有価証券報告書-第29期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に足踏みが見られるものの、雇用や所得環境が改善する中、緩やかな回復基調にあります。しかし、世界的な物価の上昇や金融引締めに伴う影響、中国経済の先行きへの懸念、ウクライナ及び中東地域をめぐる情勢、そして本年1月に発生した能登半島地震の影響等による景気の下振れリスクが、その先行きに不透明感を増加させています。
当社グループが属するエレクトロニクス業界は、年度前半に、家電・PC・スマートフォン等の個人消費に依存している電子機器を中心に、需要の伸び悩みによる生産調整や、供給ひっ迫の緩和により積み上がった在庫の調整が見られました。それに伴い、特にメモリ及びディスプレイ市況が悪化しておりましたが、足元では漸く底打ち感が出てまいりました。また、データセンタやAI(Artificial Intelligence:人工知能)等をはじめとするDXの進展に伴うAIの民生化による需要増や、GX、いわゆる脱炭素化社会へ向けたインフラ等への社会的投資拡大による市場成長に伴う需要増への期待が高まっています。
このような情勢の下、当社グループは、前中期経営期間より推進している「収益構造改革」の総仕上げとして、既存のお客様への供給責任を果たしつつ、DX及びGX関連市場を重点市場とし、優良商品の発掘や、優良顧客の開拓を積極的に推進して、中期経営目標の達成に努めております。とりわけ、資本提携を含む業務提携を積極的に実行して収益の源泉の多様化を図るとともに、検査用等装置向けやEMSの既存ビジネスを拡大させる等の高利益化による筋肉質な体質への改善の取組みを通じ、資本効率の向上に努めております。
当連結会計年度においては、まず、第1四半期連結会計期間に発生した、ディスプレイ分野における主要取引先の民事再生に伴う当該売掛債権を、貸倒損失(販売費及び一般管理費)として計上し、その他の一般売掛債権の回収可能性を見直した結果を、貸倒引当金繰入額(販売費及び一般管理費)として引当てたことで、営業利益以下の業績に大きな影響が出ました。その他要因として、販売面では、現在注力中のシステム製品分野が増収となったことと、足元でメモリ及びディスプレイ市況の底打ちに伴い汎用品のボリュームビジネスの悪化に歯止めがかかったため、売上高は増加しました。利益面においては、汎用品のボリュームビジネスの悪化に歯止めがかかったものの、同ビジネスの減収に伴い売上総利益が減少しました。そして、前述の一時的な要因(貸倒れ)を除いた販売費及び一般管理費は、概ね想定どおりの推移ではあるものの、人的資本の強化によって、やや増加したところに貸倒れに関連する費用が加わり、営業利益は大幅に減少しました。さらに営業外損益において、当連結会計年度末にかけての急激な円安進行により為替差損を計上したことと、ドル金利の高止まりによる支払利息の増加によって、経常利益以下の指標も大幅に減少しました。また、当社が保有する投資有価証券の一部について、取得価額に比べて実質価値が著しく下落したため、減損処理により投資有価証券評価損を特別損失として50百万円計上しました。
その結果、売上高は422億85百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は11億84百万円(前年同期比47.2%減)、経常利益は4億99百万円(前年同期比61.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億92百万円(前年同期比67.4%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
当連結会計年度は、主に半導体製品分野及びディスプレイ分野において汎用品のボリュームビジネスが減少したため、売上高は390億5百万円(前年同期比1.7%増)となりました。また貸倒れによって販売費及び一般管理費が大幅に増加したため、セグメント利益は11億34百万円(前年同期比49.0%減)となりました。
(海外)
当連結会計年度は、世界的なインフレによる需要減及び中国市場向けの停滞により、売上高は32億79百万円(前年同期比8.5%減)、セグメント損失は4百万円(前年同期は48百万円のセグメント利益)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、総資産は185億79百万円(前連結会計年度末比10.2%増)、負債は114億96百万円(前連結会計年度末比16.0%増)、純資産は70億82百万円(前連結会計年度末比2.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度において、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ17億84百万円増加し59億57百万円となりました。