四半期報告書-第19期第2四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)

【提出】
2022/11/14 15:54
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第2四半期連結累計期間における我が国の経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中で、経済社会活動が正常化に向かい緩やかに持ち直していくことが期待されております。
一方で、為替相場の動向など金融資本市場の変動、世界的な物価高騰への対応など様々な課題に直面しており、景気の下振れリスクも懸念されております。
当社グループの事業領域であるインターネット関連市場は、第5世代移動通信システムの商用化が始まり、今後の新たな市場の創生と拡大への期待が高まっております。また、新型コロナウイルスの感染拡大により社会経済活動は制限された一方で、行動変容により自宅からのインターネットの利用頻度や時間は顕著に高まっております。また、社会のデジタル化やエンタテインメントの分野をはじめとした各種サービスのデジタルシフトも急速に進んでおります。
こうしたテクノロジーの進化や新たなビジネス、サービスの創出は加速しており、事業環境は目まぐるしく変化しております。
音楽やアーティスト関連の市場では、新型コロナウイルス感染症の影響とそれに伴う各種制限からの回復の兆しが見られております。
2021年の音楽ソフト(オーディオレコード及び音楽ビデオ合計)の生産金額は1,933億円(前年同期比0.5%減)、音楽配信の販売金額が895億円(前年同期比14.4%増)となりました(出所:一般社団法人日本レコード協会)。音楽ソフトは横ばいであるものの、自宅等でのストリーミングサービスの利用の増加により音楽配信が引き続き伸長し、市場全体としては拡大しており堅調な音楽需要が見られます。
ライブ、コンサート市場は、2021年の公演回数は26,383回(前年同期比148.0%増)と、前年と比較すると大きく増加しコロナ禍前である2019年の約80%まで回復しております。一方で、動員数は収容人数制限による影響が残りコロナ禍前の2019年より53.9%少ない2,284万人(前年同期比110.2%増)にとどまっております(出所:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)。足下の状況としては、十分に感染症対策を講じた上でライブ、コンサートを再開する動きも広がっており、公演回数、動員数ともに引き続き回復していくことが期待されております。
音楽市場の中でも特にライブ、コンサートを筆頭とした従来からのエンタテインメントのフォーマットにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響がより大きく見られました。その一方で、有料のライブ配信やサブスクリプション型のストリーミングが普及、拡大し、デジタルシフトが急速に進むなど事業環境は変化しており、それらを的確に捉え、競争力を維持、向上させていくことがより重要となってきております。
このような外部環境の中、当社グループでは、アーティストを中心としたエンタテインメント全般を事業領域とし、ファンクラブサイトを事業の軸に据えファンという強固な事業基盤を構築し、電子チケットやeコマース、キャラクター、音楽などの多岐にわたるデジタルコンテンツの配信など複合的な事業展開をしてまいりました。
加えて、エンタテインメントのデジタル化、DX化など事業環境の変化に対応すべく、アーティストアプリの提供とファンの行動データのDX化や、NFTなど今後の成長分野での新たな事業領域の開拓、新規サービスの提供などを行い、ファンエンゲージメントの強化とそれによる収益の拡大も推進してまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は7,764百万円(前年同期比23.0%増)、営業利益は1,187百万円(前年同期比53.0%増)、経常利益は1,200百万円(前年同期比43.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は639百万円(前年同期比23.8%増)となりました。
セグメントごとの概要は、以下のとおりであります。
1)コンテンツ事業
a.コンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等
ファンクラブ・ファンサイト事業等では、主にスマートフォン向けにファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、動画サービス、アプリの提供などを行っております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症により、ライブやコンサートの開催自粛の影響から一部のファンクラブ/ファンサイトでは会員数の減少が見られたものの、新規ファンクラブ/ファンサイトの開設と新規会員の獲得が順調に進んだことから、全体の会員数は下げ止まり上昇に転じております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、ファンクラブ/ファンサイトの会員数は引き続き増加基調にあり、新たなアーティストの獲得と新規サイトの開設も順調に進んだことから、会員数は堅調に増加いたしました。
また、コロナ禍をきっかけとしたアーティストとファンの関わりの変化をはじめ、エンタテインメントのDX化を見据えた新たな価値の創出やファンエンゲージメントの強化によるアーティスト活動の支援を実現するため、ファン活動の発着点となるサービスも充実させてまいりました。
ファンクラブのプラットフォーム「Fanpla Kit」、オンラインサロン「Fanpla Rooms」、ファンクラブ向けのオンラインくじ「Fanpla Chance」といった新規サービスの普及、利用拡大にも取り組んでまいりました。加えて、エンタテインメントに特化したクラウドファンディング「Fanpla Action」、アーティストとファンを繋ぐNFTマーケットプレイス「Fanpla Owner」のサービス提供も開始いたしました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等の売上高は5,756百万円(前年同期比19.2%増)となりました。
b.コンテンツ事業に係るEC事業
