四半期報告書-第18期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/12 16:10
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第2四半期連結累計期間における我が国の経済は、一部に持ち直しの動きも見られてはいるものの、新型コロナウイルス感染症に伴う社会経済活動の制限により依然として厳しい状況にあり、持ち直しのテンポは弱まっております。先行きについては、緊急事態宣言が解除されたことで社会経済活動のレベルも段階的に引き上げられ、一層の持ち直しへと向かっていくことが期待されているものの、感染の再拡大や、供給面などサプライチェーンの動向による下振れリスクも懸念されており、なお不透明な状況が続いております。
当社グループの事業領域であるインターネット関連市場は、第5世代移動通信システムの商用化が始まり、今後の新たな市場の創生と拡大への期待が高まっております。また、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う自粛により、社会経済活動は制限される一方で、自宅からのインターネットの利用頻度や時間は顕著に高まっております。また、社会のデジタル化やエンタテインメントの分野をはじめとした各種サービスのデジタル活用も急速に進んでおります。
こうしたテクノロジーの進化や新たなビジネス、サービスの創出は加速しており、事業環境は目まぐるしく変化しております。
音楽やアーティスト関連の市場では、依然として新型コロナウイルス感染症の影響を受けているものの、一部に回復の兆しも見えております。2021年の音楽ソフト(オーディオレコード及び音楽ビデオ合計)の生産金額は880億円(前年同期比5.8%増)、音楽配信の販売金額が438億円(前年同期比5.5%増)となりました(出所:一般社団法人日本レコード協会)。自宅等でのストリーミングサービスの利用の増加により、音楽配信が引き続き拡大するとともに、大きく減少していた音楽ソフトの市場も増加に転じております。
ライブ、コンサート市場は、新型コロナウイルス感染症の影響が非常に大きく、多くのライブ、コンサートが開催の自粛により中止、延期となったことから、2020年の公演回数は43,372回(前年同期比68.1%減)、収容人数制限の影響により動員数は1,480万人(同82.1%減)となり、これにより市場規模は1,106億円(同82.4%減)となりました(出所:ライブ・エンタテインメント調査委員会)。足下の状況としては、イベント開催制限の段階的緩和に伴い、十分に感染症対策を講じた上でライブ、コンサートを再開する動きも見られ始めており、徐々にではあるものの公演回数、動員数ともに増加してきております。
音楽市場の中でも特にライブ、コンサートを筆頭とした従来からのエンタテインメントのフォーマットにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響がより大きく見られました。その一方で、有料のライブ配信やサブスクリプション型のストリーミングが普及、拡大し、デジタルシフトが急速に進むなど事業環境は変化しており、それらを的確に捉え、競争力を維持、向上させていくことがより重要となってきております。
このような外部環境の中、当社グループでは、アーティストを中心にタレントや声優、アニメまで幅広いジャンルを事業領域とし、ファンクラブサイトを事業の軸に据え、電子チケットやeコマース、キャラクター、音楽などの多岐にわたるデジタルコンテンツの配信に至るまで、複合的な事業展開をしてまいりました。数多くの有力アーティストやコンテンツを抱え、かつ強固な会員基盤を持つという優位性を生かし、それらを相互活用することでグループ全体でのシナジー効果を発揮させ、事業の拡大と多様化を進めております。
加えて、エンタテインメントのデジタル化など事業環境の変化に対応すべくライブの動画、VR配信や電子チケット、ファンクラブのプラットフォーム化など今後の成長分野での新たな事業領域の開拓と収益の獲得も引き続き推進してまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は6,314百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は775百万円(前年同期比40.1%増)、経常利益は838百万円(前年同期比43.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は516百万円(前年同期比44.6%増)となりました。
セグメントごとの概要は、以下のとおりであります。
1)コンテンツ事業
a.コンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等
ファンクラブ・ファンサイト事業等では、主にスマートフォン向けにファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、動画サービス、アプリの提供などを行っております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症により、ライブやコンサートの開催自粛の影響から一部のファンクラブ/ファンサイトでは会員数の減少が見られたものの、新規ファンクラブ/ファンサイトの開設と新規会員の獲得が順調に進んだことから、全体の会員数は下げ止まり上昇に転じております。
また、会員限定のライブ配信やファンクラブのアプリ化などにより、既存のファンクラブにおける会員数の維持、拡大にも努めてまいりました。
動画視聴専用アプリ「FanStream」や、VRでのライブ生配信や様々なVR映像コンテンツを提供する「VR MODE」を通じたライブ配信も継続し、コロナ禍により音楽ライブやイベントが開催できない状況へと対応したライブコンテンツの提供も行ってまいりました。
前期より開始したファンクラブ/ファンサイトのポータルメディア「Fanpla」や、ファンクラブのプラットフォーム「Fanpla Kit」の普及、利用拡大もすすめると同時に、ファンクラブの海外展開や、オンラインサロン、クラウドファンディングといった新たなサービス展開の準備も推進してまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等の売上高は4,831百万円(前年同期比1.3%増)となりました。
b.コンテンツ事業に係るEC事業
EC事業につきましては、主に当社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、アーティストグッズとCD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品の販売を行っております。
