」では、「バリューチェーンの拡大」「グローバル展開の加速」「外部資本の活用」の3つの成長戦略に加えて、低採算事業の縮退及び規律あるポートフォリオマネジメントなどの施策を実行することにより、ポートフォリオの最適化並びに2030年度の財務目標である「当期純利益2,000億円、ROE12.5%以上」の達成に向けた取り組みを推進してまいります。
なお、当社グループの当連結会計年度における具体的な取り組みは、「(1)経営成績等の状況の概要 ①事業の取組状況」に記載のとおりであります。
(経営成績及び財政状態)
当社グループの重要な経営指標である親会社株主に帰属する当期純利益は、スペシャルティ事業において増益となったことを主因に全体では前期比260億円増加し1,113億円となり、ROEは前期に比べ1.4ポイント改善し10.4%となりました。
セグメント別の親会社株主に帰属する当期純利益及びROAを分析した結果は以下のとおりであります。
(単位:億円)
*ROA:親会社株主に帰属する当期純利益/((前期末セグメント資産+当期末セグメント資産)/2)
財政状態について、当連結会計年度末の資産合計は、前期末比3,519億円(5.1%)増加し7兆2,148億円となりました。利益の源泉となるセグメント資産残高は、スペシャルティ事業での投資増加を主因に前期末比2,509億円(4.1%)増加し6兆3,107億円となりました。
負債合計は、前期末比2,762億円(4.9%)増加し5兆9,622億円となりました。有利子負債は、前期末比2,299億円(4.7%)増加し5兆1,425億円となりました。
純資産合計は、前期末比757億円(6.4%)増加し1兆2,526億円となりました。うち、自己資本は、前期末比909億円(8.8%)増加し、1兆1,205億円となりました。主な要因は、利益剰余金が前期末比823億円増加したことであります。
この結果、自己資本比率は前期末比0.5ポイント上昇し15.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、賃貸資産の取得、リース債権及びリース投資資産の増加等により、769億円の支出となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローについては、Advantage Partners Pte.Ltd.の株式を取得したこと等により、619億円の支出となりました。引き続き各事業分野の営業基盤強化に向けた成長事業への投資を実行する一方で、ROA向上に向け収益性や成長性を考慮した健全なポートフォリオの維持に注力しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,880億円の収入となりました。成長事業への投資に必要な資金を確保するため、長期借入金、短期借入金及び社債等の有利子負債による調達を行いました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比509億円(30.1%)増加し2,197億円となりました。
(資金調達の基本方針)
当社グループは、金融情勢の変化に機動的に対応しつつ調達先の分散や調達手段の多様化を図ることで、調達の安定性を高めること及び資金コストの低減を基本方針としております。また、ALM(資産・負債総合管理)の実施により、市場リスクについて多面的な分析を行い、各種リスクを適切にコントロールしております。
(資金調達の方法)
当社グループの資金調達は、国内外の金融機関からの借入による間接調達と社債、コマーシャル・ペーパー、ユーロ・ミディアム・ターム・ノート、リース債権流動化といった資本市場からの調達による直接調達で構成されております。
当連結会計年度末において、間接調達は、前期末比2,215億円(6.4%)増加し3兆6,615億円となりました。直接調達は、前期末比84億円(0.6%)増加し1兆4,810億円となりました。この結果、当連結会計年度末の直接調達比率は28.8%となり、前期末比1.2ポイント低下しました。
また、当連結会計年度末の長期調達比率は85.7%となり、前期末に比べて2.5ポイント低下しました。
(流動性の確保)
当社グループは、流動性を確保するため取引金融機関139行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は、前期末比1,931億円増額の2兆5,175億円、借入未実行残高は1兆9,651億円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。
③ 経営上の目標の達成状況
(当連結会計年度の業績及び翌期の見通し)
当社グループは、「中期経営計画2027」における経営指標として、利益目標を親会社株主に帰属する当期純利益に一本化し、株主の皆様の視点に合わせた、持分法適用関連会社を含むグル-プ会社の業績をよりよく反映させる高度なグループ会社一体経営を目指すため、連結ROA、連結ROEを経営指標として採用しておりました。
当連結会計年度において、親会社株主に帰属する当期純利益1,113億円、連結ROA1.6%、連結ROE10.4%となり、同計画で掲げた目標を2年前倒しで達成いたしました。
2027年3月期の経済環境については、日本銀行の政策金利引き上げに伴う金融環境の変化に加え、米国等における保護主義的な政策動向や中東情勢を踏まえた輸出環境・サプライチェーンに及ぼす影響が懸念されます。さらに、続く物価上昇や深刻な人手不足、不安定な為替相場の推移など景気の下押しリスクも存在しており、先行きは依然として不透明な状況です。
現下の中東情勢の不安定化に伴う当社の2027年3月期の連結業績への影響につきましては、現時点において直接的な影響は限定的であると想定しております。しかしながら、事態の長期化に伴う間接的な影響(金利等のコスト増や需要減退、顧客の信用状況の変化等)については引き続き注視してまいります。具体的には、原油・LNG価格の高騰に伴う電力市場価格の上昇による再エネ事業への影響や、航空運賃上昇を受けたインバウンド需要の変動に伴うモビリティ事業(レンタカー需要等)への波及、海運市況や中古車相場の不安定化リスクなど、各個別事業における間接的な事業環境の変化を慎重に見極め、適切に対応してまいります。
こうした不安定な中東情勢の長期化による下振れ懸念を考慮し、連結業績予想の策定にあたっては、これら不確実性に対する備えとして20億円のリスクバッファーを織り込んでおります。
このような経済環境下ではありますが、2027年3月期の業績見通しは、親会社株主に帰属する当期純利益1,230億円(前期比10.5%増)を見込んでおります。
(株主還元方針と配当額)
当社グループは、継続的な業容の拡大や企業体質の強化に向けた取り組みが企業価値の増大につながるものと考え、それらを実現するために内部留保の充実を図るとともに、株主の皆様に対しましては、長期的かつ安定的に利益還元を行うことを基本方針としております。
「中期経営計画2030」における1株当たり配当金は累進配当を基本としつつ、利益成長による増配を目指し、配当性向は35%以上といたします。なお、内部留保につきましては、ポートフォリオの変革を牽引するパートナーとの協業及びM&Aを中心とする成長投資を実行することにより、資本効率の向上と利益成長を軸とした事業ポートフォリオの最適化を図ってまいります。
