四半期報告書-第19期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/12 16:01
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第1四半期連結累計期間における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和され経済社会活動が正常化に向かう中で、緩やかに持ち直しております。
今後も景気は持ち直していくことが期待される一方で、為替相場の動向など金融資本市場の変動、原材料・エネルギー価格の高騰等による下振れリスクも懸念されております。
当社グループの事業領域であるインターネット関連市場は、第5世代移動通信システムの商用化が始まり、今後の新たな市場の創生と拡大への期待が高まっております。また、新型コロナウイルスの感染拡大により社会経済活動は制限された一方で、行動変容により自宅からのインターネットの利用頻度や時間は顕著に高まっております。また、社会のデジタル化やエンタテインメントの分野をはじめとした各種サービスのデジタルシフトも急速に進んでおります。こうしたテクノロジーの進化や新たなビジネス、サービスの創出は加速しており、事業環境は目まぐるしく変化しております。
音楽やアーティスト関連の市場では、依然として新型コロナウイルス感染症の影響を受けているものの、回復の兆しも見られております。
2021年の音楽ソフト(オーディオレコード及び音楽ビデオ合計)の生産金額は1,933億円(前年同期比0.5%減)、音楽配信の販売金額が895億円(前年同期比14.4%増)となりました(出所:一般社団法人日本レコード協会)。音楽ソフトは横ばいであるものの、自宅等でのストリーミングサービスの利用の増加により音楽配信が引き続き伸長し、市場全体としては拡大しており堅調な音楽需要が見られます。
ライブ、コンサート市場は、2021年の公演回数は26,383回(前年同期比148.0%増)と、前年と比較すると大きく増加しコロナ禍前の約80%まで回復しております。一方で、動員数は収容人数制限による影響が残りコロナ禍前2019年より53.9%少ない2,284万人(前年同期比110.2%増)にとどまっております(出所:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)。足下の状況としては、十分に感染症対策を講じた上でライブ、コンサートを再開する動きも広がっており、公演回数、動員数ともに増加していくことが期待されております。
音楽市場の中でも特にライブ、コンサートを筆頭とした従来からのエンタテインメントのフォーマットにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響がより大きく見られました。その一方で、有料のライブ配信やサブスクリプション型のストリーミングが普及、拡大し、デジタルシフトが急速に進むなど事業環境は変化しており、それらを的確に捉え、競争力を維持、向上させていくことがより重要となってきております。
このような外部環境の中、当社グループでは、アーティストを中心としたエンタテインメント全般を事業領域とし、ファンクラブサイトを事業の軸に据えファンという強固な事業基盤を構築し、電子チケットやeコマース、キャラクター、音楽などの多岐にわたるデジタルコンテンツの配信など複合的な事業展開をしてまいりました。
加えて、エンタテインメントのデジタル化、DX化など事業環境の変化に対応すべく、アーティストアプリの提供とファンの行動データのDX化や、NFTなど今後の成長分野での新たな事業領域の開拓、新規サービスの提供などを行い、ファンエンゲージメントの強化とそれによる収益の拡大も推進してまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は3,861百万円(前年同期比25.5%増)、営業利益は605百万円(同66.6%増)、経常利益は608百万円(同76.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は317百万円(同60.7%増)となりました。
セグメントごとの概要は、以下のとおりであります。
1)コンテンツ事業
a.コンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等
ファンクラブ・ファンサイト事業では、主にスマートフォン向けにファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、動画サービス、アプリの提供などを行っております。
当第1四半期連結累計期間におきましては、ファンクラブ/ファンサイトの会員数は引き続き回復、増加基調にあり、新たなアーティストの獲得と新規サイトの開設も順調に進んだことから、会員数は堅調に増加いたしました。
また、コロナ禍をきっかけとしたアーティストとファンの関わりの変化をはじめ、エンタテインメントのDX化を見据えた新たな価値の創出やファンエンゲージメントの強化によるアーティスト活動の支援を実現するため、ファン活動の発着点となるサービスも充実させてまいりました。
