有価証券報告書-第29期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

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2020/09/30 13:20
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、2019年10月の消費税増税の影響が懸念される中、企業収益や雇用情勢の改善により緩やかな回復基調へと推移すると予想されたものの、2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大(以下、「感染拡大」という。)に伴う国内外の経済活動の停滞や縮小により、急速に景気が悪化し、極めて厳しい状況となりました。
このような環境の下、当社グループは新たに制定した企業理念「Enjoy Your Growth!」を軸に、多様な「成長に、寄り添う。」というミッション実現に向けて事業変革を行うとともに、既存事業の顧客拡大・関係性強化を図ってまいりました。また、新たな事業領域への挑戦のための新事業開発も進めてまいりました。
T&LD事業につきましては、手帳関連商品におけるブランディングおよび新たなチャネルの強化に取り組んでまいりましたが、感染拡大の影響により1月始まり手帳は返品が増加し、4月始まり手帳は低調に推移しました。書籍については、ビジネス書を機軸としつつ、児童書などの新領域のテーマに取り組んでまいりました。
HRM事業につきましては、当社グループが保有する豊富な学習コンテンツの付加価値向上を目的に、HRテックを活用した学習コンテンツの再構成によるデジタルトランスフォーメーションを核とした事業変革に取り組んでまいりました。感染拡大の影響で研修等のサービスは中止・延期となりましたが、こうした取り組みが功を奏し、研修等のサービスの代替需要を獲得することができました。
また、新たな事業領域に挑戦する取り組みとして、これまで培った人材育成のノウハウをASEAN地域へ展開することを視野に、タイに拠点を持つ日本企業における人材育成の課題解決に取り組むべく、7月にタイ・バンコクに駐在員事務所を開設いたしました。さらに、ワーケーション(※)を通じて地方創生と働き方改革を推進する全国の自治体等と連携し、地域ならではの体験や交流に学びの要素を加えた「ラーニングワーケーション事業」を準備してまいりました。連携先として、11月に新潟県妙高市、5月に和歌山県太地町、岩手県釜石市と包括連携協定を締結いたしました。
※ワーケーションとは、ワークとバケーションを組み合わせた欧米発の造語であり、テレワークにより普段の仕事を犠牲にせず、地域でしかできないこと(休暇、地域貢献、研修、ローカルビジネス等)を体験、実現する取り組みです。当社では、2019年初頭にこの分野の先駆者である和歌山県、田辺市、白浜町と包括連結協定を締結し、新事業開発を進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ、98,209千円増加し、12,827,902千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ、539,003千円増加し、9,951,765千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、440,793千円減少し、2,876,136千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の当社グループの売上高は15,419,823千円(前年同期比5.9%減)、営業損失は107,388千円(前年同期は営業利益627,922千円)、経常損失は88,127千円(前年同期は経常利益643,940千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は346,314千円(前年同期は親会社に帰属する当期純利益410,647千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、以下におけるセグメント利益は営業利益ベースの数値であります。
(T&LD事業)
一般消費者向け手帳については、2020年1月始まり手帳を8月下旬に発売し、書店の統廃合による店数の減少や消費者の購買行動の変化に対応するため、ホームセンターでの試験的販売やECサイトでの販売を強化いたしました。また、当社手帳ブランド「NOLTY・能率手帳」発売より70周年を迎えたことにより、長年にわたりご愛顧いただいている顧客への感謝とともに、新たな顧客層へのブランド周知に向けて70周年記念商品を発売いたしました。長年当社商品を販売いただいている小売店の限定販売商品やデジタルツールとの併用でも活用できるメモ機能を拡充した新商品が好評となりました。10月からの消費税増税は駆け込み購入を促し、その後の反動減はありましたが、消費税増税による1月始まり手帳の購買落ち込みはありませんでした。
また、2020年4月始まり手帳を1月下旬に発売し、就職活動をおこなう大学生を対象に、大手就活情報サイト「マイナビ就活ナビ」とのタイアップによるプロモーション実施や、PAGEMブランドの手帳購買促進を目的にフラワーギフト券などをプレゼントする店頭キャンペーンを実施するなど、販売強化施策に取り組みました。さらに、手帳関連商品として、NOLTYブランドを冠したノート『NOLTY notebook』を発売いたしました。レイアウト、専用ペーパー、製本技術などの手帳づくりのノウハウを注いだ手帳品質のノートである点が取引先に評価され計画通りに出荷いたしました。