当期の配当につきましては、期初に1株当たり年間68円(中間配当34円、期末配当34円)の予想とさせていただきました。中間配当につきましては、期初予想から2円増配し、1株当たり36円とさせていただきました。また期末配当につきましては、期初予想から10円の増配の1株当たり44円とすることを2026年6月25日開催予定の第57回定時株主総会で決議する予定であります。これにより、1株当たり年間配当金は80円(中間36円、期末44円)となる予定であります。
なお、次期の配当につきましては、長期的かつ安定的に利益還元を行うという基本方針を踏まえ、1株当たり年間90円(中間配当45円、期末配当45円、配当性向35.8%)とさせていただく予定であります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりですが、重要なものは以下のとおりであります。
a. 賃貸資産の減損損失の計上
賃貸資産は、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を基礎としてグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が識別された場合には、二次リースの可能性及び将来の市況等を考慮したリース料や処分価値等を見積り、減損の認識の要否を判断しております。その結果、減損の認識が必要と判定された賃貸資産については、回収可能価額を正味売却価額又は使用価値のいずれか高い金額とし、帳簿価額との差額を減損損失として計上しております。
経営者は、賃貸資産の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、賃貸資産が回収可能な合理的な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、回収可能価額の算定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて減損損失の追加計上を実施する可能性があります。
なお、航空機リースにかかる賃貸資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)①賃貸資産の減損」に記載のとおりであります。
b. その他の営業資産の減損損失の計上
その他の営業資産は、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を基礎としてグルーピングを行い、市場価格の著しい下落や資産の回収可能価額を著しく低下させるような事象等の減損の兆候が識別された場合には、当該資産グループから得られる将来キャッシュ・フローを見積り、減損の認識の要否を判断しております。その結果、減損の認識が必要と判定されたその他の営業資産については、回収可能価額を正味売却価額又は使用価値のいずれか高い金額とし、帳簿価額との差額を減損損失として計上しております。
経営者は、その他の営業資産の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、その他の営業資産が回収可能な合理的な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、回収可能価額の算定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて減損損失の追加計上を実施する可能性があります。
なお、バイオマス混焼発電事業に係るその他の営業資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)②その他の営業資産の減損」に記載のとおりであります。
c. のれんの減損損失の計上
企業結合で生じたのれんは、会社単位を基礎としてグルーピングを行っております。のれんの償却については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。
経営者は、その資産性について、子会社の業績や事業計画等を基に検討を行っており、その検討の内容は合理的であると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、将来において当初想定した収益力もしくは費用削減効果が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損損失の計上が必要となる可能性があります。
d. 貸倒引当金の計上
貸倒引当金は、取引先の経営状態や支払状況等によって分類区分された債権について、一般債権については貸倒実績率により、破産更生債権等については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
経営者は、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれており、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があります。この場合には、将来当社グループが貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。
e. 金融商品の時価評価
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額の他、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。有価証券のうち、市場価格のない株式等については、取得原価をもって計上しておりますが、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には減損処理を行っております。
当社グループで行っているデリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ取引等)、通貨関連取引(為替予約取引及び通貨スワップ取引等)であり、それらの時価は取引金融機関から提示された価格等によっており、金利、外国為替相場等のインプットを用いた将来キャッシュ・フローの割引現在価値により算定されています。
経営者は、金融商品の時価の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。ただし、当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、予測不能な前提条件の変化等により金融商品の評価に関する見積りが変動する可能性があります。この場合には、将来当社グループにおける時価評価額が変動する可能性があります。
f. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。
経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価の見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて繰延税金資産の取崩し又は追加計上により損益に影響を及ぼす可能性があります。
(3)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金、その他の営業貸付債権、関係会社短期貸付金及び関係会社長期貸付金)の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
