四半期報告書-第20期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)

【提出】
2023/08/14 16:14
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、雇用、所得環境に改善の動きが見られ、個人消費も持ち直すなど、緩やかに回復しております。今後の先行きについても、為替相場の変動や原材料価格の高騰に伴う物価高など景気を下押しするリスクは残るものの、緩やかな回復が続いていくことが期待されております。
当社グループの事業領域であるインターネット関連市場は、第5世代移動通信システムなどネットワークインフラの高度化が進み、高速で信頼性の高い接続サービスが普及する中で今後の新たな市場やビジネスの創生とさらなる市場拡大への期待が高まっております。また、社会のデジタル化やエンタテインメントの分野をはじめとした各種サービスのデジタルシフトも急速に進んでおります。
こうしたテクノロジーの進化や新たなビジネス、サービスの創出は加速しており、事業環境は目まぐるしく変化しております。
音楽やアーティスト関連の市場は、新型コロナウイルス感染症の影響とそれに伴う各種制限から回復へと向かい始めております。
2022年の音楽ソフト(オーディオレコード及び音楽ビデオ合計)の生産金額は2,023億円(前年同期比4.5%増)となりました(出所:一般社団法人日本レコード協会)。加えて、ストリーミングサービスの利用の増加に牽引され音楽配信も引き続き好調であり、堅調な音楽需要に支えられ市場は拡大しております。
ライブ、コンサート市場は、2022年の公演回数が32,338回(前年同期比22.6%増)、動員数は4,831万人(前年同期比111.5%増)と、収容人数制限が緩和されたことで大規模会場の公演が本格的に再開され、公演数ではコロナ前を上回り回復のペースが加速してきております(出所:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)。足下の状況としては、十分に感染症対策を講じた上で、引き続き安心・安全な公演開催に向けた取り組みが推し進められており、より一層の回復が期待されております。
音楽市場の中でも特にライブ、コンサートを筆頭とした従来からのエンタテインメントのフォーマットにおいては、有料のライブ配信やサブスクリプション型のストリーミングが普及、拡大するなど、デジタルシフトが急速に進み事業環境は変化しております。今後は、そうした事業環境の変化を的確に捉え、競争力を維持、向上させていくことがより重要となってきております。
このような外部環境の中、当社グループでは、アーティストを中心としたエンタテインメント全般を事業領域とし、ファンクラブサイトを事業の軸に据えファンという強固な事業基盤を構築し、電子チケットやeコマース、キャラクター、音楽などの多岐にわたるデジタルコンテンツの配信など複合的な事業展開をしてまいりました。
加えて、エンタテインメントのデジタル化、DX化など事業環境の変化に対応すべく、新規サービスの開発や提供も積極的に推進し、ファンエンゲージメントの強化とそれによる収益の拡大を図るとともに、子会社等を通じた他社との事業提携、並びに新たな事業領域の開拓にも取り組んでまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は4,393百万円(前年同四半期比13.8%増)、営業利益は783百万円(同29.2%増)、経常利益は786百万円(同29.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は430百万円(同35.7%増)となりました。
セグメントごとの概要は、以下のとおりであります。
1)コンテンツ事業
a.コンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等
ファンクラブ・ファンサイト事業では、主にスマートフォン向けにファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、動画サービス、アプリの提供などを行っております。
当第1四半期連結累計期間におきましては、引き続き新規アーティストの獲得を進めるとともに、回復へと向かうライブ・コンサートの動きと連動し、会員向けのチケット先行受付や会員限定ライブなどにより、事業の基盤となるファンクラブ/ファンサイトの会員数を堅調に増加させることができました。
また、エンタテインメントのDX化を見据えた新たな価値の創出やファンエンゲージメントの強化によるアーティスト活動の支援を実現するため、ファン活動の発着点となるサービスも充実させてまいりました。ファンクラブのプラットフォーム「Fanpla Kit」、オンラインサロン「Fanpla Rooms」、アーティストとファンを繋ぐNFTマーケットプレイス「Fanpla Owner」などの新規事業でも着実に取り扱いアーティストを充実させ、利用の拡大に努めてまいりました。
