訂正四半期報告書-第17期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/11/13 16:26
【資料】
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【項目】
31項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、新型コロナウィルス感染症の影響により、消費者マインドは悪化し個人消費も減少するなど、急速に悪化し極めて厳しい状況にあります。先行きについては、社会経済活動のレベルが段階的に引き上げられる中で持ち直しへ向かうことが期待されているものの、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクも懸念されており、なお厳しい状況が続くと見込まれております。
当社グループの事業領域であるインターネット関連市場は、第5世代移動通信システムの商用化が始まるなど、今後のさらなる市場拡大への期待が高まっております。また、スマートフォンをはじめとするモバイル端末が生活にとって最も身近なデバイスとなるまで普及し、インターネットの利用時間やそれを介したサービス消費も増加するなど、安定的な成長と拡大が続いております。一方で、テクノロジーの進化や新たなビジネス、サービスの創出は加速しており、事業環境は目まぐるしく変化しております。
音楽やアーティスト関連の市場動向といたしましては、2019年の音楽ソフト(オーディオレコード及び音楽ビデオ合計)の生産金額は2,291億円(前年同期比4.7%減)、音楽配信の販売金額が706億円(前年同期比9.6%増)となりました(出所:一般社団法人日本レコード協会)。特に音楽配信では、ストリーミングサービスの利用が急拡大しており、新たな市場が形成されております。ライブ、コンサート市場は、2019年の市場規模が3,665億円(同6.3%増)となり、引き続き拡大いたしました(出所:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)。しかしながら足下の状況としては、新型コロナウイルス感染症流行の影響により、多くのライブ、コンサートが中止、延期となっており、コンサート市場へも大きな影響が出ております。音楽の市場全体としては、利用者の志向が「モノ消費」から「コト消費」へと移行してきており、加えて、コロナウイルス感染症の影響により、ライブ、コンサートの動画視聴も普及するなど、事業環境は変化しており、それらを的確に捉え、競争力を維持、向上させていくことが、より重要となってきております。
このような外部環境の中、当社グループでは、アーティストを中心として、タレントや声優、アニメまで幅広いジャンルにおいて、ファンクラブサイトを事業の軸としながら、電子チケットやeコマース、キャラクター、スタンプ、音楽、電子書籍といった多岐にわたるデジタルコンテンツの配信に至るまで、複合的な事業展開をしてまいりました。数多くの有力アーティストやコンテンツを保有するという優位性を生かし、それらを相互活用することでグループ全体でのシナジー効果を発揮させ、事業基盤の拡大と多様化を進めてまいりました。加えて、VRや電子チケット、動画配信など今後の成長分野での新たな事業領域の開拓と収益の獲得も引き続き推進してまいりました。
また、経営資源の最適分配を行うと同時に、役割や業務内容の明確化を図り、それぞれの責任と権限において迅速な意思決定を行うことによって、さらなる事業拡大や経営人材の育成等を進め、持続的に企業価値の向上を図っていくことができる体制を構築すべく、2020年4月1日より持株会社体制へと移行いたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は2,937百万円(前年同期比15.4%増)、営業利益は288百万円(同129.0%増)、経常利益は310百万円(同143.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は194百万円(同317.0%増)となりました。
セグメントごとの概要は、以下のとおりであります。
a.コンテンツ事業
コンテンツ事業では、主にスマートフォン向けにファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、動画サービス、アプリの提供などを行っております。
当第1四半期連結累計期間におきましては、引き続きアーティスト等の獲得による新規ファンクラブ/ファンサイトの開設を進め、収益の源泉となる新たな有料会員の獲得に取り組んでまいりました。加えて、ファンクラブのアプリ化も進めることで、多様化する利用者ニーズへの対応と、収益獲得のための間口の拡大にも努めてまいりました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、音楽ライブやイベントが中止、延期となっている状況への対応といたしまして、動画配信を通じてアーティストとファンがよりインタラクティブにつながることができ、価値あるパフォーマンスをアーティストへと還元できるよう、生配信を観ながらコメントやギフティングによってアーティストの応援ができる機能を搭載した視聴専用アプリ「FanStream」の提供を開始し、ライブ配信を積極的に展開してまいりました。
加えて、5月よりVRでのライブ生配信や様々なVR映像コンテンツを提供する「VR MODE」のサービスも開始いたしました。今後についても、ライブ生配信を中心にコンテンツを充実させ、サービスの拡大に努めてまいります。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業の売上高は2,389百万円(前年同期比10.1%増)、セグメント利益は261百万円(同14.5%増)となりました。
b.EC事業
EC事業につきましては、主に当社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、CD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品と、アーティストグッズを販売しております。
当第1四半期連結累計期間においては、アーティストのオフィシャル通販サイトの開設や、ファンクラブ限定の先行販売などを実施することで、収益を拡大させてまいりました。また、中止や延期となった音楽ライブ、イベントにて販売予定であった商品のeコマースでの取り扱いが増加したことから、収益は大きく増加いたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるEC事業の売上高は323百万円(同179.3%増)、セグメント利益は236百万円(同453.4%増)となりました。
c.電子チケット事業
電子チケット事業には、電子チケット及びチケットトレード、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されております。音楽のライブはもちろんのこと、プロ野球やフィギアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供しております。
当第1四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、ライブ、コンサートのほとんどが中止、延期されたことに伴い、電子チケット及びチケットトレードに関連する収益も大きく減少しております。これに対して、ライブの生配信やオンライン配信の視聴パスを販売するプラットフォーム「StreamPass」のサービスを開始し、コンテンツ事業にて実施するライブ配信と連動し、収益の確保に努めてまいりました。
電子チケット周辺領域のサービスといたしましては、これまでと同様にプロ野球等のカードコレクションアプリなどの提供を行うとともに、無観客での開催となったプロ野球の公式戦において、「FanStream」や「StreamPass」を活用し、試合の生配信を実施するなど、コロナ禍における新たなスポーツ観戦のスタイルを提案、提供してまいりました。
今後もカードコレクションアプリのスポーツ以外への横展開や、新たな電子チケット付加サービスの開発、提供を進めることで、周辺領域でのビジネスも拡大させていくことを計画しております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における電子チケット事業の売上高は209百万円(同10.7%減)、セグメント損失は102百万円(前年同四半期は31百万円のセグメント損失)となりました。
d.その他事業
その他事業には、上記3つのセグメントに属さない連結子会社の収益等が計上されており、主にアパレルやプロダクション業務が含まれております。
引き続き当第1四半期連結累計期間におきましても、将来の収益獲得に向けた事業育成を行ってきたことから、売上高は15百万円(同42.7%減)、セグメント利益は3百万円(前年同四半期は7百万円のセグメント損失)となりました。
② 財政状態
(資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は10,836百万円(前連結会計年度末比1.7%増)となりました。
流動資産は7,825百万円(同0.1%増)となりました。主な内訳は現金及び預金4,970百万円、売掛金1,549百万円であります。
固定資産は3,010百万円(同6.0%増)となりました。主な内訳は無形固定資産1,429百万円、投資その他の資産は810百万円であります。
(負債の部)
当第1四半期連結会計期間末の流動負債は5,858百万円(同5.2%増)となりました。主な内訳は買掛金3,384百万円であります。
固定負債は267百万円(同4.7%減)となりました。主な内訳は繰延税金負債222百万円であります。
(純資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の純資産の合計は4,710百万円(同2.0%減)となりました。主な内訳は資本金308百万円、資本剰余金3,687百万円、利益剰余金623百万円であります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。