四半期報告書-第19期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)

【提出】
2023/02/14 16:07
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、行動制限が緩和されるなど経済社会活動の正常化が進む中で、個人消費を中心に回復傾向が見られるなど緩やかながらも持ち直しへ向かっております。
しかしながら、長期化するウクライナ情勢や急激な為替相場の変動、物価高による消費意欲の低下など、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの事業領域であるインターネット関連市場は、第5世代移動通信システムの商用化が始まり、今後の新たな市場の創生と拡大への期待が高まっております。また、新型コロナウイルスの感染拡大により社会経済活動は制限された一方で、行動変容により自宅からのインターネットの利用頻度や時間は顕著に高まっております。また、社会のデジタル化やエンタテインメントの分野をはじめとした各種サービスのデジタルシフトも急速に進んでおります。
こうしたテクノロジーの進化や新たなビジネス、サービスの創出は加速しており、事業環境は目まぐるしく変化しております。
音楽やアーティスト関連の市場では、新型コロナウイルス感染症の影響とそれに伴う各種制限からの回復の兆しが見られております。
2022年の音楽ソフト(オーディオレコード及び音楽ビデオ合計)の生産金額は2,023億円(前年同期比4.5%増)となりました(出所:一般社団法人日本レコード協会)。また、ストリーミングサービスの利用の増加に牽引され音楽配信も引き続き好調であり、堅調な音楽需要に支えられ市場は拡大しております。
ライブ、コンサート市場は、2022年上半期の公演回数が14,283回(前年同期比49.3%増)、動員数は2,025万人(前年同期比184.3%増)と、収容人数制限が緩和されたことで大規模会場の公演が本格的に再開され、回復のペースが加速してきております(出所:一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)。足下の状況としては、十分に感染症対策を講じた上で、引き続き安心・安全な公演開催に向けた取り組みを推し進められており、より一層の回復が期待されております。
音楽市場の中でも特にライブ、コンサートを筆頭とした従来からのエンタテインメントのフォーマットにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響がより大きく見られました。その一方で、有料のライブ配信やサブスクリプション型のストリーミングが普及、拡大し、デジタルシフトが急速に進むなど事業環境は変化しており、それらを的確に捉え、競争力を維持、向上させていくことがより重要となってきております。
このような外部環境の中、当社グループでは、アーティストを中心としたエンタテインメント全般を事業領域とし、ファンクラブサイトを事業の軸に据えファンという強固な事業基盤を構築し、電子チケットやeコマース、キャラクター、音楽などの多岐にわたるデジタルコンテンツの配信など複合的な事業展開をしてまいりました。
加えて、エンタテインメントのデジタル化、DX化など事業環境の変化に対応すべく、アーティストアプリの提供とファンの行動データのDX化や、NFTなど今後の成長分野での新たな事業領域の開拓、新規サービスの提供などを行い、ファンエンゲージメントの強化とそれによる収益の拡大も推進してまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は11,860百万円(前年同期比18.4%増)、営業利益は1,713百万円(前年同期比24.2%増)、経常利益は1,729百万円(前年同期比18.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は915百万円(前年同期比8.4%増)となりました。
セグメントごとの概要は、以下のとおりであります。
1)コンテンツ事業
a.コンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等
ファンクラブ・ファンサイト事業では、主にスマートフォン向けにファンクラブサイト運営や各種デジタルコンテンツ配信、動画サービス、アプリの提供などを行っております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、ライブ、コンサートの回復と歩調をあわせ、ファンクラブ/ファンサイトの会員数は引き続き堅調に増加いたしました。
また、コロナ禍をきっかけとしたアーティストとファンの関わりの変化をはじめ、エンタテインメントのDX化を見据えた新たな価値の創出やファンエンゲージメントの強化によるアーティスト活動の支援を実現するため、ファン活動の発着点となるサービスも充実させてまいりました。
ファンクラブのプラットフォーム「Fanpla Kit」、オンラインサロン「Fanpla Rooms」では利用アーティスト、有料会員を拡大させてまいりました。アーティストとファンを繋ぐNFTマーケットプレイス「Fanpla Owner」では、取り扱い商品を拡充し、利用の促進に努めてまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業に係るファンクラブ・ファンサイト事業等の売上高は8,804百万円(前年同期比15.3%増)となりました。