動画視聴専用アプリ「FanStream」や、VRでのライブ生配信や様々なVR映像コンテンツを提供する「VR MODE」を通じたライブ配信も継続し、ファンクラブのプラットフォーム「Fanpla Kit」、オンラインサロン「Fanpla Rooms」、ファンクラブ向けのオンラインくじ「Fanpla Chance」といった新規サービスの普及、利用拡大にも取り組んでまいりました。加えて、エンタテインメントに特化したクラウドファンディング「Fanpla Action」、アーティストとファンを繋ぐNFTマーケットプレイス「Fanpla Owner」のサービス提供も開始いたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等の売上高は2,821百万円(前年同期比20.4%増)となりました。
b.コンテンツ事業に係るEC事業
EC事業につきましては、主に当社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、アーティストグッズとCD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品の販売を行っております。
当第1四半期連結累計期間においては、引き続きECへのデジタルシフトが進む中で、事業基盤を拡大させるべく、アーティストのオンラインストア等を積極的に開設してまいりました。徐々にライブやコンサートが再開されるに伴い、商品の取扱高も増加しており販売は好調に推移いたしました。加えて、コロナ禍以後の新たなコンサートグッズの販売方法として、コンサート会場での電子決済や事前販売・会場受取サービスの需要の高まりも見られました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業に係るEC事業の売上高は331百万円(同83.4%増)となりました。
以上より、当第1四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業全体の売上高は3,152百万円(同24.9%増)、セグメント利益は576百万円(同40.4%増)となりました。
2)電子チケット事業
電子チケット事業には、電子チケット及びチケットトレード、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されております。音楽のライブはもちろんのこと、プロ野球やフィギアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供しております。
当第1四半期連結累計期間におきましては、徐々に有観客でのライブ、イベントが増加する中で、電子チケットの強みを活かしマーケットシェアを拡大させ、電子チケット取扱枚数、トレード成立枚数ともに前年より大きく増加いたしました。
また、ライブと連動する施策として展開する、アーティストのサイン入りのグッズなどの商品を提供するオンラインくじ「くじプラ」についても、引き続き順調に販売を拡大させ、チケットとの連動によりチケット1枚あたりの顧客単価の上昇に繋げてまいりました。
電子チケット周辺領域のサービスといたしましては、プロ野球等のカードコレクションアプリにおいて、今後の市場拡大が期待されるNFTに対応した選手カード等の提供を開始し、従来からの選手カードに新たな付加価値を創出する試みも始めました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における電子チケット事業の売上高は706百万円(前年同期比35.0%増)、セグメント利益は185百万円(同154.8%増)となりました。
3)その他事業
その他事業には、上記3つのセグメントに属さない連結子会社の収益等が計上されており、主にキャラクターグッズやアパレル、出版、プロダクション業務などが含まれております。
当第1四半期連結累計期間におきましても、将来の収益獲得に向けた事業育成を行い、売上高は2百万円(同92.2%減)、セグメント損失は12百万円(前年同四半期は9百万円のセグメント利益)となりました。
② 財政状態
(資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は13,066百万円(前連結会計年度末比7.9%減)となりました。
流動資産は9,108百万円(同9.5%減)となりました。主な内訳は現金及び預金3,782百万円、売掛金1,644百万円、前払金1,859百万円であります。
固定資産は3,958百万円(同4.0%減)となりました。主な内訳は投資有価証券1,439百万円、有形固定資産1,056百万円、のれん491百万円であります。
(負債の部)
当第1四半期連結会計期間末の流動負債は7,368百万円(同14.7%減)となりました。主な内訳は買掛金3,311百万円であります。
固定負債は151百万円(同3.3%増)となりました。主な内訳は繰延税金負債102百万円であります。
(純資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の純資産の合計は5,546百万円(同2.8%増)となりました。主な内訳は資本金317百万円、資本剰余金3,709百万円、利益剰余金1,881百万円であります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。