② 資金調達内訳
③ 業種別貸付金残高内訳
④ 担保別貸付金残高内訳
⑤ 期間別貸付金残高内訳
(注) 期間は、約定期間によっております。
※「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの事業の取組状況、財政状態及び経営成績の状況、キャッシュ・フローの状況及び営業取引の状況の概要(以下「経営成績等」)は次のとおりであります。
① 事業の取組状況
(営業基盤の強化)
[国内リース事業分野]
・当社は、広島県東広島市及び東広島スマートエネルギー株式会社(以下、HSE)との間で、東広島市における脱炭素社会の実現を目指す「地域脱炭素化の実現に向けた連携協定」を締結いたしました。環境省の「脱炭素先行地域」に選定されている同市は、都市型脱炭素化特有の複合的な課題に直面しています。本協定に基づき、当社の持つ脱炭素ソリューションの知見と、HSEの地域密着型の供給力を掛け合わせ、同市への省エネ機器・高効率機器の普及促進、安定的な電力供給体制の構築を推進してまいります。今後もパートナー企業や自治体との連携を通じて、再生可能エネルギーの導入や省エネ機器の普及など、地域の脱炭素化と地域経済の発展を支援してまいります。
・当社のNTTグループとの合弁会社で総合リース事業を展開しているNTT・TCリース株式会社(以下、NTL)は、円金利上昇による資金原価増加を打ち返し、過去最高益を更新いたしました。海外データセンター向けファイナンスなどのNTTグループ関連ビジネスの強化、環境・不動産・教育分野における当社との共創・パートナー連携の強化による成長分野の拡大に注力したことにより、ベース収益が伸長しました。引き続き当社はNTLをはじめとするNTTグループとの様々な分野での連携を深め、共創案件を創出することで両社の企業価値向上と社会課題の解決に貢献してまいります。
[オートモビリティ事業分野]
・当社は、豪州の独立系レンタカー会社であるBargain Car Rentals Australia Pty Ltd(以下、Bargain Car Rentals)の全株式を取得することについて契約を締結いたしました。本件は、当社にとって単独では初となる海外レンタカー事業への出資となります。豪州は都市間移動のインフラとしてレンタカー需要が底堅く、今後もさらなる市場成長が見込まれています。当社は連結子会社のニッポンレンタカーサービス株式会社で培った運営ノウハウやDX推進等の知見を、Bargain Car Rentalsが持つ豪州の拠点ネットワークに注入することで、早期の企業価値最大化を図り、将来的には車両リース・ファイナンスや中古車事業といった周辺領域への展開も視野に入れ、豪州におけるモビリティ事業のバリューチェーン構築と事業基盤の拡大を加速させるとともに、グローバルなモビリティ社会の発展に貢献してまいります。
[スペシャルティ事業分野]
・当社は、アドバンテッジパートナーズグループ(以下、APグループ)の統括会社であるAdvantage Partners Pte. Ltd.の株式を追加取得し、同社を持分法適用関連会社といたしました。当社は、APグループを企業投資事業の中核と位置付け、両社の強みを融合させた独自の「ハイブリッド投資事業モデル」を推進することで、事業承継や親子上場の解消といった多様な経営課題に対する高度なソリューションを提供いたします。本パートナーシップの強化を通じて、従来の国内バイアウト投資に加え、上場企業への成長支援、アジア地域での企業投資や再生可能エネルギー分野などにも協業範囲を拡大し、社会課題の解決と日本の経済社会の発展に貢献してまいります。
・当社は、モナコを拠点とする有力海運グループであるC Transport Maritimeから、船舶の保有・調達機能を担うC Transport Maritime Ltd.の株式を取得し、持分法適用関連会社といたしました。世界最大級のドライバルク船(ばら積み船)プールを運営する同グループとの連携により、海運市況インテリジェンスや、専門的な配船・運航管理ノウハウを組織的に蓄積し、当社が培ってきた国内海事クラスター(造船所・船主・商社など)との強固なネットワークと同グループのグローバルな基盤を融合させることで、優良な船舶資産へのアクセスを容易にし、共同投資機会の創出や多様な海事ソリューションの提供など、海運業界の持続的な発展に貢献してまいります。
[国際事業分野]
・当社は、いすゞ自動車株式会社の100%子会社であるIsuzu Australia Ltd.との合弁により、豪州にリース会社Isuzu Financial Services Australia Pty Ltd.(以下、IFSA)を設立いたしました。豪州は輸送コストの上昇等を背景に車両の安定稼働や運用コスト最適化へのニーズが高まっており、いすゞの商用車が高いシェアを誇る同国においてリース市場の安定的な成長が見込まれています。新会社のIFSAでは、新車販売と一体となったメンテナンスリースを提供し、車両のライフサイクル全体を通じてサポートし、今回のいすゞとの合弁事業を通じ、高品質な車両と当社の強みを掛け合わせることで、多様化・高度化するお客さまのニーズに的確に応えるソリューションを提供してまいります。
・当社の連結子会社であるCSI Leasing, Inc.は、航空機地上支援機材(以下、GSE:Ground Support Equipment)の専門企業であるAeroservicios USA, Inc.の過半の株式を取得いたしました。本件により、従来のGSEリース事業に機器のリファービッシュ及び再販機能を加え、機材の導入から処分までを一貫して担う「GSEライフサイクルマネジメント」を本格展開いたします。安定成長が見込まれるGSE市場において、高品質な機材の提供と資産管理をワンストップで実施し、機器の長寿命化と再利用を通じて資源の有効活用を図り、多様な顧客ニーズへの対応と循環型経済社会の実現に貢献し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
[環境インフラ事業分野]
・当社は、英国で再生可能エネルギー投資や開発を手掛けるDowning LLPと共同で、同国における太陽光発電所への投資、建設及び運営を目的とした合弁会社を設立いたしました。本件は、当社にとって英国における太陽光発電所の建設フェーズに初めて参画し、再生可能エネルギー事業において海外パートナーと合弁会社を設立して共同運営を行う初の事例となります。2028年までに累計約500MW(10ヵ所程度)の太陽光発電所ポートフォリオ構築を目指しており、英国政府の促進制度であるCfD(注1)を通じて長期安定的な収益の確保を見込んでいます。当社は本事業を通じて、発電所の建設・開発のリスクマネジメントやガバナンスのノウハウを獲得し、海外事業運営能力を向上させるとともに、クリーンエネルギーの普及と脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
(注)1.Contract for Difference(差額決済型固定価格買取制度)の略であり、事前に決定された価格を発電事業者に保証し、市場価格との差額を調整することで収益の安定化を図る制度。