主な要因は、営業活動による資金の増加、財務活動による資金の増加、及び円安による現金及び現金同等物に係る換算差額の増加によるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、10億33百万円(前年同期は45億77百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益を4億49百万円、為替差損を6億56百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は70百万円(前年同期は15百万円の減少)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出50百万円、無形固定資産の取得による支出8百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は4億73百万円(前年同期は67億72百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純増額14億86百万円、長期借入金の返済による支出7億34百万円、配当金の支払いによる支出2億63百万円があったことによるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の仕入実績及び当該仕入実績の総仕入実績に対する割合は次のとおりであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の仕入実績のうち、当該仕入実績の総仕入実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
(a) 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ0.9%、3億60百万円増加し、422億85百万円となりました。
品目別売上高は、次のとおりであります。
・半導体製品分野
非メモリ商品ビジネスは堅調に推移しております。しかし、メモリ市況は、足元では底打ち感が出てきたものの、年度前半における市況の悪化による汎用品のボリュームビジネスが減少したため、売上高は減少しました。
・ディスプレイ分野
主に個人消費に依存する製品向けのディスプレイ市況悪化の継続及び主要顧客の民事再生によって汎用品のボリュームビジネスが減少したため、売上高は減少しました。
・システム製品分野
検査用等装置向けは堅調に推移しております。また、前年度に一部部品の供給不足継続による生産調整の影響の反動によって、EMSが大幅に増加しました。そして、AIサーバ機器ビジネスの新規獲得による大口案件もあったため、売上高は大幅に増加しました。
・バッテリ&電力機器分野
主力の家庭用ESS(蓄電システム)向けリチウムイオンバッテリビジネスが減少したため、売上高は減少しました。
・その他分野
上表のとおり、売上高は減少しました。
(b) 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ2.0%、7億44百万円増加し、383億64百万円となり、売上原価率は同1.0ポイント上昇し90.7%となりました。これは、仕入価格の上昇によるものです。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ32.7%、6億74百万円増加し、27億36百万円となりました。これは主に、第1四半期連結会計期間に発生した、ディスプレイ分野における主要取引先の民事再生に伴う当該売掛債権を、貸倒損失として、また、その他の一般売掛債権の回収可能性を見直した結果を、貸倒引当金繰入額として、販売費及び一般管理費において計上したことによるものです。
(c) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ47.2%、10億57百万円減少し、11億84百万円となり、営業利益率は同2.5ポイント減少し2.8%となりました。これは売上総利益の減少と、販売費及び一般管理費の増加によるものです。
(d) 営業外損益及び経常利益
当連結会計年度は、支払利息は増加しましたが、為替差損の減少等があり、営業外損益は前連結会計年度と比べ2億54百万円の増加となりました。貸倒れの発生等に伴う営業利益の減少により、経常利益は4億99百万円(前年同期比61.7%減)となりました。
(e) 特別損益
当連結会計年度は、当社グループが保有する投資有価証券について、減損処理による投資有価証券評価損を計上したため、特別損益は前連結会計年度と比べ50百万円の減少となりました。
(f) 法人税等及び当期純利益
法人税、住民税及び事業税、並びに法人税等調整額を合わせた税金費用の合計は1億55百万円であり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は34.7%であります。
b. 財政状態の分析
(a) 資産
総資産は185億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億22百万円(10.2%)増加しました。主な要因は、現金及び預金が17億84百万円(42.6%)、売掛金が7億80百万円(12.3%)増加したことによるものであります。
(b) 負債
負債は114億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億82百万円(16.0%)増加しました。主な要因は、その他の流動負債が3億73百万円(44.3%)減少しましたが、有利子負債が17億35百万円(27.3%)増加したことによるものであります。
(c) 純資産
純資産は70億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億40百万円(2.0%)増加しました。主な要因は、資本剰余金が36百万円(2.6%)、利益剰余金が28百万円(0.7%)増加したこと、自己株式が58百万円(20.4%)減少したことによるものであります。
(d) 経営指標
流動比率は、買掛金、短期借入金の増加等により前連結会計年度末と比べ18.5ポイント減少し、163.7%となりました。自己資本比率は、買掛金、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ3.0ポイント減少し38.1%となりました。有利子負債対純資産比率は1.1倍となり、前連結会計年度末と比べ0.2ポイント増加しました。
