四半期報告書-第16期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/08/14 15:19
【資料】
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【項目】
31項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、輸出や生産に弱さが残るものの、雇用情勢の着実な改善やそれに伴う個人消費の持ち直し、消費者物価の緩やかな上昇などが見られており、底堅く推移しております。今後についても回復が続くと期待されておりますが、人手不足感の高まりや増税の影響、海外経済の不確実性など、先行きについての慎重さが増しております。
当社の事業領域であるインターネット関連市場は、スマートフォンをはじめとするモバイル端末が生活にとって最も身近なデバイスとなるまで普及し、インターネットの利用時間やそれを介したサービス消費も増加するなど、安定的な成長と拡大が続いております。利便性が向上する一方で、テクノロジーの進化や新たなビジネス、サービスの創出は加速しており、事業環境は目まぐるしく変化しております。
音楽やアーティスト関連の市場動向といたしましては、2018年の音楽ソフト(オーディオレコード及び音楽ビデオ合計)の生産金額は2,403億円(前年同期比3.6%増)、音楽配信の販売金額が644億円(前年同期比12.5%増)とそれぞれ増加いたしました(出所:一般社団法人日本レコード協会)。特に、音楽配信では、ストリーミングサービスの利用が急拡大しており、市場拡大の牽引役となっております。同様に2018年のライブ、コンサートの年間動員数は、4,862万人(前年同期比1.7%増)、市場規模としては3,448億円(同3.7%増)と、こちらも拡大が続いております(出所:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)。
市場全体としては堅調に推移する一方で、音楽やコンテンツに対する利用者の志向が「モノ消費」から「コト消費」へと移行してきており、変化する事業環境を的確に捉え、競争力を維持、向上させていくことが、より重要となってきております。
このような外部環境の中、当社グループでは、ファンクラブサイトを事業の軸に、キャラクター、スタンプ、音楽、電子書籍といった多岐にわたるデジタルコンテンツの配信から、eコマース、電子チケットに至るまで、アーティストを中心として、タレントや声優、アニメまで幅広いジャンルにおいて複合的な事業展開をしてまいりました。数多くのコンテンツを保有する優位性を生かし、それらを相互活用することでグループ全体でのシナジー効果を発揮させ、事業基盤の拡大と多様化を進めてまいりました。
また、VRや電子チケットなど成長分野での新たな事業領域の開拓と収益の獲得も、引き続き推進してまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は2,547百万円(前年同期比139.6%増)、営業利益は126百万円(前年同期比100.3%増)、経常利益は127百万円(前年同期比86.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は46百万円(前年同期比6.5%増)となりました。
セグメントごとの概要は、以下のとおりであります。
なお、前第3四半期連結会計基準より、セグメントをコンテンツ事業、電子チケット事業及びその他事業の4
つに変更いたしました。以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に
組み替えた数値で比較しております。
① コンテンツ事業
コンテンツ事業では、スマートフォンやPC向けのファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、アプリの提供などを行っており、これまでのセグメントでは、携帯コンテンツ配信事業、PCコンテンツ配信事業及びアプリ事業が含まれております。
当第1四半期連結累計期間におきましては、これまでと同様にアーティストや声優、タレントのファンクラブサイトの開設を推進することで、新たな有料会員の獲得に取り組んでまいりました。加えて、年額制のファンクラブの採用や、サイト及びサービスのアプリ化などを進めることで、多様化する利用者ニーズへの対応と、収益獲得のための間口の拡大にも努めてまいりました。
また、電子チケット及びチケットトレードサービスのファンクラブサイトへの導入や、会員向けのチケット先行販売の実施、既存サイトのリニューアルなどによって、会員数維持や単価上昇のための施策を講じてまいりました。
また、これまでのコンテンツ配信で培った経験やノウハウを活用し、動画配信分野の強化並びに新規事業の開発にも引き続き努めてまいりました。
一方で、子会社である株式会社WEAREにて展開するアプリ事業につきましては、当第1四半期における事業の進捗が想定を下回り推移しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業の売上高は2,174百万円(前年同期比144.5%増)、セグメント利益は296百万円(前年同期比94.2%増)となりました。
② EC事業
EC事業につきましては、主に当社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、CD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品と、それに関連するアーティストグッズを販売しております。加えて、ライブやイベント会場の物販でもスムーズに利用できるQRコード認証とスマホ決済サービスや、独自のPOSレジシステムといった新規サービス開発にも注力しており、当第1四半期連結累計期間においては、グッズの事前販売・会場受け取りサービスも開始するなど、順調に事業を拡大させてまいりました。
アーティスト関連以外では、人気アニメ「エヴァンゲリオン」の公式オンラインストアの制作、運営を行っており、他社とのコラボレーションや商品の先行受注、海外利用者向け販売ページの開設など、様々な取り組みを実施してまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるEC事業の売上高は115百万円(前年同期比33.8%減)、セグメント利益は42百万円(前年同期比85.0%増)となりました。
③ 電子チケット事業
電子チケット事業には、電子チケット及びチケットトレード、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されております。音楽のライブはもちろんのこと、プロ野球やフィギアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供しております。
当第1四半期連結累計期間においては、有力アーティストのライブやスポーツイベントへの電子チケットの導入を進めてまいりました。特に、6月より施行されたチケット不正転売禁止法に対応する、ライブやイベントへ行けなくなった人が他者に適法、適切にチケットを譲渡できる公式の仕組みであるチケットトレードサービスついては、業界最大手のプレイガイドの1社である株式会社イープラスと、子会社を通じて資本業務提携を締結し、公式2次流通のスタンダードとなるべく、サービスの普及を推進してまいりました。
電子チケット周辺領域のサービスといたしましては、プロ野球の公式カードコレクションアプリにて、あらたに1球団のサービスを開始し、合計で8球団のアプリを展開するにいたりました。今後についても、カードコレクションアプリのスポーツ以外への横展開や、新たな電子チケット付加サービスの開発、提供を進めることで、周辺領域でのビジネスも拡大させていくことを計画しております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における電子チケット事業の売上高は234百万円(前年同期比-%)、セグメント利益は△31百万円(前年同期比-%)となりました。
④ その他事業
その他事業には、上記3つのセグメントに属さない主に新規事業開発を行う連結子会社の収益等が計上されております。
当第1四半期連結累計期間におきましても、引き続き将来の収益獲得に向けた事業育成を行ってきたことから、売上高は27百万円(前年同期比162.5%増)、セグメント利益は△7百万円(前年同期間5百万円の損失計上)にとどまりました。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は9,273百万円(前連結会計年度末比9.2%減)となりました。
流動資産は6,502百万円(同12.1%減)となりました。主な内訳は現金及び預金4,684百万円、売掛金1,249百万円であります。
固定資産は2,770百万円(同1.6%減)となりました。主な内訳は無形固定資産1,649百万円、投資その他の資産は610百万円であります。
(負債の部)
当第1四半期連結会計期間末の流動負債は4,620百万円(同18.4%減)となりました。主な内訳は買掛金2,032百万円であります。
固定負債は174百万円(同2.1%減)となりました。主な内訳は資産除去債務38百万円であります。
(純資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の純資産の合計は4,478百万円(同2.4%増)となりました。主な内訳は資本金292百万円(15.1%増)、資本剰余金3,665百万円(25.4%減)、利益剰余金191百万円(同123.8%増)であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。また、当第1四半期連結累計期間中に生じた新たな対処すべき課題もありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。