b.コンテンツ事業に係るEC事業
EC事業につきましては、主に当社グループの運営するファンクラブサイト等を通じて、アーティストグッズとCD、DVD及びブルーレイといった音楽映像商品の販売を行っております。
当第3四半期連結累計期間においては、引き続きアーティストグッズ販売のECへのデジタルシフトが進む中で、事業基盤を拡大させるべく、再開が進むライブやコンサートと歩調を合わせ商品の取扱高を増加させてまいりました。加えて、ファンクラブ向けのオンラインくじ「Fanpla Chance」の普及、利用拡大にも取り組んでまいりました。
また、ウィズコロナの新たなコンサートグッズの販売方法として、コンサート会場での電子決済や事前販売・会場受取サービスの需要の高まりも見られました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるEC事業の売上高は1,041百万円(前年同期比43.7%増)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるコンテンツ事業全体の売上高は9,846百万円(前年同期比17.8%増)、セグメント利益は1,709百万円(前年同期比18.0%増)となりました。
2)電子チケット事業
電子チケット事業は、電子チケット及びチケットトレード、並びにそれらに付随する各種サービスからの収益により構成されております。音楽のライブはもちろんのこと、プロ野球やフィギアスケートといったスポーツ、遊園地などのレジャー施設まで幅広く電子チケットサービスを提供しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、有観客でのライブ、イベントが増加していく中で、電子チケットの強みを活かしマーケットシェアを拡大させ、電子チケット取扱枚数、トレード成立枚数ともに前年より大きく増加、過去最高の取り扱い枚数となりました。また、大手プレイガイドのチケット流通、発券プラットフォームとのシステム連携も開始し、サービスの利便性を向上させてまいりました。
アーティストのサイン入りのグッズなどの商品を提供するオンラインくじ「くじプラ」など、ライブ/チケットと連動する施策やサービスについても引き続き販売が堅調に推移しており、チケット1枚あたりの顧客単価の上昇に繋げてまいりました。
電子チケット周辺領域のサービスといたしましては、プロ野球等のカードコレクションアプリにおいて、新たにVリーグでのサービスを開始し、サービス領域を拡大させてまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるチケット事業の売上高は1,998百万円(前年同期比25.2%増)、セグメント利益は506百万円(前年同期比59.1%増)となりました。
3)その他事業
その他事業には、上記2つのセグメントに属さない連結子会社の収益等が計上されており、主にキャラクターグッズやアパレル、出版、プロダクション業務などが含まれております。
当第3四半期連結累計期間におきましても、将来の収益獲得に向けた事業育成を行い、売上高は16百万円(前年同期比73.7%減)、セグメント損失は32百万円(前年同四半期は9百万円のセグメント利益)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は14,694百万円(前連結会計年度末比3.6%増)となりました。
流動資産は10,139百万円(同0.8%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金4,683百万円(同30.4%減)、売掛金2,876百万円(同47.5%増)となっております。
固定資産は4,555百万円(同10.5%増)となりました。主な内訳は、投資有価証券1,675百万円(同18.8%増)、有形固定資産1,016百万円(同5.7%減)、のれん382百万円(同30.0%減)となっております。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末の流動負債は8,148百万円(前連結会計年度末比5.7%減)となりました。主な内訳は、買掛金4,243百万円(同3.7%減)、未払金640百万円(同63.9%増)、契約負債2,661百万円(同6.9%減)、預り金27百万円(同88.7%減)であります。
固定負債は123百万円(同15.8%減)となりました。主な内訳は繰延税金負債74百万円(同23.7%減)であります。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は6,422百万円(前連結会計年度末比19.0%増)となりました。主な内訳は、資本金317百万円(同-%)、資本剰余金3,816百万円(同2.9%増)、利益剰余金2,478百万円(同36.5%増)、その他有価証券評価差額金△449百万円(同17.1%減)であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。また、当第3四半期連結累計期間中に生じた新たな対処すべき課題もありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。