c. 資本の財源及び資金の流動性について
(a) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、10億33百万円の資金の増加(前年同期は45億77百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益を4億49百万円、為替差損を6億56百万円計上したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、70百万円の資金の減少(前年同期は15百万円の減少)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出50百万円、無形固定資産の取得による支出8百万円があったことによるものであります。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは9億62百万円の資金の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、4億73百万円の資金の増加(前年同期は67億72百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純増額14億86百万円、長期借入金の返済による支出7億34百万円、配当金の支払いによる支出2億63百万円があったことによるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は59億57百万円(前年同期は41億73百万円)となりました。
(b) 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。これらの資金需要に対し、主として金融機関からの借入により調達することとしております。
なお、当社グループの資金需要等の動向につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (8)資金調達」に記載のとおりであります。
d. 経営成績に重要な影響を与える要因について
世界的な物価の上昇や金融政策の引締めによる海外経済の悪化懸念等の下振れリスクが顕在化し、景気低迷による消費マインドが低下した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
併せて、当社グループは、仕入れ及び販売にかかる外貨取引の割合が高いため、わが国を含めた各国の中央銀行による金融政策の変更や経済動向の変化、金融不安等によって為替の急激な変動があった場合、為替差損益が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
供給面での制約によって、他社を含めた部品の調達難による顧客の生産調整等が行われた場合、当社グループの主要販売先が属する市場の需給動向に影響を及ぼす可能性があり、それらの要因等より、主要販売先の所要数量に変動が生じた場合は収益が減少し、さらに利益面では、棚卸資産の廃棄、または資産価値評価の見直しを必要とする等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
昨今の情勢より地政学的リスクが高まっており、各種費用の増加懸念があるとともに、事態が緊迫化した場合は、サプライチェーンが混乱するおそれがあります。そこへ供給制約に拍車がかかり、商品の需給バランスが崩れた場合、主要仕入先(メーカ)に高い依存をしている当社グループの経営成績へ影響を及ぼす可能性があります。
また、上記の景気変動並びに、為替変動及びサプライチェーンの混乱、または、その他の要因による、販売先の事業環境の急激な変化によって財政状態が極端に悪化した場合、売掛債権等が取立遅延や不能になるおそれがあります。そのような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、上記の事象の顕在化等により著しく当社グループの財政状態や経営成績が悪化し、資金調達環境が変化した場合は、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
したがいまして、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の中で、経営者の視点により分析・検討した結果、「特に重要なリスク」として認識しているリスクは、以下のとおりとなります。
・(1) 景気変動の影響
・(2) 為替リスク
・(3) 地政学的リスク
・(5) 商品の需給動向の変動
・(6) 主要仕入先(メーカ)への高依存
・(7) 主要販売先への高依存
・(8) 資金調達
・(11) 棚卸資産廃棄及び棚卸資産評価の影響
・(12) 売掛債権回収リスク
e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
2023年5月11日に公表しました、2024年3月期通期業績予想にかかる当連結会計年度の達成状況は以下のとおりです。
なお、なお、2023年8月8日に2024年3月期通期業績予想を修正しておりますが、以下の記載は当初の2023年5月11日の公表値に基づき記載しております。
売上高は当初計画に比べ6.0%、27億14百万円減少しました。当初の想定よりメモリ市況及びディスプレイ市況の悪化が継続し、システム製品分野の増加で補いきれなかったためです。