加えて、日本市場で活躍するKPOPアーティストのファンビジネスを活性化することを目的とし提携する韓国企業との間でのファンプラットフォーム事業の準備を進めるなど、今後の事業拡大へ向けた取り組みも進めてまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等の売上高は3,283百万円(前年同四半期比16.4%増)となりました。
b.コンテンツ事業に係るEC事業
EC事業につきましては、主に当社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、アーティストグッズとCD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品の販売を行っております。
当第1四半期連結累計期間においては、アーティストグッズ販売のECへのデジタルシフトが進む中で、回復するライブやコンサートの動きと歩調を合わせ商品の取扱高を増加させてまいりました。加えて、事業基盤を拡大させるべくファンクラブ向けのオンラインくじ「Fanpla Chance」やオンラインフォトサービスなど、新たなサービスの利用拡大にも取り組んでまいりました。
また、ウィズコロナの新たなコンサートグッズの販売方法として、コンサート会場での電子決済や事前販売・会場受取サービスの需要の高まりも引き続き見られました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業に係るEC事業の売上高は395百万円(同19.3%増)となりました。
以上より、当第1四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業全体の売上高は3,679百万円(同16.7%増)、セグメント利益は745百万円(同29.4%増)となりました。
2)電子チケット事業
電子チケット事業には、電子チケット及びチケットトレード、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されております。音楽のライブはもちろんのこと、プロ野球やフィギアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供しております。
当第1四半期連結累計期間におきましては、有観客でのライブ、イベントが増加していく中で、電子チケットの強みを活かしマーケットシェアを拡大させ、電子チケット取扱枚数、トレード成立枚数ともに前年同期より大きく増加させることができました。また、トレード機能の追加、改善によりサービスの利便性も向上させてまいりました。加えて、プロ野球球団の公式チケット二次流通のサービスも開始し、スポーツ領域でのチケット取り扱い拡大に向けた取り組みも本格化させてまいりました。
また、アーティストのサイン入りのグッズなどの商品を提供するオンラインくじ「くじプラ」など、ライブ/チケットと連動する施策やサービスについても引き続き販売が堅調に推移しており、チケット1枚あたりの顧客単価の上昇に繋げてまいりました。
電子チケット周辺領域のサービスといたしましては、プロ野球等のスポーツのカードコレクションアプリにおいて、新たにサービスを開始したバレーボール及び女子バスケットボールが収益に貢献するとともに、プロ野球のシーズン開幕により販売は好調に推移いたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における電子チケット事業の売上高は704百万円(前年同四半期比0.3%減)、セグメント利益は211百万円(同13.8%増)となりました。
3)その他事業
その他事業には、上記3つのセグメントに属さない連結子会社の収益等が計上されており、主にキャラクターグッズやアパレル、出版、プロダクション業務などが含まれております。
当第1四半期連結累計期間におきましても、将来の収益獲得に向けた事業育成を行い、売上高は9百万円(前年同四半期比299.6%増)、セグメント損失は10百万円(前年同四半期は12百万円のセグメント損失)となりました。
② 財政状態
(資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は15,898百万円(前連結会計年度末比3.3%減)となりました。
流動資産は11,312百万円(同1.0%減)となりました。主な内訳は現金及び預金6,161百万円、売掛金2,672百万円、前払金440百万円であります。
固定資産は4,585百万円(同8.5%減)となりました。主な内訳は投資有価証券1,754百万円、有形固定資産987百万円、のれん273百万円であります。
(負債の部)
当第1四半期連結会計期間末の流動負債は9,378百万円(同2.8%減)となりました。主な内訳は買掛金3,567百万円及び契約負債4,339百万円であります。
固定負債は121百万円(同13.1%減)となりました。主な内訳は繰延税金負債72百万円であります。
(純資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の純資産の合計は6,398百万円(同3.9%減)となりました。主な内訳は資本金317百万円、資本剰余金3,816百万円、利益剰余金2,708百万円であります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。