・当社は、成長戦略の柱として系統用蓄電池事業を強力に推進しております。国内の再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、その出力変動を吸収し、電力系統を安定させるための調整力として、系統用蓄電池の重要性が高まる中、当社は大阪府や岩手県において系統用蓄電池の商業運転を開始したほか、鹿児島県では国内最大級となる太陽光発電所の蓄電池併設プロジェクトに着手するなど、着実に稼働案件を積み上げてまいりました。今後、自社主導の開発体制に注力することにより事業組成のスピード強化と運営ノウハウの確実な蓄積を図り、約600MW規模の運転開始を目指し、再生可能エネルギーの拡大並びに電力系統の安定化を通じて、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
(経営基盤の強化)
・当社事業の成長・グローバル化が進み、複雑化・多様化する外部環境の変化や社会課題に迅速かつ柔軟に対応する力を強化していく必要性が増す中、中長期的に当社の企業価値を最大化していくため、2026年4月1日付にて組織改編及びCxO体制の導入を行いました。これにより、事業競争力の強化、意思決定の迅速化及びグループガバナンスの向上を推進することで、企業変革の加速と経営基盤の強化を図り、当社の企業価値の持続的向上・最大化を目指してまいります。
・当社は、CDP(注1)が実施する2025年度調査の「気候変動」分野において、初めてリーダーシップレベルの「A-(Aマイナス)」スコアを獲得いたしました。今回の選定は、TCFD提言に基づく情報開示の深化や、サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量算定の精緻化、再生可能エネルギー事業の拡大といった当社の継続的な取り組みと、透明性の高い情報開示が総合的に評価されたものと認識しております。今回の評価を新たな原動力とし、金融・サービスの機能を通じたソリューションの提供により、気候変動という地球規模の社会課題の解決に向けた取り組みを一層加速させ、持続可能な未来の創造に全力を尽くしてまいります。
(注)1.Carbon Disclosure Projectの略であり、環境情報開示システムを運営する国際的な非営利団体として企業や都市を対象に気候変動等の分野で調査を実施し、評価・公表している機関。
・当社は、国内初となる「自己評価型ポジティブ・インパクト・ファイナンス・フレームワーク」(以下、本フレームワーク)を策定し、これに基づき総額1,714億円の資金調達を実施いたしました。本フレームワークは、当社が主体的に事業活動の社会的・環境的インパクトを評価・管理し、貸付人との対話を通じて自律的にサステナビリティ経営を推進することを特徴としています。当社は、今後も多様な資金調達手法を確保し、事業活動を通じてポジティブなインパクトの創出を加速させることで、循環型経済社会の実現と持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
・当社は、一般社団法人work with Prideが策定した職場におけるLGBTQ+など性的マイノリティに関する取組評価指標「PRIDE指標2025」において、昨年に続き最高位の「ゴールド」を受賞しました。あわせて、当社の連結子会社でANA インターコンチネンタル別府リゾート&スパとホテルインディゴ軽井沢を経営するTCホテルズ&リゾーツ株式会社においても「ゴールド」を受賞し、グループでのダブル受賞となりました。当社は「ダイバーシティ基本方針」に基づき、多様な人材の採用・育成・登用を推進しており、今後も一人ひとりが働きやすい職場づくりを通じて、多様な人材が活躍・融合するダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを実現してまいります。
② 財政状態及び経営成績の状況
業績につきましては、売上高は前期比890億円(6.5%)増加し1兆4,577億円、売上総利益はスペシャルティ事業及び国際事業での増益を主因に前期比480億円(17.1%)増加し3,283億円となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比168億円(10.3%)増加し1,799億円となりました。主な要因は、オートモビリティ事業、スペシャルティ事業及び国際事業の人件費及び物件費の増加であります。
営業外損益は前期比1億円(0.7%)減少し151億円の利益となりました。
これらにより、経常利益は前期比311億円(23.5%)増加し1,634億円となりました。
また、特別損益はロシア関連保険和解金の計上はあったものの、バイオマス混焼発電事業を主因とする減損損失の計上の影響が上回り前期比207億円減少し75億円の損失、法人税等は前期比130億円(25.7%)減少し376億円、非支配株主に帰属する当期純利益は前期比25億円(26.7%)減少し70億円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比260億円(30.5%)増加し1,113億円となりました。
なお、12月決算会社である主な海外子会社・海外関連会社の連結財務諸表作成にかかる期中平均の為替レートは、当連結会計年度149.62円/米ドル(2025年1月~12月)、前連結会計年度151.68円/米ドル(2024年1月~12月)であります。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は、前期末比3,519億円(5.1%)増加し7兆2,148億円、セグメント資産は前期末比2,509億円(4.1%)増加し6兆3,107億円となりました。
負債合計は、前期末比2,762億円(4.9%)増加し5兆9,622億円となりました。有利子負債は、前期末比2,299億円(4.7%)増加し5兆1,425億円となりました。
純資産合計は、前期末比757億円(6.4%)増加し1兆2,526億円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.5ポイント上昇し15.5%となりました。
なお、12月決算会社である主な海外子会社・海外関連会社の連結財務諸表作成にかかる期末の為替レートは、当連結会計年度末156.54円/米ドル(2025年12月末)、前連結会計年度末158.17円/米ドル(2024年12月末)であります。
セグメント別の業績及びセグメント資産の状況については、④ 営業取引の状況に記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
| 前連結会計年度 自 2024年4月1日至 2025年3月31日 | 当連結会計年度 自 2025年4月1日至 2026年3月31日 | 増減額 | |
| 営業活動キャッシュ・フロー | 514 | △769 | △1,283 |
| 投資活動キャッシュ・フロー | △315 | △619 | △305 |
| 財務活動キャッシュ・フロー | △434 | 1,880 | 2,313 |