2月以降、感染拡大による政府の緊急事態宣言等により、ほとんどの書店や文具店が時短営業や休業となり、消費者も外出を自粛したため全国的に来店客数が減少しました。この状況を鑑み、ECサイトでの販売を強化し、4月より送料無料キャンペーンをおこなったことでEC販売数は増加しました。しかし、1月始まり手帳の返品が増加し、4月始まり手帳の販売が低調に推移したため、売上高は前年同期を下回りました。
企業向け手帳については、感染拡大の影響を受ける前に顧客への納品を終えたことにより順調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。
学校向け手帳『NOLTYスコラ』については、手帳活用優秀者を選ぶ大会「第8回手帳甲子園」を開催し、手帳をご愛顧いただいている顧客との交流および新規採用校の獲得に取り組みました。また、販路拡大のために、書店とECサイトで『NOLTYスコラ』の販売を開始いたしました。感染拡大による休校で営業活動が滞りましたが、迅速なオンライン営業の立上げ、ウェブセミナーの積極的な実施により、売上高は前年同期を上回りました。
書籍は、累計で新刊99冊を発行いたしました。単行本においては『ザッソウ 結果を出すチームの習慣』が好評を得ました。また、新領域として挑戦している児童書分野においては、『男子は、みんな宇宙人!』が好評を得ました。さらに、eco検定や食生活アドバイザー等の各種資格・検定試験関連書も引き続き堅調に推移しました。しかし、3月から5月は感染拡大にともなう書店の休業の影響から出荷が減少し、売上高は前年同期を下回りました。
この結果、売上高は8,108,661千円(前年同期比3.6%減)、セグメント利益(営業利益)は359,978千円(同47.3%減)となりました。
(HRM事業)
デジタルトランスフォーメーションを核とした事業変革として、当社グループが保有する豊富な学習コンテンツから、診断などを活用して、自分が高めたい知識やスキルを見つけ、選択し、組み立てていく学び方である「ビュッフェスタイル学習」をスタートいたしました。その第一弾として、管理職に求められる知識・スキルを1年間定額で学べるWeb学習サービス『マネジメント・ビュッフェ』を2019年6月に、第二弾として、新入社員に求められる知識やスキルを1年間定額で学べるWeb学習サービス『フレッシャーズ・ビュッフェ』を11月にリリースいたしましたところ、大型受注もあり順調に売上を拡大させました。また、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践する「健康経営」の取組みの推進や健康リテラシー向上を目的として、株式会社ルネサンスと共同で開発・提供する新たなeラーニングサービス『健康経営ライブラリ』を3月にリリースいたしました。在宅勤務増加による社員の健康管理ニーズの高まりもあり、順調に契約数を増加させました。
2月以降、感染拡大による政府の緊急事態宣言等により、研修およびアセスメントの実施延期や中止の影響がありました。6月には研修を再開する動きも出始め、オンラインでの開催も増え始めたものの、売上高は前年同期を下回りました。一方、感染拡大の防止策として時間も場所も選ばず個人で学ぶことができる通信教育とeラーニングの利用を積極的に提案いたしました。とくに、『フレッシャーズ・ビュッフェ』が4月から5月に出社を自粛する中での新入社員研修の代替手段として活用され、新規顧客の獲得にも貢献したことで売上高は前年同期を上回りました。
この結果、2019年10月の消費税増税による影響はとくにみられなかったものの、売上高は7,311,161千円(前年同期比8.4%減)、セグメント利益(営業利益)は1,321,935千円(同23.7%減)となりました。
なお、セグメント利益の調整額として△1,789,302千円があり、セグメント間取引消去及び全社費用であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ754,456千円増加し、当連結会計年度末には4,597,161千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、638,480千円(前年同期416,927千円の収入)となりました。これは主に売上債権の減少586,610千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、646,239千円(前年同期303,331千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得260,335千円、無形固定資産の取得370,788千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により得られた資金は、714,549千円(前年同期は853,951千円の支出)となりました。これは主に短期借入れによる収入1,000,000千円によるものです。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
生産高(千円)
前年同期比(%)
T&LD事業4,901,51898.6
HRM事業1,996,61791.3
合計6,898,13596.4