営業利益は当初計画に比べ37.6%、7億15百万円減少しました。これは売上高の減少及び為替の円高局面による売上総利益の減少と、第1四半期連結会計期間に発生した、ディスプレイ分野における主要取引先の民事再生に伴う当該売掛債権を、貸倒損失として、また、その他の一般売掛債権の回収可能性を見直した結果を、貸倒引当金繰入額として計上したことにより、販売費及び一般管理費が増加したためです。
経常利益は当初計画に比べ64.3%、9億00百万円減少しました。これは営業利益の減少に加え、為替差損を計上したことと、ドル金利の高止まりにより支払利息が増加したためです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少に加え、特別損失(投資有価証券評価損)を50百万円計上したため、当初計画に比べ70.1%、6億87百万円減少し、1株当たり当期純利益は当初計画に比べ70.4%、353円38銭減少しました。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に足踏みが見られるものの、雇用や所得環境が改善する中、緩やかな回復基調にあります。しかし、世界的な物価の上昇や金融引締めに伴う影響、中国経済の先行きへの懸念、ウクライナ及び中東地域をめぐる情勢、そして本年1月に発生した能登半島地震の影響等による景気の下振れリスクが、その先行きに不透明感を増加させています。
当社グループが属するエレクトロニクス業界は、年度前半に、家電・PC・スマートフォン等の個人消費に依存している電子機器を中心に、需要の伸び悩みによる生産調整や、供給ひっ迫の緩和により積み上がった在庫の調整が見られました。それに伴い、特にメモリ及びディスプレイ市況が悪化しておりましたが、足元では漸く底打ち感が出てまいりました。また、データセンタやAI(Artificial Intelligence:人工知能)等をはじめとするDXの進展に伴うAIの民生化による需要増や、GX、いわゆる脱炭素化社会へ向けたインフラ等への社会的投資拡大による市場成長に伴う需要増への期待が高まっています。
このような情勢の下、当社グループは、前中期経営期間より推進している「収益構造改革」の総仕上げとして、既存のお客様への供給責任を果たしつつ、DX及びGX関連市場を重点市場とし、優良商品の発掘や、優良顧客の開拓を積極的に推進して、中期経営目標の達成に努めております。とりわけ、資本提携を含む業務提携を積極的に実行して収益の源泉の多様化を図るとともに、検査用等装置向けやEMSの既存ビジネスを拡大させる等の高利益化による筋肉質な体質への改善の取組みを通じ、資本効率の向上に努めております。
当連結会計年度においては、まず、第1四半期連結会計期間に発生した、ディスプレイ分野における主要取引先の民事再生に伴う当該売掛債権を、貸倒損失(販売費及び一般管理費)として計上し、その他の一般売掛債権の回収可能性を見直した結果を、貸倒引当金繰入額(販売費及び一般管理費)として引当てたことで、営業利益以下の業績に大きな影響が出ました。その他要因として、販売面では、現在注力中のシステム製品分野が増収となったことと、足元でメモリ及びディスプレイ市況の底打ちに伴い汎用品のボリュームビジネスの悪化に歯止めがかかったため、売上高は増加しました。利益面においては、汎用品のボリュームビジネスの悪化に歯止めがかかったものの、同ビジネスの減収に伴い売上総利益が減少しました。そして、前述の一時的な要因(貸倒れ)を除いた販売費及び一般管理費は、概ね想定どおりの推移ではあるものの、人的資本の強化によって、やや増加したところに貸倒れに関連する費用が加わり、営業利益は大幅に減少しました。さらに営業外損益において、当連結会計年度末にかけての急激な円安進行により為替差損を計上したことと、ドル金利の高止まりによる支払利息の増加によって、経常利益以下の指標も大幅に減少しました。また、当社が保有する投資有価証券の一部について、取得価額に比べて実質価値が著しく下落したため、減損処理により投資有価証券評価損を特別損失として50百万円計上しました。
その結果、売上高は422億85百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は11億84百万円(前年同期比47.2%減)、経常利益は4億99百万円(前年同期比61.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億92百万円(前年同期比67.4%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
当連結会計年度は、主に半導体製品分野及びディスプレイ分野において汎用品のボリュームビジネスが減少したため、売上高は390億5百万円(前年同期比1.7%増)となりました。また貸倒れによって販売費及び一般管理費が大幅に増加したため、セグメント利益は11億34百万円(前年同期比49.0%減)となりました。
(海外)