| 現金・現金同等物期末残高 | 1,688 | 2,197 | 509 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動では、税金等調整前当期純利益が1,559億円、賃貸資産減価償却費が2,448億円、賃貸資産除却損及び売却原価が3,412億円となったこと等に対し、賃貸資産の取得による支出が7,897億円、リース債権及びリース投資資産の増加による支出が1,104億円となったこと等により、769億円の支出(前連結会計年度は514億円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動では、投資有価証券の取得による支出が736億円となったこと等により、619億円の支出(前連結会計年度は315億円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動では、長期借入金の返済による支出が1兆224億円、社債の償還による支出が3,619億円となったこと等に対し、長期借入れによる収入が1兆1,930億円、社債の発行による収入が2,629億円、コマーシャル・ペーパーの純増減額による収入が1,048億円となったこと等により、1,880億円の収入(前連結会計年度は434億円の支出)となりました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比509億円増加し2,197億円となりました。
④ 営業取引の状況
連結会計年度におけるセグメント資産残高、セグメント売上高及びセグメント利益をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a. セグメント資産残高
(単位:億円)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| 報告セグメント | 国内リース | 12,750 | 13,085 | 335 | 2.6 |
| オートモビリティ | 5,008 | 5,292 | 284 | 5.7 | |
| スペシャルティ | 29,729 | 32,014 | 2,285 | 7.7 | |
| 国際 | 9,772 | 10,081 | 309 | 3.2 | |
| 環境インフラ | 2,852 | 2,173 | △679 | △23.8 | |
| 報告セグメント計 | 60,110 | 62,645 | 2,535 | 4.2 | |
| その他 | 488 | 462 | △26 | △5.3 | |
| 合計 | 60,599 | 63,107 | 2,509 | 4.1 | |
| 連結財務諸表との調整額 | 8,030 | 9,041 | 1,011 | 12.6 | |
| 連結財務諸表上の資産合計 | 68,629 | 72,148 | 3,519 | 5.1 | |
b. セグメント売上高
(単位:億円)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| 報告セグメント | 国内リース | 4,491 | 4,621 | 130 | 2.9 |
| オートモビリティ | 3,007 | 3,149 | 142 | 4.7 | |
| スペシャルティ | 3,345 | 3,430 | 85 | 2.5 | |
| 国際 | 2,227 | 2,709 | 482 | 21.7 | |
| 環境インフラ | 608 | 661 | 52 | 8.6 | |
| 報告セグメント計 | 13,679 | 14,570 | 891 | 6.5 | |
| その他 | 8 | 7 | △1 | △8.2 | |
| 連結財務諸表上の売上高 | 13,686 | 14,577 | 890 | 6.5 | |
(注) 売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
c. セグメント利益
(単位:億円)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| 報告セグメント | 国内リース | 228 | 228 | △0 | △0.1 |
| オートモビリティ | 177 | 121 | △56 | △31.4 | |
| スペシャルティ | 329 | 1,122 | 793 | 241.3 | |
| 国際 | 163 | 235 | 72 | 44.4 | |
| 環境インフラ | 1 | △445 | △445 | - | |
| 報告セグメント計 | 898 | 1,262 | 364 | 40.6 | |
| その他 | 17 | 21 | 4 | 24.6 | |
| 合計 | 915 | 1,284 | 369 | 40.3 | |
| 連結財務諸表との調整額 | △62 | △171 | △108 | 174.4 | |
| 連結財務諸表上の親会社株主に帰属する 当期純利益 | 853 | 1,113 | 260 | 30.5 | |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、「中期経営計画2027」のもと高い収益性と安定性のあるポートフォリオへの変革を推進し、事業領域の拡大や資産回転の加速等を実現した結果、同計画で掲げた財務目標(当期純利益1,000億円・ROA1.4%・ROE10%)を2年前倒しで達成いたしました。
他方、経営環境の不確実性が高まる中、マクロ環境の変化を好機と捉え、当社グループは、新たな「長期ビジョン2035」及び「中期経営計画2030」を策定いたしました。「中期経営計画2030」では、「バリューチェーンの拡大」「グローバル展開の加速」「外部資本の活用」の3つの成長戦略に加えて、低採算事業の縮退及び規律あるポートフォリオマネジメントなどの施策を実行することにより、ポートフォリオの最適化並びに2030年度の財務目標である「当期純利益2,000億円、ROE12.5%以上」の達成に向けた取り組みを推進してまいります。
なお、当社グループの当連結会計年度における具体的な取り組みは、「(1)経営成績等の状況の概要 ①事業の取組状況」に記載のとおりであります。
(経営成績及び財政状態)
当社グループの重要な経営指標である親会社株主に帰属する当期純利益は、スペシャルティ事業において増益となったことを主因に全体では前期比260億円増加し1,113億円となり、ROEは前期に比べ1.4ポイント改善し10.4%となりました。
セグメント別の親会社株主に帰属する当期純利益及びROAを分析した結果は以下のとおりであります。
(単位:億円)
| セグメントの名称 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | ROA | |||||||
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前期比 | ||||
| 国内リース事業 | 228 | 228 | △0 | 1.8 | % | 1.8 | % | △0.0 | pt |
| オートモビリティ事業 | 177 | 121 | △56 | 3.6 | % | 2.4 | % | △1.3 | pt |
| スペシャルティ事業 | 329 | 1,122 | 793 | 1.1 | % | 3.6 | % | 2.5 | pt |
| 国際事業 | 163 | 235 | 72 | 1.8 | % | 2.4 | % | 0.6 | pt |
| 環境インフラ事業 | 1 | △445 | △445 | 0.0 | % | △17.7 | % | △17.7 | pt |
