半期報告書-第21期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/14 16:00
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当中間連結会計期間における我が国の経済は、消費者マインドなど一部に足踏みが残るものの、雇用所得環境の改善と個人消費の持ち直しの動きが見られており、景気は緩やかな回復が続いております。先行きについても緩やかな回復が続くことが期待されております。その一方で、為替相場の変動や物価上昇の影響には注意が必要であり、海外景気の下振れなど依然として景気を下押しするリスクも残っております。
当社グループの事業領域であるインターネット関連市場は、ネットワークの高度化やデジタルサービスの多様化が進む中で、今後の新たなビジネスの創生とさらなる市場拡大への期待が高まっております。また、エンタテインメントの分野をはじめとした各種サービスのデジタルシフトも急速に進んでおります。
こうしたテクノロジーの進化や新たなビジネス、サービスの創出は加速しており、事業環境は目まぐるしく変化しております。
音楽やアーティスト関連の市場について、2024年上半期(1月から6月)の音楽ソフト(オーディオレコード及び音楽ビデオ合計)の生産金額は898億円(前年同期比23.2%減)、ストリーミング配信が563億円(前年同期比8.9%増)となりました(出所:一般社団法人日本レコード協会)。
ライブ、コンサート市場は、2024年上半期の公演回数が16,104回(前年同期比1.7%減)、動員数は2,729万人(前年同期比0.2%減)と前年と同水準ですが、市場規模は2,840億円(18.9%増)と拡大しており、いずれもコロナ禍以前の水準を超え再び成長軌道へと回帰しております(出所:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)。
音楽市場の中でも特にライブ、コンサートを筆頭とした従来からのエンタテインメントのフォーマットにおいては、デジタルシフトが急速に進み事業環境は変化しております。今後は、そうした事業環境の変化を的確に捉え、競争力を維持、向上させていくことがより重要となってきております。
このような外部環境の中、当社グループでは、アーティストを中心としたエンタテインメント全般を事業領域とし、ファンクラブサイトを事業の軸に据えファンという強固な事業基盤を構築し、電子チケットやeコマース、キャラクター、音楽などの多岐にわたるデジタルコンテンツの配信など複合的な事業展開を行うとともに、ファンエンゲージメントの強化によって事業を拡張させてまいりました。
加えて、エンタテインメントのデジタル化、DX化など事業環境の変化に対応すべく、子会社等を通じた他社との事業提携による新規サービスの開発及び提供、並びにファンダムビジネスへの挑戦など新たな事業領域の開拓にも積極的に取り組んでまいりました。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は12,266百万円(前年同期比38.4%増)、営業利益は1,957百万円(前年同期比34.3%増)、経常利益は1,980百万円(前年同期比34.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は834百万円(前年同期比4.8%増)となりました。
セグメントごとの概要は、以下のとおりであります。
1)コンテンツ事業
a.コンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等
ファンクラブ・ファンサイト事業では、主にスマートフォン向けにファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、動画サービス、アプリの提供などを行っております。
当中間連結会計期間におきましては、新規アーティストの獲得を進めるとともに、チケット先行など好調なライブ・コンサートとの連動施策を実施したことや、前期に獲得、開設した大型アーティストの貢献により、引き続き事業の基盤となるファンクラブ/ファンサイトの有料会員数を大きく増加させることができました。また、ファンクラブのプラットフォーム「Fanpla Kit」においても、新規アーティスト獲得の裾野を広げてまいりました。
また、エンタテインメントのDX化や将来のファンダムビジネスを見据えた新たな価値の創出やファンエンゲージメントの強化によるアーティスト活動の支援を実現するため、ファン活動の発着点となるサービス開発も積極的に実施してまいりました。
加えて、韓国発の“ファンがアーティストと二人だけのプライベートメッセージ感覚を楽しめる”コミュニケーションアプリの日本版として、「bubble for JAPAN」のサービスを開始しその利用促進を図るとともに、中国でのファンクラブ展開を加速させるなど今後のグローバル展開へ向けた取り組みも進めてまいりました。
以上の結果、当中間連結会計期間におけるコンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等の売上高は9,084百万円(前年同期比37.4%増)となりました。
b.コンテンツ事業に係るEC事業
EC事業につきましては、主に当社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、アーティストグッズとCD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品の販売やオンラインくじの提供を行っております。
当中間連結会計期間においては、拡大したアーティスト、ファンという事業基盤に支えられ、引き続き様々な会員特典企画の実施や、コンサート会場での電子決済や事前販売・会場受取サービスなどのファンニーズに寄り添った新たなコンサートグッズの販売方法の充実により、商品取扱高を増加させ、販売は好調に推移いたしました。加えて、新たなファン体験として提供するファンクラブ向けのオンラインくじ「Fanpla Chance」の利用も拡大し、収益も大きく増加させることができました。