(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
受注高(千円)
前年同期比(%)
T&LD事業2,612,930104.2
合計2,612,930104.2

(注) 1 当社グループにおいて(株)NOLTYプランナーズおよび(株)新寿堂の2社において受注生産を行っております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
販売高(千円)
前年同期比(%)
T&LD事業8,108,66196.3
HRM事業7,311,16191.5
合計15,419,82394.0

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
日本出版販売株式会社2,151,40513.11,972,28712.8

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析したものであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表及び当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表等の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績などの合理的な基準に基づき見積りを行っておりますが、これらの見積りに基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
②財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ433,589千円増加し、8,221,800千円となりました。これは主に、現金及び預金755,258千円の増加によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ335,379千円減少し、4,606,102千円となりました。これは主に、機械装置及び運搬具107,872千円の減少、繰延税金資産163,873千円の減少によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ851,254千円増加し、5,478,094千円となりました。これは主に、短期借入金1,000,000千円の増加によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ312,251千円減少し、4,473,671千円となりました。これは主に、長期借入金177,720千円の減少、退職給付に係る負債134,691千円の減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ440,793千円減少し、2,876,136千円となりました。これは主に、利益剰余金444,880千円の減少によるものであります。
③経営成績の分析
(売上高)
売上高は、上期は堅調に推移したものの下期にはT&LD事業、HRM事業ともに新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受け、15,419,823千円(前年同期比5.9%減)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、売上高の減少に伴い8,585,030千円(前年同期比7.8%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、給料手当の増加と賞与の減少、外注費の増加と旅費交通費の減少により、8,692,419千円(前年同期比0.0%増)となりました。
(営業利益及び営業損失)
以上の結果、営業損失は、107,388千円(前連結会計年度は営業利益627,922千円)となりました。
(経常利益及び経常損失)
営業外収益は、主に受取賃貸料の計上及び助成金収入の発生により30,306千円(前年同期比12.2%増)となりました。営業外費用は、前連結会計年度と比べ大きな変動がなく11,044千円(前年同期比0.5%増)となりました。
以上の結果、経常損失は、88,127千円(前連結会計年度は経常利益643,940千円)となりました。
(税金等調整前当期純利益及び税金等調整前当期純損失)
特別損失は、主に減損損失の計上により47,049千円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純損失は、135,126千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益639,736千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純損失)
税金費用は212,431千円(前期比7.2%減)となり、非支配株主に帰属する当期純損失が1,243千円となりました結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、346,314千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益410,647千円)となりました。
なお、セグメント別の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りであります。
④キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りであります。
⑤当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、委託販売制度(返品条件付販売)があります。委託販売制度とは、出版業界における特殊な慣行であり、当社グループが取次及び書店に配本した出版物について、配本後、約定期間内に限り返品を受け入れることを条件とする販売制度であります。当社グループではそのような返品による損失に備えるため、返品損失見込額に対し、返品引当金を流動負債に計上するとともに、返品量を低減させるための対策として、制作数量や配本の適正化により対応していく所存であります。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の購入費用及び原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

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