有価証券報告書-第36期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、新たな事業領域の開拓と安定した事業運営を推進し、NTTグループの金融・決済会社として、社会的責任を担う信頼され続ける企業を目指しております。
2020年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会経済活動に大きな影響が生じるなか、通信料金やクレジットカードのご利用料金の支払期限の延長をお申し出のお客さまへは、その期限を延長するなどの対応を行ってまいりました。また、事業活動においては、「安定したビリング事業の運営とビリングソリューションサービスの拡大」、「クレジットカード事業におけるPaySol、Bizカードの拡大」、「グループファイナンス機能の拡充と資金調達手段の多様化」、「CSR・セキュリティマネジメントの徹底」の各種施策に取り組んでまいりました。
具体的には、ビリング事業におきましては、DX(デジタルトランスフォーメーション)の積極的な推進により安定的かつ効率的な事業運営を行ってまいりました。また、通信料金や公共料金をまとめて請求する「法人“ビリングONE”」の拡大に努めてきたほか、定期請求の請求・回収業務をクラウドで安価に提供する「楽々クラウド決済サービス」の提供を2020年10月に開始するなど法人・自治体のお客さま向けソリューションサービスを拡大してまいりました。クレジットカード事業におきましては、プラットフォームサービス「PaySol」の市場拡大に努めるとともに、中小法人向けビジネスカードである「Bizカード」の拡大に努めてまいりました。ファイナンス事業におきましては、日本電信電話株式会社が株式会社NTTドコモに対して実施した株式公開買付けに係わるブリッジローン4.25兆円を調達し、その借換資金の一部としてそれぞれ総額1兆円となる国内債、米ドル建及びユーロ建社債を発行するなどNTTグループ各社の資金ニーズに貢献してまいりました。CSR活動におきましては、環境目的に使途を限定した社債である「グリーンボンド」を発行したほか、大震災からの復興を願う「fukushima さくらプロジェクト」や「ヴィオラスペース」の協賛など、社会貢献活動を行ってまいりました。
なお、当社グループは、2020年7月にリース事業及びグローバル事業の一部をNTT・TCリース株式会社に分社し、同年9月に日本電信電話株式会社の完全子会社となっております。
これらの結果、当社グループにおける当連結会計年度の業績につきましては、売上高は前期比2,031億90百万円の減少となる2,506億19百万円となりました。営業利益は前期比43億96百万円の減少となる138億25百万円、経常利益は前期比51億64百万円の減少となる133億66百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比36億25百万円の減少となる91億46百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
〇 ビリング事業
ビリング事業におきましては、請求書の電子化やAI受付の拡大など、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による請求・回収業務のコスト削減等に取り組み、安定かつ効率的な事業運営に努めました。その結果、当連結会計年度における売上高は、前期比95億12百万円の減少となる1,534億5百万円となりました。セグメント利益は、前期比16億46百万円の増加となる66億39百万円となりました。 なお、当連結会計年度における契約実行高は、前期比1,424億71百万円の減少となる6兆740億56百万円となりました。
〇 クレジットカード事業
クレジットカード事業の当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、ショッピング取扱高が減少したものの、通信料金等の取り扱いの増加や「PaySol」の拡大による手数料の獲得等により、前期比43億16百万円の増加となる492億63百万円となりました。セグメント利益は、前期比2億28百万円の増加となる32億4百万円となりました。 なお、当連結会計年度における契約実行高は、前期比1,963億31百万円の増加となる3兆1,679億87百万円となりました。
〇 ファイナンス事業
ファイナンス事業の当連結会計年度における売上高は、グループファイナンスの増加等により、前期比53億76百万円の増加となる188億51百万円となりました。セグメント利益は、前期比26億21百万円の増加となる48億21万円となりました。 なお、当連結会計年度における契約実行高は、前期比6兆4,617億7百万円の増加となる10兆9,954億15百万円となりました。
〇 リース事業
リース事業におきましては、2020年7月の分社化以降、新規取扱がなかったことから、売上高685億53百万円、セグメント利益32億29百万円となりました。 なお、当連結会計年度における契約実行高は、前期比3,405億22百万円の減少となる794億67百万円となりました。
〇 グローバル事業
グローバル事業におきましては、2020年7月の分社化以降、新規取扱がなかったことから、売上高28億7百万円、セグメント利益8億59百万円となりました。 なお、当連結会計年度における契約実行高は、前期比2,964億60百万円の減少となる1,135億74百万円となりました。
〇 その他
その他の売上高は、受託収入等により、18億35百万円となりました。セグメント利益は、21百万円となりました。
当社グループにおける当連結会計年度末の財政状態につきましては、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比3兆5,568億32百万円の増加となる8兆76億72百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比3兆6,071億52百万円の増加となる7兆9,319億14百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末比503億20百万円の減少となる757億58百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期比438億23百万円減少の4,088億51百万円となりました。
なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