当第2四半期連結累計期間においては、緊急事態宣言や自粛に伴い巣ごもり需要が増加したこと、アーティストグッズ等の販売がライブやコンサート等の会場からECへとデジタルシフトが進んだことから、EC事業の収益基盤も拡大しており、アーティストのオンラインストア等を積極的に開設してまいりました。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、中止や延期となったコンサートグッズのEC販売という特需は剥落したことから、通常通りの商品取り扱いとなりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業に係るEC事業の売上高は403百万円(前年同期比27.8%減)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業全体の売上高は5,234百万円(同1.7%減)、セグメント利益は874百万円(同10.4%減)となりました。
2)電子チケット事業
電子チケット事業は、電子チケット及びチケットトレード、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されております。音楽のライブはもちろんのこと、プロ野球やフィギュアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供しております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、徐々に有観客でのライブ、イベントは増加しつつあり、非接触による精度の高い顔パス入場システムの導入など新たな取り組みを行ってまいりました。まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、電子チケット及びチケットトレードに関連する収益は低調な水準が続いておりますが、電子チケットの発券枚数やチケットのトレード数は想定以上に推移しております。
また、ライブと連動する施策として展開する、アーティストのサイン入りのグッズなどの商品を提供するオンラインくじ「メモコレ」についても、キャッシュレス決済への対応などにより順調に販売を拡大させることができました。
加えて、ライブの生配信やオンライン配信の視聴パスを販売するプラットフォーム「StreamPass」や、安心安全な1on1イベントを実現するライブトークアプリ「Meet Pass ライブトーク」などの提供により、収益の確保に努めてまいりました。
電子チケット周辺領域のサービスといたしましては、プロ野球等のカードコレクションアプリにおいて、新たに1球団のサービスを提供開始するなど、販売は堅調に増加させることができました。
今後もカードコレクションアプリのスポーツ以外への横展開やさらなる付加価値の提供により、選手カードを中心に周辺領域でのビジネスも拡大させていくことを計画しております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間におけるチケット事業の売上高は1,028百万円(同87.9%増)、セグメント利益は160百万円(前年同四半期は146百万円のセグメント損失)となりました。
3)その他事業
その他事業には、上記2つのセグメントに属さない連結子会社の収益等が計上されており、主にアパレルや出版、プロダクション業務が含まれております。
当第2四半期連結累計期間におきましても、将来の収益獲得に向けた事業育成を行うとともに、アニメ作品の公式オンラインストアの運営、受託などを行い、売上高は52百万円(同78.2%増)、セグメント利益は14百万円(前年同四半期は1百万円のセグメント損失)となりました。
② 財政状態の分析
(資産の部)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は12,199百万円(前連結会計年度末比3.7%増)となりました。
流動資産は8,585百万円(同13.4%増)となりました。主な内訳は現金及び預金4,996百万円(同5.4%増)、売掛金1,613百万円(同12.7%増)となっております。
固定資産は3,614百万円(同13.7%減)となりました。主な内訳は顧客関連資産308百万円(同7.7%減)、のれん655百万円(同14.3%減)となっております。
(負債の部)
当第2四半期連結会計期間末の流動負債は6,984百万円(同1.7%減)となりました。主な内訳は買掛金3,163百万円(同13.4%増)、前受金1,332百万円(同51.8%増)、預り金1,204百万円(同10.9%減)であります。
固定負債は182百万円(同10.3%減)となりました。主な内訳は繰延税金負債133百万円(同14.0%減)であります。
(純資産の部)
当第2四半期連結会計期間末の純資産の合計は5,032百万円(同13.0%増)となりました。主な内訳は資本金310百万円(同-%)、資本剰余金3,688百万円(同-%)、利益剰余金1,357百万円(同29.6%増)、有価証券評価差額金△385百万円(同34.5%減)であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は4,996百万円(前年同四半期比176百万円増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは△1百万円となりました。
主な内訳は税金等調整前四半期純利益838百万円、売上債権の増加181百万円、未収入金の増加339百万円、前払費用の増加532百万円、仕入債務の増加374百万円、前受金の増加457百万円、預り金の減少額150百万円、法人税等の支払627百万円、法人税等の還付251百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは384百万円であり、主な内訳は投資有価証券の売却による収入2,573百万円、投資有価証券の取得による支出2,025百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは△207百万円であり、支出の主な内訳は配当金の支払額207百万円です。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。また、当第2四半期連結累計期間中に生じた新たな対処すべき課題もありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。