| 全社・消去等 | △45 | △149 | △104 | - | - | - | |||
| 連結 | 853 | 1,113 | 260 | 1.4 | % | 1.8 | % | 0.4 | pt |
*ROA:親会社株主に帰属する当期純利益/((前期末セグメント資産+当期末セグメント資産)/2)
![]() | [国内リース事業] 国内リース事業の親会社株主に帰属する当期純利益は前期と同水準の228億円、ROAは前期と同率の1.8%となりました。 資金原価の増加及び投資有価証券に関する評価損の計上はあったものの、NTT・TCリース株式会社等のパートナーとの共同事業による取込利益増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期と同水準となりました。 |
![]() | [オートモビリティ事業] オートモビリティ事業の親会社株主に帰属する当期純利益は前期比56億円減少し121億円、ROAは1.3ポイント低下の2.4%となりました。 レンタカー事業を展開するニッポンレンタカーサービス株式会社においては、高い稼働率と旺盛なインバウンド需要を取り込み、過去最高益を更新した一方で、法人向けオートリースの日本カーソリューションズ株式会社においては、リース収益や車両売却益を伸長したものの、資金原価及び販管費負担の増加、システムにかかる減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。 |
![]() | [スペシャルティ事業] スペシャルティ事業の親会社株主に帰属する当期純利益は前期比793億円増加し1,122億円、ROAは2.5ポイント上昇の3.6%となりました。 船舶事業での売船収益の減少や為替評価損による減益があったものの、航空機事業でのロシア関連保険和解金や税金費用の戻入れ等を主因として親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。 |
![]() | [国際事業] 国際事業の親会社株主に帰属する当期純利益は前期比72億円増加し235億円、ROAは0.6ポイント上昇の2.4%となりました。 CSI Leasing, Inc.が、中南米エリアを中心に好調に推移したことに加え、米国データセンター及び営業投資有価証券の売却益により、親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。 |
![]() | [環境インフラ事業] 環境インフラ事業の親会社株主に帰属する当期純利益は前期比445億円減少し445億円の損失、ROAは17.7ポイント低下の△17.7%となりました。 太陽光発電事業の売却益計上及び一過性要因を除く収益は堅調に推移したものの、バイオマス混焼発電事業にかかる減損損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。 |
財政状態について、当連結会計年度末の資産合計は、前期末比3,519億円(5.1%)増加し7兆2,148億円となりました。利益の源泉となるセグメント資産残高は、スペシャルティ事業での投資増加を主因に前期末比2,509億円(4.1%)増加し6兆3,107億円となりました。
負債合計は、前期末比2,762億円(4.9%)増加し5兆9,622億円となりました。有利子負債は、前期末比2,299億円(4.7%)増加し5兆1,425億円となりました。
純資産合計は、前期末比757億円(6.4%)増加し1兆2,526億円となりました。うち、自己資本は、前期末比909億円(8.8%)増加し、1兆1,205億円となりました。主な要因は、利益剰余金が前期末比823億円増加したことであります。
この結果、自己資本比率は前期末比0.5ポイント上昇し15.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、賃貸資産の取得、リース債権及びリース投資資産の増加等により、769億円の支出となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローについては、Advantage Partners Pte.Ltd.の株式を取得したこと等により、619億円の支出となりました。引き続き各事業分野の営業基盤強化に向けた成長事業への投資を実行する一方で、ROA向上に向け収益性や成長性を考慮した健全なポートフォリオの維持に注力しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,880億円の収入となりました。成長事業への投資に必要な資金を確保するため、長期借入金、短期借入金及び社債等の有利子負債による調達を行いました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比509億円(30.1%)増加し2,197億円となりました。
(資金調達の基本方針)
当社グループは、金融情勢の変化に機動的に対応しつつ調達先の分散や調達手段の多様化を図ることで、調達の安定性を高めること及び資金コストの低減を基本方針としております。また、ALM(資産・負債総合管理)の実施により、市場リスクについて多面的な分析を行い、各種リスクを適切にコントロールしております。
(資金調達の方法)
当社グループの資金調達は、国内外の金融機関からの借入による間接調達と社債、コマーシャル・ペーパー、ユーロ・ミディアム・ターム・ノート、リース債権流動化といった資本市場からの調達による直接調達で構成されております。
当連結会計年度末において、間接調達は、前期末比2,215億円(6.4%)増加し3兆6,615億円となりました。直接調達は、前期末比84億円(0.6%)増加し1兆4,810億円となりました。この結果、当連結会計年度末の直接調達比率は28.8%となり、前期末比1.2ポイント低下しました。
また、当連結会計年度末の長期調達比率は85.7%となり、前期末に比べて2.5ポイント低下しました。
(流動性の確保)
当社グループは、流動性を確保するため取引金融機関139行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は、前期末比1,931億円増額の2兆5,175億円、借入未実行残高は1兆9,651億円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。
③ 経営上の目標の達成状況
(当連結会計年度の業績及び翌期の見通し)
当社グループは、「中期経営計画2027」における経営指標として、利益目標を親会社株主に帰属する当期純利益に一本化し、株主の皆様の視点に合わせた、持分法適用関連会社を含むグル-プ会社の業績をよりよく反映させる高度なグループ会社一体経営を目指すため、連結ROA、連結ROEを経営指標として採用しておりました。
当連結会計年度において、親会社株主に帰属する当期純利益1,113億円、連結ROA1.6%、連結ROE10.4%となり、同計画で掲げた目標を2年前倒しで達成いたしました。
| 2026年3月期 (実績) | 2028年3月期 (中期経営計画2027) | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,113億円 | 1,000億円 |