〇 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、営業貸付金が増加したこと等から、4兆1,924億85百万円の支出(前期は7,748億25百万円の支出)となりました。
〇 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入があったこと等から、529億91百万円の収入(前期は62億80百万円の支出)となりました。
〇 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行や短期借入金による収入があったこと等から、4兆964億92百万円の収入(前期は1兆989億12百万円の収入)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
〇 資産の部
当連結会計年度末の流動資産合計は、日本電信電話株式会社が株式会社NTTドコモに対して実施した株式公開買付けに関連し、貸付金が増加したこと等に伴い、前連結会計年度末比3兆6,922億70百万円の増加となる7兆9,557億91百万円となりました。
当連結会計年度末の固定資産合計は、リース事業等の分社化に関連し、投資有価証券をNTT・TCリース株式会社へ移管したこと等に伴い、前連結会計年度末比1,425億4百万円の減少となる448億14百万円となりました。
〇 負債の部
当連結会計年度末の流動負債合計は、日本電信電話株式会社が株式会社NTTドコモに対して実施した株式公開買付けに関連し、グループファイナンスに係る借入金が増加したこと等に伴い、前連結会計年度末比1兆5,122億1百万円の増加となる4兆4,286億23百万円となりました。
当連結会計年度末の固定負債合計は、日本電信電話株式会社が株式会社NTTドコモに対して実施した株式公開買付けに関連し、社債を発行したこと等に伴い、前連結会計年度末比2兆949億51百万円の増加となる3兆5,032億90百万円となりました。
〇 純資産の部
当連結会計年度末の純資産合計は、2020年10月に日本電信電話株式会社に対して、当社が保有するNTT・TCリース株式会社の株式を現物配当したこと等に伴い、前連結会計年度末比503億20百万円の減少となる757億58百万円となりました。
(経営成績)
〇 売上高
売上高につきましては、前期比2,031億90百万円の減少となる2,506億19百万円となりました。
〇 営業利益・経常利益
営業利益につきましては、前期比43億96百万円の減少となる138億25百万円、経常利益は前期比51億64百万円の減少となる133億66百万円となりました。
〇 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期比36億25百万円の減少となる91億46百万円となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資金需要の主なものは、グループファイナンス等の貸付資金であります。
資金の調達源につきましては、金融機関からの借入に加え、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行、NTTグループの余剰資金の受入等の多様な方法により調達しております。
また、金融機関との当座貸越契約及びコミットメントライン契約の締結や、複数の格付会社からの高い信用格付を背景に低利で安定した資金調達が可能となっております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計士の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(3)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく営業貸付金及びその他の営業貸付債権の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における営業貸付金の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
| 2021年3月31日現在 |
| 件数・残高 貸付種別 | 平均約定金利 (%) | ||||
| 件数 (件) | 構成割合(%) | 残高 (百万円) | 構成割合(%) | ||
| 消費者向 | |||||
| 無担保 (住宅向を除く) | 9,145 | 97.49 | 2,094 | 0.02 | 17.32 |
| 有担保 (住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
| 住宅向 | - | - | - | - | - |
| 計 | 9,145 | 97.49 | 2,094 | 0.02 | 17.32 |
| 事業者向 | 236 | 2.51 | 7,254,864 | 99.98 | 0.28 |
| 合計 | 9,381 | 100.00 | 7,256,958 | 100.00 | 0.28 |
② 資金調達内訳
| 2021年3月31日現在 |
| 借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) | |
| 金融機関等からの借入 | 3,081,135 | 0.36 | |
| その他 | 4,112,965 | 0.16 | |
| 社債・コマーシャルペーパー | 2,935,247 | 0.22 | |
| 合計 | 7,194,101 | 0.24 | |
| 自己資本 | 101,791 | - | |
| 資本金・出資額 | 16,770 | - | |
(注)当連結会計年度に行った貸付債権の譲渡の合計額は6,355百万円であります。
③ 業種別貸付金残高内訳
| 2021年3月31日現在 |
| 先数・残高 業種別 | ||||
| 先数 (件) | 構成割合(%) | 残高 (百万円) | 構成割合(%) | |
| 農業・林業・漁業 | - | - | - | - |
| 建設業 | - | - | - | - |
| 製造業 | 2 | 0.02 | 4,243 | 0.06 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 2 | 0.02 | 25,521 | 0.35 |
| 情報通信業 | 15 | 0.17 | 6,310,379 | 86.96 |
| 運輸業、郵便業 | 1 | 0.01 | 5,600 | 0.08 |