当連結会計年度は、世界的なインフレによる需要減及び中国市場向けの停滞により、売上高は32億79百万円(前年同期比8.5%減)、セグメント損失は4百万円(前年同期は48百万円のセグメント利益)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、総資産は185億79百万円(前連結会計年度末比10.2%増)、負債は114億96百万円(前連結会計年度末比16.0%増)、純資産は70億82百万円(前連結会計年度末比2.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度において、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ17億84百万円増加し59億57百万円となりました。主な要因は、営業活動による資金の増加、財務活動による資金の増加、及び円安による現金及び現金同等物に係る換算差額の増加によるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、10億33百万円(前年同期は45億77百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益を4億49百万円、為替差損を6億56百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は70百万円(前年同期は15百万円の減少)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出50百万円、無形固定資産の取得による支出8百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は4億73百万円(前年同期は67億72百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純増額14億86百万円、長期借入金の返済による支出7億34百万円、配当金の支払いによる支出2億63百万円があったことによるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(千円) | 38,234,570 | 103.1 |
| 海外(千円) | 11,396 | 91.6 |
| 合計(千円) | 38,245,966 | 103.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の仕入実績及び当該仕入実績の総仕入実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額 (千円) | 割合 (%) | 金額 (千円) | 割合 (%) | |
| GigaDevice Semiconductor Inc. | 10,185,211 | 27.4 | 8,477,932 | 22.2 |
| SK hynix Japan(株) | 9,165,673 | 24.7 | 7,304,451 | 19.1 |
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の仕入実績のうち、当該仕入実績の総仕入実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(千円) | 39,005,299 | 101.7 |
| 海外(千円) | 3,279,723 | 91.5 |
| 合計(千円) | 42,285,022 | 100.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額 (千円) | 割合 (%) | 金額 (千円) | 割合 (%) | |
| ㈱エナジックインターナショナル | - | - | 5,389,330 | 12.7 |
| JCET STATS ChipPAC Korea Ltd. | 4,306,079 | 10.3 | 4,501,176 | 10.6 |
| Amkor Technology Korea, Inc. | 6,436,121 | 15.4 | 4,416,005 | 10.4 |
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
(a) 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ0.9%、3億60百万円増加し、422億85百万円となりました。
品目別売上高は、次のとおりであります。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||
| 品目別 | (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 増減率 (%) | ||
| 金額(千円) | 構成比(%) | 金額(千円) | 構成比(%) | ||
| 半導体製品 | 28,133,631 | 67.1 | 26,326,170 | 62.3 | △6.4 |
| ディスプレイ | 5,785,059 | 13.8 | 3,798,312 | 9.0 | △34.3 |
| システム製品 | 5,560,936 | 13.3 | 10,494,247 | 24.8 | 88.7 |
| バッテリ&電力機器 | 2,111,860 | 5.0 | 1,499,732 | 3.5 | △29.0 |
| その他 | 332,984 | 0.8 | 166,559 | 0.4 | △50.0 |
| 合計 | 41,924,471 | 100.0 | 42,285,022 | 100.0 | 0.9 |
・半導体製品分野
非メモリ商品ビジネスは堅調に推移しております。しかし、メモリ市況は、足元では底打ち感が出てきたものの、年度前半における市況の悪化による汎用品のボリュームビジネスが減少したため、売上高は減少しました。
・ディスプレイ分野
主に個人消費に依存する製品向けのディスプレイ市況悪化の継続及び主要顧客の民事再生によって汎用品のボリュームビジネスが減少したため、売上高は減少しました。
・システム製品分野