| 連結ROA(総資産純利益率) | 1.6% | 1.4% |
| 連結ROE | 10.4% | 10% |
2027年3月期の経済環境については、日本銀行の政策金利引き上げに伴う金融環境の変化に加え、米国等における保護主義的な政策動向や中東情勢を踏まえた輸出環境・サプライチェーンに及ぼす影響が懸念されます。さらに、続く物価上昇や深刻な人手不足、不安定な為替相場の推移など景気の下押しリスクも存在しており、先行きは依然として不透明な状況です。
現下の中東情勢の不安定化に伴う当社の2027年3月期の連結業績への影響につきましては、現時点において直接的な影響は限定的であると想定しております。しかしながら、事態の長期化に伴う間接的な影響(金利等のコスト増や需要減退、顧客の信用状況の変化等)については引き続き注視してまいります。具体的には、原油・LNG価格の高騰に伴う電力市場価格の上昇による再エネ事業への影響や、航空運賃上昇を受けたインバウンド需要の変動に伴うモビリティ事業(レンタカー需要等)への波及、海運市況や中古車相場の不安定化リスクなど、各個別事業における間接的な事業環境の変化を慎重に見極め、適切に対応してまいります。
こうした不安定な中東情勢の長期化による下振れ懸念を考慮し、連結業績予想の策定にあたっては、これら不確実性に対する備えとして20億円のリスクバッファーを織り込んでおります。
このような経済環境下ではありますが、2027年3月期の業績見通しは、親会社株主に帰属する当期純利益1,230億円(前期比10.5%増)を見込んでおります。
| 2026年3月期 (実績) | 2027年3月期 (予想) | 2031年3月期 (中期経営計画2030) | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,113億円 | 1,230億円 | 2,000億円 |
| 連結ROE | 10.4% | - | 12.5%以上 |
(株主還元方針と配当額)
当社グループは、継続的な業容の拡大や企業体質の強化に向けた取り組みが企業価値の増大につながるものと考え、それらを実現するために内部留保の充実を図るとともに、株主の皆様に対しましては、長期的かつ安定的に利益還元を行うことを基本方針としております。
「中期経営計画2030」における1株当たり配当金は累進配当を基本としつつ、利益成長による増配を目指し、配当性向は35%以上といたします。なお、内部留保につきましては、ポートフォリオの変革を牽引するパートナーとの協業及びM&Aを中心とする成長投資を実行することにより、資本効率の向上と利益成長を軸とした事業ポートフォリオの最適化を図ってまいります。
当期の配当につきましては、期初に1株当たり年間68円(中間配当34円、期末配当34円)の予想とさせていただきました。中間配当につきましては、期初予想から2円増配し、1株当たり36円とさせていただきました。また期末配当につきましては、期初予想から10円の増配の1株当たり44円とすることを2026年6月25日開催予定の第57回定時株主総会で決議する予定であります。これにより、1株当たり年間配当金は80円(中間36円、期末44円)となる予定であります。
なお、次期の配当につきましては、長期的かつ安定的に利益還元を行うという基本方針を踏まえ、1株当たり年間90円(中間配当45円、期末配当45円、配当性向35.8%)とさせていただく予定であります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりですが、重要なものは以下のとおりであります。
a. 賃貸資産の減損損失の計上
賃貸資産は、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を基礎としてグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が識別された場合には、二次リースの可能性及び将来の市況等を考慮したリース料や処分価値等を見積り、減損の認識の要否を判断しております。その結果、減損の認識が必要と判定された賃貸資産については、回収可能価額を正味売却価額又は使用価値のいずれか高い金額とし、帳簿価額との差額を減損損失として計上しております。
経営者は、賃貸資産の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、賃貸資産が回収可能な合理的な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、回収可能価額の算定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて減損損失の追加計上を実施する可能性があります。
なお、航空機リースにかかる賃貸資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)①賃貸資産の減損」に記載のとおりであります。
b. その他の営業資産の減損損失の計上
その他の営業資産は、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を基礎としてグルーピングを行い、市場価格の著しい下落や資産の回収可能価額を著しく低下させるような事象等の減損の兆候が識別された場合には、当該資産グループから得られる将来キャッシュ・フローを見積り、減損の認識の要否を判断しております。その結果、減損の認識が必要と判定されたその他の営業資産については、回収可能価額を正味売却価額又は使用価値のいずれか高い金額とし、帳簿価額との差額を減損損失として計上しております。
経営者は、その他の営業資産の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、その他の営業資産が回収可能な合理的な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、回収可能価額の算定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて減損損失の追加計上を実施する可能性があります。
なお、バイオマス混焼発電事業に係るその他の営業資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)②その他の営業資産の減損」に記載のとおりであります。
c. のれんの減損損失の計上
企業結合で生じたのれんは、会社単位を基礎としてグルーピングを行っております。のれんの償却については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。
経営者は、その資産性について、子会社の業績や事業計画等を基に検討を行っており、その検討の内容は合理的であると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、将来において当初想定した収益力もしくは費用削減効果が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損損失の計上が必要となる可能性があります。
d. 貸倒引当金の計上
貸倒引当金は、取引先の経営状態や支払状況等によって分類区分された債権について、一般債権については貸倒実績率により、破産更生債権等については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