| 卸売業、小売業 | - | - | - | - |
| 金融業、保険業 | 3 | 0.03 | 153,837 | 2.12 |
| 不動産業、物品賃貸業 | 14 | 0.16 | 599,519 | 8.26 |
| 宿泊業、飲食サービス業 | - | - | - | - |
| 教育、学習支援業 | - | - | - | - |
| 医療、福祉 | - | - | - | - |
| 複合サービス事業 | - | - | - | - |
| サービス業(他に分類されないもの) | 11 | 0.12 | 155,763 | 2.15 |
| 個人 | 9,145 | 99.47 | 2,094 | 0.02 |
| 特定非営利活動法人 | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - |
| 合計 | 9,193 | 100.00 | 7,256,958 | 100.00 |
④ 担保別貸付金残高内訳
| 2021年3月31日現在 |
| 受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) | |
| 有価証券 | - | - | |
| うち株式 | - | - | |
| 債権 | 7,702 | 0.10 | |
| うち預金 | - | - | |
| 商品 | - | - | |
| 不動産 | 8,670 | 0.12 | |
| 財団 | - | - | |
| その他 | 499 | 0.01 | |
| 計 | 16,872 | 0.23 | |
| 保証 | - | - | |
| 無担保 | 7,240,086 | 99.77 | |
| 合計 | 7,256,958 | 100.00 | |
⑤ 期間別貸付金残高内訳
| 2021年3月31日現在 |
| 件数・残高 期間別 | ||||
| 件数 (件) | 構成割合(%) | 残高 (百万円) | 構成割合(%) | |
| 1年以下 | 4,014 | 42.79 | 3,319,604 | 45.74 |
| 1年超 5年以下 | 5,178 | 55.20 | 2,043,109 | 28.15 |
| 5年超 10年以下 | 181 | 1.92 | 1,828,330 | 25.20 |
| 10年超 15年以下 | 8 | 0.09 | 65,913 | 0.91 |
| 15年超 20年以下 | - | - | - | - |
| 20年超 25年以下 | - | - | - | - |
| 25年超 | - | - | - | - |
| 合計 | 9,381 | 100.00 | 7,256,958 | 100.00 |
| 一件当たり平均期間 | 3.63 | |||
(注)期間は、約定期間によっております。
(4)営業取引の状況
(契約実行高)
当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 | ||
| 契約実行高(百万円) | 前年増減率 (%) | ||
| ビリング | 6,074,056 | △2.2 | |
| クレジットカード | 3,167,987 | 6.6 | |
| ファイナンス | 10,995,415 | 142.5 | |
| リース | 79,467 | △81.0 | |
| グローバル | 113,574 | △72.3 | |
| 合計 | 20,430,501 | 40.3 | |
(注)1.ビリング事業については、通信サービス等料金債権の譲受金額を表示しております。
2.クレジットカード事業については、ローン及びショッピング等における取扱高の合計額を表示しております。
3.リース事業及びグローバル事業におけるリース取引については賃貸用資産の取得金額、また、割賦販売取引については割賦債権から割賦未実現利益を控除した金額を表示しています。
(営業実績)
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
① 前連結会計年度
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) |
| ビリング | 162,918 | 68,018 | 94,900 | - | - |
| クレジットカード | 44,946 | 36,953 | 7,993 | ||
| ファイナンス | 13,474 | 77 | 13,396 | ||
| リース | 253,428 | 229,667 | 23,761 | ||
| グローバル | 18,861 | 9,268 | 9,593 | ||
| 報告セグメント計 | 493,630 | 343,985 | 149,645 | ||
| セグメント間取引消去 | △39,821 | △39,821 | - | ||
| 合計 | 453,809 | 304,164 | 149,645 | 16,232 | 133,412 |
② 当連結会計年度
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) |
| ビリング | 153,405 | 70,151 | 83,253 | - | - |
| クレジットカード | 49,263 | 41,709 | 7,553 | ||
| ファイナンス | 18,851 | 666 | 18,184 | ||
| リース | 68,553 | 62,426 | 6,126 | ||
| グローバル | 2,807 | 888 | 1,919 | ||
| 報告セグメント計 | 292,880 | 175,842 | 117,038 | ||
| その他 | 1,835 | 1,813 | 21 | ||
| セグメント間取引消去 | △44,096 | △44,096 | - | ||
| 合計 | 250,619 | 133,559 | 117,060 | 12,564 | 104,495 |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は次のとおりであ ります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱NTTドコモ | 92,418 | 20.3 | 87,476 | 34.9 |
| 西日本電信電話㈱ | 30,490 | 6.7 | 28,410 | 11.3 |
| 東日本電信電話㈱ | 30,308 | 6.6 | 28,072 | 11.2 |