EC事業につきましては、主に当社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、アーティストグッズとCD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品の販売を行っております。
当第2四半期連結累計期間においては、引き続きアーティストグッズ販売のECへのデジタルシフトが進む中で、事業基盤を拡大させるべく、再開が進むライブやコンサートと歩調を合わせ商品の取扱高を増加させてまいりました。加えて、ECポータルでのプレイガイドとの連携をすすめるなど販売は好調に推移いたしました。
また、コロナ禍以後の新たなコンサートグッズの販売方法として、コンサート会場での電子決済や事前販売・会場受取サービスの需要の高まりも見られました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業に係るEC事業の売上高は674百万円(前年同期比67.3%増)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業全体の売上高は6,431百万円(同22.9%増)、セグメント利益は1,172百万円(同34.1%増)となりました。
2)電子チケット事業
電子チケット事業には、電子チケット及びチケットトレード、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されております。音楽のライブはもちろんのこと、プロ野球やフィギアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供しております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、有観客でのライブ、イベントが増加していく中で、電子チケットの強みを活かしマーケットシェアを拡大させ、電子チケット取扱枚数、トレード成立枚数ともに前年より大きく増加いたしました。また、大手プレイガイドのチケット流通、発券プラットフォームとのシステム連携も開始し、サービスの利便性を向上させてまいりました。
アーティストのサイン入りのグッズなどの商品を提供するオンラインくじ「くじプラ」など、ライブ/チケットと連動する施策やサービスについても引き続き販売が堅調に推移しており、チケット1枚あたりの顧客単価の上昇に繋げてまいりました。
電子チケット周辺領域のサービスといたしましては、プロ野球等のカードコレクションアプリにおいて、今後の市場拡大が期待されるNFTに対応した選手カード等の提供を開始し、従来からの選手カードに新たな付加価値を創出する試みも始めました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間におけるチケット事業の売上高は1,325百万円(同28.9%増)、セグメント利益は338百万円(同111.5%増)となりました。
3)その他事業
その他事業には、上記2つのセグメントに属さない連結子会社の収益等が計上されており、主にキャラクターグッズやアパレル、プロダクション業務などが含まれております。
当第2四半期連結累計期間におきましても、将来の収益獲得に向けた事業育成を行い、売上高は8百万円(同84.1%減)、セグメント損失は26百万円(前年同四半期は14百万円のセグメント利益)となりました。
② 財政状態の分析
(資産の部)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は14,296百万円(前連結会計年度末比0.8%増)となりました。
流動資産は9,836百万円(同2.3%減)となりました。主な内訳は現金及び預金3,749百万円(同44.3%減)、売掛金2,579百万円(同32.3%増)、前払金1,405百万円(前連結会計年度末は-百万円)となっております。
固定資産は4,459百万円(同8.2%増)となりました。主な内訳は顧客関連資産257百万円(同9.1%減)、のれん437百万円(同20.0%減)、その他無形固定資産683百万円(同294.7%増)となっております。
(負債の部)
当第2四半期連結会計期間末の流動負債は8,103百万円(同6.2%減)となりました。主な内訳は買掛金3,918百万円(同11.1%減)、契約負債3,237百万円(同13.2%増)、預り金23百万円(同90.5%減)であります。
固定負債は133百万円(同9.4%減)となりました。主な内訳は繰延税金負債84百万円(同14.0%減)であります。
(純資産の部)
当第2四半期連結会計期間末の純資産の合計は6,058百万円(同12.3%増)となりました。主な内訳は資本金317百万円(同-%)、資本剰余金3,816百万円(同2.9%増)、利益剰余金2,202百万円(同21.3%増)、有価証券評価差額金△481百万円(同11.2%減)であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は3,749百万円(前連結会計年度末2,992百万円減)となりました。
各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは△2,289百万円となりました。
主な内訳は税金等調整前四半期純利益1,200百万円、売上債権の増加629百万円、前払金の増加1,405百万円、未収入金の増加245百万円、前払費用の増加580百万円、仕入債務の減少489百万円、契約負債の増加377百万円、預り金の減少219百万円、法人税等の支払387百万円、法人税等の還付219百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは△553百万円であり、主な内訳は投資有価証券の売却による収入2,559百万円、投資有価証券の取得による支出2,561百万円、無形固定資産の取得551百万円は主に新規アーティスト獲得の育成プロジェクトへの支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは△149百万円であり、支出の主な内訳は配当金の支払額252百万円、非支配株主からの払込みによる収入103百万円です。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。また、当第2四半期連結累計期間中に生じた新たな対処すべき課題もありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。