検査用等装置向けは堅調に推移しております。また、前年度に一部部品の供給不足継続による生産調整の影響の反動によって、EMSが大幅に増加しました。そして、AIサーバ機器ビジネスの新規獲得による大口案件もあったため、売上高は大幅に増加しました。
・バッテリ&電力機器分野
主力の家庭用ESS(蓄電システム)向けリチウムイオンバッテリビジネスが減少したため、売上高は減少しました。
・その他分野
上表のとおり、売上高は減少しました。
(b) 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ2.0%、7億44百万円増加し、383億64百万円となり、売上原価率は同1.0ポイント上昇し90.7%となりました。これは、仕入価格の上昇によるものです。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ32.7%、6億74百万円増加し、27億36百万円となりました。これは主に、第1四半期連結会計期間に発生した、ディスプレイ分野における主要取引先の民事再生に伴う当該売掛債権を、貸倒損失として、また、その他の一般売掛債権の回収可能性を見直した結果を、貸倒引当金繰入額として、販売費及び一般管理費において計上したことによるものです。
(c) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ47.2%、10億57百万円減少し、11億84百万円となり、営業利益率は同2.5ポイント減少し2.8%となりました。これは売上総利益の減少と、販売費及び一般管理費の増加によるものです。
(d) 営業外損益及び経常利益
当連結会計年度は、支払利息は増加しましたが、為替差損の減少等があり、営業外損益は前連結会計年度と比べ2億54百万円の増加となりました。貸倒れの発生等に伴う営業利益の減少により、経常利益は4億99百万円(前年同期比61.7%減)となりました。
(e) 特別損益
当連結会計年度は、当社グループが保有する投資有価証券について、減損処理による投資有価証券評価損を計上したため、特別損益は前連結会計年度と比べ50百万円の減少となりました。
(f) 法人税等及び当期純利益
法人税、住民税及び事業税、並びに法人税等調整額を合わせた税金費用の合計は1億55百万円であり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は34.7%であります。
b. 財政状態の分析
(a) 資産
総資産は185億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億22百万円(10.2%)増加しました。主な要因は、現金及び預金が17億84百万円(42.6%)、売掛金が7億80百万円(12.3%)増加したことによるものであります。
(b) 負債
負債は114億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億82百万円(16.0%)増加しました。主な要因は、その他の流動負債が3億73百万円(44.3%)減少しましたが、有利子負債が17億35百万円(27.3%)増加したことによるものであります。
(c) 純資産
純資産は70億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億40百万円(2.0%)増加しました。主な要因は、資本剰余金が36百万円(2.6%)、利益剰余金が28百万円(0.7%)増加したこと、自己株式が58百万円(20.4%)減少したことによるものであります。
(d) 経営指標
流動比率は、買掛金、短期借入金の増加等により前連結会計年度末と比べ18.5ポイント減少し、163.7%となりました。自己資本比率は、買掛金、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ3.0ポイント減少し38.1%となりました。有利子負債対純資産比率は1.1倍となり、前連結会計年度末と比べ0.2ポイント増加しました。
c. 資本の財源及び資金の流動性について
(a) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、10億33百万円の資金の増加(前年同期は45億77百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益を4億49百万円、為替差損を6億56百万円計上したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、70百万円の資金の減少(前年同期は15百万円の減少)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出50百万円、無形固定資産の取得による支出8百万円があったことによるものであります。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは9億62百万円の資金の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、4億73百万円の資金の増加(前年同期は67億72百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の純増額14億86百万円、長期借入金の返済による支出7億34百万円、配当金の支払いによる支出2億63百万円があったことによるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は59億57百万円(前年同期は41億73百万円)となりました。