以上の結果、当中間連結会計期間におけるコンテンツ事業に係るEC事業の売上高は1,184百万円(前年同期比36.8%増)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間におけるコンテンツ事業全体の売上高は10,269百万円(同37.3%増)となりました。業容が拡大したこと及び為替相場の影響によりドル建てで決済するサーバー代が高騰したこと、将来の新規事業へ向けた事業投資、人件費の増加などがあったものの、セグメント利益は1,782百万円(同23.9%増)となりました。
2)電子チケット事業
電子チケット事業には、電子チケット及びチケットトレード、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されております。音楽のライブはもちろんのこと、プロ野球やフィギュアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供しております。
当中間連結会計期間におきましては、取り扱いアーティストを着実に増やすことで、電子チケットの発券枚数を増加させることができました。また、電子チケット機能の外部提供も推進することで電子チケットの普及にも努めてまいりました。
チケットトレードに関しましては、不正転売に対応すべく音楽アーティストの開拓を進めると同時に、演劇やイベントへの展開や、紙チケットの出品対応、プロ野球球団の公式チケット二次流通サービスなど、新規案件を着実に獲得し取り扱い枚数を増加させることができました。加えて、トレードに関する様々な特典を提供する月額のプレミアムサービスについても有料会員数を増加させてまいりました。
アーティストのサイン入りのグッズなどの商品を提供するオンラインくじ「くじプラ」「メモコレ」といったチケット1枚あたりのサービス単価の上昇を目的としたライブ/チケットと連動する施策やサービスについても継続的に提供を行いました。
電子チケット周辺領域のサービスといたしましては、スポーツを対象としたカードコレクションアプリにおいて、新たなサービス領域としてJリーグクラブの獲得を進めるとともに、プロ野球をはじめバスケットやバレーボールの選手カードの販売が好調に推移し、収益を牽引いたしました。
以上の結果、当中間連結会計期間における電子チケット事業の売上高は1,983百万円(同44.8%増)、セグメント利益は558百万円(同40.8%増)となりました。
3)その他事業
その他事業には、上記2つのセグメントに属さない連結子会社の収益等が計上されており、主にキャラクターグッズやアパレルなどが含まれております。
当中間連結会計期間におきましても、将来の収益獲得に向けた事業育成を行い、売上高は13百万円(同25.4%減)、セグメント損失は18百万円(前年同期は22百万円のセグメント損失)となりました。
② 財政状態の分析
(資産の部)
当中間連結会計期間末の総資産は21,230百万円(前連結会計年度末比8.6%増)となりました。
流動資産は16,685百万円(同12.3%増)となりました。主な内訳は現金及び預金9,502百万円(同8.2%増)、売掛金2,117百万円(同17.3%減)、前払金2,172百万円(同23.8%増)となっております。
固定資産は4,545百万円(同3.0%減)となりました。主な内訳は顧客関連資産154百万円(同14.3%減)、投資有価証券1,714百万円(同7.2%減)となっております。
(負債の部)
当中間連結会計期間末の流動負債は13,868百万円(同13.7%増)となりました。主な内訳は買掛金5,560百万円(同14.6%増)、契約負債4,849百万円(同16.1%増)、未払金1,559百万円(同12.6%減)であります。
固定負債は204百万円(同3.1%減)となりました。主な内訳は資産除去債務124百万円(同0.2%増)、繰延税金負債70百万円(同9.0%減)であります。
(純資産の部)
当中間連結会計期間末の純資産の合計は7,157百万円(同0.2%増)となりました。主な内訳は資本金317百万円(同-%)、資本剰余金3,862百万円(同1.2%増)、利益剰余金4,125百万円(同9.2%増)、その他有価証券評価差額金△1,235百万円(同10.5%増)であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は9,502百万円(前連結会計年度末比721百万円増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,887百万円となりました。
主な内訳は税金等調整前中間純利益1,745百万円、売上債権の減少444百万円、前払金の増加△417百万円、未収入金の増加△133百万円、前払費用の増加△813百万円、仕入債務の増加706百万円、未払金の増加△155百万円、法人税等の支払△759百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは△283百万円であり、主な内訳は投資有価証券の売却による収入38百万円、投資有価証券の取得による支出△349百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは△881百万円であり、支出の主な内訳は配当金の支払額△485百万円、自己株式の取得による支出△351百万円です。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。また、当中間連結会計期間中に生じた新たな対処すべき課題もありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。