経営者は、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれており、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があります。この場合には、将来当社グループが貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。
e. 金融商品の時価評価
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額の他、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。有価証券のうち、市場価格のない株式等については、取得原価をもって計上しておりますが、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には減損処理を行っております。
当社グループで行っているデリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ取引等)、通貨関連取引(為替予約取引及び通貨スワップ取引等)であり、それらの時価は取引金融機関から提示された価格等によっており、金利、外国為替相場等のインプットを用いた将来キャッシュ・フローの割引現在価値により算定されています。
経営者は、金融商品の時価の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。ただし、当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、予測不能な前提条件の変化等により金融商品の評価に関する見積りが変動する可能性があります。この場合には、将来当社グループにおける時価評価額が変動する可能性があります。
f. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。
経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価の見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて繰延税金資産の取崩し又は追加計上により損益に影響を及ぼす可能性があります。
(3)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金、その他の営業貸付債権、関係会社短期貸付金及び関係会社長期貸付金)の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
| 2026年3月31日現在 | |||||
| 貸付種別 | 件数 (件) | 構成割合 (%) | 残高 (百万円) | 構成割合 (%) | 平均約定金利 (%) |
| 消費者向 | |||||
| 無担保 (住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
| 有担保 (住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
| 住宅向 | - | - | - | - | - |
| 計 | - | - | - | - | - |
| 事業者向 | |||||
| 計 | 6,349 | 100.00 | 546,677 | 100.00 | 2.98 |
| 合計 | 6,349 | 100.00 | 546,677 | 100.00 | 2.98 |
② 資金調達内訳
| 2026年3月31日現在 | ||
| 借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) |
| 金融機関等からの借入 | 2,047,273 | 1.77 |
| その他 | 352,350 | 0.98 |
| 社債・CP | 335,900 | 0.95 |
| 合計 | 2,399,623 | 1.65 |
| 自己資本 | 399,031 | - |
| 資本金・出資額 | 81,129 | - |
③ 業種別貸付金残高内訳
| 2026年3月31日現在 | ||||
| 業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 製造業 | 218 | 13.61 | 8,209 | 1.50 |
| 建設業 | 33 | 2.06 | 60 | 0.01 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 25 | 1.56 | 22,963 | 4.20 |
| 運輸・通信業 | 66 | 4.12 | 38,947 | 7.12 |
| 卸売・小売業、飲食店 | 322 | 20.10 | 2,379 | 0.44 |
| 金融・保険業 | 46 | 2.87 | 64,305 | 11.76 |
| 不動産業 | 33 | 2.06 | 125,278 | 22.92 |
| サ-ビス業 | 508 | 31.71 | 255,963 | 46.82 |
| 個人 | - | - | - | - |
| その他 | 351 | 21.91 | 28,569 | 5.23 |
| 合計 | 1,602 | 100.00 | 546,677 | 100.00 |
④ 担保別貸付金残高内訳
| 2026年3月31日現在 | ||
| 受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 有価証券 | - | - |
| うち株式 | - | - |
| 債権 | - | - |
| うち預金 | - | - |
| 商品 | - | - |
| 不動産 | 15,593 | 2.85 |
| 財団 | - | - |
| その他 | 24,744 | 4.53 |
| 計 | 40,337 | 7.38 |
| 保証 | 5,935 | 1.09 |
| 無担保 | 500,404 | 91.53 |
| 合計 | 546,677 | 100.00 |
⑤ 期間別貸付金残高内訳
| 2026年3月31日現在 | ||||
| 期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 1年以下 | 174 | 2.74 | 209,986 | 38.39 |
| 1年超5年以下 | 5,194 | 81.81 | 204,707 | 37.45 |
| 5年超10年以下 | 696 | 10.96 | 58,469 | 10.70 |
| 10年超15年以下 | 254 | 4.00 | 7,311 | 1.34 |
| 15年超20年以下 | 22 | 0.35 | 23,722 | 4.34 |
| 20年超25年以下 | 3 | 0.05 | 2,871 | 0.53 |
| 25年超 | 6 | 0.09 | 39,608 | 7.25 |
| 合計 | 6,349 | 100.00 | 546,677 | 100.00 |
| 一件当たり平均期間 | 5.51年 | |||
(注) 期間は、約定期間によっております。