(b) 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用等であります。これらの資金需要に対し、主として金融機関からの借入により調達することとしております。
なお、当社グループの資金需要等の動向につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (8)資金調達」に記載のとおりであります。
d. 経営成績に重要な影響を与える要因について
世界的な物価の上昇や金融政策の引締めによる海外経済の悪化懸念等の下振れリスクが顕在化し、景気低迷による消費マインドが低下した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
併せて、当社グループは、仕入れ及び販売にかかる外貨取引の割合が高いため、わが国を含めた各国の中央銀行による金融政策の変更や経済動向の変化、金融不安等によって為替の急激な変動があった場合、為替差損益が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
供給面での制約によって、他社を含めた部品の調達難による顧客の生産調整等が行われた場合、当社グループの主要販売先が属する市場の需給動向に影響を及ぼす可能性があり、それらの要因等より、主要販売先の所要数量に変動が生じた場合は収益が減少し、さらに利益面では、棚卸資産の廃棄、または資産価値評価の見直しを必要とする等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
昨今の情勢より地政学的リスクが高まっており、各種費用の増加懸念があるとともに、事態が緊迫化した場合は、サプライチェーンが混乱するおそれがあります。そこへ供給制約に拍車がかかり、商品の需給バランスが崩れた場合、主要仕入先(メーカ)に高い依存をしている当社グループの経営成績へ影響を及ぼす可能性があります。
また、上記の景気変動並びに、為替変動及びサプライチェーンの混乱、または、その他の要因による、販売先の事業環境の急激な変化によって財政状態が極端に悪化した場合、売掛債権等が取立遅延や不能になるおそれがあります。そのような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、上記の事象の顕在化等により著しく当社グループの財政状態や経営成績が悪化し、資金調達環境が変化した場合は、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
したがいまして、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の中で、経営者の視点により分析・検討した結果、「特に重要なリスク」として認識しているリスクは、以下のとおりとなります。
・(1) 景気変動の影響
・(2) 為替リスク
・(3) 地政学的リスク
・(5) 商品の需給動向の変動
・(6) 主要仕入先(メーカ)への高依存
・(7) 主要販売先への高依存
・(8) 資金調達
・(11) 棚卸資産廃棄及び棚卸資産評価の影響
・(12) 売掛債権回収リスク
e. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
2023年5月11日に公表しました、2024年3月期通期業績予想にかかる当連結会計年度の達成状況は以下のとおりです。
なお、なお、2023年8月8日に2024年3月期通期業績予想を修正しておりますが、以下の記載は当初の2023年5月11日の公表値に基づき記載しております。
| 指標 | 2024年3月期 (当初計画) | 2024年3月期 (実績) | 増減額(当初計画比) |
| 売上高 | 45,000百万円 | 42,285百万円 | 2,714百万円 ( 6.0%減) |
| 営業利益 | 1,900百万円 | 1,184百万円 | 715百万円 (37.6%減) |
| 経常利益 | 1,400百万円 | 499百万円 | 900百万円 (64.3%減) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 980百万円 | 292百万円 | 687百万円 (70.1%減) |
| 1株当たり当期純利益 | 501円63銭 | 148円25銭 | 353円38銭 (70.4%減) |
売上高は当初計画に比べ6.0%、27億14百万円減少しました。当初の想定よりメモリ市況及びディスプレイ市況の悪化が継続し、システム製品分野の増加で補いきれなかったためです。
営業利益は当初計画に比べ37.6%、7億15百万円減少しました。これは売上高の減少及び為替の円高局面による売上総利益の減少と、第1四半期連結会計期間に発生した、ディスプレイ分野における主要取引先の民事再生に伴う当該売掛債権を、貸倒損失として、また、その他の一般売掛債権の回収可能性を見直した結果を、貸倒引当金繰入額として計上したことにより、販売費及び一般管理費が増加したためです。
経常利益は当初計画に比べ64.3%、9億00百万円減少しました。これは営業利益の減少に加え、為替差損を計上したことと、ドル金利の高止まりにより支払利息が増加したためです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少に加え、特別損失(投資有価証券評価損)を50百万円計上したため、当初計画に比べ70.1%、6億87百万円減少し、1株当たり当期純利益は当初計画に比べ70.4%、353円38銭減少しました。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。